病棟勤務の看護師は、責任感のある業務とハードな労働環境の中で、多くの学びと経験を得ることができます。しかし、その厳しさから「辞めたい」と感じる看護師も少なくありません。
実際に私は、看護師1年目のときに病棟を辞め、別の病院で外来看護師として勤務した後、再び病棟看護師として働いた経験があります。
特に1年目から3年目は看護師としての基礎を築く重要な時期ですが、この段階で辞めることにはリスクも伴います。一方で、心身の健康が限界に達していることや、職場環境が改善される見込みがない場合など、辞めるべき状況も存在します。
このページでは、私の経験をもとに、病棟看護師を辞めたいと感じる9つの理由とその対処法、さらに辞めるべきケースについて詳しく解説します。病棟看護師を辞めるか続けるかで悩んでいる方にとって、新たな一歩を考えるヒントとなれば幸いです。
新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。
1年目~3年目で病棟看護師を辞めたい場合の注意点

1年目から3年目の勤務先は、看護師としての基礎を築く重要な場所です。多くの看護師が病院の病棟勤務を選ぶ理由は、看護技術や知識を最も効率よく習得できる環境だからです。
この時期に培った経験は、その後の看護師人生を大きく左右します。
しかし、夜勤や高度な看護技術が求められる環境、患者ケアの厳しさに直面し、「病棟看護師を辞めたい」と感じる方も少なくありません。
ここでは、1~3年目の看護師に向けて、病棟を辞めたいと考えたときに、気をつけるべきポイントやリスクについて、私の経験から解説します。
看護技術が十分に身につかないリスクがある
病棟勤務では、日々のケアを通じて看護技術が実践的に磨かれます。
例えば、
- 採血、点滴、導尿、吸引など
- 薬の知識と投薬方法
- 医師の処置介助
- 術後の管理
- 日常生活のケア(おむつ交換、保清や食事介助など)
など、基礎的かつ重要な看護技術が要求され、1年目~3年目の時期に覚えた看護技術が、看護師としてのベースとなるでしょう。
また、病棟は看護技術だけでなく、判断能力を培うのに最適な場所です。必要なアセスメントを行うためには、患者の病態を深く理解しなければなりません。病棟で治療や処置を担当し、入院患者をケアする中で、仕事の優先順位をつける能力も徐々に養われていきます。
もし、3年目までに病棟看護師を辞めてしまうと、以下のようなリスクが考えられます。
- 患者の病態を判断する力を十分に身につかない
- 手技を身体で覚えていないため、いざという時にスムーズな処置ができない
- 医師との連携がうまくいかず、足手まといになりかねない
病棟勤務の看護師は、急変時に備えて素早く的確に動けることが求められます。そのため、看護技術が中途半端な状態では自信を持てず、不安が伴います。
そして、その不安は看護師から患者にも伝わりやすく、最悪の場合、医療事故を引き起こすリスクが高まることにもつながります。
看護師としての看護技術は、車の免許のようなものです。免許を持っているだけでは不十分で、実際に適切に動けるようになることが必要です。
そのため、看護師として最初の3年目までは病棟を辞めることなく、必要最低限の看護技術と知識、判断力を身につけることを目指すことをおすすめします。
看護師の体験事例
私が病棟で働き始めた頃、1年目から3年目の間は、看護師として最も多くのことを吸収し、成長できる時期だと感じました。この期間は、どの病院でもプリセプター制度などの教育制度が整っており、先輩看護師が指導してくれます。何か分からないことがあれば、すぐに質問できる環境が用意されているため、非常に学びやすい環境です。
例えば、患者さんの状態について悩んでいる場合や、新しい処置に挑戦する際には、先輩看護師が隣でフォローしてくれることが本当に心強かったです。このような手厚いサポートを受けながら経験を積めるのは、看護師として貴重な時期だと思います。
しかし、3年以内に病棟看護師を辞めてしまうと、この「看護師としての学びの期間」が早期に終わってしまう可能性があります。もし、現在病棟看護師を辞めたい理由が人間関係や職場の体制にある場合は、一度別の病院へ転職して、より良い環境で看護の基礎を学び直すことを、私はおすすめします。
一旦病棟を離れると戻りづらくなる
昼夜を問わないシフト体制、生死にかかわる処置対応、入院ストレスを抱えた患者のケアなど、看護師が勤務する職場の中では、病棟勤務が一番大変な仕事だと私も感じます。
そのため、一旦病棟を辞めて負担の少ない外来やクリニック、老人施設などに転職する看護師も少なくありません。
このような選択は働き方を見直す上で一つの方法ですが、もう一度病棟で働きたいと思った場合には、病棟勤務の経験年数によっては復帰のハードルが高くなる可能性があります。
さらに、3年未満の病棟経験の場合は、「臨床経験が浅い」と見なされることもあり、再挑戦には大きな勇気と努力が必要です。
これを避けるためにも、体力のある1年目から3年目の間に病棟での経験を積み、基礎的な技術と判断力を身につけておくことをおすすめします。
看護師の体験事例
私は看護師として新卒で入った病棟での環境が合わずに1年目で病院を辞めました。
次の病院では病棟を希望していましたが、臨床経験がないことや即戦力にならないことが原因で外来の配属となりました。
しかし、私は今後、看護師として働くために病棟経験を積みたい気持ちが強く、病棟への異動を考えましたが、あのキツさを思うと戻るのにすごく躊躇しました。
結局、外来勤務から2年経過したのち、病棟に異動し、そこで一から学びなおす気持ちで取り組んだので、一通りの看護技術を習得することができました。
私と同じようなことで悩んでいる外来看護師もおり、1年目から3年目で病棟看護師を辞める場合は、病棟を辞めた後で自分がどう考えるかをイメージしておいたほうがよいでしょう。
医療の全体的な流れを理解しづらくなる
病棟勤務は、患者の入院から退院、そしてその後のケアに至るまで、看護師として医療プロセス全体を理解するための重要な経験を得られる場です。
特に病棟看護師として3年以上の勤務が推奨される理由は、以下の通りです。
看護師1年目は業務に慣れることで精一杯で、基礎的なスキルを学ぶ段階です。看護師2年目には応用力や視野が広がり始めますが、まだ医療の全体像を把握するには至りません。看護師3年目以降になると、業務に余裕が生まれ、患者ケアのプロセス全体を俯瞰して考えられるようになります。
そのため、看護師として3年以上の経験を通じて、判断力や優先順位をつける力、多職種との連携力を磨き、患者の状態や医療の流れを包括的に理解できるようになります。
1年や2年ではこのレベルに到達しにくいため、病棟での3年間の経験がキャリアを支える基盤として重要なのです。
看護師の体験事例
私が病棟看護師として働いていた際、実感したことは、医療は一カ所で完結しないということでした。
患者さんの症状や状態に応じて、治療を受ける場所が次々と変わっていきます。例えば、病棟での入院治療が終わると、クリニックでの通院治療、施設での療養生活、さらには在宅治療へと移行していきます。この流れを理解し、患者さんがどのようなプロセスをたどってきたのかを知ることは、看護師として非常に重要だと感じました。
だからこそ、病棟での経験を少なくとも3年間積むことを、これから看護師として成長しようとしている方々にぜひおすすめしたいです。
看護師としての転職の選択肢が狭くなる
看護師としての病棟経験が3年以上ない場合、転職をする際の選択肢が限られてしまう可能性があります。
理由としては、病棟では初期教育の機会が設けられていますが、例えばクリニックや介護施設のような職場では、看護師を教育する余裕はなく即戦力を求めている場合が多いからです。
また、どの施設の採用担当者でも、3年以上の臨床経験がない看護師は、基礎的な知識や技術が身についてないと判断される場合も多いでしょう。
そのため、看護師としての基礎力をしっかりと身につけるためにも、少なくとも3年間は病棟勤務を経験することが推奨されます。
看護師の体験事例
私は1年目で病棟を辞めたと伝えましたが、その際の転職先はとても限られたものでした。
看護師免許さえあれば良い職場や、ゼロから教育してくれる病院でかつ、新人ではない看護師を受け入れてくれる病院に限定されました。
また、病棟看護師を辞めるのが早ければ早いほど、早期離職の印象が、看護師としてのキャリアに影響を及ぼす可能性もあります。
看護師免許があれば、長い人生の中で仕事に活用する機会がありますが、病棟経験3年以上あった方が、間違いなく選択肢が広がります。
看護師としての自信がなくなる可能性がある
病棟勤務は、看護師としての基礎的なスキルや自信を培う場です。患者の容体変化に迅速に対応したり、多職種と連携して治療計画を進めたりする経験は、看護師としての成長を大きく促します。しかし、これらの経験を十分に積む前に辞めてしまうと、看護師としての自分に自信が持てなくなる可能性があります。
特に、3年目までの短期間で病棟を辞めてしまうと、「自分は看護師に向いていないのではないか」と感じてしまうことがあります。同級生や同期入職者の看護師と自分を比較して、「病棟で頑張れなかった」と劣等感を抱き、将来への不安を募らせることも少なくありません。
また、看護学校卒業後は多くの人が病棟勤務からキャリアをスタートさせるため、3年目までに辞めてしまうと、自分だけ取り残されたように感じることもあります。
こうした不安や劣等感が、看護師としてのキャリアに対する自信を喪失させる原因になる可能性があります。
看護師の体験事例
「病棟を辞めたい」という思いの理由が、病棟業務そのものではなく、配属先のルールや雰囲気、人間関係に起因する場合は、辞めるのを急ぐのではなく、まず上司に相談して他の病棟に異動できる可能性を探るのも一つの方法だと私は感じます。
3年目までに病棟を辞める選択をする前に、自分の状況や理由をじっくりと見つめ直し、解決策を模索してみましょう。
1年目~3年目でも病棟看護師を辞めるべきケース

1年目~3年目の病棟看護師は、辞めない方が良いことやリスクを説明してきました。しかし、私の経験からですが、病棟看護師を辞めたほうが良い場合があります。
以下の場合に該当する看護師の方は、経験年数に関わらず辞める検討をすることをおすすめします。
心や身体を病んだ場合
看護師としての病棟勤務は多忙な業務と責任感が重く、体力的にも精神的にも負担が大きい職場です。
長時間の勤務や夜勤が続くと、慢性的な疲労や睡眠不足に陥りやすく、これが原因で健康を損なうこともあります。また、患者のケアや急変対応で緊張を強いられる場面が多く、これが積み重なると精神的な不安定さを引き起こす可能性があります。
具体的には、常に体調が悪い、仕事に行くことが苦痛でたまらない、気力が湧かないといった状態が続く場合、心や身体が限界を迎えているサインかもしれません。さらに、医療ミスへの恐怖やプレッシャーで眠れない、些細なことで涙が出るなどの症状が現れる場合も、危険信号といえます。
このような状態で無理を続けると、心身の健康をさらに損なうだけでなく、患者へのケアにも影響が出る可能性があります。自身の健康を守るためにも、早めに退職を検討し、新たな環境で働くことを選ぶべきです。
職場環境が改善される見込みがない場合
人間関係や職場の体制が原因で働きづらいと感じている場合、それが短期間で改善される可能性が低いと判断される場合には、例え1年目~3年目の看護師でも辞める選択も必要です。
例えば、上司や同僚からの理解が得られず、業務が過重になることや、不公平な扱いを受けている場合、長期的にその環境にいることで、ストレスが慢性化する恐れがあります。
特に、組織全体が人員不足で改善策が取られない、同じ問題が何年も放置されているといった場合には、期待を持つよりも、新しい職場を探す方が現実的です。1年目~3年目はまだ若く、次の環境で再スタートを切るのに適した時期でもあります。悪化した環境にとどまり続けることは、自分自身の成長を阻む結果になりかねません。
明らかなハラスメントを感じる場合
看護師が職場でパワハラやセクハラ、その他のハラスメントを受けている場合は、辞めるべき状況です。上司や同僚からの不適切な言動や行動が繰り返されると、精神的に追い詰められ、健康や仕事のパフォーマンスに悪影響を及ぼします。
特に、改善を試みても状況が変わらず、さらに被害が拡大するようであれば、その環境を離れることが最善の選択です。
ハラスメントが行われる職場では、業務の適切な遂行が難しくなるだけでなく、働く人の人格や尊厳が損なわれる可能性があります。このような状況下では、自分の安全と尊厳を守るため、退職を検討すべきです。
自分のキャリア目標・働き方と大きく異なる場合
看護師として目指すキャリアや理想の働き方が、現在の病棟勤務と大きくかけ離れている場合も、辞めるべきタイミングです。
例えば、専門性を深めたい、特定の診療科で経験を積みたい、あるいはプライベートを大切にしたいといった目標がある場合、それに沿った環境に移る方が将来的な成長や満足感につながります。
現職でその目標が叶えられないだけでなく、努力しても環境が変わる見込みがない場合は、適した環境への転職を検討すべきです。1年目~3年目の経験を活かし、キャリアを再設計することで、より充実した看護師人生を築くことができるでしょう。
病棟の看護師を辞めたい理由と対処法

病棟勤務は看護師として成長できる場ですが、1年目~3年目以外の看護師でも、その厳しい環境から「辞めたい」と感じることもあります。
以下では、病棟看護師を辞めたい理由と、それに対する対処法を私の経験から解説していきます。
1.仕事が忙しい・ハード
看護師としての病棟勤務は、患者の容態変化への対応や、複数の業務を同時進行で行う必要があるため、非常に忙しい職場です。
診療科によって差はありますが、入院患者が多い病棟では、観察やケア、検査の介助、搬送などに追われ、昼休憩を取る時間さえ確保できないことも珍しくありません。
さらに、緊急入院が発生すると、突然業務量が増え、対応に追われることもあり、仕事が忙しい・ハードであることから、病棟看護師を辞めたくなります。
対処法
業務の優先順位を見直し、効率よく仕事を進める工夫をすることが重要です。それでも忙しさが改善しない場合は、同じ病院内の他の病棟への異動を検討するのも一つの方法です。
診療科によって業務の忙しさには大きな差があり、内科は比較的落ち着いていることが多く、外科は忙しいことが多い傾向があります。こうした異動や配属替えを希望する際は、上司に相談して自分に合った働き方を模索しましょう。
また、病棟勤務がどうしても体力的・精神的に厳しい場合は、外来への異動や転職も選択肢の一つでしょう。
2.残業が多い
病棟に勤務する看護師は、患者のケアや急変対応、緊急入院への対応が発生するため、定時で業務を終えられないことが多々あります。
特に日勤では、予定外の業務が重なり、記録業務や翌日の準備が時間外に持ち越されることも少なくありません。
このような残業の積み重ねが、プライベートの時間を圧迫し、疲労感を増大させ、「辞めたい」と感じる一因となることがあります。
対処法
まずは、自分の仕事の進め方を見直してみましょう。看護師としての業務の優先順位を明確にし、効率よく時間を使えているかを確認することが重要です。
記録業務はその都度進めるよう心がけたり、ルーチン作業を工夫したりすることで、残業時間を減らせる可能性があります。
また、周囲との協力も大切です。自分だけが残業している場合は、同僚や先輩看護師に協力を依頼することや、上司に相談して業務の分担を見直すことを提案しましょう。
それでも改善が難しい場合は、残業が少ない他の部署への異動や転職を検討するのも一つの方法です。
転職時には、看護師の労働条件や勤務体制をしっかりと調べることを行いましょう。
3.看護師同士の人間関係
病棟では、新人から定年前のベテランまで、幅広い年齢層の看護師が働いています。そのため、価値観や働き方に違いが生じやすく、ストレスの要因となることがあります。
さらに、看護師の多くが女性であるため、上下関係や派閥、陰口など、人間関係が複雑化しやすい傾向もあります。
このような環境では、病棟の雰囲気に馴染めず、辞めたいと感じることも少なくありません。
対処法
まずは、病棟内で信頼できる人や話しやすい仲間を見つけることが大切です。同期の看護師や、年齢が近い先輩に相談し、悩みを共有することで気持ちが軽くなることがあります。また、同じ病棟内で相談しにくい場合は、他の病棟の看護師に話を聞いてもらうのも良いでしょう。
悩みを看護師一人で抱え込むのではなく、人に話を聞いてもらうだけでも心が軽くなり、状況に向き合う力が湧いてきます。また、プライベートで飲み会や遊びなどを楽しむことで、仕事で溜まったストレスを発散するのも効果的です。
さらに、人間関係を「仕事上の付き合い」と割り切って接することも一つの方法です。全ての人と良い関係を築くことは難しいため、必要以上に深入りせず、適切な距離感を保つことで余計なストレスを回避できます。
ただし、人間関係のストレスがどうしても解消できない場合は、病棟を異動するか、別の職場への転職も視野に入れることで、環境を変えることを視野に入れましょう。
4.医師との関り
医師との関係にストレスを感じることや悩む看護師は少なくありません。
医師の中には、コミュニケーションが取りづらいと感じる人もおり、曖昧な指示や急な変更に戸惑うこともあります。
また、医師は看護師よりも立場が上と見なされがちなため、パワハラやセクハラに悩むケースもまだ見受けられる現状です。特に病棟勤務では、患者のケアに必要不可欠な医師との連携が多いため、医師との関係が良好でない場合には、業務に支障をきたすことがあります。
対処法
まずは、同僚の看護師に相談することをおすすめします。特に、その医師とのコミュニケーションが上手な看護師に、どのように接すれば良いかを尋ねると、具体的なアドバイスが得られることがあります。また、曖昧な指示がストレスになっている場合は、冷静に具体的な質問をするよう心がけ、正確な情報を引き出す工夫をしてみましょう。
もしもパワハラやセクハラが問題となっている場合は、放置せず、副師長や師長といった上司に相談することが最善の方法です。病院の内部ルールや相談窓口を利用し、適切なサポートを求めることが必要です。
さらに、プライベートでリフレッシュする時間を作り、仕事のストレスを軽減するのも効果的です。医師との関わりにおいて、全てを完璧にこなそうとするのではなく、相談やストレス発散の方法を上手に活用しながら、無理なく仕事を続けることが大切です。
5.患者との関わり
患者との接触は看護師の仕事の重要な一部ですが、さまざまな性格や態度の患者と接する中で、嫌な思いをしたりストレスを感じたりすることは少なくありません。
特に、患者からセクハラを受けたり、高圧的な態度を取られたり、看護師を「お手伝い」のように扱われたりすると、大きな負担となります。
さらに、病棟では退院するまで長期間関わることが多いため、苦手な患者との関係が続くことで辞めたいと感じることもあります。
対処法
まず、セクハラや高圧的な態度を受けた場合は、師長や主治医に相談することが重要です。仕事だからといって全てを我慢する必要はありません。上の立場の人が一言注意するだけで解決する場合も多いため、早めに適切なサポートを求めましょう。
また、患者との関わりで困った際は、同僚の看護師に相談し、同じような経験をしたことがあるか聞いてみるのも有効です。経験者から具体的なアドバイスをもらい、実践することで関係が改善する場合もあります。それでも問題が解決せず、関わりが大きなストレスとなっている場合は、上司に相談してその患者の担当を外してもらえるよう依頼しましょう。
看護師として患者と接する以上、患者との関わりを完全に避けることは難しいものです。異動や転職をしても同様の問題が発生する可能性があるため、まずは適切な相談や対処法を活用しながら、ストレスを軽減する工夫をしてみましょう。
どうしても患者との関りが苦手な看護師の方は、「患者と関わりたくない看護師の転職先18選!」も合わせて確認しましょう。
6.休みが取れない
病棟勤務では、人員不足や急なシフト変更の影響で休みが取りづらいことがあります。
計画していた休みがキャンセルされたり、休み希望を出しても受け付けてもらえなかったりすることがあり、プライベートの時間が削られることでストレスを感じる看護師も少なくありません。さらに、年休という制度があっても、それを実際に使えない病院も多いのが現状です。
対処法
まず休みが取れない理由を把握し、上司と相談してみましょう。それでも休みが取れない雰囲気がある場合や、状況が改善しない場合、人員不足が原因である場合は、看護師として転職を視野に入れるのが現実的な解決策となることがあります。
休みが取りやすい職場を探すには、看護師転職サイトを利用し、年間休日が多く、年休取得率が高い病院を見つけるのがおすすめです。
また、看護師の人数がしっかり確保されている病院では、休みの希望が通りやすいことが多いため、転職先の選定時にはその点を確認すると良いでしょう。
休日が多い病院・病棟に転職したい場合は、合わせて「休日が多い職場に看護師転職したい!4週8休制や週休2日制・年間休日120日以上違いは?」も確認しておきましょう。
7.勉強会や研修が多い
病棟勤務では、日々の業務に加えて、勉強会や研修に参加することが求められる場合があります。
特に規模が大きな病院では、これらの参加が義務化されていることも多く、休日や業務時間外であっても、参加しなければならないことがあります。
しかし、これらに参加しても給与には反映されないことが多く、休みが削られることや、残業時間が増えることで、辞めたいと感じる原因になることがあります。
対処法
まずは、勉強会や研修の重要性を見極め、優先順位をつけて無理のない範囲で参加するようにしましょう。すべての勉強会に参加するのではなく、自分のスキルや業務に直結するものを選ぶことで、負担を軽減できます。また、時間外の負担が大きい場合は、上司に相談し、参加方法やスケジュールを調整してもらうのも一つの方法です。
それでも状況が改善されない場合や、勉強会や研修への参加が大きなストレスとなっている場合は、転職を検討するのも現実的な選択肢です。施設やクリニックでは、勉強会や研修がほとんど行われない職場も多いため、そういった職場を探すと良いでしょう。
8.仕事に対しての給与が不満
病棟勤務は非常に責任が重く、ハードな業務が多い一方で、それに見合うだけの給与が支給されていないと感じる看護師も少なくありません。
その理由として、日勤・夜勤の変則的な勤務体系や、残業の多さ、さらに勉強会や研修会への参加による拘束時間が挙げられます。これらの要因により、仕事に対する報酬が不足していると感じるケースが多いのです。
特に、夜勤手当を除いた基本給与が少ないために、責任の重さや労働量と給与が見合わないと感じる看護師が多いのも事実です。給与に対する不満は、看護師のモチベーションの低下やキャリアの見直しを考える要因となることがあります。
対処法
まずは、給与に見合った仕事量の部署に異動を希望することが一つの方法です。例えば、比較的業務が落ち着いている部署や、残業が少ない部署に異動することで、給与への不満を緩和できる場合があります。
それでも不満が解消されない場合は、給与面を重視した転職を検討するのも現実的な選択肢です。
同じ規模の病院でも給与体系は異なるため、転職先の候補として、給料が高い病院や待遇が良い職場を探すことをおすすめします。
同じ職場で年収アップを目指す方は「看護師が年収アップ・給料アップする12つの方法・体験談」も合わせて確認してみてください。
9.他の病棟への異動
病棟勤務では、不定期に部署異動が発生することがあります。希望する部署に異動できる場合もあれば、全く希望していない部署に異動命令が出ることもあります。
この異動命令は通常、拒否することが難しく、経験年数に関わらず、突然未経験の診療科に配属されることも少なくありません。
新しい部署や既に出来上がった人間関係の中に飛び込むことは、不安やストレスを感じる要因となることがあります。
対処法
部署異動後に病棟看護師を辞めたいと感じる場合、まずは新しい部署に早く慣れることを目標にしましょう。
新しい環境に慣れることで、不安やストレスが軽減され、辞めたい気持ちが和らぐことがあります。そのためには、誰に対しても低姿勢で接し、自分から積極的に仕事を教えてもらえるよう働きかけることが大切です。
どうしても現在の部署に馴染めない場合は、上司に相談して再度、部署異動の可能性を探るのも一つの方法です。それでも解決が難しい場合には、転職を検討することも選択肢となります。
部署異動前であれば、こちらの「看護師の部署異動(病棟異動)を拒否して断るテクニックはある?」も合わせて確認しておきましょう。
病棟からの看護師転職におすすめの求人サイト

病棟勤務の看護師が施設やクリニックへの転職を考える場合や、別の病院で病棟勤務を再スタートする場合には、看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)の活用がおすすめです。
看護師転職サイトを利用するメリットは、病棟での経験年数や希望する働き方に応じて、専任の担当者が最適な求人を提案してくれる点です。さらに、転職先が決まるまでのサポートだけでなく、現在の職場の退職に関する相談にも対応してくれるため、スムーズに次のステップへ進むことができます。
「この臨床経験では入れる病院がない」「転職先が見つからない」と不安に思う必要はありません。希望する条件を担当者に伝えることで、あなたに合った求人を見つけてもらうことができます。特に、臨床経験が浅い看護師の方は、各看護師転職サイトが保有する求人情報や提案される求人が異なるため、以下の3社の看護師転職サイトに登録し、求人情報を比較することから始めましょう。
看護師求人数No.1!レバウェル看護
| 転職相談 | 面接対策 | 条件交渉 | 退職相談 |
|---|---|---|---|
| サイト名 | レバウェル看護(旧:看護のお仕事) |
|---|---|
| 運営会社 | レバレジーズメディカルケア株式会社 |
| 公開求人数 | 133,944件(2026年5月7日時点) |
| 非公開求人 | 豊富 |
| 対応職種 | 正看護師、准看護師、助産師、保健師 |
| 対応 雇用形態 | 常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤 |
| 対応施設 | 総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター |
| 対応 診療科目 | 内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科 |
| 対応配属先 | 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡 |
| 対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
| 特徴 | ・看護師の転職求人が豊富 ・転職支援サービスが手厚い ・転職の相談から行える ・院内・施設内情報に強い |
レバウェル看護(旧 看護のお仕事)は、看護師転職サイトの中でも断トツに看護師求人が豊富で、ハローワークの看護師求人もカバーしています。
さらに、年間5,000件以上、病院等に対してインタビューや情報収集を行っているため、提案される求人の病院・クリニック・施設情報も正確に把握している可能性が高いです。
また、担当者も丁寧にヒアリングを行ってくれるため、利用する看護師にも人気があります。
病棟看護師を辞めて違う職場を考えている方や、病棟から違う病院の病棟等に転職を考えている方は、必ず活用しておきましょう。
公式サイト:https://kango-oshigoto.jp/
転職のプロ!ナース専科 転職
| 転職相談 | 面接対策 | 条件交渉 | 退職相談 |
|---|---|---|---|
| サイト名 | ナース専科 転職(旧 ナース人材バンク) |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社エス・エム・エス |
| 公開求人数 | 20万件以上 |
| 非公開求人 | 豊富(会員限定のレア求人あり) |
| 対応職種 | 正看護師、認定看護師、准看護師、助産師、保健師、管理職 |
| 対応 勤務形態 | 常勤、常勤(日勤のみ)、常勤(夜勤あり)、常勤(夜勤のみ)、非常勤 |
| 対応施設 | 病院、クリニック、訪問看護、企業、保育園、幼稚園、学校、その他 【介護施設】 居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、訪問介護事業所、介護老人保健施設、軽費老人ホーム、デイケア事業所、小規模多機能、訪問入浴事業所、看護小規模多機能居宅介護、有料老人ホーム、デイサービス事業所、グループホーム、特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者専用住宅、ショートステイ事業所、訪問リハビリ事業所、介護医療院 |
| 対応 診療科目 | 美容、産婦人科、整形外科、眼科、外科、呼吸器科、循環器科、精神科/心療内科、小児科、皮膚科、形成外科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、消化器科、内科、透析、その他 |
| 対応配属先 | 病棟、外来、オペ室、透析、その他 |
| 対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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| 対応施設 | 病院、クリニック、介護施設、デイサービス、訪問看護、企業その他 |
| 対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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他の看護師転職サイトの違いとして、転職前のキャリアの相談を重視しており、1年目~3年目で病棟勤務を辞め、転職を検討する場合におすすめです。
また、看護師の正職員からパート・アルバイトまでの転職支援を積極的に行ってくれます。そのため、転職に悩んでいる看護師の方は活用がおすすめです。
公式サイト:https://iryo-de-hatarako.net/
まとめ
病棟勤務は、看護師として成長するための貴重な場であり、多くの経験を積むことができます。さらに、病棟勤務の経験は、必ずあなた(看護師)の未来に役立つ財産となるはずです。
しかし、厳しい労働環境や人間関係、働き方のミスマッチから、「辞めたい」と感じることもあります。ここでは、病棟看護師が辞めたい理由とその対処法を解説しましたが、最も大切なのは、自分の心身の健康とキャリアプランを大切にすることだと私は感じます。
そして、それぞれの辞めたい理由と対処法を説明しましたが、自分自身にあった対処の方法を実践することが一番です。
また、病棟を辞めるかどうかを決断する際には、冷静に自分の状況を分析し、必要であれば信頼できる人に相談することをおすすめします。
この記事が少しでも病棟を辞めたいと思っている看護師の方の役にたてば幸いです。
新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。



