大学病院から転職したい看護師が知るべき5つのこと:体験談

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大学病院で働く看護師は、超急性期で非常に忙しく多くの研修・看護研究や時には勤務時間外にも行わなければならないこともあり苦痛と感じるため、ある程度経験を積むと他病院や施設への転職を考える看護師は多いです。

大学病院から転職したいと考えた際には、「大学病院で働く場合」「転職した場合」それぞれのメリット・デメリット等を考えてみることで転職時の失敗や後悔を減らすことができるでしょう。

ここでは、家庭を優先するため大学病院を退職し、有料老人ホームやデイサービスへ転職した私の実体験をもとに、大学病院から転職したい看護師が知っておくべきことについて説明していきます。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 愛知県/29歳
  • 職務経験:大学病院、有料老人ホーム、デイサービス、訪問看護
  • 診療科経験:混合病棟
大学病院で4年間勤務後、結婚のため退職。出産も経験し3児の母。他施設の非常勤看護師の経験を経て、現在は有料老人ホームで正社員として活躍中。
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1.転職先によってはキャリアを失う可能性がある

転職先によってはキャリアを失う可能性がある

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看護師が大学病院から転職する際には、キャリアを失う可能性があります。

それでは、以下で詳しく説明していきます。

 

(1)大学病院で積み重ねてきた経歴が無駄になる可能性がある

大学病院で働いていると、

  • 研修に参加
  • 看護研究を行う
  • 院内の資格をとってキャリアップをはかる

等が可能ですが、転職するとそれらが全てなかったことになる可能性もあります。

大学病院での経歴が無駄になる例

クリニカルラダーは、それぞれの段階での到達目標を達成することにより看護師としてレベルアップ、さらにはキャリアアップにつながるシステムになっています。

大学病院や総合病院などで取り入れることが多いクリニカルラダーは、個人病院やクリニック、施設では取り入れていないことが多く、そのような職場へ転職した際には取得したラダーは無駄になってしまうことがあります。

 

(2)勉強できる環境が不十分になる

大学病院で働いている間は最先端の治療を学ぶことができましたが、特に個人病院やクリニック、施設に転職すると最先端の治療を学ぶことができなくなります。

なぜなら、個人病院やクリニック、施設では勉強会や研修があっても看護師の教育システムが整っていないことが多いためです。

また、総合病院では教育システムが整っていますが、大学病院と比べると不十分に感じる可能性もあります。

 

(3)待遇が配慮されないこともある

病院や個人病院では、大学病院を経験した看護師であっても待遇など含めて配慮されない場合があります。

また、中途入職者は昇進や昇給が、新卒から転職先の病院にいる看護師に比べて難しかったり、少なかったりすることもあるため注意が必要です。

 

2.転職先の仕事に物足りなさを感じる場合もある

転職先の仕事に物足りなさを感じる場合もある

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大学病院で働いていた看護師にとっては、転職先の業務に物足りなさを感じることもあるでしょう。

どのようなことに対して物足りなさを感じるのか、以下で詳しく説明していきます。

 

(1)仕事内容に物足りなさを感じる

超急性期で忙しい現場の大学病院から療養型病院や施設などへ転職した場合、仕事内容に物足りなさを感じる場合があります。

ゆっくりとした現場で患者の状態変化がほとんどなく、時には看取りが主になるため「やりがいを感じない」「物足りなさを感じる」等のことがあります。

 

(2)教育システムに物足りなさを感じる

大学病院では教育システムが整っており、研修に参加して定められた単位を取得するようになっており、看護師ごとの教育目標も決められています。

しかし、転職先では教育システムや研修がない場合もあり、物足りなさを感じるでしょう。

大学病院の研修では、認定看護師・専門看護師・外部講師・大学教授の講義を聞く機会があり、非常に充実しています。

 

(3)業務に対する意識の低さを感じる

大学病院では、

  • 「患者の病態をアセスメントしながら看護を行う」
  • 「業務はエビデンスに沿いながら行う」

等が当たり前ですが、転職先では医師に指示されたことしかせず、自身でアセスメントをしない等、業務に対する意識の低さから物足りなさを感じることがあります。

転職先では、病院や病棟の決まり事がエビデンスに十分に沿っていないため、疑問点が出てくることがありますが「転職先の看護師はその疑問点に気付いていない」「疑問点に気付いていてもこの病院のやり方だからと諦めている」等、なぜ改善しないのかと馴染めないこともあります。

 

3.大学病院出身だからと疎まれる場合もある

大学病院出身だからと疎まれる場合もある

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大学病院に勤務していた看護師が個人病院やクリニック、施設等に転職するとあまりよく思われない場合もあります。

それでは、以下で大学病院出身の看護師がどう思われるのかについて見ていきましょう。

 

(1)大学病院出身の看護師は扱いづらいと思われていることがある

個人病院・クリニック・施設は、大学病院に比べると医療機器がない場合や体制が整っていない場合があります。

そのため、現場に馴染めず、病院や病棟のやり方に疑問を抱き、時には指摘や反発する看護師もいるため大学病院出身の看護師は扱いづらいと思われることがあります。

 

(2)大学病院の看護師は看護技術を懸念される

一般的に大学病院出身の看護師は、採血や静脈注射ができないと思われています。

そのため、特にクリニックでは採血や点滴の技術で看護師としての出来を評価されるため、本当は静脈注射ができるにも関わらず、大学病院出身の看護師は使えないと勘違いされることがあります。

時には転職時に書類選考で落選する可能性もあるため注意が必要です。

静脈注射は医師が行うものと定められていた

平成14年に厚生労働省が法解釈する以前までは、静脈注射は医師が行うものと定められており、大学病院では研修医が採血や点滴管理を行っていました。

法解釈後は、教育を受ければ看護師も静脈注射ができるようになったため、多くの大学病院で看護師が静脈注射をするようになりましたが、大学病院出身の看護師は採血や点滴ができないというイメージは今も強く残っています。

 

4.大学病院からの転職で実際に苦労したこと

大学病院からの転職で実際に苦労したこと

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ここでは、実際に大学病院で勤務した後に転職して苦労したことについて体験談から説明していきます。

 

(1)看護スタッフの知識レベル、意識の違いに戸惑った

私は有料老人ホームへ転職しましたが、転職先には自分より年上の看護師しかいませんでした。

年上の看護師は、経験も多く学ぶことが多いと私は思っていました。

しかし、施設とはいえ、様々な経歴を持つ看護師の集まりのため知識レベルや意識は看護師それぞれで、実際は利用者の状態を十分にアセスメントせずにルーティーンで仕事をしている看護師や、利用者に対する言動に倫理的配慮が欠けている看護師もおり、ショックを受けました。

補足説明!

個人病院やクリニックは、様々な学歴で様々な病院で教育を受けてきた看護師・准看護師が集まるため知識の差が生まれることを把握しておきましょう。

 

(2)医療物品が揃っていない

大学病院を離れる時に、他病院や施設は医療物品が揃っていないことやコスト管理がシビアであることは理解していました。

しかし、大学病院では点滴セット1つにしても新しいものを使用していたため、実際に古いタイプの点滴セットを使用する際には戸惑いました

物品を思うように使えない

褥瘡に対して大学病院で使っていたようなドレッシング材はなかなか使えませんし、ガーゼも節約しながら使わなければならないことも慣れるまで苦労しました。

大学病院ではディスポーザブルの物品が、転職先では消毒して使い回していたことも最初は慣れませんでした。

 

(3)大学病院でキャリアアップする元同期達が羨ましく思えた

転職後、大学病院で働く元同期が部署異動をしたという話や、チームリーダーを任されているという話を聞くと、とても羨ましく思いました。

私は、「大学病院で働いていた時よりも技術や勘が落ちていることに気付く」「大学病院で行われている治療が、以前自分が働いていた時と変わっている」等、話についていけなくなり悔しくなることもありました。

 

(4)大学病院の方が給料は良く、福利厚生も良い

大学病院の方がやはり、

  • 給料は良い
  • 育児休暇が充実
  • 育児時短制度を手厚く取り入れる
  • 院内保育園が整備されている

等があり、特に国公立の大学病院の場合は公務員に近い扱いを受けており、福利厚生は本当に充実していたと転職して実感しました。

 

(5)キャリアアップしたくても何をすればよいのか目標を失った

大学病院に勤めていた時は病院がクリニカルラダーを取り入れていたため、勉強すべき目標が明確でしたし、病院が勧める看護協会や企業が開催する外部の研修が多くあり、自分のラダーや興味あったものに参加できていました。

しかし、転職後はクリニカルラダーのようなものがなく、自分にあった明確な到達目標がなくなりました。

また、研修などに参加する機会もほとんどなかったため、キャリアアップの方法が分からなくなり困りました。

 

5.大学病院だけが看護師のキャリアアップの道ではない

大学病院だけが看護師のキャリアアップの道ではない

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大学病院で働いていた時は勉強会や研修を受け、最先端の治療を見ながら仕事をするためとても勉強になりますが、転職後の大学病院以外でも様々に学ぶことができます。

私の体験談を元に説明していきます。

 

(1)有料老人ホームやデイサービスでも様々なことが学べる

大学病院を辞めて有料老人ホームやデイサービス等に転職すると「キャリアアップの道はもうない」と諦めてしまいがちですが、実際に働いてみると在宅や高齢者に必要な知識や技術、アセスメント方法を学ぶことが出来ます。

さらに、「利用者がどのようなサービスや社会資源を使えるのか」など介護保険や医療保険について学ぶこともできるでしょう。

 

(2)大学病院以外で学べる例

看護領域は、大学病院だけではなく、私は転職して在宅看護と老年看護、地域看護を学びました。

その他の例としては、以下の通りです。

回復期リハビリテーション病院 リハビリについて学べる
療養型病院 老年看護について学べる

看護学生の時の大学病院での実習は、成人看護ぐらいで老年看護や在宅看護は他病院や施設で行ったため、勉強しようと思えば大学病院で学べないことが転職先でも学ぶことができます

 

最後に

大学病院から転職したい看護師が理解しておきたいことについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

大学病院から転職する理由は人それぞれですが、大学病院以外でも考え方ひとつで転職先でも看護師として勉強できることはたくさんあります

大学病院で働くなかで転職を考える看護師は、是非参考にしてみて下さい。


   
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