刑務所看護師の仕事と給与・年収について

看護師の職場にはいろいろな所があり、刑務所で働く看護師もいます。

刑務所で働く看護師は刑務所看護師と呼ばれており、大きく分けると、

  • 一般刑務所内にある医務室で働く場合
  • 医療刑務所の医務室で働く場合

以上、2つが働く場所としてあります。

この記事では刑務所勤務への転職を考えている看護師の方へ、一般刑務所内にある医務室・医療刑務所の医務室の仕事を比較して説明していきます。

1.刑務所看護師の仕事

刑務所看護師の仕事

「一般刑務所」と「医療刑務所」を病院に勤務する看護師の仕事内容と比較しながら説明します。

シンプルに説明すると以下の勤務形態となります。

一般刑務所 医務室勤務
医療刑務所 病院勤務

詳しく確認していきましょう。

 

(1)一般刑務所

一般刑務所:広島刑務所

(例:広島刑務所 画像引用:ウィキペディアより)

一般刑務所では日常的に看護や治療が必要な人が収容されているわけではなく、受刑者が怪我をすることや体調不良になった時に対応するのが主な仕事となり、学校や職場の医務室とそれほど変わらない仕事内容となります。

 

(2)医療刑務所

医療刑務所:八王子医療刑務所

例:八王子医療刑務所 画像引用:ウィキペディアより

医療刑務所は、体や精神面で治療が必要な受刑者が収容されているため、病院勤務のように本格的な看護業務を行うことになります

行う看護業務は一般の病院(病棟)と変わることはなく、診療科別に分かれている施設もあり、幅広くなっているのが一般的です。

働く医療刑務所によって病院の機能が異なるため注意しましょう。

 

医療刑務所の数について

医療刑務所は全国に4つの施設があり、以下の通りです。

八王子医療刑務所 ・収容定員:433人(323床)
・総合病院としての機能がある
・終期末ケアを行っている(4ヵ所で唯一)
・診療科目:内科、外科、整形外科、皮膚科、精神科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、歯科、泌尿器科、放射線科
岡崎医療刑務所 ・収容定員:269人
・精神障害者のみを対象としている病院
大阪医療刑務所 ・収容定員:240人
・病院施設
北九州医療刑務所 ・収容定員:300人
・病院施設

医療刑務所の規模としては、八王子医療刑務所は規模が大きな病院といえます。

また、東京都の府中市には「関東医療少年院(国際法務総合センター)」もあり、看護師求人を募集している場合があります。

 

2.刑務所看護師と病院の仕事・勤務形態で異なる点

刑務所看護師と病院の仕事・勤務形態で異なる点

刑務所看護師の仕事が病院勤務と大きく異なる点は、看護師は一人で受刑者に対面しないという点があげられます

どんな場合でも、看護師が受刑者に看護業務を行う際には、刑務官が立ち会うというルールとなっています。

患者は、もちろん全て受刑者となるため、患者とコミュニケーションをとって人間関係を築くことは難しいといえます。しかし、看護師資格を生かして家庭や育児と両立したい人や、毎日同じ勤務時間で働きたいという人なら、満足感を得ることができる職場といえます。

 

(1)法務技官看護師(国家公務員)となる

法務技官とは、法務省で採用される専門職員を指します。刑務所に勤務する看護師は法務技官看護師となります。

法務技官は国家公務員となります。

 

(2)刑務官が准看護師資格を保有している場合がある

刑務官が准看護師資格を保有している場合がある

もちろん全員ではありませんが、刑務官が准看護師資格を保有している場合があり、医療刑務所の刑務官は准看護師資格を取得するように啓発されています。

八王子医療刑務所では、職員の教育訓練のために准看護師養成所が設けられています。

そのため、准看護師・正看護師共に協力しながら看護を行っていく必要があります。

 

(3)「矯正医療」に携わることになる

矯正医療(きょうせいいりょう)とは、刑務所などの矯正施設内で行われる医療全般のことを言います。

矯正医療で主に大切なことは、

  • 受刑者の体調管理
  • 受刑者の各種検査
  • 感染管理
  • 予防医療(病気にさせないこと)

などが求められます。

また、分野も広く、看護師には幅広いスキルが求められます。

 

(4)週休2日で祝日は休みなる場合が多い

働くエリアの一般刑務所、医療刑務所によって多少異なりますが、刑務所で働く看護師の場合、週休2日となり、祝日はお休みとなる場合が多いです。

一般の病院看護師と比べると、祝日が休みなのは嬉しいメリットではないでしょうか。

 

(5)一般刑務所看護師は夜勤がない

基本的に一般刑務所看護師は夜勤などがなく、週末休みを取れることも多いため、勤務時間が規則正しい職場として人気があり、離職率も低いです。

そのため、一般刑務所の看護師求人募集もあまり見かけないことが多いです。

医療刑務所で働く看護師の場合は、夜勤勤務が行われています。

3.刑務所看護師に必要なスキル

刑務所看護師に必要なスキル

職場が刑務所でも、看護師の仕事は同様に行われますが、臨床経験があることをベースに説明していきます。

臨床経験が浅い、または経験がない看護師の方には刑務所看護師は向いていないといえます。

 

(1)一般刑務所に求められるスキル

一般刑務所の医務室につとめる場合には、基本的には学校や企業に勤務する看護師の仕事内容とそれほど変わることはなく、基本的なバイタルチェックや怪我の応急処置などが一般的な仕事となります。

特定の診療科での専門的な知識を持っている必要はありませんから、臨床経験が3年以上ある看護師の場合、問題なく勤めることができる職場となっています。

しかし、一般刑務所も矯正医療となるため、学校や企業の医務室よりも求められるスキルが高いと考えておきましょう。

 

(2)医療刑務所に求められるスキル

医療刑務所に求められるスキル

医療刑務所につとめる場合には、受刑者は全員看護が必要な患者さんということになり、看護師としての高い経験やスキルが必要になります

山本民子(刑務所看護師):精神的に異常な人は精神科が外来みたいに診療しますが、急性的な異常な人は病状が落ち着くまで私の病棟に入れられます。

一言で言うなら刑務所看護をするには、病院看護よりももっと経験と知識が必要とされることです。刑務所内での患者の死亡は一番嫌われることなので受け入れる時期の患者のトリアージの技術と知識は最も重要です。

引用元:Quora

医療刑務所には怪我や精神疾患などで治療が必要な患者が収容されているため、精神科や外科などの診療科目での経験やスキルがある看護師にはお勧めといえます。

 

4.刑務所看護師の平均年収・平均給与

刑務所看護師の平均年収・平均給与

刑務所看護師の職場は刑務所の中ということになり、刑務所内は国の管轄となっているので刑務所看護師は国家公務員という扱いになります。

給料は国家公務員の技師というステータスで規定に則って決められており、平均すると毎月のお給料は30万円前後が多いようです。

 

地域によって給料は異なる

刑務所は全国各地にあり、地域によって物価や賃金は異なっており、刑務所看護師の給料にも反映されることはあります。

刑務所がある地域によっては刑務所看護師の平均給与が20万円程度という場所もあるので、国家公務員だからどの刑務所でも同じ給料というわけではありません

国家公務員として働く場合、病院勤務の看護師と比べるとたくさんのメリットがあり、給料面では手当がたくさんつき、交通費が全額支給されることや地方手当がつくなど、とても充実しています。

 

刑務所看護師の年収

刑務所看護師の年収ですが、国家公務員ではボーナスが支給されるので、年収は平均300万円~450万円程度が多くなっています。

【給与例】

  • 25歳(独身):年収301.7万円
  • 35歳(配偶者1名・子1名): 年収 467.9万円

などの給料例となっており、規定に則って金額が決められています。
モデル給与例平成28年より)

また、昇給は年に1度行われ、各種手当なども規定が則って支給されます。

刑務所看護師として転職する場合には、給料面や職務内容などいろいろな方向から比較検討しながら、働きやすい職場を見つけたいものです。

 

刑務所看護師の賞与

全国各地に国家公務員が利用できる施設がある等、福利厚生面でも充実しているので、満足度はかなり高いようです。

刑務所看護師の勤務時間は基本的には平日の日勤のみとなっているので、病院勤務の看護師と比べると労働環境がとても良く、働きやすくて家庭や育児と両立しやすい事もまた、刑務所看護師の離職率が低い理由としてあげられます。

5.刑務所への看護師の転職メリット

刑務所への看護師の転職メリット

刑務所へ看護師として転職する場合には、今まで説明してきたメリットがあります。

勤務時間が日勤のみとなる ・一般刑務所の場合のみ
(医療刑務所は夜勤あり)
・規則正しい勤務時間で働ける
看護師の離職率が低い ・福利厚生や年間休日も多い
・週休2日で祝日は休み
・プライベートが充実しやすい
・家庭との両立が可能
国家公務員の看護師となる ・公務員試験もない
・国家公務員と同じ給与形態となる
・退職金制度も手厚い

刑務所で働く看護師の場合、総務省の管轄となるため国家公務員(準公務員)扱いとなります。

そのため、刑務所看護師の場合は「公務員試験」を受ける必要がないのも嬉しいポイントです。しかし、試験は、書類審査・筆記試験・面接で構成されており、地域によっては採用のハードルが高いこともあります。

国家公務員は定年退職の際にはまとまった金額の退職金を受け取ることができるので、退職まで勤め上げる看護師は少なくありません。

 

6.刑務所への看護師の転職デメリット

刑務所への看護師の転職デメリット

刑務所看護師として働く場合、患者さんは全員が受刑者ということになり、コミュニケーションの取り方が大きく異なります。

看護師が受刑者に普通に直接話しかけることや会話を促すことができないため、患者への質問はすべて刑務官立ち合いの元行う必要があります。

そのため、患者と話すことが好きだという看護師にとっては、会話を楽しみにくい職場と言えるでしょう。

 

看護師としてスキルアップやキャリアアップがしにくい

一般刑務所の場合、主な仕事内容はバイタルチェックや怪我の応急処置程度となり、看護師にとってスキルアップ・キャリアアップがしにくい環境といえます。

また、医療刑務所の場合でも、コミュニケーションの取り方の違いや、矯正医療に携わることで、一般的なスキルアップ・キャリアアップが難しいといえます。

土日や祝日がお休みで勤務時間は平日の日勤のみという労働環境は看護師にとってはとても魅力的ですが、看護師としてスキルアップやキャリアアップを希望する人にとっては、刑務所で働くことにはあまりメリットはなく、日常業務の中で多くの症例を勉強できるというわけでもありません。

 

交通の便があまり良くない

刑務所は駅近ロケーションにあることが少なく、交通の便があまり良くないロケーションに建てられているのが一般的です。

そのため、勤務する看護師も基本的にマイカー通勤になることが多く、車の運転が好きでない人にとっては通勤面で不便を感じるかもしれません。

 

7.刑務所への看護師の転職注意点

刑務所への看護師の転職注意点

刑務所看護師の仕事は、家庭や育児と両立しやすく、国家公務員になることから、看護師にとってはとても人気があります。

ですし、シフト勤務のスケジュールがなくても自分の勤務時間を把握できるので、プライベートで予定を立てやすいなどたくさんのメリットがあります。

そのため、刑務所看護師は離職率がとても低いく、求人募集を見つけることはかなり難しくなってしまいます。

可能であれば、現在の仕事を辞めずに働きながら転職活動をするようにしましょう。

 

(1)求人内容は「処遇指標(受刑者の分類)」を確認しておこう

医療刑務所の場合、かならず「処遇指標」の記載が募集要項にあるはずです。

「処遇指標」は記号になっており、

  • 「A」:犯罪傾向が進んでいないもの
  • 「B」:犯罪傾向が進んでいるもの

などの2種類に「処遇指標」を決めた後、

  • 「P」:身体上の疾病または障害を有するため医療を主として行なう刑事施設等に収容する必要があると認められるもの
  • 「M」:精神上の疾病または障害を有するため医療を主として行なう刑事施設等に収容する必要があると認められる者

などに「処遇指標」が決められています。

そのため、「A」「B」の「処遇指標」を求人を探す場合には理解しておきましょう。

「処遇指標」は他にもあり、「W」は女性など、全部で12つあります。

 

(2)非公開求人として募集されることが多い

刑務所への転職は、たくさんの人が応募する人気の仕事となり、多くの場合、非公開求人として募集されることがあります。

人気がある仕事の場合(企業医務室求人など)、求職者が殺到することが予想される仕事であり、特に「一般刑務所」の看護師求人は非公開となる場合が多いです。(非公開求人に関しては「看護師非公開求人|5つの理由と裏側を調査!探し方と方法」を確認してください。)

その場合、非公開求人を多く保有している看護師転職サイトを利用した仕事探しが有効です。

非公開求人・看護師求人数も多く、利用した看護師の評判が良いお勧めの看護師転職サイトは以下の通りです。

基本的には出にくい求人なので、看護師転職サイトだけではなく以下の方法も検討してください。

 

(3)ハローワークも転職活動に利用する

刑務所看護師の求人は地域によって、ハローワークで紹介してもらえることがあります。

看護師転職サイトで取り扱いがない看護師求人もハローワークが保有している可能性があるためです。また地方の場合は、看護師転職サイトより求人数が多い場合があります。

そのため、ハローワークも看護師転職サイトと合わせて活用しましょう。

国家公務員の仕事の求人募集を掲載しているサイトなどをチェックしておきましょう。

 

最後に

刑務所看護師と聞くとなんだか暗いような怖いようなイメージがありますが、看護師の仕事では人気があります。

しかし、一般刑務所の場合と、医療刑務所の場合は大きく仕事内容が異なるため、業務内容を面接時に確認しながら転職活動を行ってください。

自分に合っていると思えるのであれば転職を考えてみるのもおすすめです。

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