ペインクリニック外来で働く看護師の仕事内容と体験談

ペインクリニック外来で働く看護師の仕事内容と体験談
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ペインクリニックの「ペイン(Pain)」とは「疼痛(とうつう:ズキズキとうずくように痛む)」という意味です。

ペインクリニックとは、主に薬物療法を用いて疼痛や神経症状の緩和を図ることを目的とした外来(麻酔科外来)になります。

私が勤務した印象では、求められる看護スキルとしては整形外科看護や手術室看護などの領域と重なり、それらの経験は役に立つと思われます。

ペインクリニック外来で勤務した私の経験を元に、患者層から仕事内容、働いて感じたことを体験談として説明していきます。

【執筆した看護師のプロフィール】

男性看護師
看護師資格確認済み
  • 沖縄県/44歳(男性)
  • 職務経験:大学病院、総合病院、訪問看護、治験コーディネーター、保健師
  • 診療科経験:脳神経外科、ICU、呼吸器内科、睡眠時無呼吸症候群専門外来、健診センター、ペインクリニック、糖尿病専門外来、内視鏡センター
国立大学の看護学科を卒業し、看護師と保健師を取得。卒後は脳外科病棟で急性期看護を学び、数回の転職を経て、現在は民間の総合病院で保健師として勤務。

1.ペインクリニック外来の患者層

ペインクリニック外来の患者層

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ペインクリニック外来では、患者のどのような疼痛や神経症状の緩和を行っているのか、主な治療対象の症状は以下の通りです。

  • 頭痛
  • 顔面痛
  • 腹痛
  • 腰痛
  • 手術後の痛み
  • がんによる痛み

上記した以外にも、ペインクリニック外来では、患者ごとに感じるあらゆる痛みの治療を行います

また、検査で痛みの原因を探り、その原因や体調に合わせて適切な治療を施し、ひとつの痛みが引き起こす、新たな痛みに対しての緩和や改善させるための治療もしています。

 

慢性的な痛みを伴う患者

ペインクリニック外来には慢性的な痛みに対するコントロールとしての治療を必要とする患者も多く訪れます。

例えば、

  • 抗がん剤の投与をしている
  • 膝に溜まった水を抜いている

など、整形外科や外科外来にも定期的に通院しているような患者となります。

 

2.看護師の仕事内容

看護師の仕事内容

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私が勤務していたペインクリニック外来は完全予約制で、1日の患者数は20~25人ほどでした。

予約患者が来院する前には患者のカルテと一緒に、使用予定の注射薬剤とシリンジなどをセットしておき、いつでも使用できるように準備することも看護師の仕事内容でした。

対応する看護師は基本的に3名で、5~6名の看護師とローテーションで勤務していました。

1日のうちで任される仕事は以下のように役割分担されており、

  • 受付・問診担当
  • 処置等の直接介助担当
  • 処置後の患者モニタリングや記録などの外回り担当

など、当日どの役割を行うかはリーダー看護師が決め、どの看護師も同じように動けるように均等に任されます。

私の経験から、他のクリニックにはない、ペインクリニック外来特有だと思う仕事内容をご紹介していきます。

 

(1)患者の痛みを正確に判断すること

患者の痛みを正確に判断すること

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ペインクリニック外来で働く看護師の仕事でまず大事なことは、「患者に対し、どのような痛みが、どの程度あるのか正確に把握すること」です。

そのため看護師は、詳細に患者が感じている痛みに対してのヒアリングを行います。

例えば、

  • 感じる痛みの経過
  • 現在に至るまでの治療歴
  • 現在の服薬状況

など、患者からヒアリングした内容を確認し、看護師は痛みの強さを評価します。

患者への正確なヒアリング力と観察力が求められる

ペインクリニック外来での治療の多くは患者に対して侵襲的療法を行うため、患者の疾患について正確に把握することが求められます。

また、複数の患者に対して、血圧や酸素飽和度の管理はもちろん、心電図の波形を読み取ることなどを同時にモニタリングする場合もよくありました。

少しでも異常を感じたら医師や他の看護師に連絡を取れるように、意識しておかなければなりません。

 

(2)評価した痛みの強さを医師に伝えること

患者が抱える痛みを正確に捉え、医師に伝えることが、ペインクリニック外来で働く看護師の最も重要な仕事となります。

患者ごとの痛みの評価は、

などを用いて判断することが多かったです。

 

(3)患者への神経ブロック注射

患者への神経ブロック注射

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ペインクリニック外来に来院する患者の代表的な症状に、突発性難聴や顔面神経麻痺、顔瞼下垂などがあります。

これらの痛みを伴わない症状の治療には、看護師が神経ブロック注射などを行います。

継続した痛みが慢性化している場合にも神経ブロック注射を行い、疼痛緩和を図るといったケースもありました。

 

(4)認知度を上げるための啓発活動

他の診療科に比べると、ペインクリニック外来は一般的にはまだまだ認知度が低いため以下のような仕事を看護師が行っていました。

  • ペインクリニックについてのポスターを作成する
  • ペインクリニックで対象になる疾患について資料をつくる

上記のような方法などで、患者や患者の家族、異なる診療科で働く看護師にペインクリニック外来について知ってもらうための活動も、ペインクリニック外来で働く看護師に必要な仕事でした。

こちらは、勤務するクリニックの方針によって異なるので注意してください。

 

3.ペインクリニック外来で働いて感じたこと

ペインクリニック外来で働いて感じたこと

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私がペインクリニック外来で看護師として働いて感じた、

  • 感じたメリット
  • 一般のクリニックと比較して感じたデメリット

などについて主観で説明していきます。

転職などを考えている看護師の方の参考になれば幸いです。

また、私が勤務していたペインクリニック外来は、予約制のため残業は少なく働きやすい環境でした。さらに、全体的に言えることは、ペインクリニック外来で働くと、疼痛ケアなどの緩和ケアに関する専門的な知識が身につきます。

 

(1)臨床経験は必要になる

看護師ペインクリニック外来で働くためには、ある程度(3年以上)の臨床経験が合った方が良いと思います。

特に神経ブロック注射や、関節腔内注射の介助の方法、鎮静剤や麻酔薬についての知識は必要でした。

 

(2)患者の生活の質を向上させることに「やりがい」を感じた

来院する患者の長年の痛みや、症状から解放し、生活の質向上させることに貢献できるため、私は大きなやりがいを感じました。

ペインクリニックで一歩踏み込んだ疼痛管理を行うことで、痛みから解放され、ADLも向上し、笑顔が増えたという患者はたくさんいました。

 

(3)患者をモニタリングする時間が長い

神経ブロック注射などを行った場合は、患者の回復度を見てから帰宅などをさせます。

そのため、患者の具合によって長い時間モニタリングを行う場合もありました。

ペインクリニック外来は、予約患者のみの対応する場合がほとんどですが、看護師の時間的拘束も長くなる可能性があります。

また、勤務中は緊張の連続であり、看護師にとってストレスも比較的多い診療科であり、業務内容の多くは非常に神経の使う作業ばかりでした。

 

(4)思うように治療が進まないことがあった

痛みのコントロールを良好に保つためには、定期的、継続的に通院が必要なことを患者に説明します。

しかし、一度痛みが取れたことを病気が治ったと勘違いして、通院をやめてしまう患者がいます。

その場合、さらに痛みがひどくなってまた来院することになり、思うように治療が進まないことが多々ありました。

治療を自己中断してしまう患者に対して、どのようにフォローアップしていくかという大きな課題は、看護師として常に考えなくてはならない問題でした。

 

5.最後に

ペインクリニック外来の存在は患者からも看護師からも、認知度が低いことが現状です。

しかし、現代社会において、将来的に患者に大きく貢献できる診療科だと私は感じています。

来院する患者の傾向から見て、手術室の経験がある看護師は、ペインクリニック外来での勤務に向いているのではないでしょうか。

今後の転職先候補のひとつに、ペインクリニック外来を検討してほしいと強く思います。


   
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