看護師が検疫官になるには?転職をする時のポイント3つ

看護師が検疫官になるには?転職をする時のポイント3つ
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看護師が検疫官になるためには、厚生労働省が募集している採用情報に応募し合格することで、検疫官(国家公務員)になることが可能です。

一般の方が国家公務員になるためには、年齢制限や公務員試験(教養試験・専門試験・論文試験など)、面接などを経て初めて国家公務員として仕事に就くことが出来ますが、看護師は書類審査と面接試験のみで、検疫官(国家公務員)として働くことが出来ます

このページでは看護師が検疫官になるためのポイント、仕事内容、転職する場合の一般的なメリット・デメリットをご紹介しています。

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1.看護師が検疫官になるには?

国家資格である看護師資格を保有していれば、看護師から検疫官になるために一番大切なことは募集求人を探し、合格することです。

そのため、看護師から検疫官の最短ルートとしては、以下の通りです。

看護師が検疫官になるには

試験内容に関しては、2019年6月時点で確認した試験内容になり、年度によって変更の可能性があるので注意しましょう。

 

(1)必要な資格等

必要な資格としては、

  • 看護師免許
  • 日本国籍であること
  • 普通自動車免許
  • 3年以上の臨床経験
    (※感染管理認定取得者や在職中に院内感染対策関係の委員経験者、保健師免許取得者は更に望ましい)

となります。

3年以上の臨床経験に関しては、一般的に総合病院以上の看護師として正職員で働いていれば問題ありません。

しかし、看護師としてどのような実績を持ち、経験を積んできたのかという点が一次試験である書類選考の際に重要視される傾向があります。

現在看護師としていずれかの病院で勤務しているのか、それとも転職活動中でブランクがかなりの期間に及ぶのかなども確認されます。さらに保健師としての資格を持つ人が優遇されやすいということも報告されています。

 

(2)試験の内容について

試験の内容について

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検疫官の応募に際しては、1次試験として原稿用紙3枚程度のレポートを提出し、履歴書ともに書類選考となります。

2019年6月現在のレポートとしては、「2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた感染症対策について(横書き1,200字程度)」がテーマとなっています。

1次試験合格者のみ2次試験として面接(人物試験)が行われ、合格すると検疫官として配属されることとなります。

採用予定日などに関しては「随時」の表記となっているため、面接時などや合格してから相談されるのが一般的と言えます。

 

(3)公開されている募集要項・給料について

勤務地 全国の港湾・空港の検疫所
※採用後は、全国転勤となります。
職員の身分 国家公務員
職名 厚生労働技官 検疫官
募集人数 50名程度
勤務条件 1日7時間45分
交替制(シフト)勤務
原則として土・日曜日及び祝日等は休み
給料 190,500円~経験年数に応じて調整
※一般職の職員の給与に関する法律の規定による諸手当の支給

(2019年の検疫官(看護師)募集要項より)

給料や年収については、経験年数に応じて考慮されますが、諸手当に関しては「一般職の職員の給与に関する法律の規定による諸手当の支給」と国で決められた手当となり主に、

  • 初任給調整手当(配属地域によっての差を埋めるための手当)
  • 扶養手当
  • 住宅手当
  • 通勤手当
  • 期末・勤勉手当(ボーナス)
  • その他(単身赴任手当、特殊勤務手当、特地勤務手当)

などが該当します。

詳しい募集要項などは「厚生労働省:検疫官(看護師)採用情報」から確認してください。

 

検疫官の平均年収・給料とは?

検疫官(看護師)は「一般職の職員の給与に関する法律」に基づき医療職俸給表(三)が適用されることが予想されます。

医療職俸給表(三):病院、療養所、診療所等に勤務する保健師、助産師、看護師、准看護師その他の職員で人事院規則で定めるもの。

人事院が行った「平成30年 国家公務員給与等実態調査」によると「医療職俸給表(三)」の平均年収等は以下の通りとなります。

職員数 1,847人
平均年齢 47.2歳
平均経験年数 21.8年
平均給与月額 350,632円/月

平均賞与である「期末・勤勉手当」のデータが無いため、最終的な年収は分かりませんが、平均給与月額の年間合計額は4,207,584円となり、プラス期末・勤勉手当の賞与が貰える年収であることが分かります。

(予想ですが、平均年収は500万円以上といえるでしょう。)

給与面から見ても検疫官の看護師は好待遇であることが分かります。

 

2.検疫官の仕事内容

検疫官の仕事内容

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検疫官とは、海外で流行している感染症が日本に入ってくることを防ぐために空港や港湾で勤務する人のことで、厚生労働省の認可を受けて勤務します。

また、厚生労働省が募集する検疫官業務内容は以下の通りです。

  • 検疫業務(港湾、空港)
  • 衛生調査(蚊、ネズミの調査)
  • 船舶衛生検査(港湾のみ)
  • 健康相談業務
  • 予防接種業務

検疫官(看護師)のご案内より参照)

以下で「検疫業務」「予防接種や相談」「感染症の情報収集」「消毒作業と感染者の隔離」について詳しく説明していきます。

 

(1)検疫業務

検疫業務

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検疫とは、港湾や空港で感染症や伝染病が広がることを防ぐために、海外から持ち込まれる、または持ち出す動物・植物・食品、人や物などを検査し、汚染されてないか確認することを言います。

検疫官(看護師)はサーモグラフィー等で海外から来た乗客の健康状態を確認し、異常がある場合は健康相談を行うことが仕事です。

また、入国審査場の前には「検疫ブース」が設けられていますので、渡航者からの申告があった場合もしくは明らかに体調不良が確認される場合には検疫ブースで診断を行います。ただし検査にあてられる時間は限られているので、高い集中力と鋭い観察力を持って業務を遂行することが不可欠となります。

 

(2)予防接種や相談

予防接種や相談

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検疫所に勤務する検疫官は海外に渡航する方に向けて各予防接種などを行うことも仕事です。

黄熱等の予防接種は電話にて予約が行われ、その際に予診や接種の介助、個別の電話相談なども行います。

 

(3)感染症の情報収集

感染症の発生状況や人体に及ぼす影響、一般的な潜伏期間などについて、国際保健機関や各国の大使館、医療機関と連絡を取って最新の情報を集めることが検疫官の仕事の1つです。

また、その集めた情報を海外に渡航される方に対して情報提供を行います。

 

検疫に関与しない手続きなども理解しておく必要がある

検疫の対象となるのは渡航者だけではなく、海外から持ち込まれた肉類や植物、食品添加物やおもちゃなどに関しても検査を行う必要があります。

看護師から新たに検疫官となる人は物品に関する検査には関与しないものの、手続きに関しては勤務後に理解しておく必要があります。

 

(4)消毒作業と感染者の隔離

消毒作業と感染者の隔離

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感染の疑いが強い、もしくは感染が明確に確認された場合、検疫官はただちに特定医療機関へ通知を行い、患者を隔離してさらなる感染を防ぐ努力を払います。

患者の身の回りにあったものなどをすべて消毒もしくは処分します。このように海外からの感染症に対する防護壁として働くのが検疫官の仕事です。

 

勤務中に感染症にかかってしまう危険はある

日本では発症が確認されていない感染症がここ数年世界中で数多く報告されています。検疫所で働く人は海外からの渡航者と数多く接するため、特異な病気に感染している人と接するリスクも高くなります

検疫所内や相談窓口となるオフィスなどは消毒が徹底されているものの、相談者と面談をしている際に飛沫感染する危険は常にあります。

港湾の船内で行う感染症検査などに関してはいつも清潔な環境で実施できるとは限らないため、検疫官として働く人には常に感染症のリスクが付きまとう、ということを覚えておかなければなりません。

 

3.検疫官のメリットやデメリットなど

検疫官のメリットやデメリットなど

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検疫官と、病院(病棟)などで働く看護師と比較した際に、一般的に思うメリット・デメリットをまとめました。

転職を考えている看護師の方は是非参考にしてください。

 

(1)採用試験のみで国家公務員として働ける

検疫官として採用されると、厚生労働省で勤務する国家公務員としての資格が与えられるため、国家公務員共済などのさまざまな優遇措置を活用することができます。検疫官の初任給は20万円弱で、正看護師として働く場合と比べると大きく劣るように感じるかもしれません。

しかし、勤務年数に応じた定期昇給があり、基本的に終身雇用である、というのは大きなメリットと言えます。

 

働く環境・待遇は良いと言える

検疫官の勤務時間は7時間45分と決まっており、時短制度等もあります。また、立地条件が良い公務員宿舎を利用できるというのもポイントです。

 

(2)仕事にやりがいを持って行っている看護師も多い

検疫所では海外への渡航を予定している人に海外で感染する期間のある病気の予防接種も行います。また黄熱病や狂犬病、破傷風などに関して、その危険と予防法などをレクチャーすることも行います。

こうした作業を積み重ねていくことにより、海外での感染を防ぎ、ひいては日本国内の感染症拡大を予防していることになるわけです。

職務を遂行する際にこうした点をいつも思いに留めておくなら、「やりがいのある仕事に携わっている」ということを感じながら作業に当たることができるでしょう。

厚生労働省が作成している「検疫官(看護師)の先輩職員の紹介PDF」も参考にしてみてください。

 

(3)全国の転勤がある

検疫所の設置状況

画像:厚生労働省「検疫所の設置状況」より

勤務先は空港に限らず、港湾の場合もあり、転勤は日本全国が対象であり、概ね2年から3年毎に異動があります。

(検疫官の勤務する場所は全国の港湾および国際空港で、定期的に人員の配置転換が行われます。)

空港での勤務では交通の便が悪いところが比較的多いので、自宅から遠方で通勤に車が必要になることもあります。

そのため小さな子供がいる場合などは家族とよく相談して本当にその仕事が可能かどうか考えておくことが大切です。

検疫所の場所については「検疫所の設置状況」を確認しておきましょう。

 

(4)夜勤や当直などの勤務がある

検疫官は基本的に日勤で、週末・祝日はお休みになるというメリットがあります。

ただし成田空港や関西国際空港などは24時間体制で稼働しているため、検疫官も交代勤務になります。

夜勤や当直があまり得意ではないという人はこうした点についても考慮しておくことをお勧めします。

 

(5)屋外で実施する作業も多い

屋外で実施する作業も多い

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検疫官は港湾の衛生管理に関しても責任があります。港に生息するねずみや虫などを駆除するため定期的に検査を行い、必要と判断した場合には駆除業者への依頼を行います。

また、飲料水や海水の品質検査も行う必要がある場合もあります。

このように検疫官として働く場合は屋外で実施する作業も多くある、ということを覚えておくと良いでしょう。

 

最後に

検疫官は厚生労働省の管轄になるため、募集要項も同省のホームページに掲載されます。

詳しくは厚生労働省の「検疫官(看護師)採用情報」を確認してみましょう。

また、大々的な宣伝が行われるわけではなく、募集期間も短く設定されていることが少なくありません。そのため、定期的にチェックすることは忘れないようにしましょう

また、検疫官とともに、別の転職先を探している場合は「看護師転職サイト」などに登録を行い、検疫官に関する求人情報が出た時にすぐ教えてもらえるようにお願いしながら、他の求人を探すとスムーズです。

さらに転職先での試験や面談に備えて事前講習を実施しているケースもあり、検疫官の試験を突破するために、転職の知識を教えてもらうだけでも利用はお勧めします。


   
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更新:2019年7月24日
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