ベテラン看護師の役割と転職する際の注意点

ベテラン看護師の役割と転職する際の注意点
画像:shutterstock

ベテランという言葉を聞くと、自分なりのベテラン看護師のイメージが浮かんだり、身近にいた先輩看護師の姿が浮かんだりするでしょうか。

「ベテラン看護師」と一言で言ってもその定義は曖昧ですよね。

看護師何年目からベテランであるという明確な線引きはありませんが、一般的にベテランとは、その道に熟達した人の事を指しています。

一般企業など社員の年齢構成によっては50歳代以上の社員を指す場合もありますが、看護師の場合は少なくとも10年目以上や40歳代以上をイメージする人が多いようです。

転職で有名なマイナビが行ったアンケート調査によれば、「ベテランは社会人何年目から?」という質問に対し、10年目27.6%、5年目23.5%、3年目15.6%と回答されています。「ベテラン」と言えるのは社会人歴何年目から?より)

当ページでは、7年目~10年目以上の看護師をベテラン看護師、また以下の「ベテラン看護師の役割」に当てはまる方をベテラン看護師の定義として話を進めています。

暗黙の了解になっているベテラン看護師の転職で求められる役割や転職時の注意点をまとめています。(ちなみに私はベテラン看護師だと思っています。)

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 神奈川県/40歳
  • 保有資格:がん看護専門看護師、保健師
  • 職務経験:総合病院(急性期)、訪問入浴
  • 診療科経験:消化器外科、整形外科、乳腺外科
看護師歴10数年、急性期の総合病院の外科系病棟や外来処置室、化学療法室などで患者さんの看護に携わり、大学院への進学や管理職も経験。現在も看護師として活躍中。

1.ベテラン看護師が求められる役割とは

ベテラン看護師が求められる役割とは

画像:shutterstock

組織の中でのベテラン看護師の立ち位置や役割とは一体どんなものが挙げられるでしょうか。

私の体験を踏まえながら説明していきます。

 

(1)豊富な知識と技術、経験による教育効果

ベテラン看護師は様々な診療科を経験している場合や、一つの診療科に長く勤務し特定の分野の看護に精通している場合があり、その豊富な看護経験と知識、確かな技術を後輩たちに伝達していく事が多くの組織で求められています。

ベテラン看護師として培ってきた、

  • 急性期病院での経験
  • 老人看護の経験
  • 慢性期看護の経験

など、現在の高齢化社会において治療対象以外の疾患を併せ持つ患者に対し、役に立つ場面が多いと言えます。

 

研修や講義内容を現場レベルで活用することが求められる

多くの病院では若手看護師に対して様々な教育プログラムを用意しており、講義や技術練習を行う事が多いですが、研修などで得られた知識はそのまま現場で活かす事はできません。

そのため、本や研修で得た知識をどう活用するか現場レベルに落とし込むといった場合に、ベテラン看護師の教育効果が発揮されます。

 

(2)コミュニケーション技術による調整役

コミュニケーション技術による調整役

画像:shutterstock

医療現場は医師やコメディカル、もしくは看護師チームといったように、常に他者と共に働く必要があります。

なかには気難しい人や高圧的な人もおり、新人看護師からすると、他の職種がどんな働きをする人なのか良く分からない人が多いと言えます。

そのような際に、

  • 医師にどんな場面でどんな風に話しかけるとよいか判断すること
  • ケアの悩みをコメディカルも巻き込んで共有すること

など、経験・技術や組織内の人脈を活用して、医療チームにおいてコミュニケーションをとりやすくする役割もあります。

 

看護師チーム内のコミュニケーションを円滑にする役割

若手看護師が多い組織では、新人看護師の教育係となった看護師も、まだ若手というパターンが少なくありません。

経験が少ないまま教育係になると、どうしても新人看護師の失敗一つ一つが目についてしまい、怒りや焦りの感情を生み出しやすくなります。

そのような際に、どちらの立場も一旦受容し、豊富な教育経験からアドバイスをする事は、看護師チーム内のコミュニケーションを円滑にする事に役立ちます。

また、長年、新人を見てきたベテラン看護師は、長い目で新人をとらえる事ができる一方で、イライラしてしまう教育係に共感する事もできます。

 

(3)若い看護師にとってのロールモデル

若い看護師にとってのロールモデル

画像:shutterstock

新人看護師や若手看護師の多くは、日々の業務や勉強に精一杯であることや、今後自分が看護師としてどのような方向性で進んでいくべきか決めかねながら働いている場合が多いと言えます。

そんな時に、少し先の人生を歩むベテラン看護師の姿は、若い看護師達にとって仕事やプライベートにおけるロールモデルとなります。

例えば、育児との両立に取り組む姿は、たとえ大変そうでも、数年後の自分を想像するうえで大きな存在となるでしょう。

また、あなたが仕事にまい進する姿、プライベートを充実させる姿も、仕事との向き合い方を考えるうえで、若い看護師にとって参考になります。

 

3.ベテラン看護師が転職する時の注意点について

ベテラン看護師が転職する時の注意点について

画像:shutterstock

ここで、ベテラン看護師が転職する際の注意点について、私の経験から説明していきます。

 

(1)雇用側が求めている役割を心得ておくこと

転職する際は、多くの雇用先がここまでお話してきたような役割をベテラン看護師に求めていると心得ていた方が良いでしょう。

「ベテラン看護師を採用したい」という場合は、

  • 即戦力となること
  • 環境に慣れたら自立して働いてくれること
  • 若手看護師達への教育

などをイメージしている雇用先が大半と言えます。

雇用先の要望をよく理解したうえで、自分が今回の転職で得たいものは何か、その優先順位はどれかを考えましょう

注意点

雇用側が求めている事と自分が望む条件が異なったまま転職しても、そこで働き続ける事が難しくなってしまいます。

例えば、家庭と仕事の両立を図りたいベテラン看護師と、若手看護師が多く時間外の勉強会の参加も求められる雇用先では、条件がお互いに合っているとは言えません。

そのため、仕事内容の範囲や希望、どのような看護師として働きたいかなどを面接で説明しておくことが大切です。

 

(2)自分が育った組織とは組織風土が異なる事を心得る

これは、新卒からずっと同じ組織で長く勤めてきたベテラン看護師や、若い時に一度転職したまま、長くその組織に勤めているベテラン看護師が特に注意する必要があるポイントです。

新卒の頃から育った環境は、自分にとっての唯一の社会、その組織の常識は知らず知らずのうちにそのまま自分の中で常識となっている事が多いです。

転職する際は、自分の中の常識が、他の組織では常識ではないかもしれない事を意識しておく事が必要です。

注意点

初めてベテラン看護師が転職する場合、転職先の院内見学や施設見学は必ず行いましょう。

以上の記事を参考にしておきましょう。

見学を行い、自分の知っている世界と随分と様子が異なったとして、それは許容できるものか考える必要があります。

ベテランになってからの転職では、新たな組織の風土を受け入れる柔軟性が必要ですし、その組織風土が自分にとって受け入れられる範囲のものであるかを十分に考える事が必要です。

 

(3)長すぎる経験年数が逆に足かせとなる場合もある

長すぎる経験年数が逆に足かせとなる場合もある

画像:shutterstock

ベテラン看護師の多くは、

  • 経験年数が長いため
  • 一か所の病院で勤続年数が長い

という方が大半で、周囲の看護師より年収も基本給も高くなっていることは自然なことと言えます。

しかし、そのようなベテラン看護師が採用面接に来た時、できるだけ人件費を抑えたいと思っているような職場であれば、採用側は少し躊躇する傾向にあります。

理由としては、同じ年齢の看護師であれば基本給の加算に関しては、経験年数5年と20年の場合、5年目の看護師のほうが少なく済むため基本給は低く済みます。そうなると採用されるのは経験年数5年の看護師となるのです。

注意点

特に今後のキャリアを考えて転職するベテラン看護師の場合、不採用になる可能性は覚悟や長すぎる経験年数が逆に足かせとなる場合があることを覚えておきましょう。

「なぜ!私が」と思わないこと、転職活動をじっくり行うことが大切です。

また、第一線から第一線への転職は年齢が若い看護師のほうが有利です。経験年数が長い人は自分なりの看護感が出来上がっている場合が多く、指導する側がとても気を遣わなければならないなどの問題が生じます。(要は指導しにくいわけです。)

 

(4)入職後の教育システムを確認すること

規模の大きい総合病院などは、既卒者を受け入れていても、入職してみると新人看護師と同じ研修プログラムを受講しなければならない病院なども多くあります。

ベテラン看護師は体力面ではどうしても若手看護師よりは劣るため、通常の業務をこなしながら新人と同じ研修を受け、現場では早く自立して教育役割を期待されるという場合も珍しくありません。

ホームページでは既卒者の募集を行っていても、実際は新人看護師と同じ扱いをされるうえに、教育役割まですぐに求められるといった事もあります。

そういった病院側の教育システムをどこまで受け入れられそうか、十分検討しましょう。

看護師の体験談

私は「がん看護専門看護師」の資格を保有していますが、必ず1年目はスタッフナースとして働くことを希望しています。

理由としては、職場の状況が分からない中で専門性が発揮しにくいため、現場の看護師がついてこないためです。

働く条件や教育システムに関しては面接時にじっくりと話し合うようにしています。

 

(5)情報収集と比較は時間をかけて行うこと

情報収集と比較は時間をかけて行うこと

画像:shutterstock

病院などがベテラン看護師に求める条件や役割といったものは、その病院のホームページや募集要項を読むだけでは気づけない事も多いです。

そのため、情報収集や比較はしっかりと行うことが重要です。

例えば、

  • 実際に勤務している看護師に確認する
  • 看護師転職サイトの担当者に確認する
  • 複数の求人を見て確認する

などです。

また、管理職の求人などはインターネットなどに公開している求人の中に少ないと言えます。(外部から管理者を招いていることが分かると、働いている看護師に影響が出るため。)

そのため、ベテラン看護師の場合は、看護師転職サイトなどを利用し、非公開求人を紹介してもらうことや、実際にその病院に転職した看護師に聞いてもらうこと、担当者を経由して疑問点を確認してもらうことが必要です。

 

(6)転職は良く考えて、最後まで悩んで行うこと

転職は良く考えて、最後まで悩んで行うこと

画像:shutterstock

1つの病院などで継続勤務しているベテラン看護師の場合、現在のポストと同じかそれ以上のキャリアアップが条件であれば転職も良いかと思われますが、そうでない場合は転職すること自体を考え直したほうが得策であることが多々あります。

つまり、「年収や給料が下がってしまう」「希望の仕事が出来ない」などの恐れがあります。

また、残念ながら管理職のベテラン看護師の場合、経験年数も長く、管理職にまでなって退職をするということは何か事情がありそうだと、勘繰られる恐れもあります。

注意点

ベテラン看護師の方なので、勢いで転職を決める方はいないと思われますが、仕事を辞めても次の職場が見つからない、ということがないよう気を付けましょう。

また、現在の職場も円満に退職する必要があると思われるため、在籍中に時間をかけて(3ヶ月程度)次の職場を探しながら、現在の職場と比較してみましょう。

 

4.最後に

ベテラン看護師には、豊富な経験と知識、確かな技術を後輩たちに教育していく役割や、コミュニケーション技術でチーム内の潤滑油となる役割、転職においてはこれまでの経験を活かして即戦力となる事を期待されています。

転職においては、これまでとは風土の大きく異なる病院もあるかもしれません。

ベテラン看護師が転職する場合には実際の様子を確認し、自分が転職する上での譲れない条件を吟味して、求められる役割とのすり合わせを十分に行いましょう。

転職を考えている看護師の方へ

 転職を考えている看護師の方へ

条件が良い病院や施設の求人は10月~12月にかけて、非公開求人で募集する場合が多くあります。インターネットに出回らない求人のため、看護師転職サイトを活用して転職活動を実行しましょう。

また、看護師転職サイトは、専任の担当者のレベルによって大きく活動が変わります。そのため、以下の看護師の皆様が選ぶ「おすすめ3社」を登録し、

  • 担当者や対応の質
  • 求人の比較
  • 求人の詳細情報の有無

などを確認しながら検討しましょう。

 

看護師転職サイトを口コミでランキング

看護師転職サイトを口コミでランキングTOP3
更新:2019年12月14日

ランキング1位看護のお仕事
全国対応・求人12万件
4.04
[口コミ27件]

看護のお仕事口コミへ
ランキング2位ナースではたらこ
全国対応・コンサル高
4.0
[口コミ28件]

ナースではたらこ口コミへ
ランキング3位マイナビ看護師
全国対応・担当者質高
3.7
[口コミ27件]

マイナビ看護師口コミへ

この記事はお役に立ちましたか?