看護師転職で働きやすい訪問看護ステーションの選び方

看護師転職で働きやすい訪問看護ステーションの選び方
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訪問看護師として働きたいと考えたとき、働く訪問看護ステーションを選ぶことには苦労するのではないでしょうか。

特に初めての転職の場合、訪問看護ステーションの数は多く(全国の稼働数11,161事務所 全国訪問看護事業協会)、規模も地域によって様々なため、どのような基準で選べばよいのか迷うことも多いです。

私の友人は訪問看護師が自分に向いていると思い、訪問看護ステーションで働き始めましたが、なかなか長く続けられる職場が見つからず何度か転職を繰り返しています。

ここでは、私たちが訪問看護師として働いた経験と友人から聞いた経験をもとに、看護師が働きやすいという観点で訪問看護ステーションの選び方を説明していきます。

執筆した看護師

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 年齢/エリア:40歳/神奈川県
  • 保有資格:看護師、ACLSプロバイダー
  • 経歴:大学病院、総合病院、訪問看護
  • 経験がある診療科:ICU、CCU(冠疾患治療室)
看護専門学校卒業後、大学病院の集中治療室(ICU・CCU)で8年間勤務。出産・育児休暇を経て復職後、在宅看護に携わりたいと考え転職。現在は友人が立ち上げた訪問看護ステーションで勤務中。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 年齢/エリア:大阪府/40代前半
  • 職務経験:総合病院、治験(CRO)、訪問看護
  • 診療科経験:脳外科、消化器外科、頭頸部外科、内科、小児科、NICU、小児神経内科、整形外科、麻酔科、ペイン外来、産科
訪問看護ステーションの看護師求人に関して、非常勤・パート・正職員はすべて看護師転職サイトを利用することで、条件に合った求人を探してもらうことが可能です。以下の働きやすさを確認し、担当者に詳細を使いましょう。

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目次

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1.収益がなるべく安定していること

収益がなるべく安定していること

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訪問看護ステーションの場合、病院と違い収益を確保できなければ、病院などの感覚とは違い廃業します。

実際に全国訪問看護事業協会の調べによると2019年4月1日現在の訪問看護ステーションの休止数は484事務所となっております。

そのため、訪問看護ステーションの(収益の)安定性が高ければ高いほど、人員配置が安定し、看護師にとっても働きやすい環境になりやすいと言えます。

 

(1)収益は看護師人員の問題に直結する

訪問看護ステーションは稼働させるため(開業届を出すため)の人員は決められているものの、人員配置が難しく、少なすぎる人数で運営していると、利用者が増加した場合の看護師一人にかかるウエイトも増えるため、過酷な勤務となる事務所も実際に存在します。

さらに、看護師を含めたスタッフが多く配置している場合でも、利用者の長期入院が重なった場合に収益が下がり、その間の収益と人件費による支出などが上手くいかず、立ち行かなくなる訪問看護ステーションもあります。

このように、訪問看護ステーションの収益を安定させるためには難しい面もあります。

 

(2)収益が安定している訪問看護ステーションとは?

収益が比較的安定している訪問看護ステーションを転職前に見分けることは少なからず可能と言えます。

選び方のポイントとしては、

  • 「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」などを中心に訪問看護を行っている事務所
  • 運営母体が比較的大きな組織、会社である事務所

などです。

訪問看護ステーションを選ぶ場合、「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」などを中心に訪問看護を行っていることを確認しましょう。

施設や高齢者住宅の場合は、同じ建物内で複数の利用者を獲得できる可能性が高く、安定した収益を確保することが可能です。

また、看護師として一軒一軒を訪問するより、施設や高齢者住宅など1か所で数名を訪問する方が移動時間も少なく、時間的にも余裕があり看護師としては、働きやすいといえるからです。

 

運営母体が大きいと収益が安定する理由

運営母体が大きい(規模が大きい会社や病院、クリニックが運営している)訪問看護ステーションの場合は利用者が増減した時も一時的には他から得た利益で収支をやりくりできる強みはあります。

私の個人的な経験ですが、給与面でも比較的高額で安定している訪問看護ステーションが多いように感じます。

 

2.残業が比較的少ないこと

残業が比較的少ないこと

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多くの看護師は訪問看護ステーションに「働く時間に融通が利き、働きやすい」というイメージを持っています。

そのため、なおさら残業が少ない訪問看護ステーションを選択する必要があり、選び方のポイントとも言えます。

 

(1)残業の実態【体験談】

訪問看護師の残業の実態について、全体的に少ない傾向にあるようですが、それは所属する(訪問看護ステーション)組織・事務所によります

大規模な訪問看護ステーションでは分業制(チームで複数関わる体制)されている一方で、会議やカンファレンスなどに時間をかけていたり、出席を義務付けられる講演会や勉強会など間接的な業務もあったりするため、残業の原因となります。

一方、小規模ステーションでは人数が慢性的に不足しているため、管理者が行う請求書の発行や挨拶状の作成などの事務作業の手伝いも多く、「看護師免許がなくても誰でもできるのに」と思う業務が残業の原因となることもあります。

 

(2)なるべくチームで関わる体制の事務所を選ぼう

訪問看護ステーションによって、利用者の看護体制が「受け持ち制」「分業制(チームで複数関わる体制)」か、事務所によって異なります。

受け持ち制の場合、

  • 医師やケアマネジャーへの病状連絡・報告
  • 計画書の作成・評価
  • 報告書の作成

など、看護師一人の責任で行う必要があり、他の勤務者に申し送りをして交代することはできません。

また、受け持ち制では「まだ連絡が取れない」と待つことも残業理由のひとつと言えます。

そのため、特に「残業すること」が「働きにくさ」につながる看護師は「チームで複数関わる体制(分業制)」で運営している訪問看護ステーションを選択することをお勧めします。

例え「受け持ち制」で合っても、1日の訪問数が4件程度であれば、残業が少ない可能性も高いので、面接で一度確認してみましょう。

 

(3)オンコール体制には注意しよう

オンコール体制をとっている訪問看護ステーションもあり、オンコールがあった場合、特に不慣れな看護師は働きにくい環境と言えます。

そのため、オンコール体制未経験の看護師の場合は、オンコール体制を看護師が担っていない、又はオンコール体制がない訪問看護ステーションを選択しておくことも大切です。

 

3.訪問件数と仕事量が適正であること

訪問件数と仕事量が適正であること

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訪問看護ステーションによって、看護師が1日に訪問する件数は様々と言えます。

平均とし1日4件~5件程度が適正だとは感じますが、分業制を行っている訪問看護ステーションの場合、6件~8件の訪問があります。

看護師として訪問件数が多いと大変だと感じる看護師もいれば、分業制を行い、書類などの作成よりは訪問している方が楽だと感じる方もいます。

 

(1)訪問数が多くても分業している可能性もある

1日の訪問件数を6件~8件など多く設定している訪問看護ステーションは、書類作成などのステーション内業務を分業していることがあります。

つまり、看護師は訪問し、利用者の容態を確認する事だけが仕事の場合もあります

働く看護師にとって「分業制」なのか「受け持ち制」なのかメリット・デメリットもあるため、仕事内容と訪問件数はしっかりと確認しておきましょう。

 

(2)自分に合う働きやすい訪問看護ステーションを選ぶために

以上のことを踏まえ、面接時に確認したいことは、

  • 看護師の仕事内容の詳細
  • 「分業制」「受け持ち制」の体制
  • 上記を確認した上で1日の訪問件数

などを確認することで、自分に合った働きやすい訪問看護ステーションを選ぶ必要があります。

 

4.事務所の運営期間がなるべく長いこと

事務所の運営期間がなるべく長いこと

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訪問看護ステーションの売り上げが決定し手元にお金が入ってくるまでのサイクルは半年以上の時間を要します。それまでは手元の資金でやりくりすることになり、軌道に乗せるまでは収入の安定が困難なことが多く、運営期間が浅い場合(特にオープンしたての訪問看護ステーション)は苦労します。

また、看護師の給料面でも運営期間の長い訪問看護ステーションに比べると劣る可能性が高く、賃金面で良くない訪問看護ステーションになりえる可能性があります。

 

(1)看護師の体験談

働く看護師として一番困ることは、利用者とトラブルが起こった時の対処方法などが一貫していない場合です。

私も新規オープンの訪問看護ステーションで2度働いたことがありますが、ルールが明確になっていた事や、マニュアルがあったことはありません。

さらに新規オープンで、管理者が医療に従事していない人などの場合、働く看護師が苦労することは間違いありません

もちろん、管理者が責任を担ってくれる場合や、対処方法がしっかり確立していなくても、起こった問題に対して前向きに対処し、責任を担ってくれる人がいれば問題ないと思います。

 

(2)運営に携わりたい人以外、新規オープンは避けておこう

訪問看護ステーションの運営期間が短い場合、組織的にも整っていない(ルールが明確ではない)場合も多く、マニュアルなどもない場合がほとんどです。

そのため、運営に携わりたい看護師以外は新規オープン、または運営期間が短い訪問看護ステーションはお勧めしません。

「看護師としてバリバリ働きたい」「自分で作り上げたい」「管理者として働きたい」と思う方以外は、なるべく運営期間が長い訪問看護ステーションを選ぶようにしましょう。

私の個人的な意見ですが、目安としては3年以上運営している訪問看護ステーションがお勧めです。

 

5.看護師の給料が適正であること

看護師の給料が適正であること

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訪問看護ステーションに限らず言えることですが、看護師の給料が高い場合、仕事が忙しい傾向にあります。

一般的に考えて、訪問看護ステーションは、簡単に儲かるシステムにはなっていません。(病院と同じ感覚は危険と言えます。)

それにも関わらず多額の人件費を支払われる場合には理由があると考えたほうが良いでしょう。

 

(1)多額の人件費を支払うには理由とは?

訪問看護ステーションが看護師に多額の給料を支払う場合、

  • 看護師が不足している、定着率が悪い
  • 従業員の入れ替わりが激しい
  • 人間関係や業務内容などに何らかの問題がある

などのマイナスの理由の方が多いと言えるでしょう。

訪問看護ステーションに給料面に惹かれて入職し、ある程度の忙しさに耐えることのできると考える場合もあります。

しかし、従業員(看護師)の入れ替わりが激しく、組織として成り立たせることも困難となるためトラブルも生じてくるため、看護師にとって働きにくい環境と言えます。

もちろん、給料が高いだけで看護師として働きやすい訪問看護ステーションも存在するため、目安程度に考えてください。

 

(2)看護師の体験談

私が以前働いていた訪問看護ステーションでは給料が良く、すぐに看護師が入職してきますが、それ以上に短期間で辞める人が多すぎて1か月後には全く知らない人ばかりになっている、なんてことが起こっています。

もちろん、忙しいことも理由のひとつですが、

  • 訪問看護ステーションの経営方針
  • 訪問看護エリアの範囲

などが大きく関係していると感じます。

 

6.経営方針が自分に合っていること

経営方針が自分に合っていること

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訪問看護ステーションの場合、医療に携わったことがない一般企業でも開設することが出来ます。

そのため、経営者が介護や看護に対しては素人である場合も多く、経営を主軸とした(利益中心の)利用者選択に偏ることもあり、看護を行う現場が大変な思いをするという危険もはらんでいます。

また、看護を行うためのノウハウが分かっていない場合、必要な環境を作ってもらえないという事態になる危険や、看護師に必要な資質もわからないまま新人看護師を採用し、利用者や他の従業員が大変な思いをするという事態も起こります。

 

(1)経営方針の良し悪しは自分の判断となる

経営方針に関しては、働く看護師の判断によって良い環境にも、悪い環境にもなります。

そのため、訪問看護ステーションを調べている時や、面接時に必ず自分で経営方針を確認しましょう。

また、看護師転職サイトなどを利用して実際に働いていた看護師の声(口コミ)や、第三者(転職担当者)から訪問看護ステーションの評判を聞くことも良い確認方法だと感じます。

面接時には、

  • どのような利用者がいるのか
  • どのような内容でサービスを受けているか

などを質問し、本当に利用者にとって必要な看護を提供できているかという観点で見てみると良いでしょう。

 

(2)選び方のポイント

経営方針は訪問看護ステーションによって様々であり、実際に働かなければ見えてこない場合もあります。

そのため、選び方のポイントとしては、

  • 働きたいと思う訪問看護ステーションかどうか
  • 働くスタッフの表情は明るいかどうか
  • 入職前に嫌なことや、嫌な感じはしなかったか

等で検討してみてください。また、迷った場合は必ず見学に行くことをお勧めします。

 

7.訪問するエリアが広範囲ではないこと

訪問するエリアが広範囲ではないこと

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訪問看護ステーションによっては、活動範囲が広範囲の場合があります。

理由としては、広範囲にわたり利用者を探すことで、利用者数を安定させる狙いがありますが、働く看護師としては移動に時間がかかるため業務の効率性は下がります

そのため、看護師にとって働きにくい場合があるため注意が必要です。

 

(1)看護師の体験談

私は広い地域への訪問看護を行っている2つの訪問看護ステーションで働いた経験があります。

  • 1つ目は、広範囲でしたが、直帰が推奨されており、移動は大変でしたが残業が発生することはありませんでした。
  • 2つ目は、看護スタッフは時間に追われイレギュラーの発生も多く、いつもスケジュール通りにはいかず残業していました。

広い地域への訪問看護を行っている訪問看護ステーションでは、移動時間の問題にしっかり対応しているかを確認することが大切であり、その対策を講じていない訪問看護ステーションは要注意だと感じます。

 

(2)移動時間の問題に対応している事務所を選ぼう

広範囲が訪問看護のエリアとなっている場合、看護師は時間に追われ、イレギュラーが発生すれば残業になりかねません。

しかし、訪問件数が比較的少なく、十分な時間配分で時間の確保ができている場合や、直行・直帰などが認められるなどの対応が確立していれば問題ありません。

移動時間の問題にしっかり対応している訪問看護ステーションか見極めることが大切です。

 

直行・直帰の体制について

訪問看護ステーションの場合、訪問を終えて事務所に帰る場合がほとんどですが、直行・直帰を比較的に認めている訪問看護ステーションも多いです。

看護師が訪問看護ステーションで働く場合、時間の使い方が働きやすさのポイントとなり、直行・直帰の体制があると仕事を行いやすい環境と言えます。

そのため、

  • 直行直帰の体制の有無
  • 実務以外の参加必須の会議があるのかどうか

などを確認し、残業などが発生する可能性も見極めておきましょう。

 

8.不安な方は教育体制があること

不安な方は教育体制があること

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特にスタッフ数が少ない訪問看護ステーションでは、教育体制まで充実させる余裕がないことも多々あります。

また、一般病院のように看護師の仕事・業務内容が明確でない訪問看護ステーションでは、看護のレベルが個人の経験や力量に委ねられていることもあります

それでは教えてもらう人によってやり方が変わるので、初めて訪問看護師として働く方、新卒や新人看護師としては技術習得に自信が持てなくなってしまいます。

 

(1)教育体制が整っている訪問看護ステーションもある

特に訪問看護が不安な方は、教育やマニュアルなどが整っている訪問看護ステーションを選びましょう。

また、新人教育体制や独り立ちするまでの教育・フォロー体制はどのようになっているのか、を具体的に質問してみましょう。

例えば、

  • どれぐらいの間(期間)、同行してもらえるのか
  • 初めての場合の教育方法はどのようなものなのか

など、あらかじめ確認しておきましょう。

訪問看護ステーションによっては、病院のようにプリセプター(相談役)がいることや、教育カリキュラムが2年先、3年先まで決められている場合もあります。新人看護師を募集しているような訪問看護ステーションであれば、中途採用でも安心できるでしょう。

千葉県の日本看護協会が出している「新卒訪問看護師育成プログラム運用における学習支援マニュアル」など、臨床経験がなくても訪問看護師として働けるような育成プログラムの充実を行っております。

 

インターンシップや1日体験なども利用しよう

訪問看護師が初めての人に向けて、仕事体験ができる訪問看護ステーションもあるので、仕事体験に参加してみるとイメージしやすいでしょう。

実際にはどのように業務しているのか、というのはインターンシップや1日訪問看護師体験などで明確に知ることができます。

転職に時間の余裕がない方は「訪問看護師の役割と仕事内容、1日のスケジュール」を確認しておきましょう。

 

(2)最低限、緊急時の対応が明確であること

マニュアルや教育体制も大切ですが、働くすべての訪問看護ステーションが整っているとは限りませんし、皆様が勤務するエリアではそのような事務所がない可能性もあります。

そのため、最低限大切な事は、医療度の高い患者に対する医師のバックアップや緊急時の対応などが整備されているかを確認することです。

整備されていない場合、訪問時の状況判断を自分自身で判断し、行わなければいけない事態となり大きなストレスを抱えかねません。

面接では最低限、緊急時の体制について質問し、体制が整っているところを選ぶことが大切だと感じます。

 

9.転職前に確認したい良くある質問

転職前に確認したい良くある質問

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初めて訪問看護ステーションに転職する場合、良くある質問を私の体験から説明していきます。

訪問看護師の仕事内容等に関しての詳細は「訪問看護師の役割と仕事内容、1日のスケジュール」を確認してください。

 

Q:車利用して訪問看護をする場合、大変ですか?

回答運転に不慣れな方や、ペーパードライバーの看護師は苦労すると思います。そのため、車の利用に不安がある方は自転車訪問する看護師の方もいるので、転職前に働く職場で相談してみてください。(自動車免許が必ず必要な場合もあり、地域差があると思います。)

私が勤務していた訪問看護ステーションの訪問看護師は、主に車で訪問先を回っており、訪問範囲が広く1日に30〜50km移動します。ほとんどペーパードライバーだったため、高速道路や車庫入れは苦手だったので不安でしたが、訪問看護を始めてから運転が上手くなって苦手意識が少し減りました。

電動自転車で訪問している方もいますが、悪天候の場合は体力を消耗します。

 

Q:初めて転職して仕事で戸惑うことはありますか?

回答初めての訪問看護を行った際に私が戸惑ったことは、「利用者の自宅に入ること」「生活全体の管理と改善は難しいこと」など、実際に仕事をして戸惑いました。

まず在宅では利用者の自宅に入るだけで緊張しましたし、信頼されなければ、すぐに「あの看護師は来て欲しくない」と訪問できなくなってしまうことに驚きました。また、清潔ではない部屋も多いですし、経済的に裕福かどうかで生活環境は変わるのだと実感しました。

私が病院のICUに勤務していたときは、何度も心不全を悪化させて入院を繰り返す患者がおり、「なぜ訪問看護師がついているのに在宅で管理できないのだろう、悪化させないようにすれば良いのに」と本人に生活改善を求めていましたが、訪問看護師を体験してみて、たった数十分の訪問の中で患者の生活全体を管理して改善させるなんて無理なことだと分かりました。

 

Q:訪問看護の仕事が不安ですが大丈夫でしょうか?

回答訪問看護に対する不安な気持ちがある場合でも、フォロー体制(教育体制)がある訪問看護ステーションをしっかりと選択していれば、問題ありません。

実際には心配するほどの困難な場面はなく、フォロー体制がある事務所であれば初めてでも慣れるまで他のスタッフがしっかりフォローしている場合が多いと言えます。

病院や施設での看護と違った訪問看護ならではの楽しさやメリットが沢山あると私は感じます。一度訪問看護の世界に入ってみると「思っていたより、なんとかなるし、楽しいのだ」と分かってくると思います。

 

Q:基本的には1人で仕事・訪問をするのでしょうか?

回答利用者の自宅を訪問する場合、基本的には看護師1名で行いますが、実際には事務所にいるスタッフと報告・連絡・相談をしながらケアを行っている場合がほとんどです。

それは、仕事が「分業制」でも「受け持ち制」でも変わらないと思います。

病院ではナースステーションに帰って他の人を呼ぶことや報告しますが、訪問看護ではそれが電話連絡となり、病院のベッドサイドで行なっている患者ケアが訪問看護では自宅ベッドになっているだけ、とも言えます。

形式としては、病院のやり方とあまり変わりないと感じます。

また、困った時や判断に迷う時は電話連絡などで指示を仰ぐことがほとんどで、全てを1人で背負うという訳ではありません。

 

Q:他人の自宅に入ることに抵抗があるのですが大丈夫ですか?

回答実際に訪問看護師として働いていると、衛生的ではない家庭ももちろんあり、始めは抵抗を感じる方も多いです。

どうしても抵抗があるというときは、直接触れないように手袋やスリッパ、靴袋(靴にかぶせるビニール袋)を利用することや、マスク2枚重ねやメガネをすることもあります。例えば、ヘビースモーカーのお宅では匂いがユニフォームに付くので、衣類スプレーなどをして次の訪問に向かうこともあります。

人間ですから、全てが不快にならずに受け入れられるわけではありませんが、私の場合は「今、この訪問のときだけだ」と思って気持ちを仕事モードに切り替えるようにしています。

 

Q:新卒や新人看護師でも訪問看護師になれますか?

回答訪問看護ステーションの増加にともない、新人看護師でも、新卒看護師でも、訪問看護師として働く育成プログラムも日々充実してきているため、教育体制が整った訪問看護ステーションであれば、可能だと感じます。

しかし、「楽な仕事がしたい」などの理由で訪問看護師を選択することはお勧めしません。

教育体制が整っていたとしても、最終的には区切られた制限時間内にやるべき作業を全て終わらせなければならず、一人きりで訪問する孤独とプレッシャーがあります。病棟には病棟の働きやすさ・働きにくさがあり、訪問看護師には訪問看護の働きやすさ・働きにくさがあると思います。

 

Q:どのような看護技術が必要ですか

回答在宅療養では点滴や経管栄養、人工肛門などの看護技術が必要なこともありますが、訪問数全体から見れば少ない頻度です。訪問目的の多くは患者の健康維持や筋力維持・向上をしながら現在の生活を維持することのため、難しい看護技術は比較的少ないと言えます。

また、訪問看護では利用者の疾患も病態も全ての方が異なりますが、その多くは病状が安定している利用者の場合が多いです。

そのため、急性期のような観察項目を暗記する必要もありませんし、安定していた病状が急変する兆候は、どんな疾患も同じ「全身状態・バイタルサインの変化」ですから、特別に知識が求められる場面も少ないと言えます。

 

最後に

看護師が働きやすい訪問看護ステーションを選ぶためには、まず見学できるところを探し、可能なら体験してみるのが一番だと感じます。

その際に、看護師が選んだ「看護師転職サイト口コミランキング」を確認していただき、転職サイトを選択し、担当者に希望条件を伝え、ある程度、訪問看護師ステーションをピックアップしてもらってから、見学のアポイントを組んでもらいましょう。

自身で行うよりスムーズに、多くの訪問看護ステーションを見学できます。また、訪問看護ステーションの選び方で説明した、聞きにくいことも、第三者(転職サイトの担当者)を通じて質問することも可能です。

最後に

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最後になりますが、訪問看護師としての「やりがい」は、何と言っても、利用者(患者)や家族とゆっくり会話してゆっくり関われるところが嬉しいです。

病院だとバイタルとって部屋を出て、ちょっと処置してまた部屋を出て、次のバイタルまで放ったらかし、という事も多いと思いますが、訪問看護は決められた時間の中みっちりと連続して関わることができます。だから、業務上だけの会話ではなく、純粋に楽しんで会話することができて、利用者や家族と大笑いすることもあります。

そんなとき、私は「楽しいな、訪問看護師に転職して良かったな」と思います。

また、家族の絆が強く一生懸命介護や看護をしている家に訪問すると、その愛情や幸福感が伝わって、自分もその生活の一役になれる喜びを私は感じます。

訪問看護師をやっていて良かったなと思えるような訪問看護ステーションを皆様も是非選んでみてください。


   
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更新:2019年8月20日
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