現場の看護師解説!介護老人保健施設で働くメリットとデメリットとは?

現場の看護師解説!介護老人保健施設で働くメリットとデメリットとは?

病院以外の職場として特に中堅からベテランの看護師に人気のある介護老人保健施設。

一度働くと長く働く人が多いこともあってか、求人もなかなか少ないのが現状です。

そして、介護老人保健施設は看護師の配置人数が決まっており、働いている看護師も少ないため、情報を仕入れるところが少ないという話もよく耳にします。

特に、看護師の業界でよくあることは、看護師の求人をハローワークやサイトで見て応募してみたものの、実際とはかなり違ったということ。こうなっては、せっかく就職活動もなかなか時間がかかってしまいます。

そこで、複数の介護老人保健施設で実際に看護師として働いている私から見た、働くメリット・デメリットをご紹介していきます。

また、仕事内容については「介護老人保健施設(老健)で働いた看護師の仕事内容と体験談」で説明しています。

<【PR】看護師が評価した転職サイト>

1.介護老人保健施設で働く看護師のメリット

介護老人保健施設で働く看護師のメリット

私が介護老人保健施設で働いて感じた看護師としてのメリットを一つ一つ詳しく説明していきます。

(メリットは、病棟看護師などと比較しています。)

 

(1)定時で帰ることが出来る職場が多い

病院に勤めている頃は、患者さんのケアなどを終えるのが定時の時間頃になります。

その後はその日の看護記録から始まり、看護計画の立案、修正、次の日に大きな処置や手術が控えていようものならその準備をして、帰宅できるのは定時から+1〜2時間後です。
(もちろん、残業がない病院もあると思います。)

もし早く終わったとしても、周りの人が仕事をしていたら嫌であっても「手伝いましょうか」と声をかけないといけなそうな雰囲気です。

そして、上司に許可を得なければ残業としても認められないケースもあると思います。

時期によっては新卒への指導や研究発表の準備・・・というように何かと事務的な作業が多く、定時で帰宅するのは難しいのが病院だと感じます。

しかし、介護老人保健施設の中心は介護士であり、病院で看護師が担っていたような事務作業はほとんどが介護士の仕事となります。

私の経験ですが、看護師が記録を取る時は、何か医療的なことをした時くらいだと感じます。

そのため、私は病院勤務と違い9割9分程の確率で定時に上がることが実践できます

もちろん、突然の急変や、救急搬送となった場合は、看護師が付き添わなければならないため、そういった際には残業ということになります。

 

看護師の体験談

私が勤務している介護老人保健施設では、仮に記録物で残業が必要になった場合や、救急搬送を行った残業の場合でも、100%残業代をいただくことができています。

そのため、私は仮に残業をしたとしても、残業への抵抗感があまりありませんし、子育て真っ最中のママさんナースに介護老人保健施設は人気となっている理由だと感じます。

 

(2)看護師の仕事量が少なく給料も良い

病棟ではケア以外の記録物にも追われる毎日の方も多いと思いますが、私が勤務したいくつかの介護老人保健施設では基本的に、毎日記録をつけることはありませんでした。

さらに、介護老人保健施設では介護士が主役となるため、日常生活援助はほぼほぼ介護士の仕事となり、看護師がつける記録は医療的処置を行った時と、家族対応など自分が行ったことのみでした。

病院と違って、利用者様の生活の場となる介護施設では、勝手をあまり理解していない看護師が日常生活援助に関わることで、利用者様に不安を与えるだけとなるためほとんどの施設で看護師が関わることはないため、看護師がトランスをすることや、トイレ動作やおむつ交換を行うということはほとんどありませんでした

そのため、身体的な負担は病院と比べてかなり軽くなります。

また、前職の収入にもよりますが、「介護老人保健施設勤務のほうが高収入である」という看護師が多いことも実情です。(都道府県によって偏りはあると思います。)

仕事量と比較すると介護老人保健施設の方が割高に感じる看護師は多いと思います。

 

(3)死に直面する機会も比較的少ない

病棟勤務や診療科によっては、患者の死に直面する機会が多かったり、急変のリスクに怯えたり、モニターとにらめっこしたりと精神的な負担が多い場合があると思います。

しかし介護老人保健施設では、そのようなことはほとんど経験がなく、夜勤も同様に介護士がほとんどの業務を行うため、看護師は要注意者のバイタルチェック以外はコールの対応(これについても、トイレやおむつ交換などは介護士がやってくれます)や認知症利用者様の見守りなどが中心でした。

以上のことから、病院の業務に疲れたけども看護師を続けたいという方には人気があり、メリットに感じる方も多いです。

 

(3)生活の場であるためレクなどが多く一緒に楽しめる

介護老人保健施設で働いているベテラン看護師の多くが働くメリットとして挙げるものが「生活の場であるためレクリエーションなどが多く一緒に楽しめる」ことです。

介護老人保健施設は利用者にとっては生活の場であり、施設側も年間を通じて様々な催し物を行います

正月やクリスマスをはじめとする年間行事以外にも、カラオケ大会や映画鑑賞、夏祭りやお花見やドライブ、ショッピングなど様々なレクリエーションが行われます。

(現在は感染症の影響で自粛していることが一般的なので注意してください。)

また、施設にもよりますが、行事の際にスタッフのために食事を用意して提供してくれるところもあります。病院では院内に四季を感じる飾りがされていても、このように直接楽しむ行事は少ないです。

そのため、利用者よりもどちらかというと看護師が率先して楽しんでいるという方も多く、このように楽しみながら仕事ができるのも介護老人保健施設のメリットだと私は感じます。

 

2.介護老人保健施設で働く看護師のデメリット

介護老人保健施設で働く看護師のデメリット

メリットをお伝えしましたが、もちろん働いて感じたデメリットもありました。

私の体験からお伝えしていきます。

 

(1)介護士との人間関係

看護師の転職サイトなどを利用しても必ず言われるデメリットがこの介護士との人間関係です。

看護師と介護士では受けてきた教育が違う上に、資格の取り方も全く違います。

介護現場には介護福祉士からヘルパーといった具合に資格の種類も違い、介護業界を目指して介護士になった人からただただ仕事がなく仕方なしに介護士になる人まで、今に至る背景も様々なものです。

それに伴って、価値観などのズレから揉めるというケースは多々あります。

また、医療的知識も乏しい介護士が医療についてあれこれ口を挟んできたことによるトラブルも多発しています。

 

看護師の体験談

私の個人的な経験ですが、病院でリーダーなど上の立場を経験してきた方ほど揉めるケースが多いように思います。

トラブルの原因として1番多いことが「価値観の違い」だと感じます。

例えば、看護師にとって利用者が、やや血が滲んでいるような状況であっても、血液や傷を見ることに慣れていない介護士にとっては大出血となります。

看護師から見たら様子観察で十分、騒ぐほどでもないような事例がほとんどですが、その気持ちの温度差が人間関係に支障をきたす場合があります。

 

(2)病歴が長く、覚えるのに苦労する

介護老人保健施設の利用者は、原則として3ヶ月で1度は在宅復帰をしないといけないという施設が多くなってきていますが、それでも家と施設を往復している利用者も多いことから、大体3年前後施設で生活している場合が多いです。

そのため、利用者の病歴がとても多く、看護師として覚えるまでにかなり時間を要します

ただ覚えるだけであれば問題ないのですが、例えば、「その利用者を病院に連れていかなければならない」という事態になった時、この病歴を覚えていないと、病院で怪訝な顔をされることが多い印象でした。

病院と違って病気の経過が長いことも、覚える側の苦労する要因となっており、働いていてデメリットに感じます。

 

(3)経営母体によって施設の特色がかなり違う

こちらは、入職してからのデメリットではなく、入職する前に確認してほしいデメリットとなります。

介護老人保健施設は医師が施設長を務めなければならないという決まりになっているものの、運営自体は理事長が行っているケースがほとんどです。

さらに施設によって、母体が病院であったり、法人であったりと様々です。

この経営母体によって看護師が、「働きやすいか」「働きにくいか」大きく影響すると私は思います。

メリットで説明したレクリエーションの質も経営母体によって大きく異なります。

病院が経営母体であるとレクリエーションへの規制が厳しい一方、法人であると割と規制が緩く、スタッフの好きなように企画、運営をさせてくれるところが多いです。

 

看護師の体験談

介護老人保健施設は医師が常駐しており、何かあったらまずその施設の医師に指示を仰がなければなりません。

病院が母体であれば自分の病院に連れて行って専門の治療を受けることもできますが、母体が法人である場合、医師の力量にもよりますが、専門外であると正確な判断が難しくなります。

そのため、看護師としては病院で専門的な治療を受けて欲しくても様子を見て終わりとされてしまうケースもあり、看護師として辛い場面に直面することも多々ありました。

入職する前にパンフレットや情報収集を行い、経営母体のチェックもしておいたほうが私は良いと感じます。

 

(4)家族への対応が大変

病院・病棟に勤務している場合「看護師さんの言う通りに動きます」と家族は割と協力してくれたり、こちらの考え方を尊重してくれたりしますが、介護老人保健施設だとそうはいかない場合が多いと言えます。

入所させたらそのまま滅多に会いに来ない家族もいれば、過剰に会いに来て、とても心配してしまう家族もいます。

さらには、施設の仕組みを分かっていないままクレーム等を伝える家族も正直なところ多くいました。

そういった家族達への医療的な説明も、看護師として働く上でかなり大変でした。

基本的にその日の経過や、医療的な変化があった際の報告は病院だと医師が行うものの、介護老人保健施設は主に看護師が行い、医師は本当に重要な時にしか説明をしないことが一般的です。

そのため、看護師の伝え方次第では家族へ誤解を招き、後々大きなトラブルへ発展しかねないため、重要な役割となります

この対応が辛いと土日の家族の来館が多い日にちを、あえて休日にして働いている看護師もいるほどです。

 

3.最後に

最後に

介護老人保健施設の看護師求人を探す場合にはあまり説明のない、観点から良い点・悪い点をお伝えしていきました。

病院にしても、介護老人保健施設にしてもメリット・デメリット考慮した上で、自分にあった場所で働き続けられることが1番ですよね。

就職活動をされている方はぜひ、選ぶ際のポイントにして頂ければと思います。

特に施設情報などは、民間の転職会社などを利用して情報収集を行うことをお勧めします。

この記事はお役に立ちましたか?

この記事を書いた人

看護師監修者・執筆者について



コメントを残す

内容へのご意見、ご感想を是非、お願いいたします。