美容皮膚科に転職をしたいと考えているが、一般の診療科とは仕事内容も患者も大きく違うため、転職前に自分に向いているかどうか不安に思っている看護師もいるでしょう。
自分自身が美容皮膚科に「向いている看護師か」「向いていない看護師か」を知ることは重要なことです。
なぜ、重要かと言うと向き不向きを知ることで、転職する美容皮膚科クリニックをしっかりと吟味して初めてでも看護師として勤務しやすい美容皮膚科を見つけやすいためです。
ここでは、実際に私が4年間勤務した中で感じた、美容皮膚科に向いている看護師とそうではない看護師、また初めての場合にはどのような美容皮膚科に転職すべきかについて紹介していきます。

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1.美容皮膚科に向いている看護師とは

看護師が美容皮膚科に転職する場合、どんな人が向いていると言えるのでしょうか。
以下で私の体験から説明していきます。
(1)美容に興味があり積極的に学びたいと思っている方
美容皮膚科は、一般の看護師と仕事内容が大きく異なるため、美容皮膚科に興味があり知識を身につけたいと思っている看護師は、次々と知識を習得することができ楽しんで仕事をこなすことができるでしょう。
看護師の体験談
(2)強く当たられてもめげない方
美容皮膚科に限らずクリニックでは病院に比べてスタッフが少なく密な関わりとなるため、恐いスタッフや意地悪なスタッフに強い態度をされたり、強く何かを言われたりしても気にしないくらいの看護師が向いているでしょう。
何かある度に気持ちが沈むことや、くよくよしていては仕事に支障を及ぼしてしまいます。
また、患者にクレームを言われた場合や怒られた場合にも、めげずに正々堂々と謝ることや「こんな患者もいるものだ」と気にしない強い気持ちを常に持って働く必要があります。
看護師の体験談
もちろん最初は気にしてしまい時には弱気になっていましたが、長く勤務するにつれて強い心を持てるようになったと思います。
(3)常に新しい技術や知識を覚えることが好きな方
美容医療の技術や知識は日々進化しており、取り扱う機器もどんどん変わっていきます。
美容が好きで新しい知識や技術を積極的に学ぶ姿勢のある人は向いていると感じます。
(4)どのようなタイプの人とも人間関係を築ける方
美容皮膚科に来院する患者は、クレーマー体質の人が多くいます。また、一緒に勤務する医師や看護師の中には一癖も二癖もある人がいます。
どのタイプとも上手に付き合うことができ、空気の読める人は、ストレス最小限に働くことが出来ます。
(5)事務作業に苦痛を感じない方
看護業務以外の事務作業を苦痛に感じず出来る人は美容皮膚科の中でも、特に中堅〜個人クリニックに向いています。
(6)一般常識のある方
美容皮膚科に定期的に通院する患者は、芸能人や経営者など社会的に成功されている方やセレブな方が多く来院されます。
また業者とのやり取りは、ほぼ全てメールで行います。
これらのことから、
- 正しい敬語が話せること
- 正しいビジネス文書が書けること
この2つは、業務を円滑に進めていくために最低限必要なことです。
(7)手先が器用な方
美容皮膚科の看護師は医師の介助のほか、看護師照射のレーザーや施術が多くあります。
特に大手クリニックは、朝から夜まで施術に入りっぱなしという状況も少なくありません。そして美容皮膚科では点滴、採血の失敗はクレームに繋がります。
(8)接客が好きな方
美容皮膚科に来院する患者は、患者ではなくお客様です。
対応の悪さからクレームに繋がることもあるためきめ細かく丁寧な接客をストレスなく出来る人は向いています。
2.美容皮膚科に不向きだと感じる看護師

看護師が美容皮膚科に転職する際に向いていない、不向きな看護師は、どのような特徴を持った人なのでしょうか。
そもそも美容に興味のない人は、美容皮膚科の看護師としてやりがいは感じないので不向きと言えます。
また、人間関係に悩んで美容皮膚科に転職してもまた人間関係で悩むリスクはあり、美容皮膚科に勤務する看護師が、皆感じ良いわけではありません。
こちらも、私が仕事をした体験から解説していきます。
(1)「ノルマや営業が嫌だ」という方
美容皮膚科では、全くノルマや営業がないクリニックもあれば、ノルマ達成や営業をすることが必要な場合もあるため、「売り上げを気にする」「利益を考えて行動する」等は絶対に嫌という看護師は、美容皮膚科には不向きだと言えるでしょう。
しかし、ノルマや営業がある美容皮膚科クリニックは、ノルマを果たすことや営業で良い成績をとることにより給料が上昇するというメリットがあるところが多いです。
看護師の体験談
(2)業務と患者対応の両立ができない方
美容皮膚科では、業務をてきぱきこなしつつ患者への丁寧な対応は絶対に欠かすことができないため、忙しさをあまり見せずに業務をしつつ患者の対応もできるスキルが必要です。
そのため、
- 忙しいときに自分の業務をとにかくこなそうとして、業務だけに囚われ周りが見えていない
- 患者に話しかけられてもきちんと対応をしない
- 「今は忙しい」という態度を前面に出していて患者が話しかけづらい
等、業務と患者への丁寧な対応を両立できない看護師は、美容皮膚科には不向きだと言えるでしょう。
(3)病棟での看護師の仕事にやりがいを感じていた方
美容皮膚科に転職を希望している看護師の中には、本当は病棟で患者と関わることや看護業務が好きだったけれど、多忙過ぎることや人間関係の悪さから転職を選択した人も多いと思います。
ですが、病棟での看護業務にやりがいを感じていた看護師には、美容皮膚科の仕事は向いていないと感じる方多いです。
理由としては、
- 業務内容が全く異なること
- 病棟と比較すると看護業務が少ないこと
など、今まで経験して積み上げてきた知識や看護技術を存分に生かせないため合わないと感じるようです。
(4)入職前に美容皮膚科の業務をしらない方
面接時に業務内容などについて説明がありますが、なかなかイメージ出来ず採用された看護師の方は早い段階で退職する人もいます。
私が、彼女達に聞いた本音は、
- 初めは覚えることが多く必死だったけれど慣れてくるに従い業務内容が好きではないことに気付いた
- 病気ではないのに、わざわざ顔に針を刺して痛い施術をする人の気持ちが理解出来ないことに気付いた
などです。
(5)看護業務以外の業務を行いたくない方
美容皮膚科の看護師は、医師の介助や看護師施術のレーザー照射、点滴、採血以外に事務作業があります。
クリニックによりますが、受付業務、電話対応、発注業務、業者とのやり取りや交渉等多くの事務作業を全てこなさなければならないこともあります。
私の経験では大手クリニックは業務分担されているので事務作業が自分の業務を圧迫することはないですが、個人クリニックは看護業務以外のことも何でもしなければならず、なぜ私がこんな仕事をしなければならないのかと退職を決意する看護師もいます。
3.初めての場合どんな美容皮膚科に転職する?

看護師が初めて美容皮膚科に転職する場合は、どのようなところが良いでしょうか。
私の体験ですが、以下で詳しく説明していきます。
(1)教育体制が整っている美容皮膚科
初めて美容皮膚科に勤務する場合は、医療脱毛のレーザー照射やイオン導入など美容皮膚科ならではの複数の施術を1から覚えることが必要です。
1人で問題なくスムーズにできるようになるまでは、先輩看護師から細かく指導や教育をしてもらうことや練習台となってもらうことが必要であるため、看護師の人数が充足しており教育体制の整っているクリニックを選ぶことをお勧めします。
また、不慣れなまま施術を行うことは、患者にも迷惑をかけてしまう恐れがあります。
(2)ノルマや営業が無い美容皮膚科
初めて美容皮膚科に転職する場合は、まず仕事内容や知識をしっかり身に着けて、初めての環境に慣れていく必要があるため、いくら給料がよくても初めて転職する美容皮膚科は営業やノルマのないところを選ぶことをお勧めします。
また、私の経験ですが初めて美容皮膚科に転職してすぐは、クリニックの売り上げを気にしている余裕はないでしょう。
(3)一般皮膚科の保険診療も美容診療も両方行っている美容皮膚科
初めて美容皮膚科で勤務する場合は、いきなりすべてが自由診療の完全なる美容皮膚科に勤務するより、保険診療(一般皮膚科)も自由診療と同様に行っている美容皮膚科を選んだ方が気持ちはとても楽です。
看護師の体験談
そして、美容目的の患者に対して施術をした後に保険診療で来院した患者と接することは、緊張がほどけたような気持ちになり、うまく心の中で息抜きをしながら勤務することができました。
4.最後に
美容皮膚科の看護師の向き・不向きと転職注意点について紹介してきましたが、いかがでしたか?
自分自身が「美容皮膚科に向いている人」に当てはまった場合は、問題なく楽しんで仕事ができますが「美容皮膚科の看護師に向いていない人」に当てはまった場合でも、やる気があり努力することで徐々に向いている看護師になれる可能性もあります。
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