看護師が休憩のとれない職場で働いている場合のリスクと対処法

看護師が休憩のとれない職場で働いている場合のリスクと対処法
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勤務時間内の休憩は、労働基準法に定められているものであり、雇用側が労働者に与えなければならないものですが、実際にはまともに休憩がとれない職場もあります。

そのため、休憩が取れる職場への転職を考える際は「その職場が本当に自分に合っているのか」「休憩がとれないという不満は解消されるのか」等をしっかり見極めるようにしましょう。

今回は、看護師が休憩をとれない職場で働いている場合のリスクと対処法等についてご説明していきます。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 東京都/32歳
  • 職務経験:総合病院 、療養型病院 、クリニック、デイサービス
  • 診療科経験:外来、小児科、脳神経外科、眼科、救急外来、歯科、退院調整室
高校卒業後、大学に進学したものの将来の方向性に悩み中途退学。その後、看護師という仕事に魅力を感じ、社会人経験を経て看護師資格を取得。他の職種での経験を活かした視点で、どんなときも患者さんを思った優しさのあるケアができる看護師になることを目指している。
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1.看護師の休憩がとれなくなる理由とは

看護師の休憩がとれなくなる理由とは

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看護師は多忙な職業ですが、休憩が取れないほどの職場にはどのような理由があるのでしょうか。

以下で、看護師の休憩が取れなくなる理由について見ていきましょう。

 

(1)急患・緊急入院が多いため

急性期病院では、時間に関係なく「急患が来院」「緊急入院が入る」等が日常茶飯事であるため、休憩中に患者の対応をしなければならないことがあります。

急患や入院の対応が終わってから時間をずらして休憩が取れることもありますが、実際にはその後も予定が詰まっているため落ち着いて休憩を取ることができません。

 

(2)人手が足りていないため

どこの病院でも看護体制に合わせて看護師を配置しており、最近では7対1看護の病院が多くなってきました。

7対1看護は、受け持ち人数が少ないですが7対1看護を守るために各病棟の看護師を配置しなければならず、実際にはフリーで動ける看護師が少なくなり人手が足らなくなることがあります。

急な退職や欠勤者が出てしまうと、看護師1人の負担が大きくなるため休憩時間を削ってでも仕事をこなさなければならない状況になることがあります。

 

(3)新入職員が多いため

看護師の入退職が激しい病院では、慣れている看護師が少ないため「指導をする間は業務を減らしてもらえる」等の配慮があれば良いですが、難しい場合は指導をしながらの業務となり休憩時間を削らなければならないことがあります。

入退職が多いほど休憩が取りにくい環境

看護師経験がある場合でも病院によって違うところがあり、入職後しばらくは慣れている看護師が指導をすることになるため、入退職が激しいほど指導しても慣れた看護師が増えず休憩がとりにくい状況が続いてしまいます。

 

(4)先輩が休憩をとらないため

休憩が取れない職場で働いている看護師で意外と多いこととして、「先輩が休憩を取らないために休憩し辛い」というものがあります。

先輩に仕事が偏っているというわけではなく、たとえば先輩は自分が定時で帰るために休憩時間を早く切り上げて仕事をしているだけかもしれませんが先輩が働いているところを目の前にしながらの休憩は休まりません。

スタッフ間の関係性がうまくいっていない職場では、「忙しいのに自分だけ休憩している」と陰口を言われ、それを避けるために休憩が取れなくなることもあるでしょう。

 

(5)ゆっくり休憩できる場所がないため

休憩する場所がなく、「常にナースコールや患者の声が聞こえる」「バタバタと走り回る様子が伺える」等の状況では、リラックスすることができません。

働いている看護師からしても姿が見えると休憩中とわかっていながら声を掛けやすく、せっかくの休憩時間を妨げてしまいます。

職場である病棟などから隔たれた場所に休憩室がある場合は、少しの時間であっても仕事から離れてゆっくりすることができるでしょう。

 

2.休憩のとれない職場で働き続けるリスク

休憩のとれない職場で働き続けるリスク

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看護師が休憩のとれない職場で働き続けると、「心と身体の不健康」「集中力の低下」「プライベートが空虚」「看護師が嫌になる」等のリスクが考えられます。

それぞれについて、以下で詳しく説明していきます。

 

(1)心と身体の健康が保てなくなってしまう

休憩が十分にとれないと職場にいる間は、最初は今だけだと自分に言い聞かせて我慢できても、そのうち仕事量・給料などに不満が出てきてストレスが蓄積してしまいます。

ストレスを和らげる休憩がとれず、身体も休まらないことでさらにストレスが溜まるという負のスパイラルがおこり、心と身体の健康を害してしまう恐れがあります。

休憩を取ることは、労働基準法を守ることだけが目的ではなく、「食事をすること」「ひと時だけでも仕事から離れること」で、心と身体が休まりバランスを取ることができるのです。

 

(2)集中力が低下してしまう

看護師の仕事は、患者の命に直結するようなものもあり、どんなときも集中して看護をしなければならないため、「食事をとること」「休憩すること」を意識的に行うことで集中力を維持できます。

食事と休憩がとれず、集中力が低下した状態で患者のケアに入ってしまうと、注意力や判断力が鈍くなり最悪の場合は重大な医療事故につながる恐れがあるため、休憩の取れない職場は注意が必要です。

 

(3)プライベートが充実しない

休憩が取れない職場で働いていると休日に「疲れがきて外に出かけるのが億劫になる」「体調を崩して寝込む」等の状況にもなりやすいでしょう。

そのため、日々のストレスを発散するどころか、日々のストレスと疲労が休日にまで残ってしまうとプライベートを充実させることができなくなってしまいます。

 

(4)看護師そのものが嫌になってしまう

「休憩がとれない」というだけでも、そこから負のスパイラルになり、最終的に看護師そのものを続けることに魅力を感じなくなる場合もあります。

「努力して看護師になった」「看護師として目指すものがあった」等にも関わらず、看護師という仕事から離れてしまう恐れがあるでしょう。

 

3.看護師が休憩をとれない場合の対処法4つ

看護師が休憩をとれない場合の対処法4つ

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前述の通り「休憩が取れない職場で働き続ける」ということは、あらゆるリスクを伴うことが分かります。

そのため、看護師が休憩を取れない場合は以下のような対処法を取るようにしましょう。

 

(1)現状を上司に伝える

休憩が取れないという現状があったとしても、それが上司に伝わっていなければいつまでも改善されることはないため、病棟師長や看護部長に働きかけて休憩時間を確保できるよう動いてもらうようにしましょう。

また、病院内に職員の相談窓口がある場合は、そちらに相談してもいいでしょう。

 

(2)スタッフ間で1日のスケジュールを見直す

ほとんどの職場は、1日のスケジュールを「午前中に行うケア」「午後に行うケア」等とあらかじめ決めていますが、スケジュール通りにいかず休憩が取れない場合は、そのスケジュールを見直す必要があります。

スケジュールを見直した例

例えば、「絶対に動かせない点滴の更新時間」「看護師の数が必要な食事介助の時間帯」等には看護師がその業務を行えるように、他のケアを違う時間に設定するなどの調整ができます。

看護師の休憩時間にも看護が必要な患者がいるため、「患者に合わせて休憩に入る看護師の人数を調整する」等の調整をすることで残った看護師の負担が減り、休憩中の看護師は落ち着いて休憩することができるでしょう。

 

(3)すべて自分が抱え込もうとせずに頼る

新人の頃は、「先輩のように要領よく仕事ができないこと」「自分で抱えられる量よりも仕事量が多い」等のことから、自分だけがしっかり休憩をとれていないという状況が多く見られます。

患者の看護は、1人でしているわけではなくチームで行うため、自分だけが休憩を取れていない場合は、1人で抱え込まず、手の空いているスタッフに頼ることが大切です。

 

(4)休憩がとれる職場へ転職する

前述した対処法をとっても休憩が取れない場合、病院によっては慢性的な看護師不足で改善したくてもなかなか改善できないところもあるため、転職を考えても良いでしょう。

広い視点を持って職場を探す

休憩が取れる職場を探すときには、

  • 看護体制
  • 勤務している看護師の人数
  • 介護スタッフの有無
  • 仕事内容
  • 残業の有無

等、休憩だけでなく広い視点を持って探すことが大切です。

 

4.看護師がしっかりと休憩をとれる転職先とは

看護師がしっかりと休憩をとれる転職先とは

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看護師がしっかりと休憩を取れる転職先には、どのような特徴があるのでしょうか。

以下で詳しくご紹介していきます。

 

(1)ワーク・ライフ・バランスに取り組んでいる

看護師を雇用する側の病院には、「職員の心と身体の健康を守ること」「職員自身が健康管理を意識できるような職場環境をつくること」が求められているため、看護師が休憩を取ることができる職場ではワーク・ライフ・バランスに取り組んでいます。

仕事とプライベートのバランスが取れる対策を取っている

ワーク・ライフ・バランスがしっかりとれる職場は、「休憩時間の確保」「残業の削減」「有給消化率の向上」等、職員がプライベートと仕事のバランスを取れるよう様々な対策をしています。

休憩がとれる転職先を探す際は、その職場がどのようにワーク・ライフ・バランスに取り組んでいるのかを確認しましょう。

 

(2)休憩室が確保されている

休憩中だけでも仕事のことを気にせずにリラックスするためには、ナースステーションの奥や病院内に休憩できる場所が確保されていることが必要です。

休憩場所が確保されていない職場もある

規模が大きな病院や新しい病院以外に勤める看護師の場合、

  • サラリーマンのような食事を摂れる自分のデスクはない。
  • 患者や家族に声を掛けられても休憩中だからと断ることができない。

等、未だに休憩場所が確保されていない職場もあります。

 

(3)1人1人の看護師が落ち着いて仕事をしている

看護師が休憩をしっかりととれてリラックスできている職場では、スタッフの関係性が良く、仕事に集中できるため重大な事故を起こすことがほぼなく、スムーズに1日を終えることができます。

そのため、休憩の取れている職場の見学に行くと看護師の表情は明るく、笑顔が見られ穏やかに仕事している様子が見られるでしょう。

休憩がとれない職場は、常に忙しく看護師もピリピリしているため、職場見学の際に看護師の状況を確認しておくと良いでしょう。

 

(4)看護師の数が十分足りている

病院の規模に合わせて十分な看護師が在籍し、適当な人数が各病棟に配置されているかどうかが重要で、看護師の数が十分に足りていれば、交替で休憩に入りやすいです。

離職率が低く中堅看護師が多く在籍している病院の場合は、ある程度落ち着いて勤務でき休憩も問題なく取得できるでしょう。

離職率の高い病院に注意

離職率が高い病院では「入退職者が多い」「病院に慣れている中堅看護師が少ない」「何かしらの理由があり、早くに退職する職員が多い」等の可能性もあります。

 

(5)各病棟の師長がしっかりしている

休憩がとれない職場は、「病院の規模」や「急性期だから」といった理由ではなく、スタッフを統括する管理者がしっかりしていなければ病棟はうまく回りません。

例えば、自分の都合で休憩時間を削っている先輩がいたら、「後輩が休憩しにくいからどうしても今やらなければならない仕事なら残っているスタッフに依頼しなさい」と注意することや、仕事量が偏っていないか定期的に確認するなど、休憩をとれるように配慮します。

職場環境改善が必要な場合

職場環境の改善が必要であれば、スタッフを守るために「管理者同士での話し合いの機会を設ける」など対策を取ることで、「先輩に遠慮する」「新人看護師に仕事の負担が多くなる」「職場の環境が問題で休憩がとれない」等といった事態は改善されるでしょう。

職場を見学する際には、師長とその他のスタッフとのやり取りや関係性を観察してみると良いでしょう。

 

5.最後に

休憩がとれない理由は様々ですが、休憩を取らないことで心と身体にかかる負担は大きく、患者の看護にも影響します。

休憩を取ることは決して申し訳なく思うことではなく、働く上で必要なものであるため休憩をしっかりとれるような対処法を実践していきましょう。

休憩のとれない職場で働いている看護師は、是非参考にしてみて下さい。


   
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更新:2019年3月26日
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