中央処置室で働く看護師の仕事内容と体験談

中央処置室で働く看護師の仕事内容と体験談


看護師

規模が大きな病院では、外来の各診療科で行う処置を一手に引き受けるセクションとして「中央処置室」が設けられている場合があります。

この中央処置室は、一般的に外来受診した患者に処置の必要性が生じた際に、診療科に関係なく様々な処置を行う場所です。

私は、500床を有する病院の中央処置室で3年ほど勤務していました。

勤務していた病院の特性として診療科の外来診療と兼務することも多かったですが、専属担当は中央処置室の所属でした。

中央処置室の専任担当人数は常に5~6人程度の看護師で、一日の外来受診患者さんは300人から500人でした。

私の経験を元に、中央処置室で働く看護師の仕事内容、働いて感じたことを説明していきます。

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1.看護師の仕事内容

看護師の仕事内容

私が勤務していた病院の診療科は、外科、呼吸器科、消化器科、口腔外科、形成外科、泌尿器科でしたが、近くに隣接する系列病院があり、そちらとの患者のやり取りも看護師の仕事でした。

中央処置室で働く看護師の、重たる仕事内容は「処置業務」となり、常に忙しく走り回っているセクションでした。

また、外来診療では、手術前の確定診断のため受診、手術する前の各種検査、手術後の経過観察、外来化学療法などの治療をするために受診される患者が多く来院されました。

中央処置室は、とても忙しい環境のため、手が足りない時は他の診療科より看護師のヘルプを依頼していました。

 

(1)中央処置室で働く看護師のスケジュール

私が勤務した病院の中央処置室で働く看護師の1日のスケジュールと、1週間のスケジュールをご紹介します。

日勤:1日の看護師スケジュール

8時30分・出勤、早番の人が8時から採血
・出勤した看護師は、すぐに採血処置に取り掛かる
9時00分・その日実施予定の点滴が運ばれてくる
・内容の確認、患者が到着次第、順次点滴開始
10時00分・輸血の患者が来院
・ルートキープと同意書の取得、患者の観察
(滴下開始15分間は側で有害事象の観察が必要)
・外来手術日は、手術出し業務も行う
11時00分昼休憩
(午前中は主に上記の処置をそれぞれの看護師が並列して行う)
13時00分・午後受診予定の患者が到着
・点滴・注射・採血を並行
14時00分・外来手術患者のお迎え
・セデーション処置の患者対応
15時00分・内視鏡が終了した患者の管理観察
・覚醒が良ければ順次診療科へ戻す
・観察室のベッドコントロール
16時00分・検査漏れ、処置漏れのチェック
・漏れている患者を診療科に連絡・進捗の確認
・採血と点滴に順次対応
17時00分退勤
(基本的には採血などを含む処置業務のオーダーは17時でストップ)

私は16時頃から行う、採血と点滴は疲労により穿刺の成功率が若干落ちこみました。

1週間の看護師スケジュール

上記で説明した1日のスケジュールを日々行いながら、中央処置室独自の1週間に行う看護師の仕事内容をご紹介します。

月曜日・週の初めなので、採血件数が一番多い曜日
・とくに連休明けなどは、非常に込み合う
火曜日・外来手術日、手術出し、手術受けが多い
・手術の影響により、いつもより処置業務の時間が足りない
水曜日・在庫管理業務
木曜日・外来手術日
・いつもより処置業務の時間が足りない
金曜日・環境整備、シーツ交換
・外来の休診日

私の働いていた中央処置室の在庫管理業務では、点滴などの薬剤は都度薬局より運ばれてくるので問題はありませんでしたが、医材は看護師が在庫を見て発注をかけるので、残数には常に気を付ける必要がありました。

また、外来の休診日には、普段の業務では行き届かない部分の処置室全体の清掃や消毒、カーテンの洗濯を業者に看護師が依頼していました。

 

(2)採血・点滴・注射・輸血等

採血・点滴・注射・輸血等

採血に関して

中央処置室の中で最も基礎基本となる看護師の仕事です。

(私が勤務した病院では、一日に採血しに来る患者は、延べ100人から400人程度で、患者一人あたりにかかる採血時間は1~2分です。)

その中には乳がん術後やシャントを保有しているなどの事情から、穿刺ができない肢位もあり、1~2分の間に患者氏名、採血内容、禁忌肢位、消毒薬のアレルギーの有無、抗凝固剤内服の有無を確認し、採血を実施していました。

また、さらにその後、確実に止血確認をした後に送り出す必要がありました。

点滴に関して

患者さんの点滴の調剤、末梢血管確保を看護師が行います。(ミキシング時は清潔操作で取り扱います。)

私が勤務していた中央処置室では、医師のオーダーによってはmg指示でオーダーされていますが、実際の薬液はmlで計算するので、正確に換算する必要がありました。

注射に関して

薬液注入速度に制限が設けられている薬剤も取り扱います。私が勤務していた中央処置室では、CVポートのフラッシュ操作も、看護師の仕事内容でした。

看護師は、CVポートトラブルの有無を観察し記録、同時に採血用検体を採取する場合もありました。(この場合は、シリンジ採血をします。)

輸血

外来で行う輸血実施する種類はRBC、FFP、RCなどを行い、看護師の仕事でした。

私が勤務していた中央処置室では、CARTや自己血の採血(貯血)や返血も行っており、輸血は必ず20~22G穿刺という条件が設けられていたので、血管が細い人はルートキープが大変でした。

 

(3)各診療科の処置・検査

各診療科の処置・検査も中央処置室で働く看護師の仕事でした。

私が勤務していた病院では、診療科によりますが、尿カテーテルの留置、導尿、マーゲンチューブ挿入、75gGOTT、ICGテスト、各種チューブの入れ替え、ストマの管理、身長・体重・視力検査、バイタルサインの測定などを中央処置室の看護師が行っていました。

各診療科の処置・検査の内容は、勤務する病院でかなり異なる部分なので、注意してください。

また、私が働いていた中央処置室では、医師の介助がいらない処置はすべて中央処置室で行う決まりとなっており、主に医師は「診察と、医師の手が必要な検査処置のみ」を行っていました。

 

(4)外来手術のOP出し

私が勤務していた中央処置室では、週2回、外来手術の日が設けられていました。外来手術はおもに、ストマの焼灼術、形成外科の局麻手術、口腔外科の親知らずの抜歯などを行っていました。

中央処置室の看護師は、患者を事前に更衣させ、手術同意書を持参しているかどうかのチェック、バイタルサインを測定、最終飲食時間を確認し、最終排尿させたうえで手術室へ送り、手術室と入室時間の調節も仕事でした。

また、手術が終わったら手術室への患者のお迎えに行き、主治医と執刀医が異なる場合、次回来院日を確認し、それを患者に伝えるまでが仕事となります。

さらに、必要であれば次回受診日までの日常生活指導を患者に中央処置室の看護師が行います。

 

(5)内視鏡検査、ブジー処置など鎮痛剤使用後の経過観察

内視鏡やブジー処置ではときにセデーションをしたうえで処置が行われます。その後、一度は医師が意識レベルの確認をします。

しかし、多くの場合、鎮静剤が抜けきっていないので、患者がしっかりと覚醒するまでは、中央処置室に併設している観察室で患者の管理、観察を看護師が行っていました。

 

2.看護師として働いて感じたこと

看護師として働いて感じたこと

私が中央処置室で看護師として働いて感じたことを説明していきます。

 

(1)処置スキルが向上しました

診療科に関係なく、さまざまな処置を担当するので処置技術はかなり向上したと感じます。

中央処置室では、毎日何十人もの人に点滴をします。

多くの患者が訪れ、支持時間によって点滴をしてきますが、すぐにベッドが満床になるため、予定通りに点滴を開始するのが困難でした。

また、待ち時間が長いのも患者のクレームへと繋がりました。

 

(2)患者の管理観察が上手くなりました

中央処置室では、並列で処置や患者の管理観察をするので、タスク管理がうまくなりました。

外来でセデーションを使用した処置後の観察は、基本的に中央処置室に併設している観察室で行っていました。

経過観察は、モニターなどを付けて観察を継続するわけではなく、患者の意識状態を密に観察しながら、覚醒状態を確認し、ベッドの回転にも意識を向けて管理観察をする必要がありました。

 

(3)全診療科の知識が向上した

中央処置室の看護師は、全診療科の処置介助をするので、それにともなう知識が向上しました。

しかし、外来のセクションではありますが、診察介助など診療の補助は基本的に行わなかったため、診療の補助は学ぶことが出来ませんでした。

私が勤務した病院では、マニュアルなどは完備されていましたが、自身で最新の情報を学び、すぐに処置に対応できるよう、日々自己学習も必要でした。

 

3.最後に

中央処置室は、とても忙しく、こなす業務の量や幅が広くて多いため、本当に大変でした。

もちろん、中央処置室はすべての病院にあるセクションではありませんが、患者の処置業務を学ぶにはとても良い環境だったと感じます。

さらに、病院内で部署異動せずとも、多くの診療科のことを一度に習得できることは、今後の看護師人生において、私の強みなったことを実感しています。

医師がいない状況での判断能力や、並行して業務をこなしても安全に管理遂行できるタスク管理能力など、他の部署に行っても通用することが多く習得でき、採血などの穿刺業務はレベルが上がりました。(実際に患者から指名を受けることもありました。)

「処置業務を多く習得したい」「並行して業務を進行するのが苦手」という方への学びの場としてはとくにお勧めです。

中央処置室の業務に興味がある方へ、今回の記事が参考になれば幸いです。

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