内視鏡室で働く看護師の仕事内容と私の体験談

内視鏡室で働く看護師の仕事内容と私の体験談
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内視鏡室で働く看護師は、普通の病棟勤務の看護師とは違った仕事内容が求められます。

高額な機械を扱いますし、特殊な技術は必要です。

しかし私は、一度その緊張感と達成感に魅了されたら、なかなか抜けることができない看護の世界が広がっているように感じています。

私が内視鏡室で働いた経験をもとに仕事内容と働いて感じたことを説明していきます。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 年齢/エリア:48歳/神奈川県
  • 資格:がん看護専門看護師、消化器内視鏡技師、心理相談員
  • 経歴:がん専門病院、総合病院、クリニック、総合病院、訪問診療クリニック
  • 経験がある診療科:消化器内科、腹部外科、透析室、内視鏡室、相談室、放射線治療室
看護師をして20年以上。外来・病棟・検査室・クリニックなど、様々な場所での業務を経験と実績があり、現在も現役看護師として活躍中。

1.看護師の仕事内容

看護師の仕事内容

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一般的な内視鏡室で働く看護師の仕事内容は、

  • 内視鏡の前処置・準備
  • 患者への説明・指導
  • 内視鏡検査の介助
  • 患者の観察とケア
  • 物品管理と機器管理
  • 検査機器の取り扱い・メンテナンス

などとなります。私の経験を元に仕事内容の詳細を説明していきます。(仕事内容は、各病院の規模により変わるため、注意してください。)

 

(1)内視鏡の前処置・準備

内視鏡室で働く看護師の一番の仕事内容は、「内視鏡の前処置・準備」と、次に説明する「内視鏡検査の介助」になります。

まず、内視鏡の前処置・準備ですが、

  • 検査前の問診票
  • 同意書の確認
  • 薬の確認
  • 前投薬の有無確認と実施

などを内視鏡室の看護師が確実に行います。

検査や治療前の確認と準備が、スムーズな検査や治療に影響するため、とても重要な仕事になります。

内視鏡の前処置例

経鼻、経口で前処置の方法が違い確認しながら行います。

【経鼻の場合】

  • 患者に消泡剤(ガスコンなど)飲んでもらう
  • 鼻腔に血管収縮剤(プリビナなど)をスプレー投与する
  • キシロカインビスカスを鼻腔に注入する
【経口の場合】

  • 関ジャニ消泡剤を飲んでもらう
  • キシロカインビスカスを喉の奥にためてもらう

例ですが、上記のような前処置を看護師が患者に行います。

薬剤は味が悪く、鼻や喉に麻酔がかかることも不快なため、看護師は患者に説明した上で行い、安心して前処置を受けてくれるように配慮します。

 

(2)患者への説明・指導

検査を受ける前の患者は、不安でいっぱいです。そのため、検査が始まるまでの少しの時間に、患者に検査の流れや、辛いときの伝え方などを説明することも看護師の仕事になります。

この声掛けが上手かどうかで、患者の不安が大きく変わってきます。

看護師の体験談

内視鏡検査に慣れている患者は比較的スムーズに検査が進んでいきますが、初めての患者は、緊張もされ、予想外の苦痛に驚く方が多い印象でした。

そのため、私は先ほど説明した前処置の段階で、「呼吸の仕方」「カメラが胃に入ってくるとどんな感じになるのか」など、ある程度説明していました。

 

(3)内視鏡検査の介助

次に、内視鏡検査の介助は、ただ患者をケアするだけでなく、多くの病院は生検やポリープ切除、クリップ処置など、医師の指示のもと看護師が実施し、仕事となります。

そのため、仕事に慣れるまでは内視鏡を安全に扱うことから始め、徐々に簡単な処置介助から指導を受けながら行うことになります。

看護師の体験談

検査を受けた後は、飲水や食事開始、お薬についての注意事項などがあります。

検査後の体調変化についても患者やご家族に指導する必要があります。患者の理解度に応じて簡潔に説明することも、内視鏡室の看護師の仕事になります。

 

(4)患者の観察とケア

内視鏡検査は苦痛が伴う検査のため、看護師は検査中、患者のそばにつき状態を把握することが仕事となります。

検査内容や患者の希望によっては鎮静剤を注射することもあり、行う場合には、血圧や呼吸状態に変化はないか、検査終了後のふらつきなどはどうかなどを観察し、患者のバイタルサインが安定したかどうかを見極めることも看護師の仕事になります。

 

(5)物品管理と機器管理

内視鏡検査や治療には、多くの処置器具が必要になります。

患者の検査が始まって物品が足りない、機材が使えないということは、患者に再検査という負担を負わせることになります

そのため、内視鏡が安全に作動できる、機材が必要な時に使うことができるように、物品管理と機器管理は、看護師の大切な仕事になります。

 

(6)検査機器の取り扱い・メンテナンス

病院によって違いはありますが、検査機器の準備や検査補助、検査後の機器の片づけ、メンテナンスなどを、看護師がすべて行う病院も少なくありませんし、仕事の1つとなります。

さらに、内視鏡検査の機器は精密機器ですから、正しい扱いをすることが大切です。

看護師の体験談

一度検査が終わるたびに、内視鏡のスコープを本体の装置から外し、洗浄を看護師が行う病院が多く、私が勤務していた内視鏡室でも行っていました。

そのため、規模が大きい内視鏡室の場合、一日洗浄係を担当するという場合もあります。

 

2.看護師1日例

看護師1日例

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内視鏡室で働いている看護師のイメージがつきやすいよう、私が勤務していた内視鏡室看護師の1日をご紹介します。

(1)朝のカンファレンス

朝のカンファレンス

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朝のカンファレンスで、本日の検査数や特殊検査・治療について情報共有します。また、スタッフの本日の役割分担についても確認し合います。

(2)午前中:胃内視鏡(主に検査)

午前中:胃内視鏡(主に検査)

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午前中は、主に胃内視鏡の検査を行います。午前中の早い時間帯は外来や検診の患者を優先し、次に病棟の患者の検査を行うことが多いです。

検査数が多い内視鏡室は、午前の最後に大腸検査枠を設けていることも多いです。

(3)休憩は交代、緊急内視鏡対応も行う

休憩は交代、緊急内視鏡対応も行う

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休憩は交代でとります。内視鏡検査は予約時間が決まっており、午前と午後で時間枠一杯に検査が入っています。

そのため、吐血や下血など緊急性がある内視鏡検査を昼の時間に行うこともあります。

医師も外来や病棟が一段落し、メンバーをそろえることができるため、このお昼の時間は貴重になります。

(4)午後:主に大腸内視鏡や特殊検査・治療

午後:主に大腸内視鏡や特殊検査・治療

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大腸内視鏡は腸が綺麗にならないと安全に検査ができないため、午後に検査を行うことになります。また、大腸ポリープを切除することや、超音波内視鏡やERCPなどの時間がかかる検査や処置も午後に行うことが多くなります。

午前中のように検査をこなす忙しさとは違い、物品を準備し、患者の観察とケアを行い、医師の介助を行って行きます。

検査や治療内容によっては、数時間かかることもあります。しかし、私は、ただ時間に追われ患者の顔さえ覚えきれない午前中よりも、ストレスは高いけれど自分の業務が形になる午後の検査枠のほうが楽しい印象でした。

(5)一日の片づけと明日の準備

一日の片づけと明日の準備

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内視鏡室は、検査を終えてから片付けにも時間がかかります。

使用したすべての内視鏡の洗浄と片付け、処置器具の洗浄、周囲の環境整備など、いろいろと雑務があります。

同時に、明日の検査の準備も行い、明日の検査予約の人の名前を入力し、検査依頼書をチェックし、分からないことは事前に確認して明日の検査がスムーズに始められるように確認作業を行います。

 

3.働いて私が感じたこと

働いて私が感じたこと

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私が内視鏡室の看護師として働いて感じたことを説明していきます。

(1)消化管の解剖に強くなる

内視鏡室で看護師として働いて一番感じたことは、なんといっても消化管の解剖に強くなることです。

毎日、消化管粘膜を医師と一緒に観察しているため、正常か異常かの判断もある程度はつくようになります。そのため、多くの内視鏡室で働く看護師は、生検すべき場所を医師に声をかけられる前に把握し、準備ができるようになっています。

また、消化管を3D画像でイメージできるようになり、患者の体内をイメージする際にとても役に立ち、患者の症状や痛みを理解するときに私は今でも役立っています。

 

(2)落ち着いて仕事に対応することが必要

内視鏡室の看護師には、患者への声掛けや、医師に指示されなくても患者のバイタルサインのチェック、止血術を行うための機材の準備を行うことが求められます。

さらに医師は、内視鏡をもって操作しています。

そのため、看護師が落ち着いて仕事に対応することが求められる仕事でした。

 

(3)内視鏡検査でもアクシデントは起こる

内視鏡検査や治療は侵襲性が高く、安全を考えて対応していてもアクシデントが起こることがありました。

例えば、胃内視鏡検査を開始した途端に吐血をしたということもありますし、潰瘍部などから噴き出すように出血していることもあります。

看護師として、どれだけ落ち着いて対処できるかが、大切でその後の処置に大きく影響していました。

 

(4)看護師への感染リスクは高い

消化管は体液で満たされています。そのため、内視鏡検査中は唾液をはじめ体液や分泌物を扱うことが多くあります

また、組織を採取した後、処置具を丁寧に扱わないと血液暴露の危険性が高まり、大腸検査では腸の中に残渣が多いと、それだけ検査中に排泄されるリスクがあります。

ゴーグル・マスク・手袋・エプロンをきちんと身に着け、感染から身を守ることが必ず必要な職場であり、他の病棟などと比較しても看護師への感染リスクは高いと言えます。

 

(5)看護師1人で対応しなければいけないこともある

内視鏡室はスタッフの数が少ないため、自分以外の看護師が誰も近くにいなかったり、医師と2人きりになったり、自分1人で急変時や医師からの突発的な指示に対応しなければなりません。

具体的な例としては、口腔から検査を行う予定の患者が、嘔吐反射が強く、スコープが入れられない時があります。そんな時は急遽、鼻腔からの検査に変更になるのですが、鼻腔と口腔では麻酔の方法が違うので、麻酔ゼリーの追加をしたりしなければなりませんでした。

 

(6)消化器内視鏡技師の資格も取得することが可能

内視鏡室で働くことにより看護師は、一定の基準をクリアすれば消化器内視鏡技師の認定試験を受けることができます

試験内容は難しくはありませんが、内視鏡の構造や洗浄方法、感染対策などを学ぶことが必要になりますが、自分が提供している医療処置や看護ケアを、自信をもって提供できる証になります。

また、病院によっては資格給をつけてくれるところもあり、取得して損はない資格です。

私は内視鏡室で働き、消化器内視鏡技師の資格を取得しました。詳しくは「消化器内視鏡技師を取得した看護師の体験談」を確認してください。

 

(7)看護師に違うストレスがかかる

私は内視鏡室で働いた際に、医療処置に関わるストレスの多さを実感しました。

手術と違いますが、看護師が直接組織を採取したり、スネアを絞めたりするため、その処置が原因で穿孔を起こすのではないかという不安を感じることもありました。

しかし、内視鏡検査や、同時に行う切除などの処置は、体に比較的負担をかけずに確実に検査や治療が行えるため、医療行為として非常に重要な分野です。

一人前になっても(現在でも常に技術革新が進んでいるため)絶えず勉強することが必要ですが、最先端の医療を行っているという点にやりがいを感じる人も多く、人気の高い部署でもありました。

 

4.最後に

私が内視鏡室で働いて感じたことは、看護師として技術が自分のものになる感覚が得られたことです。

検査の流れを覚え、内視鏡の扱い方を学び、処置器具が取り扱えるようになると、自分に自信がつくようになりました。

また、私が勤務していた内視鏡室ではスタッフが一丸となって患者を救おうとする雰囲気があり、スタッフは「聞いてない」とか「説明して」という言葉を言う人は少なく、「場を読む」力が高いスタッフが多くいました。

検査を担当する医師・看護師を邪魔することなく、サポートしあう雰囲気が好きで、私はずっと内視鏡室にこだわって勤務していました。

看護師として内視鏡室で働きたいと思っているのなら、思い切って飛び込んでみてください。

きっと、私のように今までの看護業務とは違う「職人」感覚を味わることができるはずです。

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更新:2019年9月22日

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