ICU(集中治療室)で働いた看護師3名の体験談!仕事内容など

ICU(集中治療室)で働いた看護師3名の体験談!仕事内容など
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経験を積んだ看護師が更なるスキルアップややりがいを求めて、ICU(集中治療室)への配属を希望する、転職するケースは少なくありません。

キャリアアップやスキルアップに最適なICU(集中治療室)ですが、スキルが身につく変わりに仕事がハードなことや、精神的に辛いことなどデメリットがあります。

ICU(集中治療室)で働く看護師のことが良く分かるように、今回は実際に働いた経験がある看護師3名の体験談を元に、「看護師の仕事内容」「必要な看護スキル」「働いて感じたやりがい」など詳しく説明していきます。

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1.看護師から見たICUについて

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 年齢/エリア:30歳/東京都
  • 経歴:公的病院、大学病院、警察病院、地域病院
  • 経験がある診療科:ICU・内科、眼科、泌尿器科
大学病院、公的病院で看護師として様々な診療科を経験。現在は1児の母としてパート看護師として活躍中。

そもそもICUとは、「intensive care unit(集中治療室)」の略語となり、定義としては、「モニタリング機器やME機器など最新の設備が整った環境で、重症患者を対象に医師、看護師が昼夜を問わず集中的な治療、看護を提供する部署」になります。

細かい部署がある病院ではCCU「coronary care unit(冠疾患集中治療室)」など別れる部署もありますが、私の部署では循環器、外科系も混ざったICUでした。

私の体験になりますが、看護師から見たICUについて説明していきます。

 

(1)ICUでの看護体制

ICUでの看護体制

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私が勤務していたICUでは、初め基本的に患者2名に対して、看護師1名以上が常時配置されるような決まりになっていました。

しかし、最近ではPNS(パートナーシップ・ナーシング)が導入されている病院も多く、実際に私の職場でも導入されていました。

その為、看護師が2名グループをつくり、患者を最大4名受け持つ仕組みとなっています。(入退室を含めると最大6名受け持つケースもありました。)

 

(2)ICUの特徴について

ICUの特徴について

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ICUの特徴として、重症患者への集中的な治療・看護を提供する場となるので一般病棟とは大きく異なります。

患者の周囲にはモニタリング機器やME機器を配置できるスペースがあり、医療ガス配管やコンセントが複数設備されており、ICUで使用する機器としては、心電図、血圧計、圧波形(観血的動脈圧、中心静脈圧など)を持続的にモニタリングするセントラルモニター、経皮的酸素飽和度モニターやシリンジポンプ、輸液ポンプ、人工呼吸器、補助循環装置(IABPやPCPSなど)、血液浄化療法装置などです。

ICUは重症患者を対象にするため、免疫力の低下した患者の院内感染予防対策として、ベッド周囲に手洗い場が設置されている場合や、速乾性に手指消毒剤がベッド周囲に設置されていました。

また、標準予防策が必要な患者の場合には、看護師はマスク、手袋、ガウンなどの着用し、看護を行います。

 

(3)ICUに入院する患者について

ICU入室の患者の特徴としては、外科系・内科系を問わず生命の根幹を司る循環器系にダメージを受けている為、集中的な治療・看護が必要になる患者です。

循環器系の疾患やダメージは、循環動態や呼吸機能へ直接影響が及ぶ為、不安定になりやすく、突然の発症から緊急入室・緊急手術となることも少なくありません。

そのため、ICUの看護師は、患者を心理的・社会的な側面からサポートしていきます。

 

2.働く看護師の仕事内容

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 東京都/37歳
  • 保有資格:看護師、介護支援専門員
  • 職務経験:総合病院(病棟・外来勤務)、クリニック、特別養護老人ホーム、障害者福祉施設
  • 診療科経験:ICU、外科、形成外科、泌尿器科、小児科、内科、皮膚科、脳外科
人を助ける仕事に就きたいと考え、看護師資格を社会人になってから取得。病院では救命病棟から外来まで勤務する。現在は特別養護老人ホームと障害者施設で活躍中。

私が勤務していたICUの場合、看護師は以下のスケジュールで仕事を行っていました。

8:00 ・出勤
・受け持ち患者の情報収集
8:30 ・PNSのペアで患者の状況を確認
9:00 ・患者のバイタルサインチェック
・モニターや点滴、人工呼吸器 などの管理
・転棟(病棟へ引越し)準備
・患者への医療処置・IC(病状説明)の立会
・緊急オペの準備、オペ出しの仕事
11:30 ・昼休憩
(忙しい場合は30分程度)
13:30 ・カンファレンス
(病態、看護計画、ケア、退院調整、今後の方向性など)
14:30 ・患者のバイタルサインチェック
・処置、点滴など、環境整備
15:00 ・エンゼルケア
・夜勤者への申し送り
16:30 ・記録
(患者急変の場合は残業)
・業務終了

私が勤務していたICUでは、日中・夜間関係なく急患が運ばれてきました。(救急外来から来る患者や病棟内で急変した患者など様々です。)

申し送りを行い、

  • 「いつ、どこで、どのような状況で受傷したのか」
  • 「緊急オペの必要性の有無」
  • 「検査はどこまで実施したのか」
  • 「家族との連絡は取れているのか」

など、ICUの看護師が確認していきます。

仕事内容の詳細を私の体験を元に以下で詳しく説明していきます。

 

(1)緊急オペの介助と患者の受け入れ

緊急オペの介助と患者の受け入れ

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患者に交通事故などの外傷がある場合や、くも膜下出血、脳梗塞、心筋梗塞などの場合は緊急オペになることが多いです。

そのため、医師からオペの指示が出たら、すぐにICUの看護師はオペ出しの準備を行い手術室看護師に申し送ることが仕事です。

準備の内容としては、「患者のバイタルサイン確認」「患者の清拭」などになります。

また、緊急のオペの場合、家族も動揺しているため、ICUの看護師は患者の対応だけではなく、家族対応も十分に行う必要性があります。

また、オペ終了後は、術式から術中の経過などを聞きICUに看護師が患者を連れていきます。

 

(2)患者の看護

患者の看護

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ICUに入室している患者の人工呼吸器の設定等は、医師の指示で看護師が設定を行い、大切な仕事になります。

その後、モニターから異常波形などないかを観察しながら確認・記録を行います。

また、受傷などで創部の消毒を行うことや、熱傷などで浸出液が著明に出ている時には定期的にガーゼの交換を実施するのも仕事の一つです。(一般病棟でも行うような採血や、インシュリン、経管栄養などを看護師が行うこともありました。)

 

看護師の体験談

ICUに入院している患者のほとんどはモニターを付けており、点滴も中心静脈から実施していることや、点滴の内容も(降圧剤、鎮静剤など)が多く一歩量を間違えてしまうと、取り返しがつかないことになる可能性が高いです。

そのため、必ず医師の指示についてはダブルチェックを徹底しなくてはなりませんでした。

 

(3)患者への日常生活の介助

患者への日常生活の介助

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患者の食事、排泄、清拭、入浴、移乗介助など日常生活の看護を行うことは、一般病棟でもICUでも変わらない看護師の仕事です。

会話もできない患者が大半ですが、耳は聞こえている方が多く、看護師は声掛けをしながら介助していきます。

 

看護師の体験談

食事については食べられる患者が少ないのは現実です。

入浴についても入浴できるレベルに達していない患者も多いので入浴介助は稀でした。どちらかというと、清拭や排泄介助などベッド上で行なえることを主に実施していました。

 

(4)患者の一般病棟への移動

患者の一般病棟への移動

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ICUで患者の状態が安定した場合、一般病棟に移動します。

その際に、一般病棟の看護師と申し送りを行うことがICUで働く看護師の仕事になります。

また、病室(ICU)が空いたら片付けをし、次の患者がいつでも受け入れられるように環境整備も行います。

 

(5)患者の緊急時の対応

患者の緊急時の対応

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ICUでは急変する患者が多く、看護師は常に急変時の対応ができるように準備しておく必要があります。

看護師は心肺蘇生法など、すぐに対応できるようにし、普段からシミュレーションを行っている場合が多いです。

 

看護師の体験談

ICUの看護師を何年行っても急変時は緊張と焦りがあります。

確実に実施できるように事前に準備と心構えを行っておくことが重要であり、救急カートのチェックを行うことや、薬の薬効なども調べておくように私はしていました。

 

(6)エンゼルケア

エンゼルケア

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残念なことに、ご逝去されてしまった場合のエンゼルケア(死後の処置)はICUの看護師が行います

家族との時間を過ごしてもらい、家族から葬儀屋に連絡をし、お迎えが来たら死亡退院となります。

 

看護師の体験談

私が勤務していた病院では、家族に了承を得ることが出来れば、看護師が最期のご挨拶にいく時間を作ってもらい、あまり長くならないよう配慮し退室していました。

 

3.働いて感じた必要な看護スキル

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 神奈川県/35歳
  • 保有資格:看護師、保健師、3学会合同呼吸療法認定士
  • 職務経験:大学病院、総合病院、国際医療ボランティア、デイサービス、訪問入浴
総合病院の派遣看護師として一般内科へ入職後、青年海外協力隊の看護師として派遣。帰国後、大学病院、総合病院、救急センターに勤務。現在も看護師として活躍中。

ICUへ転職してきた看護師に聞いてみると「転職前に心電図、人工呼吸器その他生命維持装置の知識が必須」と考える看護師が多いようです。

私もそう思っていましたが、働く上で必要なスキルではありますが、それができないからといって働くことができない、転職できないわけではありません

臨床経験がある看護師の場合は、基本的な看護は同じだと感じます。そのため、私がICUで働く看護師に必要な看護スキルとしては、以下の3点となります。

 

(1)基本の看護技術と新しい知識を得ようとする姿勢

基本の看護技術と新しい知識を得ようとする姿勢

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ICUの患者は様々な医療機器がついており、また小さなきっかけで容態が大きく変化することもあり、基本の看護技術を安全に注意深く観察・判断しながら行う配慮が求められます。

そのため「生命維持装置について」「全身管理について」など、看護師に新しい知識を得ようと積極的に学習する姿勢が求められます。

勉強する姿勢と新しい知識を得ようとする姿勢は必要な看護スキルだと感じます。

 

(2)看護師に「正確性」が求められること

ICUに入室している患者には、多くの計器が繋がれ、状態によっては警報音が鳴り、速やかな処置が求められます。

ICUで働く看護師は、そのような中でも患者に対し、落ち着いて的確な処置をしていかなければなりません

そのため、看護師として正確で的確な処置をすることは、必要な看護スキルとなります。

 

(3)責任に耐えうる気持ち

責任に耐えうる気持ち

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ICUは重症な患者がいますので、それだけ看護師に求められるものも高く、そして仕事量も多くなります

インシデント・アクシデントが起きた場合は、それが患者にとって命にかかわることにもなりかねないため、看護師の責任が病棟と比較すると重いと感じます。

そんな環境で働く為、自分の気持ちを強く持ち、毎日折れない心でやりきる必要があり、看護師にとって必要なスキルだと感じます。

 

4.ICUで働いて感じた看護師の意見

ICUで働いて感じた看護師の意見

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ICUで働いた看護師の体験から、「やりがい」やメリット・デメリットを確認してみましょう。

 

(1)一つの命をつないだ「やりがい」がある

生命の危機にいた患者が、しばらく経ってから「あの時はお世話になりました」と元気に退院・転院の報告にきてくれた時には「一つの命をつなぐことができたな」と実感することができます。

また、緊迫した状況の中でも医師および患者の変化に合わせて自分が動けるようになると、仕事の中で自分の成長を感じることができ、ICU看護師のやりがいの一つだなと感じます。

 

(2)自分が勉強したことが役立ち嬉しくなる

ICUで働く看護師は、勉強量が膨大で、実際勉強したことが現場で出るか出ないかは分かりません。

時に、実際勉強したことが受け持ち患者に当てはまり、役立った時にはうれしい気持ちになったことを今でも強く覚えています。

また、生きるか死ぬかの状態を看護して、幸い元気になり、患者から感謝の言葉をもらったときには頑張ってよかったと思えます。

 

(3)勉強すること、学ぶことが多い

ICUで働く看護師は、どの病院でも同じだと思いますが「勉強する量や学ぶことが多い」です。

専門性が高い為、どうしても勉強しなければいけないことが発生し、さらに患者の急変も多い為、急変時の対応訓練なども必要になりました。

看護師として、日々の勉強はどうしても必要になります。

 

(4)仕事中は常に緊張した状態となる

ICUでは常に何が起こるかわからない状態に患者がいるため、看護師も精神的に緊張状態が続きます。

例えば、医師への報告が少し遅れただけで、患者の状態が悪化してしまったりすることもあるので、常に集中して業務に当たらなければなりません。

仕事が終わったときには一気に気が抜けて倒れそうになります。

 

(5)他の診療科よりも働きやすかった

ICUでは一般病棟に比べると、看護人員配置だけでなく薬剤や医療資材のストックも多く、医師が常時いる環境であることがほとんどです。

さらに、一目で患者を見渡せる室内になっているため、移動距離が短く環境的にも看護師として働きやすいと思っています。

また、私が勤務していたICUでは、家族や医師など他職種と治療方針を確認するなど、日々こまめに連絡を取り合って看護を進めていきます。そのため、チーム医療をしている実感があり、仕事のやりがいがありました。

 

(6)様々な診療科への理解やアセスメント力がついた

ICUでは、内科や外科だけでなく、整形外科や呼吸器科、時には小児科や産婦人科の患者も運ばれてきます。

そのため、様々な診療科の疾患について理解を深めることが出来たと感じます。

また、患者の病態を理解し、必要時は自ら医師に検査依頼の相談などを行わなくてはいけないため、看護師としてアセスメント力が身に付いたと感じます。

 

5.最後に

最後に

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一分一秒の勝負になるICUで働く看護師についてご紹介いたしました。

看護師として、他の診療科よりも大変な分、「やりがい」も多い仕事であることが分かりました。

ICUで看護師として働くことで、複数科の患者と関わるので幅広く知識を得ることもでき、将来どこの部署に行っても困らず仕事することや、看護師として自信もつくのではないでしょうか。

ICUで働きたいという強い気持ちと、努力して環境に慣れていけば、誰でもうまく働ける場所だと感じます。


   
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更新:2019年4月19日
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