介護タクシーは、介護を必要とする方が利用する特別なタクシーでヘルパーなどが付き添うことが一般的ですが、「介護タクシーの看護師付き添い」の場合、利用者は患者である場合や、自動点滴装置や酸素吸引、たん吸引器などの利用者がほとんどです。
私は友人の紹介で介護タクシーでの看護師付き添いの仕事を紹介してもらい、その時このような仕事を知りました。
介護タクシーで看護師付き添いを行った、私の経験をもとに仕事内容と給料や求人事情について説明していきます。
【執筆した看護師のプロフィール】

- 栃木県/38歳
- 職務経験:総合病院、がん専門病院

1.看護師の仕事内容

画像:shutterstock
介護タクシーで看護師付き添いが必要な場合、利用者の多くは、
- 他の病院へ転院する患者
- 入院している病院から大学病院等の受診に行く患者
- 一時的外泊許可が出ている患者
- 自宅外出介助を行ってほしい利用者
などの場合に利用され、看護師が介護タクシーに付き添います。
また、自宅外出介助では旅行や結婚式への参加、スポーツ観戦・映画鑑賞、ショッピングなどの利用者もいます。介護タクシーでの看護師付き添いは数時間程度のものから、1日(8時間程度)のものがあります。
看護師が行う仕事内容は以下の大きく3つになり、詳しく説明していきます。
(1)移動中の医療処置
介護タクシーを利用する患者によって、看護師が行う医療処置が異なりますが、移動中に主に私が行った仕事として以下の通りです。
- 寝たきりの患者のストレッチャー介助
- 酸素吸入
- 点滴交換
- 体位変換
- 経管栄養
- 吸引の処置・たんの吸引
などが主な仕事になります。
もちろんですが、乗車する前には病棟の看護師等から注意点や申し送りを聞きます。
看護師の体験談
また、一般道での走行は、車間距離を無視した急な割り込みをしてくる車など予想していないトラブルもあります。
(2)患者の観察と急変対応
主治医は、利用者や患者が急変する可能性の少ない状態であるからこそ、転院・外出・病院受診等を許可する判断をします。
そのため、利用者・患者の急変はほとんどないといっても過言ではありません。
しかし、看護師が介護タクシーに付き添う場合は急変が予想され、患者の中には状態が急変する場合もあり、看護師として観察と急変対応が仕事となります。
看護師の体験談
(3)患者への声掛け
特に転院や受診で介護タクシーを利用する場合、環境の変化から不安感が大きくなる患者がいます。
そのため、患者に対して看護師は、
- 車が走っている場所や外の景色を伝えること
- 不安に感じていることなどの話を聞くこと
など、少しでも患者の不安を解消するために声掛けをすることも大切な仕事です。
また、転院先や受診先に送り届けた場合、担当する看護師等に、付き添い看護師が「乗車中の様子」「病院から申し送られた内容」などを伝え、患者の安全を一番に考えます。
2.給料や求人事情について

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介護タクシーの看護師付き添いで貰うことが出来る給料や求人事情について実体験から説明していきます。
(1)看護師の給料(時給)について
実際に私が介護タクシーの付き添い看護師を行った際の給料例ですが、
- 50分ほどの乗車で8,000円ほど
- 自宅外出介助の場合には2時間以内で12,000円ほど
の収入が得られました。
拘束時間は短く給料が比較的高いため、看護師のアルバイト・パートとしては最適な仕事だと感じます。
(2)介護タクシーの看護師求人事情
介護タクシーの看護師求人は、
- 知り合いの紹介で求人に出会う場合
- 派遣やアルバイト・パートの求人サイトから紹介してもらう場合
などが一般的です。
看護師転職専用の看護師転職サイトも利用することで担当者に求人を探してもらうことも可能です。
看護師の体験談
そのため、立て続けに週に2回仕事の依頼がある月もあれば、1ヶ月に2~3回の月もあるなど介護タクシーの付き添い看護師は、仕事が不安定でした。
複数の介護タクシーを運営している会社から仕事を貰えれば、もう少し仕事を行うことが出来ると思います。
3.最後に

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介護タクシーの付き添い看護師は、患者状態が急変していないかを注意深く観察し、それぞれの状態に合わせた対応をすることが必要です。
今後は、在宅医療へシフトするとされる社会の動向から、ますます介護タクシーの需要は大きくなると予測されるため、福祉タクシーの付き添い看護師に興味を持った看護師は、是非参考にしてみて下さい。
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