緩和ケア外来で働いた看護師の仕事内容と体験談

緩和ケア外来で働いた看護師の仕事内容と体験談
画像:shutterstock

「緩和ケア外来」や「がん緩和ケア外来」などがある病院も増えています。

私が勤務していた緩和ケア外来は、診察は医師が行いますが、患者のケアは看護師が行うため、患者や患者家族が抱えている困難を改善するために、色々な対処法を考え実施できたことが、仕事での一番の「やりがい」でした。

私は、不本意な亡くなり方をした患者のことを忘れることができませんが、緩和ケア外来で患者や患者家族に対するケアを通じて、過去の後悔を解消していくことができ、とても良かったと思っています。

緩和ケア外来に看護師として働いた経験をもとに、仕事内容や働いて感じたことを説明していきます。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 年齢/エリア:48歳/神奈川県
  • 資格:がん看護専門看護師、消化器内視鏡技師、心理相談員
  • 経歴:がん専門病院、総合病院、クリニック、総合病院、訪問診療クリニック
  • 経験がある診療科:消化器内科、腹部外科、透析室、内視鏡室、相談室、放射線治療室
看護師をして20年以上。外来・病棟・検査室・クリニックなど、様々な場所での業務を経験と実績があり、現在も現役看護師として活躍中。

1.看護師の仕事内容

看護師の仕事内容

画像:shutterstock

緩和ケア外来では、医師への紹介状をもって予約患者が来院します。

また、私が勤務していた緩和ケア外来では、病院内の紹介の場合や、病院外の患者の場合もあり、基本的には専門外来のため決まった曜日に対応していました。

そのため、緩和ケア外来では患者の人数をこなすという感覚ではなく、ゆっくりと患者と関わることが求められていました。

私の経験をもとに、緩和ケア外来で働く看護師の仕事内容について説明していきます。

 

(1)医師診察の同席

緩和ケア外来は、チームで対応する診療科のため、緩和ケア外来担当の看護師は必ず同席することになり、IC(インフォーム・ドコンセント)を一緒に聞くことが緩和ケア外来の看護師の仕事の一つです。

また、緩和ケア外来では医師、患者、看護師だけはなくソーシャルワーカーや患者家族が同席して診察をする場合が多いです。

看護師の体験談

緩和ケアを志す医師は、素敵な方も多いのですが、私が勤務していた病院では自分なりの死生観や緩和ケアへのこだわりが強い医師も多く在籍していました。

そのため、医師の話に共感できた患者にとっては、とても良い最期を迎えられるのですが、自分の価値観を優先して欲しい患者にとっては、時に医師のこだわりが邪魔になってしまいます。

私は何名かの緩和ケア医師の外来に同席しましたが、最後には「先生の顔を見ようとしなかった」という患者の事例も経験しました。

そんなときには、「患者に緩和ケアを提供するはずなのに」と、看護師として辛い思いをすることもありました。

 

(2)看護アセスメント

患者が抱えている問題を、客観的にアセスメントすることが、緩和ケア外来の看護師の大切な仕事です。

「緩和ケア=終末期」というわけではなく、治療中の方や、家族との関係性がうまくいかずに痛みを抱えている方もいます。

また、緩和ケアを必要とする患者は、身体的・社会的・精神的・スピリチャルな苦痛を抱えており、看護師はその4側面の苦痛をアセスメントする必要があります。

看護師の体験談

緩和ケア外来を受診する患者やその家族は、心の中で死を意識していることが多い印象でした。

毎回、あえて死について話すわけではありませんが、患者やその家族の方から死の話題や、最期についての話題が出た時には、話をそらさずに会話する必要があり、看護師としては大変な仕事でした。

 

(3)患者への確認や意思決定支援

医師の診察を受けた上で、

  • 患者やその家族が今後の見通しをどう考えているのか
  • 治療をどうするのか
  • どこで今後を過ごしたいのか

など、看護師が患者への確認を行うことが仕事となります。

理由としては緩和ケア外来を受診したからと言って、患者とその家族の気持ちが決まっているわけではありません。

また、医師だけが患者の方向性を決めてしまうと、患者の本当の想いが零れ落ちることもあり、看護師の視点を持ち、患者やその家族の思いに寄り添い、時には医師との間になって患者が納得できる意思決定支援を行います。

看護師の体験談

緩和ケア外来を受診する患者やその家族は、つらい症状を抱えている場合や、それまでのがん治療の中でたくさんの傷つき体験している方が多い印象でした。

そのため、自分の思いをうまく表現できない患者や、話し出すと涙が出てしまう患者などもおり、「それは、先生(医師)と相談してください」「先生(医師)に伝えておきます」と看護師が言うだけでは、緩和ケア外来の看護師は務まりませんでした。

私は患者の思いを否定せずに傾聴し、コミュニケーションを意識しながら患者の自己決定を引き出すよう努力していました。

 

(4)患者の緊急対応

緩和ケア外来に通院している患者の緊急対応は、看護師が窓口となり、仕事になります。

例えば、

  • 痛みが強い
  • 吐き気が止まらない
  • 呼吸が苦しい

など、患者の訴えに対し緩和ケア医師と相談しながら看護師が対応します。

また、患者の症状によって入院をさせるかどうかの相談や調整も、緩和ケア外来の看護師が対応することになります。

 

(5)患者への生活支援・症状緩和ケア

緩和ケア外来で患者やその家族との信頼関係を構築するうえで、「症状緩和ケアを行うこと・生活支援を行うこと」も看護師の大切な仕事になります。

患者は、さまざまな身体・精神症状を抱えて生活しており、患者やその家族の生活上の困難について看護師が相談にのり、直接アドバイスを行う場合や、より専門知識がある職種にコンサルテーションを行います。

また、リンパ浮腫へのケアや、スキンケアなどについてもできる範囲で看護師が対応し、ケアを行います。

看護師の体験談

緩和ケアを受診している患者は、様々な症状を抱えています。

薬物療法は医師が行いますが、患者の痛みなどや症状の変化などを把握し、患者に指導し対処することも看護師の仕事でした。

最初は、医師の考えに沿って対応していましたが、知識と経験が増えるとともに、家での過ごし方や症状緩和について自分の言葉で説明できるようになりました。

 

(6)様々な業種との連携と調整

緩和ケア外来に勤務する医師や看護師は、治療の早期から患者の主治医と関わり、在宅緩和ケアを行う場合は、訪問看護ステーションなどとも連携していきます。

主に関わり連携していくスタッフとしては、

  • 主治医
  • 担当診療科の看護師・病棟のスタッフ・事務
  • ソーシャルワーカー
  • 地域の診療所の医師
  • 訪問看護ステーションのスタッフ

などが挙げられ、連携や調整も看護師の仕事となります。

看護師の体験談

私は緩和ケア外来を受診する患者を支援する中で、在宅医療を行っている医師やスタッフとの交流も深めることができました。

できる限り自宅で過ごしたい患者の訪問看護を依頼することや、緩和ケア外来を終了し在宅医療へと移行したりする患者の調整を通して、地域医療の知識を得ることが出来ました。

 

2.働いて感じたこと

緩和ケア外来で働いて感じたこと

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私が緩和ケア外来の看護師として働き、感じたことを説明していきます。

 

(1)自分の死生観を感じることができた

緩和ケア外来の患者やその家族との関わりを通して看護師として自分の死生観を意識するようになしました。

自分だったら、自分の家族だったらと自問自答しつつ、多くの患者の生きざまを見ることで、自分なりの死生観ができあがっていきました。

私は、自分の死生観が出来上がったことで、患者から死の話題を切り出された時にも言葉を濁すことなく対応できるようになり、信頼関係の作られ方が変わりました。

 

(2)症状緩和が学ぶことができた

緩和ケア外来の看護師として働いたことで、医療用麻薬の使い方を初め、その他の症状緩和についての知識と技術を学ぶことが出来たと感じます。

また、緩和ケア外来の場合、多職種が介入する外来のため、その職種の専門性を垣間見ることもできました。

 

(3)死と向き合うストレスもあった

緩和ケア外来に受診する患者の多くが、がんや病気の再発・転移をしている患者です。

そのため、外来通院を始めた当初は、自分で歩いていた患者が、徐々に痩せて歩けなくなる姿を見ること、亡くなることが精神的に辛くなることもありました。

死と向き合い続けることは、誰にとっても辛いことだとは思いますが、他の診療科よりもやはり多いと感じました。

 

3.最後に

私は、症状をコントロールしつつ、患者やその家族が抱える苦痛に寄り添い、生活しやすい方法を一緒に見つけることができる緩和ケア外来の看護師は、やりがいがある仕事だと感じます。

患者が抱える辛さと、しっかりと向き合いたい看護師の方には、是非、希望してほしいおすすめの診療科だと思います。

在宅緩和ケアクリニックで働いた看護師の仕事内容と体験談

2019.08.30

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更新:2019年12月16日

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