放射線治療科で働く看護師の仕事内容と私の体験談

放射線治療科で働く看護師の仕事内容と私の体験談


がん看護専門看護師、消化器内視鏡技師、心理相談員

放射線治療を行っている病院は日本では多くはありません。

しかし、放射線治療を受ける患者は増加傾向にあり、私は「がん看護」を学びたいと考え放射線治療科の看護師として働きました。

放射線治療科では、主に放射線を使った治療を行います。放射線治療は放射線を患部に当てて行うため、手術などと違って麻酔を使ったり、身体を切り開いたりする必要がありません。

痛みを伴わずに治療が行える、医療技術です。

放射線治療科で働いた経験を元に、看護師の仕事内容や働いて感じたこと(体験談)を説明していきます。

看護師の仕事内容

看護師の仕事内容

私が勤務した病院は500床以上ある、がんを専門で行っている病院で、放射線治療科で働いていました。

その時の経験を元に、放射線治療科で働く看護師の仕事内容について説明していきます。

 

(1)合同ミーティング・カンファレンス

私が勤務していた病院では放射線治療に医師、看護師、放射線技師がチームを組んで進んでいきました。

そのため、朝のミーティングやカンファレンスは合同で行い、その日の患者に関する注意事項や順番、初回患者の有無などを情報共有し事故がないよう確認していました。

放射線治療は、どうしても放射線技師中心で物事が進みますが、看護的視点で発言できる機会でもあり、有意義な時間でした。

 

(2)医師の診察の同席

私が勤務した放射線治療科の医師は、初診患者、現在治療中の患者、そして放射線治療が終了し経過観察中の患者の診察を主に行っていました。

医師一人で診察を実施することも可能ですが、放射線治療を受ける患者は乳がん患者も多く、男性医師の場合には診察に同席する必要があり、看護師としての仕事でした。

また、頭頚部腫瘍の患者の診察時には、耳鼻科用内視鏡で患部を確認することもあり、医師の診察の同席や介助は、放射線治療科で働く看護師の仕事の一つです。

 

(3)治療中の患者のケア

私が勤務した放射線治療室は放射線技師が数名在籍していました。

照射する際に皮膚を観察する必要がある方や、痛みがある場合、介助が必要な患者については皮膚の観察やケアが必要になり看護師の仕事となります。

変化のない患者の治療については、技師がいれば特に滞りなく進んでいきます。

 

(4)緊急照射への対応

放射線治療の機械トラブルなどが起きた際に、患者への時間変更等の連絡は主に看護師が行う仕事でした。

放射線治療の日頃のメンテナンスは、放射線技師が行っていましたが、それでも急なトラブルで機械がストップすることもありました。

 

(5)入院患者の生活のケア

放射線治療では身体の外側から放射線を当てる治療と、身体に管などをいれて体内から放射線を当てる治療の2つに分かれていました。

身体の外側から当てる治療では外来治療でも行われますが、内側から放射線を当てる治療では入院を伴い、入院時の患者の生活のケアも看護師の仕事となります。

また、がんの患者のため、ほかの関連する診療科との連携も必要となり、他科との連絡や調整などの業務も看護師が行っていました。

 

(6)患者への精神的ケア、家族へのケア

当然ですが放射線治療を受ける患者は、がんの患者です。

そのため、放射線治療科に来る患者はがんと共に生きることに対する不安も強く、看護師として患者の精神的なケアは欠かせませんでした。

また、同時に患者のご家族も、強い不安を抱えており、患者の家族にも配慮する必要がありました。

 

(7)治療計画用CT撮影の介助

私が勤務していた病院では放射線治療を始める前に、必ず治療計画用CT撮影を行います。

このCT撮影の体位が、これからの治療時の体位となるため、医師・放射線治療医・看護師がチームで立ち合う必要がありました。

特に、疼痛緩和目的で放射線治療を受ける場合には、CT撮影がスムーズにいくために痛み止めのタイミングや苦痛のない体位を保てる援助が大切になりました。

また、造影剤を使用することもあり、その穿刺・患者の観察なども看護師の仕事でした。

 

(8)看護オリエンテーション

私が勤務していた放射線治療科では、看護オリエンテーションを必ず行っており、看護師として独自の仕事でした。

主治医や放射線治療医からの説明を受け、患者やその家族の不安を軽減するために、わかりやすい言葉で治療スケジュールや治療に伴う有害事象のケア、生活上の注意などを看護師が説明していました。

時には、声をかけるだけで涙する患者もいました。何もできない自分を感じることもありましたが、患者をサポートする気持ちを再認識する機会にもなるのが、この看護オリエンテーションでした。

 

働いて感じたこと

働いて感じたこと

私が放射線治療科で働いて感じたことを説明していきます。

勤務する病院によって多少差があると思いますが、放射線治療科を希望する看護師の方は参考にしてみてください。

 

(1)同じ患者に毎日会うことができる

私が勤務していた病院での放射線治療は4~6週間となり、毎日同じ患者に会うことができました。

そのため、患者と打ち解けて話ができ、治療終了後も外来の際に顔を出してくれることもありました。

また、治療開始前は不安な表情をしていた患者が、声掛けやケアを通して活気をとりもどす過程にかかわることができるので、看護師としてやりがいを感じていました

 

患者から相談されることが多かったです

1か月半程度のお付き合いとはいえ、毎日顔を合わすため、患者や家族から色々な相談ごとを受けることがありました。

その相談に対して、時間をかけて情報提供を行い、支援方法を考え実践できたことが、放射線治療科で働いて楽しかったことです。

看護スタッフも少ないため、自分の看護ケアが形で見えやすく、また患者から言葉で返されることも多いため、対応したことの結果を実感しやすかったです。

 

(2)他の部署の看護師に会わない

私が勤務した放射線治療科では、スタッフが固定され、放射線治療室が地下にありました。

そのため、他部署の看護スタッフと会う機会が少なく、「閉鎖された空間」というイメージでした。

病院によって様々だとは思いますが、明るく開放的な環境ではない場合が多いのではないでしょうか。

 

(3)放射線技師との関係性

私が勤務した放射線治療科では、放射線技師との関係性には苦労しました。

例えば、放射線治療は放射線技師のほうが詳しいという理由から、看護師の提案を受け入れてくれないなどのことです。

病院にもよると思いますが、放射線技師と衝突をする看護師もおり、関係性を保つことに大変でした。

 

(4)学ぶことが多く、勉強に費やす時間が必要だった

放射線治療は最新技術を扱うため、看護師として覚えることが多かったです。

例えば、レントゲンやCTなどを見て、どのような状況であるのかを読み取る知識や、最新のがん治療について、放射線治療のメリットとデメリットなど、学ぶことは沢山ありました。

看護業務だけでなく勉強に費やす時間が多くなり、大変だったことをよく覚えています。

また、専門的な知識は得られますが、総合的な知識が得られないためジェネラリストの看護師を目指す方には向かない職場とも言えます。

 

最後に

特殊な看護である放射線治療科ですが、自分が意識をもってか変わることで、患者と深い関係性を築くことができる場所だと私は感じています。

特に、がん放射線療法看護の認定看護師の資格取得を目指す人には、放射線治療科での仕事で経験が得られることは大きなメリットとなるのではないでしょうか。

そのため、がん看護を勉強したいと思っている看護師なら、数年間だけでも、放射線治療室での勤務をおすすめします

机上の勉強だけでは、放射線治療を受ける患者の気持ちの理解にはつながらないです。

機会があれば、放射線治療科の看護師として、治療に立ち合い、放射線治療医の考え方を知った上で、放射線治療を受ける患者・家族へのケアを実践してみませんか。

きっと看護師としての幅が広がります。

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