海外で働く看護師

オーストラリアで看護師になるには?年収と私の体験談

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オーストラリアは日本と同様、高齢化社会に向かっていることもあり、海外看護師の需要はどんどん高まっています。(参照:自治体国際化協会 オーストラリアにおける高齢者福祉

看護師免許は、オーストラリアでも永住権も比較的取りやすい職種に挙げられています。

病院等で勤務するオーストラリアの看護職については、以下の通りです。

Assistant in Nursing看護助手
(TAFEのアシスタントナースのコース「Certificate 3 in Health Services Assistance」以上を学ぶ必要がある)
※Certificate3とCertificate4で看護助手のレベルが分かれ、行える業務が異なる
Enrolled Nurse准看護師
(准看護師コース「Diploma of Nursing」1年半~2年、専門知識を学ぶ必要がある)
Registered Nurse
(RN)
正看護師
(オーストラリア技術移民として永住権の申請ができる職業。ただし、様々な条件を満たすことが必要)
Clinical Nurse専門看護師(臨床看護師)
(専門分野でのスペシャリストの看護師)
Nurse Practitioner
(NP)
ナース・プラクティショナー(診療看護師)
(医師の指示を受けず一定レベルの診断や治療などの診療行為を行う看護師)

また、役職としては、看護師長のようなイメージの「Nurse Unit Manager(ナースユニットマネージャー)」、看護部長「Director of Nursing(看護監督者)」があります。

私は、現在オーストラリアの看護師(Registered Nurse)として、病院に勤務しています。私の経験ですが、海外で安定した仕事をし、暮らしたい人にはオーストラリアで看護師になることを強くおすすめします。

今回は、私の経験を踏まえて、現在日本で看護師として働いている方が、オーストラリアで看護師「Registered Nurse(RN)」になるための方法や給与、年収、働いて感じたことを説明していきます。

執筆・監修看護師
執筆・監修看護師
小平希 看護師
小平希 看護師
  • エリア:オーストラリア在住
  • 保有資格:看護師、Registered Nurse
  • 施設経験:総合病院、デイサービス、訪問入浴、イベントナース、ツアーナース(旅行添乗)
  • 専門分野:整形外科、消化器外科・内科、腎臓内科、腫瘍内科

日本で看護師として3年間総合病院で働き、海外に住みたい夢を叶えるためオーストラリアに看護留学へ。2017年に念願のオーストラリアの正看護師になりました。日本の看護の良さを海外にもっと広めていきたいと思っています。海外看護師、海外医療に関する記事を中心に書いていきます。

著作・監修記事一覧

日本の看護師がオーストラリアで看護師になるには?

日本の看護師がオーストラリアで看護師になるには?

オーストラリアで看護師になるためには、日本で取得した正看護師免許に加え、英語力(IELTS Academic 7.0以上)が必要となり、各種条件を満たした上で、オーストラリア保健医療従事者規制庁に申請する、又は、大学の看護学コンバージョンコースに修学する方法があります。

オーストラリアの看護師免許取得・登録後、病院等に採用されることで、オーストラリアで看護師として働くことができます。

看護師の最終学歴、「看護大学卒業」、又は「短大・専門学校卒業」でオーストラリア看護師免許の取得方法が異なり、以下で私の経験を含めながら、詳しく説明していきます。

ご注意点・ご確認事項
これらの情報は、2023年1月時点での情報です。ご自身で以下の出典先の最新情報も確認ください。
出典:Nursing and Midwifery Board of Australia(オーストラリア看護・助産委員会)
こちらでは、日本で正看護師の免許を取得している方(看護学部等を卒業している方)を対象としています。看護学以外で大学卒業(学士号を保持)の場合や、最終学歴が高校卒業で、日本の正看護師免許を持たない場合でも、オーストラリアで看護師になるための方法はありますが、割愛しています。

英語力基準を満たす必要がある

英語力基準を満たす必要がある

日本で看護師免許を取得した際の学歴によって、オーストラリアで正看護師(Registered Nurse)になる道のりは変わりますが、いずれにしても看護学(Bachelor of Nursing)への入学英語力基準を満たす必要があります。

主に、以下の英語力が必要です。

(2020年7月以降、オーストラリアの大学では、Nursing and Midwifery Board of Australia(オーストラリア看護・助産委員会)の基準に合わせて、入学条件がIELTS Academic 7.0以上の引き上げに変更されている場合が多いです。)

IELTS Academic 7.0は、英語圏の大学留学や、MBA留学などで必要となる英語レベルです。私の経験ですが、TOEIC900点前後、英検では1級ぐらいのレベル感です。

そのため、オーストラリアで正看護師(Registered Nurse)になるには、英語力が一番大きな壁です。

また、英語検定試験で一定のスコアが取れなければ、看護師登録申請が開始できないため、看護師によっては、語学の勉強や、語学留学から始める必要もあるでしょう

語学に不安がある方は、まずはオーストラリアに渡航し、語学学校で半年~1年半程度の勉強を行い、IELTS7.0以上、又はOET Bの取得を行うことをおすすめします。
IELTSについて

IELTSについて

東京、名古屋、大阪などの主要都市には、IELTSの予備校が増えており、社会人で海外大学・大学院留学を目指している人には日本にいるうちから勉強できる環境です。

そのため、まずは渡航前に、IELTSを調べてみる方が良いでしょう。

ほとんどの英語圏で看護師登録をするには、IELTS Academic 7.0以上が必要です。

私の場合、IELTS5.0でオーストラリアへ留学しましたが、IELTS6.5を取るまで1年半かかりました。
OETについて

OETについて

OETは「Occupational English Test」の略です。

現在ではイギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、ドバイそしてシンガポールでの看護師をはじめ、様々な医療職の登録をするための英語条件となっています。

OETはIELTSと違い、医療英語試験です。

科目はIELTSと同様に4科目ですが、全てが医療職として現場で働くための英語をもとに試験が作られています。そのためIELTSよりも比較的、医療者にとっては勉強しやすいでしょう。

私はオーストラリア看護師登録申請のために、IELTSではなく、OETを受験しました。
受験料が約6万円と高いため、しっかり勉強して一回で受かるようにしたほうが時間もお金も節約できます。

日本で看護大卒かつ看護師経験ありの場合

日本で看護大卒かつ看護師経験ありの場合

日本の看護大卒で看護師の経験が一定年数あれば、オーストラリアの大学に行かなくても、看護師免許が取得できる可能性があり、この道が最短です。

オーストラリアの看護師免許を取得する流れは、以下の通りです。

  1. 日本で看護学の4年制大学を卒業(学士号)
  2. 日本での看護師免許を取得
  3. 日本での看護経験が一定年数ある
    (過去5年において3ヶ月以上の看護師としての職歴がある)
  4. オーストラリア渡航後、語学学校に通う(人によって渡航も期間も異なる)
  5. IELTS 7.0以上、又はOET B以上の取得
  6. 必要書類を揃え、AHRPA(オーストラリア保健医療従事者規制庁)に提出する
  7. IELTS 7.0以上、又はOET B以上の英語力証明書類を提出
  8. 書類確認後、OBA(outcomes-based assessment)の2段階査定方式でのMCQ(知識査定)とOSCE(技術査定)が行われる
  9. 審査に合格後、オーストラリア看護・助産委員会より指定されるオリエンテーションプログラムに参加
  10. オーストラリア看護師の免許を取得できる

私の経験ですが、書類審査が終了するまで(上記6番まで)に、約半年かかりました。そのため、時間に余裕をもって登録までの準備が必要です。

 

条件等についての補足説明

以上で説明した各条件は、「最低条件」となり、オーストラリアで正看護師免許が取得できるかどうかは、オーストラリア看護・助産委員会に委ねられます

私の経験からですが、看護経験については、大学卒業後にブランクなく勤務している場合が好ましいでしょう。
日本で看護経験が無い場合で、上記のルートでオーストラリアの看護師を目指す場合は、日本で看護師の経験を積んでから、チャレンジすることをおすすめします。

また、オーストラリアの看護系の大学を卒業することで、MCQ(知識査定)とOSCE(技術査定)は行われません。

通常、オーストラリアの看護大学を卒業した場合、卒業後に「New Graduate Program(オーストラリアの公立病院又は、一部の私立病院で行われる新卒トレーニング)」に参加することができますが、上記の方法でオーストラリアの看護師免許を取得した場合は、参加することができません。

 

MCQ(知識査定)とOSCE(技術査定)について

知識査定
MCQ
(Multiple-choice question)
National Council Licensure Examination for Registered Nurses (NCLEX-RN) を受験し、合格が必要
受講:PTE VUEテストセンター
費用:約$350
技術査定
OSCE
(Objective structured clinical exam)
技術アセスメント試験を受け合格が必要
実施先:アデレード大学での「Adelaide Health Simulation (AHS) 」で実施される
費用:約$4,000

National Council Licensure Examination for Registered Nurses (NCLEX-RN)は、候補者がオーストラリアで初級レベルの医療候補者として働くことができるかどうかを判断するために、オーストラリア保健医療従事者規制庁(AHPRA)によって確立、標準化された試験です。
出典:NCLEX-RN Australia Exam Application

OSCE(Objective structured clinical exam)は、受験者が標準化された医療で臨床スキルを実践及び実証できるかを確認します。各受験者は、1人、又は2人の試験官と1対1で試験され、電子患者シミュレーターで行われます。
出典:NCLEX-RN Australia Exam Application

 

看護師の体験事例:オリエンテーションプログラム

オリエンテーションプログラムは、約12~24週間、オーストラリアの医療従事を取り扱う団体が認定する大学・病院で講義・実習を受けます。

私が行ったシドニーの学校では、期間が12週間で、費用は日本円で約120万円でした。

オーストラリアの看護師免許を取得するためには、費用が掛かるため、注意してください。

日本で看護短大・専門卒かつ看護師経験ありの場合

日本で看護短大・専門卒かつ看護師経験ありの場合

日本での看護系短期大学、看護専門学校を卒業して、オーストラリアの看護師免許を取得する流れは、以下の通りです。

  1. オーストラリア渡航後、語学学校に通う(人によって渡航も期間も異なる)
  2. IELTS 7.0以上と同等の英語力を取得
  3. 1年、又は2年、大学の看護学コンバージョンコースに修学する
  4. オーストラリアで看護学学士号を取得
  5. 取得後、オーストラリアの看護師免許の登録を行う

大学によって、入学条件が異なりますが、日本の看護師免許に加え、英語力は「IELTS 6.5以上、又はIELTS 7.0以上」や臨床経験が3ヶ月以上の証明書等が求められます。さらに、大学の査定により、修学期間(1年・2年)は異なります。

また、大学の看護学コンバージョンコースの費用は、例としてグリフィス大学で年間$33,500(約3,015,000円)、カーティン大学で年間$35,580(約3,202,200円)の学費です。(2022年4月時点、$1=90円計算)

この方法で、オーストラリアの看護師免許を取得する場合、渡航費用、語学留学の費用加え、大学費用が大きな壁です。

オーストラリアの大学は、日本の4年制と違い、基本3年間です。このコンバージョンコースは、大学によっても名称が違うため、注意してください。

看護師免許取得後、応募から採用までの流れ

看護師免許取得後、応募から採用までの流れ

私の経験ですが、オーストラリアの看護師免許取得後、就職活動をする際の流れは以下の通りです。

  1. 州の公式サイトから募集を見てオンラインで応募
  2. 自分のアカウントに履歴書を貼り付ける
  3. オンラインの審査に通った候補者が面接に呼ばれる
  4. 面接は個人面接で、自分の臨床経験やこのポジションに期待することを聞かれる
  5. 面接から2週間以内にはメールにて合否の連絡がある
  6. 合格すれば契約書がメールで送られ、それらにサインをすると正式に就職となる

オーストラリアで働く場合には就労できるビザが必要です。ビザの規定は頻繁に変わるため、オーストラリア移民局のサイト等で、日頃から確認しておきましょう。

私が英語圏で働くための英語力を身に付けた方法

私が英語圏で働くための英語力を身に付けた方法

英語試験に合格することは看護師としての英語力が十分あるということですが、オーストラリアで、実際に臨床に出てみると、分からない事ばかりでした。

例えば、申し送りの英語は略語が多く、また日本の申し送りとは流れが違うため、慣れるまでに時間がかかりました。

私の場合、最終的には仕事をしながら現場で使う英語を身につけました。
英語がネイティブの同僚に「これ何て言うの?」と何度も聞いていました。もちろん辞書やネットで調べられることはその場で調べていました。

一つ一つコツコツと知らない単語を自分のものにしていくことが大切だと感じます。

補足:オーストラリアで働く看護師における永住権

オーストラリアでは看護師が不足しており、永住権が申請できる職業リストに「看護師」は入っています。

しかし、看護師免許のみでは、永住権を獲得できず、その他の様々な条件(45歳未満や、指名された職種で3年間勤務等)をクリアすることで、申請することが可能です。

詳しくは、オーストラリア内務省のページを確認してください。

私が感じた日本とオーストラリアの看護師の違い

私が感じた日本とオーストラリアの看護師の違い

私が、オーストラリアの看護師として働いて感じた、日本の看護師との違いを体験から説明していきます。

看護教育の方針の違い

看護教育の方針の違い

日本とオーストラリアでは看護教育の方針が異なります。

日本の看護教育は、看護観を育てることを大事にしています。そのため、日本の看護師は患者の視点に立ち、とても気が利き、きめ細やかなケアを提供できます。

オーストラリアでは、日本の看護のようなケアの部分に重点を置いた教育というよりも、薬理学、病理学、疾患の治療に力を入れた教育のため看護の視点が少し違います。

私は、オーストラリアで看護師として働いた際に、オーストラリアの看護師は「業務重視」だと感じました。

看護師の責任の大きさの違い

看護師の責任の大きさの違い

オーストラリアの看護師は日本の看護師よりも、業務内容が侵襲的であるため、責任が大きいです。

例えば、配薬は日本のように患者別になっておらず、看護師が医師のオーダーを見て、薬を箱から出して小さな容器に入れて患者に配薬します。

オーストラリアでは、配薬のミスがあった場合、医師の指示が間違っていたとしても、その間違いに気づかなかった看護師の責任です。

また、看護師に過失があった場合、インシデントの大きさにもよりますが、他の看護師の監視下で、配薬しなければならない等の看護師免許に制限が付きます。さらに、最悪免許停止もありえます。

看護師の業務範囲の違い

看護師の業務範囲の違い

オーストラリアの看護師は、主なドレーンの抜去ができ、看護師の判断で一部の薬(市販の痛み止め、下剤など)が投薬できるなど、日本の看護師ができない範囲の医療行為ができます

日本から初めてオーストラリアの看護師として働くと、驚くことの一つです。

私の経験ですが、日本の病院よりもオーストラリアの病院の方が、分業化が進んでおり、看護助手や准看護師など、様々な職種が決められた範囲内の仕事を行うイメージでした。
そのため、オーストラリアの病院では、残業が少なく、定時で上がる場合が多かったです。

オーストラリアで働く看護師の給与や年収・物価事情

オーストラリアで働く看護師の給与や年収・物価事情

オーストラリアで働く看護師の給与や平均年収、物価事情などを体験から説明していきます。

オーストラリアで働く看護師の平均年収・給与

オーストラリアで働く看護師の平均年収・給与

役職・資格年収項目ニュー・サウス・ウェールズ州ビクトリア州クイーンズランド州南オーストラリア州西オーストラリア州タスマニア州首都特別地域ノーザンテリトリー
Assistant in Nursing
看護助手
平均年収($)$45,968$52,026$57,649$51,980$54,392$53,378$52,300$51,040
平均年収(円)¥4,137,120¥4,682,340¥5,188,410¥4,678,200¥4,895,280¥4,804,020¥4,707,000¥4,593,600
最高年収($)$50,440$73,018$64,208$53,519$56,992$58,651$54,070$53,160
最高年収(円)¥4,539,600¥6,571,620¥5,778,720¥4,816,710¥5,129,280¥5,278,590¥4,866,300¥4,784,400
Enrolled Nurse
准看護師
平均年収($)$54,620$54,548$62,382$56,287$54,996$58,628$61,658$61,856
平均年収(円)¥4,915,800¥4,909,320¥5,614,380¥5,065,830¥4,949,640¥5,276,520¥5,549,220¥5,567,040
最高年収($)$64,584$71,968$72,335$67,051$70,096$64,928$66,932$71,708
最高年収(円)¥5,812,560¥6,477,120¥6,510,150¥6,034,590¥6,308,640¥5,843,520¥6,023,880¥6,453,720
Registered Nurse
正看護師
平均年収($)$63,960$61,776$67,697$65,822$67,697$64,928$67,984$69,922
平均年収(円)¥5,756,400¥5,559,840¥6,092,730¥5,923,980¥6,092,730¥5,843,520¥6,118,560¥6,292,980
最高年収($)$89,804$85,436$96,742$89,811$96,742$88,855$122,360$135,013
最高年収(円)¥8,082,360¥7,689,240¥8,706,780¥8,082,990¥8,706,780¥7,996,950¥11,012,400¥12,151,170
Clinical Nurse
専門看護師
平均年収($)$95,545$98,800$95,545$76,891$74,210$73,110$108,237$107,240
平均年収(円)¥8,599,050¥8,892,000¥8,599,050¥6,920,190¥6,678,900¥6,579,900¥9,741,330¥9,651,600
最高年収($)$101,237$136,240$101,237$97,193$81,230$82,420$122,360$162,359
最高年収(円)¥9,111,330¥12,261,600¥9,111,330¥8,747,370¥7,310,700¥7,417,800¥11,012,400¥14,612,310
Nurse Practitioner
診療看護師
平均年収($)$123,812$121,160$130,713$116,263$116,070$97,494$131,034$107,240
平均年収(円)¥11,143,080¥10,904,400¥11,764,170¥10,463,670¥10,446,300¥8,774,460¥11,793,060¥9,651,600
最高年収($)$132,600$123,500$136,465$121,184$165,220$136,913$131,034$107,240
最高年収(円)¥11,934,000¥11,115,000¥12,281,850¥10,906,560¥14,869,800¥12,322,170¥11,793,060¥9,651,600
Nurse Unit Manager
ユニットマネージャー
平均年収($)$112,684$115,388$116,092$110,112$116,070$97,494$121,034$107,240
平均年収(円)¥10,141,560¥10,384,920¥10,448,280¥9,910,080¥10,446,300¥8,774,460¥10,893,060¥9,651,600
最高年収($)$121,212$115,388$126,037$121,184$165,220$136,913$131,034$162,359
最高年収(円)¥10,909,080¥10,384,920¥11,343,330¥10,906,560¥14,869,800¥12,322,170¥11,793,060¥14,612,310
Director of Nursing
看護部長
平均年収($)$112,372$119,600$136,465$126,720$148,159$104,071$122,360$129,819
平均年収(円)¥10,113,480¥10,764,000¥12,281,850¥11,404,800¥13,334,310¥9,366,390¥11,012,400¥11,683,710
最高年収($)$181,168$181,168$218,800$185,774$165,220$170,651$184,303$162,359
最高年収(円)¥24,095,344¥24,095,344¥29,100,400¥24,707,942¥21,974,260¥22,696,583¥24,512,299¥21,593,747
  • 出典:Health Times Australia(2020年時点)
  • 「$」はオーストラリアドルです。
  • ※為替レート$1=90円で計算

シドニーは、「ニュー・サウス・ウェールズ州」の平均年収を参照し、首都キャンベラは「首都特別地域」の平均年収を参照してください。

オーストラリアのシドニーで働く看護師(Registered Nurse)の平均年収は日本円にして約5,756,400円で、月給に換算すると約47.9万円です。2023年に発表された「厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査」では、看護師の平均年収は5,081,300円となるため、67.5万円、オーストラリアの看護師の方が高いです。
(看護師の平均年収の詳細は「2023年版!看護師平均年収508万円・20代・30代・40代・50代も年齢別で紹介」を参照してください。)

また、オーストラリアで働く看護師は、月給ではなく「時給」換算し、経験を積むか、役職につくことで、時給が上がります。

看護師の給与は1年目から8年目まで一定で時給が上がる

看護師の給与は1年目から8年目まで一定で時給が上がる

オーストラリアの公立病院の正看護師の給与は、1年目から8年目まで時給が一定に上がります。

ただし、8年目以降に給与を上げたい場合は、一定のコースや大学院を修了し役職につくことが必要です。

上記で説明した、専門看護師、診療看護師(NP)、ユニットマネージャー、看護部長の他に、病棟専属の教育者(エディケーター)でも時給が上がります。

オーストラリアの公立病院は時間外手当が高額

オーストラリアの公立病院は時間外手当が高額

オーストラリアの公立病院の場合、時間外手当が高額で、以下の割合で時給が増えます。

  • 午後勤務の時給:12.5%増
  • 夜勤勤務:15%増
  • 土曜日勤務:50%増
  • 日曜日勤務:75%増
  • 祝日勤務:150%増

参照:Public-Health-System-Nurses-and-Midwives-State-Award-2017

公立病院の看護師はこれらの手当が守られているため、給与が私立病院の看護師よりも高いとされています。

例えば、2年目看護師の基本時給が$30としたら、土曜に働くことで時給$45となります。

給与は多いがオーストラリアの物価も高い

給与は多いがオーストラリアの物価も高い

日本から見た、オーストラリアで働く看護師の給与や年収は、上記で説明した通り高いですが、オーストラリアの物価と比べると、それほどではありません。

外食であれば、日本の1.5倍から2倍高くなっており、オーストラリアに来た看護師のほとんどは、その物価の高さに驚きます

例えば、シティから近い1ベッドルームアパートメント(日本の1DK)の場合、家賃は月に最低でも18万円はしますし、単身用のアパートが日本のように沢山ないので探すのが大変です。

そのため、オーストラリアでは、家は一人で部屋を借りるととても高いため、シェアハウスが一般的です。

また、家族と住む人は、家賃が比較的安いシティ郊外から通勤をしている人が多いです。

オーストラリアで看護師として働いて感じたこと

オーストラリアで看護師として働いて感じたこと

日本の看護師と比較して、オーストラリアで看護師として働いて感じた、メリット・デメリット等を説明していきます。

オーストラリアで看護師として働くことを希望する方は、是非参考にしてください。

率先して仕事をする日本の看護師は喜ばれる

私の経験ですが、オーストラリアで日本人看護師は、他の海外看護師の中でも「働き者である」と思われています

実際に、率先して仕事を行う日本人看護師は、入職した際は、スタッフや患者からとても喜ばれます。

また、日本で働く看護師と比較して、オーストラリアは「労働者を守る国」であり、どの病院に勤務しても、福利厚生がしっかりしていることに驚きました。

オーストラリアは長期休暇が保証されている

オーストラリアでは、看護師だけでなく、どの職種の労働者にも長期休暇が保障されています。

オーストラリアで夜勤をしている看護師は、有給休暇を年に6週間(日勤のみ看護師は4週間)取ることができました。

この、有給休暇は、連続して取得しても、分けて取ることもできました。
そのため、1年のうち1ヶ月を日本でのんびり過ごすことも可能でした。もちろん、リフレッシュのために海外旅行に出かけることも可能です。

日本より看護教育が充実している

私が勤務したオーストラリアの病院では、勤務時間内に院内の勉強会がありました

この勉強会は「教育担当者(エディケーター)」が開催し、病棟看護師が業務時間外に勉強会を企画から運営まですることは一切ありません。

さらに、「勉強日手当」という手当があり、外部の勉強会やセミナーへの参加も有給を利用して参加できます。

また、これらの勉強会に参加した時間数を、毎年看護師免許の更新時に必要な、20時間の学習として申請することもできます

日本より突然の休暇(病欠等)が取得しやすい

オーストラリアの看護師は、日本より突然の休暇が取得しやすいと感じました。

例えば、勤務の前日夜になって熱があり、「とても翌日仕事に行くことができない」となった場合、マネージャー(管理者)は、朝の勤務開始までに派遣看護師を探し、勤務を変わってくれるため、自分が休む事で業務に差し支えることがなく、安心して休むことができます。

また、オーストラリアで働く看護師は、時間外でもマネージャーに電話で病欠をしたいと連絡することができました。

シフト制で働く看護師は、体調を崩しやすいものですが、日本には無い仕組みだと感じました。

残業を行うと評価はマイナスに判断される

私が勤務したオーストラリアの病院では、勤務時間内に終わる(定時退社)ことがほとんどでした。

そのため、残って仕事をしていた場合、タイムマネジメント能力が低いと判断され、自分の評価が下がることがありました。

私は日本と比較してギャップがありましたが、オーストラリアの病院では、完璧に仕事をしようとするのではなく、時間内にできることをするというスタンスで働くと気持ちが楽になりました。

オーストラリアは日本人以外のアジア人が多い

オーストラリアで働く看護師は、オーストラリア人よりもアジア人看護師(フィリピン、インドなど)が多い印象です。

私は、オーストラリア人(西洋人)とばかり働くと思っていましたが、思っていた職場の雰囲気と違いました。
オーストラリアで働いてから気づいたことですが、日本人のように真面目に働く人種は稀だと感じました。
そのため、他国出身の看護師との働き方の違いにイライラすることもあり、仕事に完璧を求めないことが重要でした。

英語が活かせる職場に転職し、勉強をしよう!

英語が活かせる職場に転職し、勉強をしよう!

オーストラリアの看護師として働くことを希望する場合、私の経験から、以下の2つの壁に当たることが多いです。

  1. 渡航、語学留学、大学、研修等の費用の捻出
  2. 英語力の基準を満たすための勉強

語学留学や大学の費用があれば、すぐに渡航しても良いですが、多くの看護師には難しいでしょう。

そのため、費用の捻出のために派遣やパート・アルバイトで稼ぐ方法や、日本で英語が活かせる職場に転職して、日常会話程度の英語を聞きなれておくことも大切です(詳しくは「英語が話せる看護師が日本で活躍できる仕事15つ」も参照してください。)。

以下は、派遣、パート・アルバイト、正社員の看護師求人がとても豊富で、ダブルワークや、より高収入の職場へ転職する際に活用しておきたい看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)です。

完全無料で活用できるため、複数社登録しながら、より自分の目標に近づくことが可能な職場を探しましょう。

看護師求人数No.1!レバウェル看護

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)

転職相談面接対策条件交渉退職相談
2重丸2重丸2重丸2重丸
サイト名レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
運営会社レバレジーズメディカルケア株式会社
公開求人数153,588件
(2024年4月1日時点)
非公開求人豊富
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 雇用形態常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤、夜勤専従パート、非常勤、派遣、紹介予定派遣
対応施設総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター
対応 診療科目内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科
対応配属先病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・看護師の転職求人が豊富
・転職支援サービスが手厚い
・転職の相談から行える
・院内・施設内情報に強い

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)は、看護師転職サイトの中で、一番看護師求人数が豊富で、ハローワーク求人もカバーしています。

そのため、看護師の現在の状況に合わせて、仕事を選択することが可能で、さらに正社員、パート・アルバイト、派遣などの雇用形態も充実しています。

渡航するために、仕事を変更する場合や、貯金するために仕事を変更したい場合などは、必ず活用しておきましょう。

公式サイト:https://kango-oshigoto.jp/

非公開求人豊富!マイナビ看護師

マイナビ看護師

転職相談面接対策条件交渉退職相談
2重丸2重丸2重丸2重丸
サイト名マイナビ看護師
運営会社株式会社マイナビ
公開求人数81,127件
(2024年4月1日時点)
非公開求人とても豊富(保有求人全体の約40%非公開)
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師、ケアマネジャー
対応 雇用形態正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託その他
対応 勤務形態常勤(二交替制)、常勤(三交替制) 、夜勤なし、夜勤専従
対応施設病院、クリニック・診療所、美容クリニック、施設、訪問看護ステーション、看護師資格・経験を活かせる一般企業、治験関連企業(CRA、CRCなど)、保育施設 、その他
対応 診療科目美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科
対応配属先病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・転職の相談から行える
・キャリアアドバイザー親切丁寧
・退職交渉も可能
・企業系のレア求人を豊富に保有

マイナビ看護師は、求人の約40%が非公開求人(インターネット上に出ない、担当者から紹介して貰える求人)であり、好条件の看護師求人も豊富です。

また、正社員、パート・アルバイトの雇用形態にも対応しているため、効率よく渡航の資金を稼ぐために仕事変更を考えている看護師にはおすすめです。

公式サイト:https://kango.mynavi.jp/

ダブルワークに最適!MCナースネット

MCナースネット

転職相談面接対策条件交渉退職相談
2重丸マルマル三角
サイト名MCナースネット
運営会社株式会社メディカル・コンシェルジュ
公開求人数18,544件
(2024年4月1日時点)
非公開求人とても豊富
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 雇用形態常勤、派遣、非常勤・パート、委託
対応施設病院、クリニック、訪問看護、デイサービス、訪問入浴、介護施設、企業、コールセンター、ツアーナース、巡回健診、学校・保育園、行政、イベント、薬局、その他
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・全国26拠点
・派遣と常勤(正社員)求人に強い
・全国の求人が豊富
・基本的にほとんどが非公開求人

MCナースネットは、正社員、派遣、パート・アルバイトの雇用形態に対応した看護師求人がありますが、一番の特徴は単発の看護師求人が多いことです。

そのため、1週間の間に少しの時間で、渡航資金を稼ぎたい場合や、隙間時間を活用して仕事を行いたい場合などは、活用しておきましょう。

公式サイト:https://mc-nurse.net/

まとめ

私は日本で看護師の経験があり、4年制大学を卒業していたため、オーストラリアの看護師へ最短で登録できましたが、医療英語試験(OET)に合格するまでに渡航から2年以上かかりました。

私の経験からですが、日本での英語の勉強と費用の準備がいかにできたかで、登録までの期間は大きく変わってくることを知っておいてください。

それまでの道のりは長いかもしれませんが、達成したときには自分の可能性が広がり、充実した海外生活が送れます。

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運営会社株式会社peko
会社ホームページhttps://peko.co.jp/
所在地〒107-0052 東京都港区赤坂3丁目1-16 BIビル6F
代表取締役辻 昌彦
設立2015年6月
資本金14,000,000円
事業内容
  • 有料職業紹介事業
  • キャリアメディア事業
  • インターネット広告事業
  • SEOコンサルティング事業等
厚生労働大臣許認可有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509
(厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細
特定募集情報等提供事業:51-募-000760
連絡先03-5324-3939 (受付時間:休日、祝日を除く10:00~17:00)
お問い合わせhttps://peko.co.jp/inquiry
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総合監修者

キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

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