転職活動の際、履歴書の書き方に悩むのは志望動機と自己アピールではないでしょうか。
志望動機では、志望する部署や病院などの施設に対して、選んだ動機や働きたいと思う理由、自分を採用してもらった場合どのように貢献できるのか、などを書くことが必要です。
ここでは、手術室を志望する場合の志望動機のポイントと例文をご紹介します。
目次

1.総合病院へ転職し、手術室を希望する場合

画像:shutterstock
多くの病院は、手術室限定で看護師求人を募集している場合は少ないといえます。(また手術室限定で募集していても、配属は別の診療科になるケースもあります。)
そのため転職後、確実に手術室へ配属されるためにも、看護師側がアピールする必要があり、熱意が伝わるよう記載することが重要です。
以下で手術室への配属を希望している場合の志望動機を考えてみましょう。
(1)志望動機の例文
<例文>私は、5年間大学病院外科病棟で勤務してきました。術後看護が流れ作業のように繰り返され、個別性をもっと重視した看護がしたいと考えるようになりました。
以前貴院に家族が入院した際、看護師がベッドサイドで時間をかけて接している様子を見て、患者一人一人の不安を受け止めてくれる病院だと感じました。私は、今後外科系看護でのキャリアアップをしていくためにも、まず周手術期の術前術後看護を一から学びたく、貴院での手術室看護を希望します。
貴院の多様な手術における手術室看護を専門的に学び、経験を積むことで、術後看護がより患者に寄り添えると思うからです。また、これまでの患者様とのコミュニケーション経験は、手術室でこそ必要であり活かせるものと考えています。
(2)なぜその病院を希望するのかを考える
手術室を希望する看護師は、「なぜその総合病院を選んだのか」という理由が必要であるため、「手術実績」や「働く手術室の看護師」などにフォーカスを当てて説明すると良いでしょう。(手術看護認定看護師などが在籍している病院だと理由も伝えやすいです。)
また、その他の理由は面接などで説明し、以下のような正直な気持ちを言葉にしましょう。
- 教育体制がしっかりしている
- 定職率が高い
- 自分や家族が患者として治療を受けたときの印象
- 子育て中の看護師が多い
- 自宅が近距離
これまで大学病院など大きな組織で働いていた場合、「なぜ大きな病院ではなく地域の総合病院を選ぶのか」と人事担当者は思うため、面接時はその質問に答えられるようにしておきましょう。
(3)なぜ手術室を希望しているのかを記載する
看護師が手術室の志望動機を書く場合「なぜ、病棟ではなく手術室を希望するのか」という理由が大切です。
手術室看護の経験者と未経験者の場合については、以下の通りです。
手術室看護の経験者 | ・キャリアアップの希望を記載する ・これまでの経験を活かしたいことを記載する |
手術室看護の未経験者 | ・病棟では得ることができなかったことを記載する ・手術室看護のどこに興味があるのかを記載する ・総合病院の手術室がどのように魅力的なのかを記載する |
総合病院は、様々な診療科の手術が実施され、年間手術件数も多いことが一般的です。
手術室未経験の場合、手術室看護師は覚えなければならないことも多く、病棟とは違って患者との関わりも少ないため、「どこにやりがいを見出せばよいのか」と病棟に戻る人も多いです。
そのため、未経験者は「それでも病棟よりも手術室で働きたい」という気持ちが強いことが分かる内容になっていることで、人事担当者にも響くでしょう。
(4)自分が勤めることで何に貢献できるのかアピールする
転職者で中途採用となる場合、即戦力を求める場合がほとんどです。
そのため、「未経験者を教育し、時間をかけてもそれ以上にメリットがある」と判断して貰う必要があります。
採用側は、応募者の希望ばかりを聞いてくれる訳ではないため「自分がもしその総合病院の手術室で働くことができたら、どのように成長して経験をその後に活かしていけるのか」をイメージしてみましょう。
「自分を採用して貰えればこのように貢献できます」と自信を持ってアピールすることが大切です。
2.手術室限定の看護師求人に応募した場合

画像:shutterstock
看護師求人の中には、手術室限定で看護師を採用している求人が少なからず存在します。
その場合、人事担当者は「なぜ手術室を希望するか」という点は、かならず確認され、理由を明確にしておくことが大切です。
志望動機のポイントについて説明していきます。
(1)志望動機の例文
<例文>私は、患者にとって手術が人生を左右する一大事でありながら、患者から手術室での時間をほとんど覚えていないと聞くことが多く、その恐怖や不安を取り除きたいと思い手術室看護に興味を持ちました。
手術室看護は未経験ですが、これまで患者・家族はもちろん、医師や他スタッフに対しても自分から笑顔で挨拶して声をかけるという心がけで培ったコミュニケーション力を、手術室でのチーム医療に活かしたいと考えています。
そして新しい分野だからこそ積極的に勉強をして急性期看護へ繋ぐためのスキルアップを目指したいため志望いたしました。
(2)手術室看護を目指そうと思ったきっかけを記載
手術室看護師を行ってみたいと思った「きっかけ」があるはずです。
そのため、応募するに至った理由について自分の言葉で表現し、志望動機の中に記載しておきましょう。
手術室は、特殊な看護で「憧れだけでは現実を目の当たりにしたときに理想とのギャップを感じるのでは」と懸念されてしまうため「現実的な厳しさも理解した上で志している」ということが伝わると良いでしょう。
(3)これまでの経験をどのように活かすかを記載する
これまでの経験の中で、
- 「自分が患者や家族と、どのように接してきたか」
- 「医師やコメディカルとの関わり」
- 「今までの看護技術・知識」
などをまずは思い浮かべながら、新しい職場(手術室)でどのように活かすことができるか考えましょう。
手術室は病棟とは別世界ですが、今までの看護経験を必ず生かすことが出来るポイントはあるはずです。
3.最後に:手術室は志望動機に力を入れる必要がある

画像:shutterstock
看護師が手術室の志望登記を書く際のポイントと例文について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
手術室への転職を考えている看護師は、志望動機に力を入れることが必要です。
理由として、手術室は、一般病棟や施設での求人に比べて求人数が少なく、競争率が高いため、採用して貰うに志望動機は欠かせない要素と言えるからです。
手術室看護師は、専門的な看護技術が必要であるため「仕事を覚えるのが難しそうだ」と敬遠されやすいような気がしますが、意外に人気が高い部署であるため、必ず志望動機に力を入れましょう。
どのような場合でも志望動機には、「そこで働きたいという明確な理由と熱意が伝わるか」が採用されるかどうかの分かれ目となるでしょう。
手術室看護は、一般病棟とは異なる特殊な看護を提供する場であるため、一般に病院に応募するのとは違った相応の理由が問われます。
手術室に転職を考えている看護師は、是非参考にしてみて下さい。
コメントを残す