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国境なき医師団の看護師になるためには?メリット・福利厚生や給与

公開日:2026年6月1日
国境なき医師団の看護師になるためには?メリット・福利厚生や給与

中立、公平な立場で医療を提供し、必要に応じて人道援助を行っている国境なき医師団は、民間・非営利の国際団体で、日本のみならず海外の医師などが多く参加しています。

自然災害にあわれた被害者をはじめ、紛争や貧困などによって満足のいく医療サービスを受けることができない地域に行くことや、感染症などが流行している地域へ出向き、感染症の治療と予防を行うなど、様々な医療業務を行っています。

2023年現在、コメディカルで募集している看護系の職種は、

  • 正看護師
  • 手術室看護師(正看護師)
  • 助産師

上記の3つの職種となっています。

このページでは、国境なき医師団の看護師(海外派遣スタッフ)として働くために必要な情報を分かりやすく説明していきます。

国境なき医師団の看護師・助産師等の募集は「国境なき医師団(人材募集)」のページから最新の情報を確認することが可能です。

監修者
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

著作・監修記事一覧

執筆・監修看護師
藤堂あけみ 看護師
藤堂あけみ 看護師
  • エリア:東京都在住
  • 保有資格:看護師、保健師、養護教諭第二種
  • 施設経験:大学病院、公立病院、美容クリニック、訪問看護、デイサービス、大学保健室
  • 専門分野:消化器外科、呼吸器外科、内科、小児科、美容整形科、オペ室

看護学校卒業後、看護師として15年以上働いていました。大学病院や公立病院に勤務し、消化器外科や呼吸器外科など経験。パートで美容クリニックや訪問看護なども行い、現在在宅の看護師ライターとして頑張っています。

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国境なき医師団の看護師になるには?(必要条件)

国境なき医師団の海外派遣スタッフ看護師になるためには、以下の必要条件をクリアしなくてはなりません

  1. 看護師、手術室看護師、助産師のいずれかの条件を満たすこと
  2. 求められる人材・人物像に該当すること

以上の2つが必須条件になります。

条件を満たしている看護師が、国境なき医師団の海外派遣スタッフとして応募することが可能です。

求められる人材・人物像(共通)

国境なき医師団の看護師として活躍するためには、柔軟性があり、コミュニケーション能力・語学力があること、また独立して働く能力があり、ストレスに対処することができる人材です。

実際の公式ページでは「チームワーク×臨機応変な対応力」を求める人物像として挙げており、MSF(国境なき医師団)の理念に共感し、自ら考え、新たなことに挑戦していく仲間と記載されています。

上記のYouTubeも是非、チェックしておきましょう。
(日本語の字幕が入れられていますので、見やすいと思います。)

正看護師の参加・応募条件

主な職務
  • 現地スタッフのマネジメントが主な業務
  • 現地採用の正看護師ら医療スタッフに対する指導や教育、技術向上トレーニングの企画・実施など
派遣期間 6ヶ月から1年(目安)
必須経験
  • 5年以上の臨床経験
  • 熱帯医学の学位または臨床経験
  • 1年以上の感染管理の経験
  • マネジメント・監督・教育の経験
その他考慮される経験
  • 外科 、ICU、救急、小児科(特にNICU、新生児ケア)、産科での豊富な経験
  • NGOでの開発途上国における臨床経験
  • HIV/エイズおよび結核の臨床経験
  • 離島やへき地、途上国など人材や資材に限りがある環境での臨床経験
言語 英語またはフランス語で業務に対応できること
(両言語またはフランス語ができる方優遇 )
必要スキル 強いリーダーシップ
その他 ※感染管理専門看護師として応募する場合は、感染管理認定看護師の認定証を保持していること
重視されること
  • 採用には特に経験や能力を重視
  • 感染管理専門看護師や、教育・指導・管理経験に長けていて現地でHead Nurse(看護部長)として働ける方を募集

必須の経験だけでも、かなり条件が厳しいことが分かります。

また、英語やフランス語のレベルですが「プロの看護師としての業務、その他指導・教育が問題なくできるレベル」が必要です。

応募内容には「看護師のポジションは競争率が高い」ことが記載されており、派遣先決定まで1年間かかる場合もあります。

手術室看護師の参加・応募条件

主な職務
  • 自然災害や紛争などで外傷を負った人びとへの手術の直接・間接介助
  • 医療を受ける機会が乏しい地域での手術の直接・間接介助
  • 現地での手術室看護師などの採用、日常の業務指導・トレーニングの企画
  • 薬剤資材の発注や在庫管理
  • 回復室や医療器材の滅菌を担当するチームのマネジメント
派遣期間 3~6ヵ月(目安)
※1ヶ月からの短期派遣もあり
必須経験
  • 4年以上の手術室での臨床経験(1年以上の中断がないこと)
  • 産科、整形外科、一般外科など幅広い手術の直接・間接介助経験
  • 手術器具の滅菌経験
  • マネジメント・監督・教育の経験
その他考慮される経験 小児外科または小児科の経験
言語 英語またはフランス語で業務ができること
必要スキル 特になし
その他 特になし
重視されること 特になし

正看護師の応募条件より、手術室看護師の応募条件の方が、必須経験から見てもイージーではないでしょうか。

また、言語レベルも英語・フランス語で業務が出来ることが必要ですが、正看護師のようにレベルの縛りがありません。

ただし、手術室看護師としての仕事以外の在庫管理、チームマネジメント、業務指導などの教育も仕事内容に入るため、注意しましょう。

助産師の参加・応募条件

主な職務
  • 妊産婦検診、分娩介助、産後ケア、家族計画、性感染症予防のための教育や啓発活動
  • ハイリスク・異常分娩の介助
  • 産婦人科医がいない状況で、外科医とともに帝王切開に対応
派遣期間 6ヶ月から1年程度
必須経験
  • 2年以上の臨床経験
  • ハイリスク管理・異常分娩介助の豊富な経験
  • 新人やチーム内での指導・教育の豊富な経験
  • 日常的な指導、技術向上トレーニングの企画・実施・マネジメントなど
その他考慮される経験
  • ALSO (Advanced Life Support in Obstetrics)の認定証保持
  • NCPR (Neonatal Cardio-pulmonary Resuscitation)の認定証保持
言語
  • HIV/エイズなどの感染症を持つ妊産婦の分娩介助経験
  • 熱帯医学の知識または臨床経験
  • 離島、へき地、途上国など人材や資材に限りがある環境での臨床経験
必要スキル 英語またはフランス語で業務ができること
(両言語できる方優遇)
その他 助産師のポジションは競争率が高く派遣先決定まで時間を要する
重視されること 採用には特に経験や能力を重視

助産師も正看護師と同様に倍率が高く、派遣先決定まで時間が掛かります。

また、助産師の場合ALSO、NCPRの認定証が必須条件となっていますので、注意してください。

応募から海外看護師派遣までの流れ

応募から海外看護師派遣までの流れ

画像出典:チーム国境なき医師団より

応募は公式ページの「チーム国境なき医師団の応募フォームより」応募し、以下のような流れで進みます。

国境なき医師団 応募から海外看護師派遣までの流れ

選考に合格し「(4)海外派遣スタッフとして正式登録」をされた場合は、派遣先決定まで時間がかかる可能性がありますが、国境なき医師団の一員として働くことが可能です。

応募書類の提出

正看護師、手術室看護師(正看護師)、助産師ともに、応募書類はほぼ同じです。

  1. 履歴書(英語自由形式)
  2. 志望動機書(英語自由形式)
  3. チェックリスト(正看護師)又は、チェックリスト(OT看)、履歴書(助産師)

上記の3つの応募書類で、すべて英語で記載します。(チェックリストは、卒業証明書や医療訓練状況を記載するものです。)

すべて、公式ページの「応募方法」からフォーマットをダウンロードすることが出来ます。

1次選考

国境なき医師団の日本事務局と世界各地のプログラムを運営しているオペレーション・センター(OC)が(1)で提出した書類の選考を行います。

この1次選考を突破した看護師が、語学力テストに進めます

語学力テスト後に2次選考に進みます。

2次選考(面接)

2次選考は面接となり、英語又はフランス語で参加の動機や派遣時期などについて面接があります。

国境なき医師団の日本事務局で行われます。
(説明会会場やSkypeの場合もあります。)

  • 国境なき医師団の日本事務局
    〒162-0045 東京都新宿区馬場下町1-1 FORECAST早稲田FIRST 3階 (旧 早稲田SIAビル)
    Googleマップへ

海外派遣スタッフとして正式登録

2次選考に合格した場合、国境なき医師団の海外派遣スタッフとして正式登録されます。

正式登録に必要な書類としては、

  • パスポート(コピー)
  • 各種免許書
  • 卒業証明書

等となります。

派遣されるまでの現実的な問題

特に「看護師職」「助産師職」を希望する場合、「応募から海外看護師派遣までの流れ」で説明させていただいたように、派遣先決定まで時間がかかる可能性が高いです。(人気がある仕事のため。)

そのため、海外派遣されるまでの期間は無職となってしまうので、国境なき医師団で働く希望がある方は、そのまま病院勤務を続けることや、派遣やパート・アルバイトで生活を維持する必要があります。

また、手術室看護師の場合は、臨床経験に1年以上の中断がないことが必須条件に入っていますので、注意してください。

出発前研修

6ヶ月以内に海外派遣が可能なスタッフを対象に行う研修です。

日本事務局で開催されますが、派遣先によってはヨーロッパでの研修となる場合もあります。

まずは派遣スタッフとして正式登録を目指そう

上記で説明した出発前研修は6ヶ月以内に派遣可能な看護師が対象となります。

1次選考、2次選考に合格し、国境なき医師団の派遣スタッフとして正式登録を行うことをまずは目指しましょう。

派遣先決定

希望の派遣期間や職務経歴によって派遣先を調整してくれます。(ビザや航空券の手配も行ってくれます。)

この調整には数ヶ月かかる場合もあるそうです。

決定後、出発前の打ち合わせを行い、海外派遣スタッフとして勤務します。

国境なき医師団に参加する看護師のメリット

国境なき医師団の海外派遣スタッフ(看護師)として、働くメリットを説明していきます。

給料や福利厚生は充実している

国境なき医師団で働く看護師の給料や福利厚生は充実しており、参加を希望する方には大きなメリットと言えます。

以下、国境なき医師団の給料事情や福利厚生を表にまとめて説明します。

勤務時間 プロジェクトと時期によって大きく異なる
※通常3ヵ月に1回、約1週間の休暇を取る
※ロジェクトの特性に応じて、追加の休日が付与される場合もある
休暇 年間25日の年次休暇が付与
※必要な休憩・休養のための時間を確保
始めて参加する場合の給料
(海外派遣期間が1年を超えるまで)
月額17万6500円(控除前)
派遣期間が1年を超えた場合 月額20万408~57万5862円(控除前)
日当
  • 現地での食費・日用雑貨購入費として現地通貨で毎月支払われる
  • 手当の60~70%は食費として共同資金(Food Pot)に充てられる
    ※金額は国・地域によって異なる
往復渡航費 航空運賃、国内交通費、宿泊料等は全額負担
渡航手続関係費用 予防接種費用、健康診断費用、ビザ・その他必要書類取得費用負担
社会保険
  • 雇用契約期間が31日以上の方は雇用保険に加入
  • 2ヶ月を超える場合は、厚生年金および健康保険(協会けんぽ)に加入
医療保険 活動中は、MSFの医療保険を負担
(病気・けがの治療費、治療のための緊急帰国に伴う経費、死亡、後遺障害に対する補償)
※帰国後も3ヶ月有効
現地での住居 チームメンバーとの共同生活
※原則として個室を用意(相部屋となる場合もある)

看護師として貴重な経験を得ることが出来る

国境なき医師団は様々な場所で活動しています。感染症が流行している地はもちろん、紛争や貧困の激しい地域へ行き、医療を満足に受けることができない人々を助けています。

国境なき医師団に参加した看護師の多くは、とても貴重な体験ができたと口をそろえて言います。

日本では絶対に体験することができないこと、想像もつかないような場所において医療を提供することになるため、思っている以上に自身の経験につながるようです。

意外と休日は充実している

国境なき医師団にしかできないことがたくさんあり、日本の病院とは違ったやりがいを感じられる毎日を過ごすことができます。

ただ、派遣された地域によっては治安が悪く外出が困難になってしまうこともあるため、空いた時間は映画を見たり本を読んだり、一緒に派遣されている海外スタッフとおしゃべりをしたりしながら休日を過ごすことが多い傾向にあります。

国境なき医師団の現地の住居というのは比較的恵まれた環境にあることも多いため、生活をするのに苦労するということは少ないようです。

価値観の違うスタッフと絆を深めることができる

国境なき医師団として派遣された看護師曰く、「派遣される前は行くのに勇気がいるかもしれません。日本では起こり得ない状況を経験することになるかもしれません。」とのことです。

しかし、これが自分自身の看護に対する意識はもちろんのこと、普段の生活では経験できないことや、日本にいるだけでは体験できないことが多く、確実に自分の糧になります。そのため、国境なき医師団に派遣されることを思い切って決断し、とても良い経験ができたことに感謝しています。

「価値観の違ったスタッフたちとともに仕事をすることで、同じ目的をもってそれを達成するために絆を深めていくことの素晴らしさを知ることができました。」と語っています。

まとめ

国境なき医師団の看護師として、紛争が起こっている地域、感染症が蔓延している地域に派遣されることも珍しいことではありません。

そのため、派遣された自身も危険な目に合う可能性も否定できませんし、感染症にかかってしまう可能性もゼロではありません。

しかし、日本のように医療が充実しているわけではない地域へ派遣されるため、自分の知識と技術をフル活用する機会がかなり多く、日本では絶対に経験のできない貴重な体験ができるのは確かです。

また、日本に帰国してからもその経験が医療現場で役立つことや、さらなる活動の幅を広げてくれることも多いため、国境なき医師団として働くことにはたくさんのメリットを受けることができるのです。

グローバルに活躍していきたいと考える看護師の方は、ぜひ国境なき医師団の看護師として働くことを視野に入れてみてはいかがでしょうか。

監修者
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

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