デイサービスで働く看護師の役割と仕事内容「4人の体験談」

デイサービスは退院後の患者や高齢者が、在宅で快適に過ごしていくためになくてはならない地域福祉サービスです。

病院勤務に疲れた看護師、夜勤がない仕事がしたい看護師、地域に根ざした医療福祉サービスに関わりたいと思った看護師など様々な理由でデイサービスに興味を持っているのではないでしょうか。

デイサービスの役割と仕事内容をメインに、初めてデイサービスで働いた看護師の体験談も含めてご紹介いたします。

【執筆した看護師のプロフィール】

小平希看護師
小平 希 看護師資格確認済み
  • オーストラリア在住/30歳
  • 職務経験:総合病院、デイサービス、訪問入浴、イベントナース、ツアーナース(旅行添乗)
  • 診療科経験:整形外科、消化器外科・内科、腎臓内科、腫瘍内科
日本で看護師として3年間総合病院で働き、海外に住みたい夢を叶えるためオーストラリアに看護留学。日本の看護の良さを海外に広めるため活動中。

1.看護師の役割と利用者の特徴

看護師の役割と利用者の特徴

初めに、デイサービス(通所介護)における、看護師の配置基準は1事業所当たり常勤換算で1.35人が配置基準であるとされています。(通所介護の基準・報酬について(厚生労働省)

また、「看護職員については、提供時間帯を通じて専従する必要はないが、当該看護職員は提供時間帯を通じて指定通所介護事業所と密接かつ適切な連携を図るものとする。」と記されているため、看護師の配置人数は1人、多くても2人です。

さらに、1人の看護師がデイサービス(通所介護)の施設を開いている時間帯に、ずっといる必要もないということになります。一般的なデイサービス(通所介護)の施設では、看護師の人数が非常に少なく、医師が常時いるわけでもありません。

そのため、配置されている看護師は利用者の医療的な観察を行うということが求められる大きな役割となります。

  • 利用者全員の1日が安全に過ごせるように
  • 充実した生活を過ごせるように

などを考えながら、役割を果たします。

 

(1)利用者の特徴

デイサービスを利用している利用者の特徴をまとめると以下の通りです。

  • 高齢で介護が必要だけれども、入院はしていない方
  • 入浴・食事・排泄等の身の回りに介助が必要な方
  • 自立した生活を過ごしたい、心身の機能を維持・向上させたい方
  • 他の方と交流して孤独から解消されたい方

などです。

また、デイサービスを利用することで、一時的に介護を行っている家族も休むことができます。

また、私の体験談ですが、利用者の病状は落ち着いていて、基本的には元気でした。医療依存度が高い、寝たきりで処置の多い、状態が変わりやすい方は利用することが少ないといえるのではないでしょうか。

 

(2)異常の早期発見と急変時の対応を担う

異常の早期発見と急変時の対応を担う

利用者の観察を行って異常の早期発見、何か起こった時の対応はデイサービスの看護師の役割です。

デイサービスに来る利用者は、認知機能の低下や四肢麻痺などがあっても状態が安定していることがほとんどです。

病院のように急変が多発するということはありませんが、高齢者であり疾患の罹患歴がある以上、急変が起こる可能性は若年者と比べれば高くなります。

 

(3)医療行為を担う

看護師しか行えない医療的な介入を行うことも、デイサービスの看護師の役割です。また、あえて医療行為が可能であるということをあえてウリにしている事業所もあります。

そのため、一概にこういった医療行為をするという決まりはなく、看護師が行う医療行為は施設によって異なります。

デイサービスでの医療行為は、一般的に創傷処置が最も多く、次に、

  • 褥瘡の処置
  • 疼痛管理
  • 経管栄養処置
  • 膀胱留置カテーテル管理
  • 摘便
  • インスリン注射
  • 人工肛門のケア

などになります。

そのため、これらの医療行為を看護師が行う可能性があるものと考えておくべきでしょう。

私は医療行為がインスリン注射と褥瘡のケアのみというデイサービスで働いていたため、看護師が行うことはほとんどなく、利用者と話をして過ごしていることが多かった印象です。

 

2.看護師の仕事内容

看護師の仕事内容

デイサービスで働く看護師は、施設の掃除や翌日の物品の準備、レクリエーションの準備なども勤務時間内であれば介護スタッフと一緒に行います。

デイサービスの施設には簡単な応急処置のみができるように、

  • 救急箱(消毒・綿棒・耳かき・爪きり・絆創膏・ガーゼ程度)
  • バイタル測定用のカゴ(体温計・血圧計・聴診器)

のみの看護師用の備品になります。

デイサービスで働く看護師の仕事内容について、主に4つのポイントから説明していきます。

 

(1)利用者の体調管理が仕事

利用者の体調管理が仕事

デイサービスを利用する利用者の体調管理、医療的な判断は看護師の仕事となります。

バイタルサインの測定を行い利用者の主張を元に、当日の入浴やレクリエーションの参加が可能かを看護師が判断します。また、利用者が急変対応も看護師の仕事となります。

発熱の場合など、デイサービスを中止して受診を勧めることや、血圧が不安定であれば入浴の順番を変えるなど、機能訓練をお休みする等の判断を看護師が行います。デイサービスの施設が大きくなればなるほど、看護師の仕事はなくなり、バイタルチェックも介護職員が行う施設もあります。

軽度の褥瘡や爪切りなどの簡単な処置も行う

経度な褥瘡やつめきり、サービス提供中に生じた傷、入浴後のスキンケア等の軽い処置は看護師が行います。

足白癬や陥入爪の方が多く、入浴後の軟膏塗布や爪きりの依頼は多いです。また、利用者の予防的ケアに努めることも看護師の仕事です。

 

(2)持参薬の管理が仕事

利用者は昼食後の内服薬があるためデイサービスに持参してきます。看護師は持参薬を朝預かり、昼食時に渡し、服薬を管理する仕事です。

そのため、利用者が到着時に一旦薬を看護師が預かり確認し、「食前か食後か」などを食間等に分けて整理し、介護士・介護職員に依頼します。

 

(3)日常生活援助が仕事

日常生活援助が仕事

デイサービスの施設スタッフの数が少ない場合は、看護師も日常生活援助を頻繁に行うことになり仕事となります。

デイサービスの看護師が行う日常生活支援とは

例えば、利用者のトイレまでの歩行の援助、食事のセッティング、入浴後の更衣で靴下を履かせてあげるなど、介護士が忙しい時や看護師の手が空いている時に手伝います。

 

(4)利用者とのコニュニケーションが仕事

看護師はデイサービスの利用者と日常会話をすることでその人の性格や病気との向き合い方が分かります。

そのため、積極的に利用者との日常会話のコミュニケーションを行うことが看護師の仕事となります。

 

3.働く看護師の1日について

働く看護師の1日

それでは、デイサービスの1 日の流れを看護師の業務内容と絡めてお伝えしていきます。

8:00 ・出勤
・当日の利用者のリストを確認
・看護師の連絡帳で当日の処置や利用者の追加情報などを確認
8:30 ・ドライバーを兼用している場合は利用者の迎えに行く
・または施設で利用者を迎える
9:00 ・バイタルサイン測定
・持参薬の確認
9:30 ・開始の挨拶(施設長)
・本日の予定を発表
10:00 ・入浴準備
・入浴後の軟膏処置
・入浴待ちの利用者とダイニングルームで過ごす
12:00 ・昼食時の薬を配る
・服薬確認
・食事介助
13:00-14:00 ・看護師の昼休憩
14:00 -16:00 ・介護士によるレクリエーション
16:00 ・見送り
17:00 ・施設の掃除を介護スタッフと行う
17:30 ・勤務終了

以上のように、医療的な処置をする機会はほぼ限られています。

そのため、介護士を補助するということが業務として多くなる印象です。

 

08:00:出勤・利用者の送迎

利用者の送迎

出勤した時点では、まだ、利用者様は来ていません。今日の利用者様は誰が来るのかの確認や、介護士とともに設備の確認、掃除をします。

その後、利用者様のご自宅に車でお迎えに行きます。専用のドライバーがいることがほとんどであるため、介護士、看護師が車を運転することはありません

ほとんどの施設では介護士が同乗するため、看護師が行くということはほぼありません。

 

09:00:バイタルチェック・持参薬の確認

バイタルチェック

利用者様が見えたら、順々にバイタルチェックを行い、利用者様が持ってきている連絡ノートに記入します。

また、この際に持参薬の確認作業を看護師が行います。

デイサービスを利用する利用者に発熱がある場合や血圧が高い場合などは自宅に一度帰っていただくように依頼するのも看護師の仕事です。

 

10:00:入浴準備・入浴

入浴準備・入浴

ほとんどの施設が、来所してすぐに利用者が入浴することになり、入浴介助は基本的に介護士が行います。

看護師は入浴後に外用薬、湿布を貼付すること、皮膚トラブルがある方への対応と記録、家族へ申し送ることが業務となります。

 

12:00:昼食・内服薬の配膳

昼食・内服薬の配膳

入浴が終わると昼食となります。

昼食は施設に併設のところであれば、施設の調理室で作られた食事、単独のところであれば、介護士たちが実際に調理をします。

昼食前には利用者の血糖測定やインスリン注射の介助、食後には内服薬の配膳を行います。

 

14:00:レクリエーション

レクリエーション

レクリエーションは介護士がメインとなるため、看護師は一緒に楽しむことや、利用者の見守りをするのみとなります。

トイレ介助なども基本的に介護士が行うため、看護師は介入することはほぼありません。

 

16:00:送迎・見送り、掃除

送迎・見送り、掃除

帰宅する利用者の身なりを整え、お見送りをします。ここでも、介護士が送迎にいくため、看護師は見送りのみとなります。

全員の送迎が終わったら、17時頃から施設内を掃除して業務終了となります。

 

 

4.看護師4名の働いた体験談

4名看護師に、それぞれデイサービスで初めて働いたときの感想をいただきました。

それぞれ、意見があるので確認してみてください。

(1)不安ばかりで始めは混乱しました

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【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 千葉県/47歳
  • 保有資格:看護師、介護支援専門員
  • 職務経験:リハビリテーション病院、訪問看護、デイサービス
内科・リハビリ・訪問看護の経験を経て、20代から看護部長を経験。現在子育て介護、仕事に奮闘中。
体験談
私がデイサービスの看護師を最初に行った時は、はじめは自分の立ち居地が分からず、不安ばかりで少々混乱しました。しかし、利用者の特徴、看護師の仕事内容やその範囲をしっかりおさえておけば、実はそれほど難しい仕事ではありませんでした。

利用者が一日笑顔で過ごしてくださり、無事に帰って行く、空っぽになったデイサービスの事業所内は毎回感慨深いものでした。病院勤務時代は、いくら行っても仕事が終わらない中、デイサービスでは「一日終わった」という達成感がありました。

人と接することが好きな看護師の方や、高齢者が好きな看護師の方は問題なくチャレンジ出来ると思います。

 

(2)のんびりと働けました

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【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 神奈川県/35歳
  • 保有資格:看護師、保健師、3学会合同呼吸療法認定士
  • 職務経験:大学病院、総合病院、国際医療ボランティア、デイサービス、訪問入浴
総合病院の派遣看護師として一般内科へ入職後、青年海外協力隊の看護師として派遣。帰国後、大学病院、総合病院、救急センターに勤務。現在も看護師として活躍中。
体験談
デイサービスの看護師は、ゆっくりと利用者と話をしながら仕事ができるので、のんびりと働きたい人にはオススメの職場だと思います。初めてデイサービスで看護師としてバイトを始める時にはとても緊張して職場に向かったのですが、介護士やヘルパーの皆さんは優しい人が多く、精神的にも追い詰められることはほとんどありませんでした。

利用者の介護度が低く、自立している人が多い所、医療処置がほとんどないデイサービスの施設を選べば、この仕事は皆さんが思っているよりも敷居は低いと思います。

単発の派遣で募集していることも多いため、まずは一度現場を見てから考えたほうが良いと思います。

 

(3)介護士と同じ仕事をすることが多い

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【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 神奈川県/25歳
  • 保有資格:看護師
  • 職務経験:総合病院、デイサービス
  • 診療科経験:ICU/CCU、外来
新人1年目からICU/CCUに配属され3年間勤務後、退職。派遣などで様々な職場経験を経て、現在は外来看護師として活躍中。
体験談
デイサービスでは、看護師として働くというより、介護士と同じような仕事内容であることが多いのが実情です。ブランクのある場合や、看護師の資格はあるものの臨床経験が少ないといった看護師には最適な職場だと思いますし、給与や仕事形態、仕事内容など、個々にあったデイサービスに勤めることができたら利点の多い勤務地の一つです。

初めてデイサービスで働く看護師の方は不安もあると思いますが、看護師として難しい仕事がすくない上に”やりがい”も感じることができる職場でもあります。

 

(4)過ごす時間は有意義ですが、デメリットもあった

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【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 神奈川県/29歳
  • 職務経験:総合病院、クリニック、介護老人保健施設、デイサービス、健診センター、イベントナース、健康相談員
  • 診療科経験:脳外科、神経内科、内科、皮膚科、整形外科
3年間、総合病院での経験を経て転職。社会勉強として、様々な病院・施設で働いた経験があり、現在は派遣・パート看護師として活躍中。

体験談

デイサービスの看護師の仕事に慣れた頃、看護師としてのやり甲斐を失いかけていたことに気が付きました。

看護師として得た技術や知識が生かされる場がないため、記憶から無くなって行くのがわかったことがきっかけでした。

その時に、辞めたいと考え始めました。

ただ、デイサービスでは、病棟とは違う穏やかな雰囲気と、活気あふれる高齢者と過ごす時間はとても有意義でした。

デメリットも知った上で皆さんもチャレンジしてみてください。

 

6.最後に

デイサービスは地域に密着した福祉サービスとなり、看護師として病院やクリニックで働くこととは、また違う経験ができるでしょう。

施設数の増加に伴い、看護師の求人が増えているデイサービスですが、病棟のように、療養上の世話をすることが少ないため自分に合ったところを選べればライフワークバランスを維持することができるでしょう。

慎重に選択し、楽しく働いていけると良いですね。


   
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