看護師の病院・クリニックの口コミ「はたらきナース」
診療科・部署別の看護師転職

新人教育を担当する看護師に求められる役割と私の体験談

公開日:2020年10月6日
新人教育を担当する看護師に求められる役割と私の体験談

新人教育担当の看護師は、新人看護師が入職してから1年目を終えるまでの病棟での教育体制をコーディネートし、新人看護師が少しでも早く病棟に馴染み、着実に看護を学ぶ環境を作る役割を担います。

今回は、新人教育を任された看護師のために、新人看護師教育の年間スケジュールモデル・教育担当看護師の役割・注意点・教育担当看護師になって楽しかったこと・辛かったことをご紹介いたします。

執筆・監修看護師
田畑 看護師
田畑 看護師

看護師を初めてから、小児専門病院、総合病院、市民病院に勤務し、NICU、小児科、脳神経外科、眼科等の病棟看護師歴が長いですが、結婚を機に、主婦になった経験もあります。臨床を離れて気づいたこともたくさんあり、少しでもお役に立てるような記事を書いていきたいと思います。

著作・監修記事一覧

私が担当した新人看護師の年間スケジュール

私が担当した新人看護師の年間スケジュール

新人教育を担当する看護師は、病棟での新人教育の年間スケジュールの作成をしなければなりません。

これは、院内統一のクリニカルラダーがある場合、ラダーに沿って計画を立てて行く必要があります。

多くの場合、診療科が変わったりしない限りは毎年大きなスケジュールの変更があるわけではないので、前年のスケジュールを元に作成します。

新人看護師教育の年間スケジュールの一例を以下にご紹介します。

内容
3月 新人教育の年間スケジュール作成
4月 ・オリエンテーション
・日勤トレーニング
・プリセプター組み合わせ決め
5月 ・日勤トレーニング
(徐々に受け持ち人数を増やしていく)
・反省会
6月 ・日勤ひとり立ち
・夜勤トレーニング
・反省会
(夜勤トレーニング1回目終了後)
7月 夜勤トレーニング
8月 夜勤ひとり立ち
9月 プライマリー看護トレーニング
10月 プライマリー受け持ち開始
11月 受け持ち患者の重症度を上げる
12月 反省会
1月 重症患者の受け持ちトレーニング
2月 重症患者の受け持ちトレーニング
3月 ・重症患者の受け持ちひとり立ち
・反省会
・現任教育への引き継ぎ

実際に新人教育に携わるのは、新人教育担当やプリセプターだけでなく病棟のスタッフ全員です。

そのため、新人看護師が病棟に来る前に、大まかなスケジュールや新人教育において心がけてもらいたいこと、注意して見ていてほしいことなどを伝達しておきます。

新人教育を担当して感じた役割

新人教育を担当して感じた役割

私が看護師の新人教育を担当して、感じた役割をご紹介していきます。

プリセプターを決める役割

新人看護師が病棟に来ると、いよいよ指導が始まるわけですが、新人教育担当看護師は新人看護師に1対1でつくプリセプターの組み合わせを決めなければなりません。

指導自体は、病棟のスタッフに予め伝えておいたスケジュールや方針に沿って行ってもらいます。

私が勤務していた病院では最初から決めておく方法もありますが、ある程度新人看護師の性格やペースが分かってから組み合わせを考えるという方法を採用していました。

新人看護師の気持ちに寄り添う役割

ある程度指導期間を経ると新人看護師はやりがいを感じたり、理想と現実の違いに躓いたりするため反省会を開催し、新人看護師の気持ちに寄り添う必要があります。

悩みや意気込みなどに対してプリセプターからアドバイスや、見ていて良かった点などを伝えます。

私が勤務していた病院では反省会を、単発ではなく定期的に行っていました。

反省会には新人看護師・プリセプター・教育担当者が参加し、できるようになったこと・できなかったこと・これから頑張りたいことなど新人に発表してもらいました。

新人看護師のモチベーションを保つ役割

新人看護師は、学ぶべきことが多すぎて今何をやれば良いかが見えにくくなってしまうため、指導スケジュールに沿ったテーマで課題を与えることが必要でした。

そのため、新人看護師のモチベーションを保つ役割を担っていると感じました。

提出された課題はプリセプター・新人教育担当がチェックをし、足りないところは新人看護師にフィードバックすることで知識の向上・モチベーションアップにつなげます。

新人看護師のストレスや不安をフォローする役割

1年間指導の目に晒されていると、新人看護師はストレスや不安を感じる時があるため、適宜フォローをするのも新人教育担当の役割と言えました。

主に行っていたことは、話を聞くことや、不安に思うことを察知し、聞き出すようなことを随時行っていました。

新人看護師教育をする上で注意したポイント

新人看護師教育をする上で注意したポイント

新人看護師の教育を行う上での私が注意したポイントは以下の通りです。

  • 個人に合ったペースで教育を進めていくこと
  • スタッフに、病棟全体で新人看護師を育てるという意識を持ってもらうこと
  • 新人看護師に頻繁に声をかけること
  • 反省会は定期的に開き、新人看護師が想いを表出できる場にすること

新人看護師教育を任された看護師は、是非参考にしてみてください。

個人に合ったペースで教育を進めていくこと

年度始めに立てた基本的な教育スケジュールは新人看護師全員統一で行うものの、飲み込みが遅いと感じた新人看護師には、その看護師に合ったスピードのスケジュールにペースダウンしてみることも大切です。

飲み込みが遅い新人看護師に対し、お尻を叩いて無理に計画通りのペースで教育を進めていくと、中途半端な看護技術になってしまうことや、インシデントを起こす原因となります

例えば、夜勤トレーニングを2カ月で行う予定だったところを、確実にできるようになるまで3カ月かけて行うなどといった調整は、この先長い看護師生活を考えれば必要なことです。

スタッフに病棟全体で新人看護師を育てるという意識を持ってもらうこと

病棟スタッフ全体で意識を持って新人教育に携わっていくことで統一した教育をすることができ、新人看護師のスムーズな成長につながるため、病棟スタッフ全員で新人看護師を育てているという意識を持ってもらうことは重要です。

新人教育は多くのスタッフに携わってもらう必要があります。

そのため、教育スケジュールや教育方針は病棟スタッフ全体にアナウンスしておくこと・指導記録を残してもらうことも有効でした。

新人看護師に頻繁に声をかけること

少しでも早く病棟に慣れ、本来持つ力を発揮できるよう、挨拶や声かけを新人教育担当の方からするように心がけると、新人も安心して働くことができます

社会人として病棟に配属されたばかりの新人看護師は常に気が張っている状態であり、気が張っている状態が続くとストレスになってしまう可能性があります。

反省会では新人看護師が想いを表出できる場にすること

反省会は臨床を離れて冷静に自分を見つめ直すことができる機会となるため、新人看護師には良かったことも悪かったことも包み隠さずに話してもらうよう伝え、プリセプターや新人教育担当の私は、肯定的に話を聞くようにしていました。

意見をするというより、共感する態度で臨むことを心がけていました。

また、新人看護師同士が自分だけでなく同期みんなで頑張っていると再認識できる場にもなります。

教育を担当して楽しかったこと・辛かったこと

教育を担当して楽しかったこと・辛かったこと

新人教育を担当する看護師として楽しかったこと・辛かったことを実際の経験からお伝えします。

看護師が新人教育を担当して楽しかったこと

新人教育を担当する看護師として楽しかったことは以下の通りです。

  • 新人看護師が育っていく姿を間近で見ることができたこと
  • 自分自身の看護力が向上したこと

詳しい内容を紹介いたします。

新人看護師が育っていく姿を間近で見ることができたこと

学生を終え初々しい佇まいで入職してきた新人看護師がひとつひとつ出来ることを増やし、一人前の看護師として成長していく様子はとても嬉しく感じます。

はじめは患者に何か質問されても、「先輩に聞いてきます」と1人では対応できず頼りなかった新人看護師が、1年目の終わりになると患者の質問に答え、感謝される姿を見ることが多くなり、立派に患者を支える頼もしい看護師に育っていました。

その一部始終を見届けられることは、自らの活力にも繋がり、新人教育の楽しさを感じ

自分自身の看護力も向上したこと

プリセプター時代は、精神的フォローをする役割が強かったのですが、新人教育担当ともなると新人看護師の疑問に答える力が必要とされます

自分自身が出来るだけでなく、自分が出来ることを人に教えるためには、確かな知識を説明できなければならないということに気づき、改めて勉強し直しました。勉強を続けていくうちに自分自身も自信を持って看護をできるようになり楽しく看護できるようになりました。

覚えたことを誰かに教える機会を持つことで、確実に看護力がつきます

看護師が新人教育を担当して辛かったこと

新人教育を担当する看護師として辛かったことは以下の通りです。

  • 頑張って育ててきた新人看護師が途中で辞めてしまったこと
  • 時に新人看護師に対して厳しいことを言う役割に回らなければならないこと

詳しい内容を紹介いたします。

頑張って育ててきた新人看護師が途中で辞めてしまったこと

学生の頃まで夢見てきた看護師への理想と現実の差を埋めていく役割をするのが新人教育係ですが、その努力も虚しく、理想と現実の差に心が折れてしまう新人看護師もいました。

辞めたくなってしまわぬように、スタッフ全体でなるべくポジティブな言い回しを心がけたり、個人に合ったペースで教育を進めたりして工夫を図りましたが、それでも辞めてしまうこともあります。

長い人生の出だしで躓くような思いをさせてしまうと、かなり責任を感じ、自身のモチベーションも一時的に下がります。それだけ責任のある仕事であるということを痛感しました。

時に新人看護師に対して厳しいことを言う役割に回らなければならないこと

誰もが「優しい先輩でいたい」と思うのは当たり前のことだと思いますが、新人看護師が間違ったことをした時や社会人としてふさわしくない態度であった時に、それを厳しく注意する存在も必要です。

プリセプターは主に精神的フォローに回って欲しいため、厳しいことを言わせてしまっては新人看護師にとっての心の拠り所がなくなってしまいます。新人教育担当でない先輩は、中には目撃したとしても注意してくれない看護師もいます。

そのため、新人教育担当は伝えなければいけない厳しいことも伝える役割を担う必要があります。新人看護師に泣かれてしまうこともあり、自分自身が辛いと感じることもあります

最後に

新人教育担当は、新人看護師が職場に慣れるまでの数ヶ月が本当に大変です。日々の指導状況や新人看護師の様子を把握するのに残業をすることもあります。

しかし、徐々に看護師として成長していく姿を見守ることができるのは本当に喜ばしいことで、自分自身のやりがいにもつながりました。

また、看護師経験年数を重ねると看護に対するピュアな気持ちを忘れがちですが、新人看護師と関わっていると自分が看護師になりたいと思った頃の気持ちを思い出させてくれる機会もあるので、フレッシュな気持ちで頑張れます。

自分自身の看護力向上や、看護の良さを分かち合う機会が欲しいという看護師にはお勧めの仕事です。

監修者
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

著作・監修記事一覧