看護師がタイ(バンコク)で働きたいと考えている場合、まずはタイの生活事情について知る必要があります。

日本と比較した際のタイの特徴としては、以下が挙げられます。
- 年間を通して高温多湿
- 日本人の数が多い
- 日本食レストラン・日本人専用病院、クリニック、薬局などが充実している
- 日本と比べ、物価がとても安い
タイは日本と比べて物価が安く、綺麗な家に格安で住むことができ、日本人が多いスクンビット地区には、日本のスーパーマーケット・日本の美容室などがあり、タイ語が話せなくても生活に困ることはありません。
私は、看護師として、タイ(バンコク)の病院で、面接を受け、仕事を行った経験があります。
その経験を元に、日本人が住みやすい街、バンコクで働きたいと考えている看護師に向けて、タイ(バンコク)の病院の特徴と看護師事情、日本人看護師がタイで就職する方法、病院での面接の特徴と注意点を説明していきます。
趣味は食べることと料理をする事の元看護師です。総合病院(内科、一般病棟、呼吸器内科、整形外科外)就職後、充実した生活を目標に外来勤務、在宅看護へと転職。タイ・バンコクに在住し、看護師として働いていましたが、現在は、一旦仕事をお休みしてのんびりしています。
タイ(バンコク)の病院の特徴と看護師事情

私の経験から、タイ(バンコク)の病院の特徴と看護師事情は以下の通りです。
- タイには大きく分けて外国人が多く訪れる私立病院、タイ人が多く訪れる国立病院がある
- タイの看護師になるためには、タイの4大卒業+国家試験合格が義務付けられている
- 病院には看護師の他に多くの看護助手が働いている
- タイで働く看護師の多くがある程度の英語を話せる
- ナースキャップを使用している病院が多い
- 物価も安いが給与も(日本より)安い
日本の病院とは異なる部分が多いため、転職する前に特徴を把握しておくことが大切です。
責任感がない看護助手も多い

タイで働く看護助手の人数は、日本の看護助手より多く、患者の清拭、身の回りの世話、病院によってはバイタル測定も行います。
日本の看護助手は責任感を持って働く看護助手が多いですが、タイで働く看護助手に関してはその限りではない印象を受けます。
例えば、看護助手に何か頼み事をした場合、「わかりました」とは回答してくれますが、結局、要望に答えてくれないことが多かったです。
さらに、患者に異常が見られた場合、看護助手は看護師に報告しなければなりませんが、報告も曖昧な場合がありました。
そのため、すべてではありませんが、責任感のない看護助手もおり、看護師としては、全て人任せにしないことが大切でした。
タイ(バンコク)では食事介助は家族が行う

日本の病院(病棟)では、食事介助は看護師が行う場合が多いでしょう。
しかし、タイ(バンコク)の病棟では、患者の家族が、常に患者の傍にいるのが一般的です。
そのため、食事介助などは看護師や看護助手の仕事ではなく、ほとんど患者家族に任されていました。
日本人看護師がタイで就職する方法

日本の看護師資格のみを取得していた場合、日本人として看護師がタイで就職するための方法を、私の経験からお伝えします。
タイで看護師資格を取得し病院に勤務する

日本の看護師免許はタイでは利用することができません。
そのため、日本人がタイの看護師として病院等で働くためには、タイで4年生大学に通い、その後、看護師免許試験に合格する必要があります。(参照:The Kingdom of Thailand Health System Review)
| 資格取得 | 大学で4年間看護学を修了後、タイ語での看護大学共通試験に合格する(※1) |
|---|---|
| 大学での 受講科目 |
全143単位(共通科目30単位・専門科目107単位・選択科目6単位) 法律、研究、看護管理、倫理、看護演習や技術に特化した内容等 |
| 試験日 | 年3回実施(3月・7月・11月) |
| 更新 | 5年に一度、資格更新試験(Nurse Renovation Exam.)を受講 既定の単位50単位を取得 |
| 運営 | タイ看護評議会(Nursing Council of Thailand) |
- 参照:佐久大学・国際看護論におけるタイ王国での演習と学び、タイの看護師と看護教育
- ※1:2年間の教育を経て、看護助手になった場合、さらに2年間の教育を受けることで、正看護師になれる
しかし、タイでの看護師資格は、タイ語による国家試験となります。そのため、日本での看護経験しかない看護師は、困難になることが予想されるでしょう。
以下では、日本の看護師資格を活用して、タイで働く方法をご紹介します。
タイの病院・薬局・クリニックで医療通訳として働く

タイ(バンコク)では、多くの日本人が受診する私立病院での医療通訳の求人が1年を通して沢山あります。
医療通訳の場合、タイでの看護師資格は必要なく、日本の看護師資格を活かして働くことが可能です。もちろん、医療通訳は看護業務を行うことはできません。
特に大きな病院や、日本人のための薬局、日本人専用のクリニック等の求人は「日本での看護師経験者歓迎」の文字が書かれており、日本人の需要が高い場合が多いです。
しかし、検査の説明や、アナムネーゼの聴取、医師との連携など、院内での重要な役割を担います。
ただし、日常会話程度の英語力・タイ語力が必要になります
タイでの医療通訳の仕事は、タイ語または英語等での日常会話が求められます。
私の経験ですが、医療用語に関しては、マニュアルがしっかりある病院等が多く、比較的安心して業務に就くことができると思います。
すでに医療用語を日本語で習得している日本人看護師にとって、比較的簡単に医療用語を覚えることができるでしょう。
医療現場で経験がある看護師の場合、状況が予想できるため、検査の説明・病気の説明を通訳することは簡単な印象でした。
その他の仕事・求人を、無料情報誌を活用して見つける
看護師がタイ(バンコク)で働きたい場合、以下のような日本語の無料情報誌やインターネットを利用して求人を探すことをおすすめします。
- バンコクのDACO(ダコ) – バンコク最大級のポータルサイト
- WISE(ワイズデジタル) – タイで生活する人のための情報サイト
タイでも、日本と同じようにインターネットが普及しています。タイ人も日本人もインターネットを利用して転職・就職することが多いです。
そのため、スムーズにタイで転職・就業先を探すためには、情報誌やインターネットの利用は、必要不可欠となります。
転職エージェントを活用する
海外専用、又はタイの転職エージェントを活用して、日本人看護師がタイで就職する方法です。
主に、タイでの求人を紹介してもらうことが可能な、転職エージェントは、以下の通りです。
- JACリクルーメント
(日本でも使え、バンコクに支社がある) - リーラコーエン(REERACOEN)
(日本企業の株式会社ネオキャリアが運営)
こちらは、日本に在住中でも活用できますし、タイに住んでいる場合でも活用できます。(タイに住んでいる場合でも、日本人専用の転職エージェントが存在します。)
転職エージェントを活用することで、非公開求人(インターネット上には掲載されない、担当者から紹介される求人)もあり、活用している方も多いでしょう。
タイ(バンコク)の病院での面接の特徴と注意点

看護師が、タイ(バンコク)の病院で、面接を受ける場合の特徴と注意点について、私の経験から説明していきます。
タイ(バンコク)の病院での面接の流れ

タイの看護師資格を取得して、看護師として活躍する場合や、日本の看護師資格を活用して、医療通訳等として採用されるまでの一連の流れは以下の通りです。
- 求人を見て直接電話する
- メールにて履歴書をタイ語、日本語または英語で送信
- 面接日を設定される
- 面接
- 後日、電話にて合否連絡
- 就職
私の経験上、多くの場合は上記のような流れとなります。日本と同様にシンプルな流れですが、面接が一番大切となります。
タイ(バンコク)の病院での看護師面接の特徴

タイ(バンコク)の病院での看護師面接の特徴は以下の通りです。
- 一般的にタイ語で行われる(英語の場合もある)
- タイ人の病院責任者・通訳責任者などが3~4人同席
- 圧迫面接であることが多い
- 日本では考えられない質問を受けることがある
(チップや贈り物に関する質問等)
日本の面接とは雰囲気が全く違うので、心して面接を受けたほうが良いでしょう。
体験談:チップや贈り物を貰ったことがあるか質問される
タイの病院での看護師面接では、「患者から個人的な贈り物を受け取ったことがありますか。どんなものをもらいましたか。」といった、日本では考えられないような質問を受けることが多々ありました。
タイで働く看護師は、患者から直接チップをもらうことが多く、多額のチップをもらったことがある看護師のほうが優秀だという価値観であり、贈り物の有無を質問されます。
日本では、患者から個人的に金銭を受け取ることはできないので「ありません。」と答える必要がありますが、タイでは、「できない看護師」と勘違いされないよう、日本の制度を理解してもらう必要があり、説明が必要です。
タイ(バンコク)の病院での看護師面接での注意点
タイ(バンコク)の病院で看護師面接を受ける場合、面接時に給与・福利厚生・就労VISAについて説明を受けますが、勤務する条件は日本のように皆一律ではありません。
そのため、「労働条件で希望に沿わない場合、面接時に直接はっきり交渉すること」が必要となります。
面接時に説明を受ける就労VISAは、タイで働くために必ず必要なものであり、就労VISAを持たずに働くとタイでの不法就労にあたり、犯罪となります。
就労VISAを面倒だからといって出したがらない病院もあり、就労VISAを出してくれるかどうか、いつ就労VISA取得の用意ができるのかは必ず確認しておきましょう。
また、就労VISA代や就労VISA取得のための費用は、こちらが出すのか、病院が出すのかはっきりと確認してください。
後悔しないために、自分の求めるものははっきり伝える必要があります。
まとめ
私は、タイ(バンコク)では、日本人看護師の需要が高い印象を受けます。
特に、タイの私立病院の場合、VIP患者が多い上に、クレームが多くです。そのため、クレーム対応が上手にできる日本人看護師をタイの病院では求めている傾向にありました。
タイでの看護師の給与は、日本と比較して安いですが、今まで日本で培った看護師の知識を生かして海外で働くことは、看護師としてのスキルアップではなく、人生のスキルアップにもなりました。
タイ(バンコク)で働くことに興味を持つ看護師は、ぜひ挑戦していただきたいです。
新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。
