看護師の病院・クリニックの口コミ「はたらきナース」
看護師の転職準備・注意点

派遣看護師は気楽ではない!安易に始めるのは危険?

公開日:2026年6月4日
派遣看護師は気楽ではない!安易に始めるのは危険?

看護師として勤務し、日々の業務に追われると、「責任が少なくて、人間関係が楽そうな派遣看護師になりたい」と思うこともあるでしょう。

そんな時、安易に派遣看護師を初めても良いものでしょうか。

「人間関係が楽そうだ」などと安易に始めずに、派遣のメリット・デメリットを考えてみることを、私はおすすめします。

私は、臨床経験が浅いとき(1年未満)に、病棟に勤務しながら派遣で、デイサービスや訪問入浴で働いた経験があり、その頃から10年以上、派遣看護師としての勤務経験があります。

今回は、正規雇用の看護師を辞め、派遣看護師に転職を希望する方に向けて、派遣看護師を安易に始めるのはおすすめしない理由と、初めて長期の派遣を始める際の注意点を私の体験談と共に、ご紹介していきます。

執筆・監修看護師
アンナ 看護師
アンナ 看護師
  • エリア:神奈川県在住
  • 保有資格:看護師、保健師、3学会合同呼吸療法認定士
  • 施設経験:大学病院、総合病院、国際医療ボランティア、デイサービス、訪問入浴
  • 専門分野:ICU(集中治療室)、外科、救急外来

思い立ったが吉日な性格で総合病院、大学病院、国際医療、訪問入浴やデイサービスを経験してきました。「仕事なんて行きたくない、もう嫌だ」と思いながらも、忙しい1日が終わってお酒を飲んでいると「やっぱり好きだな」と感じてしまいます。今までの経験をお伝えし、転職する看護師のお役に立てればと思います。

著作・監修記事一覧

派遣看護師が気楽ではない理由

派遣看護師が気楽ではない理由

派遣看護師は、気楽であると思われがちですが、決してそうではないと私は考えています。

派遣看護師になって後悔しないために、私の経験から決して気楽とは言えない理由を以下で紹介していきます。

人間関係のしがらみに巻き込まれることもある

人間関係のしがらみに巻き込まれることもある

派遣看護師は、勤務する職場によっては、一緒に働く相手は、看護師(正規職員)だけとは限りません。

例えば、介護施設に派遣看護師として勤務した場合は、介護士、ヘルパー等の介護スタッフと一緒に働くこともあるでしょう。

看護師同士の人間関係も複雑な職場もあれば、看護師と介護スタッフの関係が良くない施設もあり、人間関係のしがらみに巻き込まれることがあります

また、勤務期間に関係なく、人間関係のしがらみは長期派遣・短期・単発の派遣でも起こりうることです。

派遣看護師の体験談

私が産休代行派遣で病院に勤務した際の体験ですが、同僚が看護師以外の場合、自分の時給が看護師よりも低いのに体力を使う仕事が多いことや、常勤の看護師が定着しないことへの苛立ちを、派遣看護師にぶつけてくることもありました。

また、派遣看護師は委員会など看護以外の業務がないことに対して、「楽でいいわね」と妬む方もいました。

「派遣だから」と仕事を丁寧に教えてもらえないこともある

「派遣だから」と仕事を丁寧に教えてもらえないこともある

「派遣看護師は、一時的な人員」と考える病院・施設が多いため、その日が穏便に終われば良いと考えて、丁寧な指導を受けられない可能性もあります。

私の経験ですが、派遣先によっては、仕事を丁寧に教えてもらえないことが何度もありました。

そのため、看護技術に自信があり、自分なりの安全対策ができる看護師でなければ、派遣の仕事は続かない可能性が高いです。

派遣看護師の体験談

私が経験した派遣先のデイサービス施設では、午前中かなり暇な時間があったにもかかわらず、患者情報やカルテ等も見せてもらえず、名前など一切記載のない白い薬を渡されて「利用者さんに飲ませてください」と頼まれるところもありました。

当時、医療安全管理が厳しい病院で勤務をしていたため、「誤薬投与や副作用が出たらどうしよう」と考えるととても不安でした。

また、機能維持訓練を任されたのですが、とにかく3人1組で全員同じ足挙げ運動だけやれば良いというものでした。訓練方法の教えてもらえず、どこまでその利用者の機能が残存しているかが全く不明だったため、とても不安でした。

さらに病棟へ派遣された際も、「派遣看護師だから詳しく知らなくて良い」と言われ、マニュアルを見せてもらえないことも実際にありました。

対処方法について

初めて派遣看護師として働く場合は、自分が看護師として働ける職場、勤務経験がある職場を選択することがおすすめです。

また、どうしても新しい仕事を行いたい場合、派遣先を紹介してもらった派遣会社の担当者から、情報を貰える職場(働く看護師の人柄や、今までの派遣した看護師の意見など)を選択するようにしましょう。

場合によっては、職場に看護師を派遣するのは初めて、という病院・施設などもあるため注意しましょう。

給料は良いが社会保障に不安がある

給料は良いが社会保障に不安がある

派遣看護師は、都内であれば時給2,000円以上も珍しくありませんが、単発の派遣や長期派遣でも1週間の勤務時間によって社会保険に入れないこともあります。

社会保険に入れない場合、自分で国民健康保険の手続きをしたり、納付したりしなくてはならないため手間がかかり、前年の年収によってはかなりの額になることもあります。

また、単発の派遣の場合、希望の仕事に入れるかどうかはその時々の応募状況によって変わるため、仕事が得られずに収入が安定しない可能性もあります。

対処法について

楽そうだからとりあえず派遣看護師になろうと安易に判断する前に、自分の人生設計を考えてから行動に移すことをおすすめします。

また、派遣看護師だけで生計を立てようと考えている方は、「看護師が派遣だけで生活する方法とデメリット!給与を沢山稼ぐポイント」も合わせて確認しておきましょう。

インシデント・アクシデントの問題がある

インシデント・アクシデントの問題

特に派遣看護師で病棟などに勤務している場合には、看護の仕事に注意が必要です。

理由としては、インシデント・アクシデント等の事故の内容によっては、自分で責任を負わなくてはならないこともあるためです。

派遣看護師が病院で勤務した場合、職場の師長などの管理者の指示に従い仕事を行いますが、派遣看護師の雇い主は派遣会社です。

そのため、派遣看護師がインシデント・アクシデント等を起こしてしまった場合は、登録している派遣会社等に委ねられます。

また、派遣看護師は、事故が起きた場合、現場で師長ら管理者の指示を仰ぎながら、派遣会社に自分で報告する必要があります。

対処法について

派遣看護師として働く際は、細心の注意を払いながら仕事へ取り組み、医療事故の防止対策を行う必要があります。

おすすめは、賠償責任保険に自分で加入し、自分の身は自分で守ることが大切です。

看護師の賠償責任保険は、多くの会社が提供しています。例えば、日本看護協会の「看護職賠償責任保険制度」では、年間2,650年の費用で、賠償責任保険に加入することができます。

また、看護師専用の派遣会社の場合、賠償責任保険加入が義務づけられており費用がかかる場合や、無料で加入できる場合などがあります。

看護師が初めて長期の派遣を始める際の注意点

看護師が初めて長期の派遣を始める際の注意点

長期の看護師派遣を始める際の注意点には、どのようなものがあるでしょうか。

(長期の看護師派遣は、派遣期間6ヶ月以上を前提に「長期」としています。)

私が看護師として長期派遣を行った経験から、以下で詳しく説明していきます。

自分以外に派遣看護師を長く受け入れている施設を選ぶこと

自分以外に派遣看護師を長く受け入れている施設を選ぶこと

看護師が初めて長期派遣の仕事をする場合は、派遣の受け入れに慣れている施設を選択することがおすすめです。

理由としては、派遣看護師の受け入れに慣れている場合、常勤と派遣の仕事の線引きがしっかりしている場合や、派遣に関する制度(ルール)等が整っていることが多いためです。

また、できればその職場に同じ立場の派遣看護師がいるところを選ぶと良いでしょう。

自分以外に派遣看護師が在籍していることで、境遇が同じこともあり、派遣の苦労を分かち合うこともできるでしょう。

派遣看護師の受け入れを施設側が慣れていない場合、「派遣看護師の教育をどこまで提供するのか」「派遣看護師は、どこまで仕事を行うのか」等、曖昧なことが多いです。さらに曖昧さゆえに、その都度管理者等に判断を求めなくてはならず、時間が取られ、お互い働きづらいことがあるため注意してください。

常勤と派遣の業務や待遇の違いについて調べること

常勤と派遣の業務や待遇の違いについて調べること

派遣看護師として勤務する職場によっては、常勤(正規雇用の職員)と派遣で細かい待遇の違いがあることもあります。

そのため、指定の施設等に派遣される前に、常勤と派遣の業務や待遇の違いについて調べることは大切です。

特に新たな分野に派遣看護師として挑戦する場合は、常勤との違いを納得したうえで就業し、不安に思うことなどは、派遣会社の担当者に確認を行いましょう。

派遣看護師の体験談

私が病院で派遣看護師として働いた際に、正規雇用の看護師には白衣の支給や専用のロッカーがあるものの、派遣の白衣は自前でロッカーも使用できないなどもありました。

また、放射線をよく使う職場に派遣で働いた際、私(派遣看護師)には放射線量を測るガラスバッジを支給してもらえませんでした。

いつも鉛のプロテクターを着て、機器から適切な距離を取っているため、基本的に問題は無いのですが、放射線は目に見えないものなので不安に思うこともありました。

更新期間3ヶ月程度が精神的に楽になる場合もある

更新期間3ヶ月程度が精神的に楽になる場合もある

看護師が派遣される期間は、1日、1ヶ月から1年など、派遣先の職場によって様々ですが、6ヶ月以上の長期派遣の場合、途中で向いてないと思った時でも辞めにくいです

(また、途中で辞めてしまうと、派遣会社との契約を更新できない場合もあります。)

そのため、1ヶ月以上6ヶ月未満の短い方が精神的に楽になるため、おすすめです。

私は、3ヶ月契約で更新ありの派遣を1年以上していましたが、職場の様子見にはちょうどよく、精神的にも楽で、ちょうど良い契約期間だと感じました。

短期・中期派遣から始める!おすすめの看護師専門の派遣会社

短期・中期派遣から始める!おすすめの看護師専門の派遣会社

現在の職場で人間関係に悩みことや、プライベートを充実させるために業務量を減らしたいと考えているのであれば、以下のいずれかの方法で派遣看護師をスタートさせてみてください。

  1. 現在の仕事を続けながら、単発派遣で体験してみる
  2. 現在の仕事を辞め、1ヶ月~3ヶ月程度の派遣看護師として働いてみる

理由としては、現在の勤務先で副業が禁止されていなければ、職場を辞めなくても派遣看護師の雰囲気を味わうことができます。仕事を辞めた場合でも、1ヶ月~3ヶ月程度であれば、派遣看護師を辞めても、スムーズに転職活動を行うことが可能です。

できれば、今後転職したいと考えている分野の派遣を経験することで、「本当に自分がその分野で働きたいのか」「その分野が向いているのか」などを見極めることがでるため、おすすめです。

また、単発の看護師として派遣でしばらく働いてみて、気に入ったのであれば、派遣会社に長期派遣に変更できないか相談することで、派遣会社によっては長期で派遣できるように契約を変更してくれることもあります。

以下は、私が実際に活用している看護師専門の派遣会社の中から、おすすめの派遣会社を紹介していきます。

初めて看護師として派遣を行う場合、派遣会社の支店が勤務するエリアにあった方が、安心します。そのため派遣会社の支店も確認しておきましょう。

看護師が登録する派遣会社によって、例え同じ職場でも看護師の時給が異なるため、2社から3社程度に無料会員登録を行い、まずは説明を受けると良いでしょう。

派遣看護師として3ヶ月以上働くなら!レバウェル看護

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)は、看護師転職に力を入れていることもあり、紹介予定派遣、産休代行派遣も充実しており、派遣看護師の求人数も多く、派遣先決まり出勤日から社会保険に加入できることがメリットです。

初めて看護師として派遣を行う場合、担当者が勤務先の施設情報、内部事情を把握しているため、ピッタリの求人を提案してもらうことも可能で、見学も行うことが出来ます。

また、病院・クリニックや、介護施設(介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム)、保育園、障害者施設、地域包括支援センター等に勤務し、派遣看護師として生計を立てていきた場合は、必ず利用しておきましょう。

公式サイト:https://kango-oshigoto.jp/feature/haken/

短期・単発派遣なら!MCナースネット

MCナースネットは、看護師の単発派遣に特に優れているため、週2日~3程度の短期派遣では、おすすめの転職会社です。また、給与先払いシステムがあるため、派遣後比較的すぐにお金を貰うことが可能です。

他の看護師派遣会社より、看護師の賃金が少ない理由は単発派遣が多いためです。

また、イベントナースや、ツアーナース、コロナワクチンの接種などの看護師派遣を希望する方は、必ず利用しておきましょう。

ただし、派遣登録には担当者と面談する必要があり、基本は支店に出向いて登録する形とります。

公式サイト:https://mc-nurse.net/

病院・クリニック多数!スーパーナース

看護師として利用している派遣看護師の数は上記の2社よりも、とても少ないですが、全国に支店も多いことから利用はおすすめです。

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)、MCナースネットがあまり合わなかった看護師の方は是非利用しておきましょう。

公式サイト:https://www.supernurse.co.jp/

まとめ

派遣看護師は気楽な仕事ではなく、安易に始めるのは危険ということについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。

私の個人的な意見ですが、派遣看護師として生計を立てる場合、1カ月などの派遣ではなく、なるべく長く同じ職場に勤務することをイメージして職場を選ぶことがおすすめです。(派遣期間は、3ヶ月~1年程度のイメージです。)

例えば、都内であれば、1日数百の単発派遣を募集しているため、「派遣だから毎回違うところへ行けば良い」と考えるかもしれませんが、同じ看護職でも営業所・施設・会社・病院によって全く仕事の行い方は違います。

そのため、同じ場所に行く方が看護師としても楽ですし、雇い入れる方としても顔なじみの方が安心できるため、何度も派遣している看護師が優先的に選ばれています。

派遣看護師は、自由度が常勤よりも高く、しっかりと考えて選べばワークライフバランスの良い働き方になりますが、派遣の仕事は全てが気楽なわけではありません

派遣看護師として働こうと考えている看護師は、是非参考にしてみてください。

また、看護師専用の派遣会社の選び方に悩んでいる場合は「看護師の派遣会社9つの選び方!単発・長期も可能な派遣会社おすすめベスト5」も確認してください。

監修者
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

著作・監修記事一覧