2023年5月8日より、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症は5類感染症に移行しました。
そのため、多くの病院ではコロナ病棟を削減・廃止する方向に向かっています。しかし、一部の地域では、まだ感染が拡大している状況でもあります。(2023年6月現在)
私は軽傷から中等症患者を対応する「コロナ病棟」に1年間、看護師として勤務していました。
コロナ病棟は、新型コロナウイルス感染症の患者を収容・治療するために設けられた病院や医療施設内の特定の病棟です。
私が勤務していた約200床を有する中規模の地域医療支援病院では新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、コロナ患者の受け入れを行うこととなり、一般病棟の一部をコロナ病棟として開設しました。
コロナ病棟は全18床、軽症から中等症の患者を受け入れており、その中で私は、直接患者の看護を行うメンバーの一人として勤務していました。
私の経験をもとに、コロナ病棟(中等症)で働く看護師の仕事内容や、看護師として働いて感じたことを説明していきます。
- エリア:東京都在住
- 保有資格:看護師、保健師、養護教諭第二種
- 施設経験:大学病院、公立病院、美容クリニック、訪問看護、デイサービス、大学保健室
- 専門分野:消化器外科、呼吸器外科、内科、小児科、美容整形科、オペ室
看護学校卒業後、看護師として15年以上働いていました。大学病院や公立病院に勤務し、消化器外科や呼吸器外科など経験。パートで美容クリニックや訪問看護なども行い、現在在宅の看護師ライターとして頑張っています。
コロナ病棟(中等症)で働く看護師の仕事内容

一般病棟とコロナ病棟の一番の違いは、病棟全体が隔離環境であることです。
一度レッドゾーン(コロナ患者の病室を含む、感染の危険があるとされる領域)に入ると、外にいるリーダー看護師や医師にすぐに情報を伝えることが困難なため、常に院内の携帯電話で連絡をとりながら患者の看護を行います。
そのため、コロナ病棟で働く看護師は、患者の入院管理、健康観察、日常生活の援助や指導、心理的ケア、退院調整が主な仕事内容でした。
以下で、私がコロナ病棟で働いた経験をもとに、看護師の仕事内容を詳しく説明していきます。
患者の入院管理

コロナ病棟では、患者の入院管理も看護師の仕事でした。
私が勤務していたコロナ病棟では、患者の入院の流れとして患者は基本的に自己来院ではなく、保健所より病院に要請の連絡が入ることで、病院が入院の受け入れを行っていました。
そのため、最初に患者の情報を得る際には、看護師が保健所とやり取りを行います。
入院してからすぐに必要な検査や治療が受けられるように看護師は、保健所と綿密に情報交換をしたうえで、患者の受け入れの準備を行います。
患者の健康観察

コロナ病棟で働く看護師は、患者の健康観察や日常生活の支援がメインの仕事です。
必要時を除き、基本的に患者と直接対応するのはコロナ病棟の看護師のみのため、全身状態の観察や患者の訴えの聞き取りは入念に行います。
看護師の体験事例
私が勤務していた病院では、患者の訴えの聞き取りが行えない状態の患者や、意思疎通が難しい高齢者の場合、必要に応じて、タブレットを使用して写真撮影等を行っていました。
コロナ病棟に勤務する看護師として、より的確に情報を伝えるよう工夫していました。
患者の日常生活援助

コロナ病棟は、病棟全体が隔離環境であるため、患者の日常生活の援助は看護師の大切な仕事です。
そのため、日常生活に援助が必要な患者に対しては、状況に応じて移動動作の介助や食事、排泄の援助を看護師が行います。
その際に、コロナ病棟の看護師は患者の感染物の取り扱いには特に注意をして行う必要があります。
例えば、患者が使用した食器や、排泄物などはもちろん、身の回りのもの全てが病院内では感染物として扱う必要があります。
患者の廃棄物の処理の方法や、PPE(個人防護具)の取り扱いは、コロナ病棟に勤務する医療スタッフ全員が方法を統一し、徹底することが大切でした。
また、コロナ病棟内の清掃や消毒作業など、通常の看護業務に加えて必要となる業務もあり、看護師の仕事でした。
看護師の体験事例
私が勤務していたコロナ病棟では、患者が使用する食器やお箸などもすべてディスポーザブルのものを使用し、病室で出たごみや廃棄物は各病室に配置した専用のボックスに捨て、絶対に持ち出さないことを徹底していました。
コロナ病棟内には、ごみの回収業者の方や清掃員の方も立ち入ることができなかったため、感染性の廃棄物は専用のルートを作って屋外に出してから回収依頼するなど、病院職員以外にも感染が広がらないような工夫を行っていました。
(私が勤務していたコロナ病棟では、軽症から中等症の患者を受け入れていたため、日常生活の援助が必要ない患者も入院していました。)
患者の心理的ケア

コロナに感染し入院する患者は、未知な部分の多いウイルスの存在に不安を抱えている方が多い印象でした。
その上、コロナ病棟にて隔離された患者の入院環境は、外界から遮断されているような感覚になり、より不安を増強させる状況です。
そのため、コロナ病棟に勤務する看護師は患者の心理的ケアを行うことも大切な仕事でした。
患者の思いを汲み取り、少しでも安心できるような声かけを行うなど、直接対面している看護師だからこそできる、安心感を与える関わりが大切です。
看護師の体験事例
私が勤務していたコロナ病棟では、患者が医師から話を聞きたいと希望する際には、タブレットのビデオ通話機能を利用して、対面せずともすぐに医師と話ができるように調整を行い、不安の軽減に努めていました。
患者への生活指導

コロナ病棟で働く看護師は患者への生活指導も大切な仕事の1つです。
退院する患者は、退院後に自分が原因で家族や周囲の人に感染させてしまうことがないか、これまでと同じように生活して良いかなど、退院後の生活について多くの方が不安に感じています。
そのため、コロナ病棟で働く看護師は、担当の医師と連携し、退院後の家族との同居について、ご自身の今後の感染対策についてなど、一人ひとりに合った生活指導を行います。
退院調整

患者がコロナ病棟に入院した時点で、隔離期間となります。
コロナ病棟で働く看護師は、患者それぞれの生活環境を把握したうえで、保健所と連携しながら退院調整を行うことも仕事の1つです。
例えば、患者のこれまでの経過や現在の身体状況に加えて、家族や自宅の状況などについても看護師が確認し、退院後の生活を見据えて支援する必要があります。
中には、家族全員がコロナに感染し、それぞれが異なる療養先で入院、又は入所されているケースもあれば、家族内に感染者と非感染者が存在しており、生活場所の調整が必要なケースもありとても大変でした。
コロナ病棟で看護師として働いて感じたこと

私がコロナ病棟の看護師として勤務し、働いて感じたことを説明していきます。
医療現場の第一線で看護ができる

私がコロナ病棟に看護師として勤務し、一番働いて感じたことは、医療現場の第一線で看護ができたということです。
世界中を騒がせているような新型コロナウイルスと、それに苦しんでいる患者に対して、医療現場の第一線で直接的に力になれるという事実は、看護の大きなやりがいにつながりました。
看護師の体験事例
私がコロナ病棟に勤務した際は、コロナ流行の第1波、第2派ぐらいの時期であり、看護を行うにあたり、最新の情報を常にキャッチして医療現場の変化に対応することが、看護を行う上で必要でした。
目まぐるしく変わる状況についていくのは大変なこともありましたが、世間の動向や最新の医療に目を向けるきっかけにもなりました。
自分や家族への感染の不安

コロナに感染している患者と日々関わることに対し、自分自身への感染や、それにより自分の家族へ感染が広がることを不安に感じました。
(そのため、コロナ流行当初は自宅に2ヶ月帰っていない看護師も実際にいました。)
結果的に私自身が感染を広げることはありませんでしたが、適切な感染防護を行うことなど、日々心掛けを行うことが必要でした。
幅広い世代の看護に関わることができる

コロナ病棟に入院していた患者は、子供から高齢者まで、さまざまな年代の方でした。
一般病棟では、高齢者看護が中心となっている看護師の方も多くいると思われますが、幅広い世代の看護を行うことで、コミュニケーションの取り方や関わり方など多くの学びが得られ、看護師としての経験値が上がりました。
また、入院期間を経て退院された患者から、「入院中は不安で寂しかったけど、看護師さんが直接顔を見に来てくれて、いつも気にかけてくれたことでとても助かりました。」とお声を頂くことも度々あり、私はやりがいに感じていました。
患者の観察・報告スキルが身に着く

私はコロナ病棟に看護師として勤務し、患者の観察・報告スキルが身についたと感じます。
コロナ病棟では、隔離された環境で患者の看護を行うため、直接目で見て関わった看護師の報告内容が、リーダー看護師や医師にとって大切な情報源でした。
そのため、看護師としての観察眼が磨かれるとともに、必要な情報を的確に伝えるという報告のスキルも向上しました。
感染対策に関する責任がある

コロナ病棟では、PPE(個人防護具)の取り扱いや感染対策の方法を一通り身につけたうえで、看護業務を行います。
しかし、看護師が行う手技や感染対策に不備があった場合、感染の被害を受けるのは自分自身や他の医療スタッフ、他の患者です。
そのため、コロナ病棟に勤務する看護師は感染対策に責任がある立場で仕事を行い、自分の行動に気を抜くことができませんでした。
看護師の体験事例
私はコロナ病棟に看護師として勤務することで、適切な感染対策の方法を身に付けることは、家庭内など病院外での感染対策を行ううえでも役立ったと感じます。
さらに、今後も一般病棟等で勤務するうえでも必要な知識や技術となり、重宝しています。
状況の変化により業務量に変動が出やすい

ご存じのようにコロナの感染状況は刻一刻と変化します。
入院患者数も少ない時期もあれば、ひとたび感染拡大すると患者数も爆発的に増え、一日の入院患者数がとても多くなる時期もありました。
そのため、感染のピークといわれるような時期では、一日に何人もの患者が入院し、その日に勤務している看護師だけではとても手が回らない状況もありました。
落ち着いた状況でゆっくりと患者と関わる看護がしたいと考える方や、状況の変化が多い現場が苦手という方にとっては、厳しく感じる部分もあり、ピークが落ち着いた瞬間に退職する看護師も実際にいました。
希望の診療科への求人探しは看護師転職サイトを活用しよう

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そのため、看護師が病院への転職時に希望の診療科への配属を考えた場合、面接時に交渉する必要があります。面接時に交渉は行ったことがない、どうやって交渉して良いか分からない看護師の方が大半だと思います。
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注意点としては、希望の診療科へ配属された場合でも、病院によっては数年に1度、部署異動を行っている場合もあるため、合わせて確認を行ってもらいましょう。さらに詳しくは「看護師が希望部署・希望診療科に配属されるための転職方法|希望を通すコツと注意点」を確認してください。
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| 対応 診療科目 | 美容、産婦人科、整形外科、眼科、外科、呼吸器科、循環器科、精神科/心療内科、小児科、皮膚科、形成外科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、消化器科、内科、透析、その他 |
| 対応配属先 | 病棟、外来、オペ室、透析、その他 |
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まとめ
現在、コロナ病棟等で勤務している医療従事者の皆様へ、私たちの生活を支えていただき、ありがとうございます。心から深く感謝申し上げます。
私は1年間という短い期間しかコロナ病棟で勤務しませんでしたが、現時点でも医療現場で戦っているスタッフの方々がいます。
現在、新型コロナウイルス感染症は5類感染症となっていますが、看護師のケアや看護師が必要な病院も存在します。
この記事を通じて、コロナ病棟の看護師として勤務する希望がある方は、ぜひチャレンジしてみてください。
新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。


