勤務時間内の休憩は、労働基準法に定められているものであり、雇用側が労働者に与えなければならないものですが、実際にはまともに休憩がとれない職場もあります。
労働基準法第34条で、労働時間が 6時間を超え、8時間以下の場合は少なくとも45分 8時間を超える場合は、少なくとも1時間の休憩を与えなければならない、と定めています。
出典:労働時間・休憩・休日関係 – 厚生労働省
看護師の休憩がとれなくなる理由は様々ですが、休憩のとれない職場で看護師が働き続けるリスクも考えなければなりません。
また、休憩が取れる職場への転職を考える際は「その職場が本当に自分に合っているのか」「休憩がとれないという不満は解消されるのか」等をしっかり見極めるようにしましょう。
今回は、看護師が休憩をとれない職場で働いている場合のリスクと対処法等についてご説明していきます。
- エリア:東京都在住
- 保有資格:看護師
- 施設経験:総合病院(急性期)、こども病院 、療養型病院 、クリニック、デイサービス
- 専門分野:外来、小児科、脳神経外科、眼科、救急外来、歯科、退院調整室
高校卒業後、大学に進学したものの将来の方向性に悩み中途退学。その後、学生時代から勤めていたアルバイト先で看護師という仕事に魅力を感じ、社会人経験を経て看護師になりました。どんなときも患者さんを思った優しさのあるケアができる看護師になることを目指していきます。
看護師の休憩がとれなくなる理由とは

看護師は多忙な職業ですが、休憩が取れないほどの職場にはどのような理由があるのでしょうか。
以下で、看護師の休憩が取れなくなる理由について見ていきましょう。
急患・緊急入院が多いため
急性期病院では、時間に関係なく「急患が来院」「緊急入院が入る」等が日常茶飯事であるため、休憩中に患者の対応をしなければならないことがあります。
急患や入院の対応が終わってから時間をずらして休憩が取れることもありますが、実際にはその後も予定が詰まっているため落ち着いて休憩を取ることができません。
人手が足りていないため
どこの病院でも看護体制に合わせて看護師を配置しており、最近では7対1看護の病院が多くなってきました。
7対1看護は、受け持ち人数が少ないですが、7対1看護を守るために各病棟の看護師を配置しなければならず、実際にはフリーで動ける看護師が少なくなり人手が足らなくなることがあります。
急な退職や欠勤者が出てしまうと、看護師1人の負担が大きくなるため休憩時間を削ってでも、仕事をこなさなければならない状況になることがあります。
新入職員が多いため
看護師の入退職が激しい病院では、慣れている看護師が少ないため「指導をする間は業務を減らしてもらえる」等の配慮があれば良いです。
しかし、難しい場合、看護師は指導をしながらの業務となり休憩時間を削らなければならないことがあります。
入退職が多いほど休憩が取りにくい環境
経験が豊富な看護師が入職した場合でも、入職後しばらくは慣れている看護師が指導をする場合もあります。(病院によって異なります。)
そのため、入退職が激しい病院ほど、職場に慣れた看護師が増えず、休憩がとりにくい状況が続いてしまいます。
先輩が休憩をとらないため
「先輩看護師が休憩を取らないために休憩し辛い」ことも、休憩が取れない職場ではよくあります。
多くの理由として、先輩看護師に仕事が偏っているというわけではなく、自分が定時で帰るためや、プライベートの用事等で、休憩時間を早く切り上げて仕事を終わらそうとしている場合があります。
先輩看護師を無視して、休憩を取ることは可能だった場合でも、先輩看護師が働いているところを目の前にしながらの休憩は休まりません。
スタッフ間の関係性がうまくいっていない職場では、「忙しいのに自分だけ休憩している」と陰口を言われ、それを避けるために休憩が取れなくなることもあるでしょう。
ゆっくり休憩できる場所がないため
看護師が休憩する場所がなく、「常にナースコールや患者の声が聞こえる」「バタバタと走り回る様子が伺える」等の状況では、リラックスすることができません。
また、スタッフや患者の姿が見える場合、休憩中とわかっていながら声を掛けやすく、せっかくの看護師の休憩時間を妨げてしまいます。
看護師が働く病棟などから隔たれた場所に休憩室がある場合は、少しの休憩時間の場合でも仕事から離れてゆっくりすることができるでしょう。
休憩のとれない職場で働き続けるリスク

看護師が休憩のとれない職場で働き続けると、「心と身体の不健康」「集中力の低下」「プライベートが空虚」「看護師が嫌になる」等のリスクが考えられます。
それぞれについて、以下で詳しく説明していきます。
心と身体の健康が保てなくなってしまう
休憩が十分にとれないと職場にいる間は、最初は今だけだと自分に言い聞かせて我慢できても、そのうち仕事量・給料などに不満が出てきてストレスが蓄積してしまいます。
ストレスを和らげる休憩がとれず、身体も休まらないことでさらにストレスが溜まるという負のスパイラルがおこり、心と身体の健康を害してしまう恐れがあります。
休憩を取ることは、労働基準法を守ることだけが目的ではなく、「食事をすること」「ひと時だけでも仕事から離れること」で、心と身体が休まり、バランスを取ることができるのです。
集中力が低下してしまう
看護師の仕事は、患者の命に直結するような業務もあり、どんなときも集中して看護をしなければならないため、「食事をとること」「休憩すること」を意識的に行うことで集中力を維持できます。
食事と休憩がとれず、集中力が低下した状態で患者のケアに入ってしまう場合、注意力や判断力が鈍くなり、最悪の場合は重大な医療事故につながる恐れがあるため、休憩の取れない職場は注意が必要です。
プライベートが充実しない
休憩が取れない職場で働いていると休日に「疲れがきて外に出かけるのが億劫になる」「体調を崩して寝込む」等の状況にもなりやすいでしょう。
そのため、日々のストレスを発散するどころか、日々のストレスと疲労が休日にまで残ってしまうと、プライベートを充実させることができなくなってしまいます。
看護師そのものが嫌になってしまう

「休憩がとれない」というだけでも、そこから負のスパイラルになり、最終的に看護師そのものを続けることに魅力を感じなくなる場合もあります。
「努力して看護師になった」「看護師として目指すものがあった」等にも関わらず、看護師という仕事から離れてしまう恐れがあるでしょう。
看護師が休憩をとれない場合の対処法4つ

前述の通り「休憩が取れない職場で働き続ける」ということは、あらゆるリスクを伴うことを説明しました。
以下では、看護師が休憩を取れない場合の対処法を説明していきます。
現状を上司に伝える

休憩が取れないという現状があったとしても、それが上司に伝わっていなければいつまでも改善されることはないため、病棟師長や看護部長に働きかけて休憩時間を確保できるよう動いてもらうようにしましょう。
また、病院内に職員の相談窓口がある場合は、そちらに相談してもいいでしょう。
スタッフ間で1日のスケジュールを見直す
ほとんどの職場は、1日のスケジュールを「午前中に行うケア」「午後に行うケア」等とあらかじめ決めていますが、スケジュール通りにいかず休憩が取れない場合は、そのスケジュールを見直す必要があります。
スケジュールを見直した例
例えば、「絶対に動かせない点滴の更新時間」「看護師の数が必要な食事介助の時間帯」等には看護師がその業務を行えるように、他のケアを違う時間に設定するなどの調整ができます。
看護師の休憩時間にも看護が必要な患者がいるため、「患者に合わせて休憩に入る看護師の人数を調整する」等を行うことで、残った看護師の負担が減り、休憩中の看護師は落ち着いて休憩することができるでしょう。
すべて自分が抱え込もうとせずに頼る
新人看護師の頃は、「先輩看護師のように要領よく仕事ができないこと」「自分で抱えられる量よりも仕事量が多い」等のことから、自分だけがしっかり休憩をとれていないという状況が多く見られます。
患者の看護は、1人で行っているわけではなく、チームで行うため、自分だけが休憩を取れていない場合は、1人で抱え込まず、手の空いているスタッフに頼ることが大切です。
休憩がとれる職場へ転職する
前述した対処法をとっても休憩が取れない場合、病院によっては慢性的な看護師不足で、改善したくてもなかなか改善できないところもあるため、転職を考えても良いでしょう。
広い視点を持って職場を探す
休憩が取れる職場を探すときには、
- 看護体制
- 勤務している看護師の人数
- 介護スタッフの有無
- 仕事内容
- 残業の有無
等、休憩だけでなく広い視点を持って探すことが大切です。
看護師がしっかりと休憩をとれる転職先とは
看護師がしっかりと休憩を取れる転職先には、どのような特徴があるのでしょうか。
以下で詳しくご紹介していきます。
ワーク・ライフ・バランスに取り組んでいる
看護師を雇用する側の病院には、「職員の心と身体の健康を守ること」「職員自身が健康管理を意識できるような職場環境をつくること」が求められているため、看護師が休憩を取ることができる職場では、ワーク・ライフ・バランスの推進に取り組んでいます。
仕事とプライベートのバランスが取れる対策を取っている
ワーク・ライフ・バランスがしっかりとれる職場は、「休憩時間の確保」「残業の削減」「有給消化率の向上」等、職員がプライベートと仕事のバランスを取れるよう様々な対策をしています。
休憩がとれる転職先を探す際は、その職場がどのようにワーク・ライフ・バランスに取り組んでいるのかを確認しましょう。
休憩室が確保されている
休憩中だけでも仕事のことを気にせずにリラックスするためには、ナースステーションの奥や病院内に休憩できる場所が確保されていることが必要です。
休憩場所が確保されていない職場もある
規模が大きな病院や、新しい病院以外に勤める看護師の場合、
- サラリーマンのように、食事を摂れる自分のデスクはない。
- 患者や家族に声を掛けられても休憩中だからと断ることができない。
等、未だに休憩場所が確保されていない職場もあります。転職前に見学などを行いチェックしておきましょう。
1人1人の看護師が落ち着いて仕事をしている
看護師が休憩をしっかりととれ、リラックスできている職場では、スタッフの関係性が良く、仕事に集中できるため重大な事故を起こすことがほぼなく、スムーズに1日を終えることができます。
そのため、休憩の取れている職場の見学に行くと、看護師の表情は明るく、笑顔が見られ穏やかに仕事している様子が見られるでしょう。
休憩がとれない職場は、常に忙しく看護師もピリピリしているため、職場見学の際に看護師の状況を確認しておくと良いでしょう。
看護師の数が十分足りている
病院の規模に合わせて、看護師の数が十分に足りていれば、交替で休憩に入りやすいです。
そのため、病院の規模に対して、適当な人数が各病棟に配置されているかの確認は大切です。
離職率が低く中堅看護師が多く在籍している病院の場合は、ある程度落ち着いて勤務でき休憩も問題なく取得できるでしょう。
離職率の高い病院に注意
離職率が高い病院では「入退職者が多い」「病院に慣れている中堅看護師が少ない」「何かしらの理由があり、早くに退職する職員が多い」等の可能性もあります。
各病棟の師長がしっかりしている
病棟勤務の場合、看護師を統括する管理者の力量が無ければ、病棟はうまく回らず、休憩が取れません。
例えば、自分の都合で休憩時間を削っている先輩看護師がいた場合、「後輩看護師が休憩に行くから、どうしても今やらなければならない仕事なら、残っているスタッフに依頼しなさい」と、注意することや、仕事量が偏っていないか定期的に確認するなど、休憩をとれるように配慮するはずです。
このように、休憩がとれない職場は、「病院の規模」や「急性期だから」といった理由ではなく、看護師を統括する管理者の力が不足している可能性があります。
職場環境改善が必要な場合
職場環境の改善が必要であれば、スタッフを守るために「管理者同士での話し合いの機会を設ける」など対策を取ることで、「先輩に遠慮する」「新人看護師に仕事の負担が多くなる」「職場の環境が問題で休憩がとれない」等といった事態は改善されるでしょう。
職場を見学する際には、師長とその他のスタッフとのやり取りや関係性を観察してみると良いでしょう。
休憩が取れる職場の求人は看護師転職サイトを活用

前述の「看護師がしっかりと休憩をとれる転職先」で説明したように、休憩がしっかり取れる職場の看護師求人を探す場合、どうしても条件が多く、探しにくいです。
さらに、ストレートに「看護師はしっかり休憩が取れますか?」と聞くことも難しい場合が多いです。
そのため、看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)を活用して、専任の担当者に転職先の病院を条件で絞り込んだ上で、情報を集めてもらうことで、休憩がしっかり取れる職場の看護師求人を紹介して貰うことが可能です。
また、病院見学のアポイント設定も同時に行ってくれるため、スタッフを統括する管理者(師長)や、その他スタッフを観察・チェックすることができます。
以下でご紹介する看護師転職サイトは、病院の看護師求人が豊富で、院内情報を熟知している専門の転職エージェントです。求人の比較のために2社とも活用することがおすすめです。
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| 対応 雇用形態 | 常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤 |
| 対応施設 | 総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター |
| 対応 診療科目 | 内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科 |
| 対応配属先 | 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡 |
| 対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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さらに、年間5,000件を超える病院へのインタビューを実施し、院内情報を蓄積しています。
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| サイト名 | ナース専科 転職(旧 ナース人材バンク) |
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| 非公開求人 | 豊富(会員限定のレア求人あり) |
| 対応職種 | 正看護師、認定看護師、准看護師、助産師、保健師、管理職 |
| 対応 勤務形態 | 常勤、常勤(日勤のみ)、常勤(夜勤あり)、常勤(夜勤のみ)、非常勤 |
| 対応施設 | 病院、クリニック、訪問看護、企業、保育園、幼稚園、学校、その他 【介護施設】 居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、訪問介護事業所、介護老人保健施設、軽費老人ホーム、デイケア事業所、小規模多機能、訪問入浴事業所、看護小規模多機能居宅介護、有料老人ホーム、デイサービス事業所、グループホーム、特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者専用住宅、ショートステイ事業所、訪問リハビリ事業所、介護医療院 |
| 対応 診療科目 | 美容、産婦人科、整形外科、眼科、外科、呼吸器科、循環器科、精神科/心療内科、小児科、皮膚科、形成外科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、消化器科、内科、透析、その他 |
| 対応配属先 | 病棟、外来、オペ室、透析、その他 |
| 対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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そのため、休憩が取りやすい病院の看護師求人を探す場合は、合わせて活用しておくことで、職場の選択肢が増えるでしょう。
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最後に
休憩がとれない理由は様々ですが、休憩を取らないことで心と身体にかかる負担は大きく、患者の看護にも影響します。
休憩を取ることは決して申し訳なく思うことではなく、働く上で必要なものであるため休憩をしっかりとれるような対処法を実践していきましょう。
休憩のとれない職場で働いている看護師は、是非参考にしてください。
新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。


