看護師の前残業が発生する理由とは?対策についての体験談!

看護師の前残業が発生する理由とは?対策についての体験談!
画像:shutterstock

看護師は就労時間後の残業が非常に多いですが、同じく就労前の残業も多くなっていることが実態です。

特に入院施設のある大きな病院の場合、

  • 新人看護師だと1時間以上前
  • ベテラン看護師でも20分前

などには出勤していることがほとんどです。

就労開始時間ギリギリに出勤する看護師はほとんどいないのではないでしょうか。

私が勤務したことがある病院すべて、業務をスムーズに行うための「前残業」は当たり前という風潮があり、前残業に対しては残業を申請していないことが多いという現状があります。ここでは、なぜ前残業をする必要性があるのか、実際の現場の実態と、前残業を減らすための対策を私の体験からご説明します。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 京都府/31歳
  • 職務経験:大学病院(混合病棟)
  • 診療科経験:脳神経外科、呼吸器内科、腎臓内科、放射線治療科、皮膚科、麻酔科、血液内科、内分泌内科
大学病院で約6年勤務し、その間妊娠・出産も経験し、出産後も子どもを保育園に預けながら正社員看護師として勤務。
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1.看護師の前残業が発生する理由

看護師の前残業が発生する理由

病院によって異なりますが、日勤と夜勤などのそれぞれの勤務帯同士の時間が重なっている時間は全くないか、あっても15分程度です。

そのわずかな重複時間では、それぞれの勤務時間での重症患者や重要な事項などの申し送りを行うことが難しく、結果として前残業が発生している現状です。

以下で詳しく説明していきます。

 

(1)情報収集の時間が業務時間内に設けられていない

最近では就労時間後の残業時間を減らすために申し送りの簡素化を推進している病院もあり、各自で就労時間前に情報収集するという暗黙のルールがあるため、前残業が発生するのです。

そして引継ぎが終わればすぐに患者のケアやバイタル測定、与薬、点滴管理、ナースコールの応対などその時間帯の勤務者がすぐに動くことが求められます。

 

(2)情報収集には時間がかかる

情報収集には、看護記録、医師記録、検査結果、その日の検査の予約、点滴の時間などの情報を、それぞれ違うページを開いて調べなければいけないため時間がかかります。

例えば自分の夏休みなどの連休明けに出勤すると、入院患者がほとんど変わっているということもあります。その時は自分の休み中の情報を全て収集しなければいけないため、特に情報収集に時間がかかります。

 

(3)点滴準備には時間がかかる

点滴係などの業務分担がされていない病棟の場合、担当患者の点滴準備も就労時間前に行うことがほとんどです。

  • 就労時間になってすぐにつながなければいけない点滴がある
  • 持続点滴の交換時間がすぐにくる

などの理由があるためです。

 

2.前残業が多いのはどんな職場?

前残業が多いのはどんな職場

前残業が多い職場として、特に

  • 患者の入れ替わりが多い大学病院などの大きな病院
  • 外科や患者が急変することが多い病棟

などが挙げられます。

内科でも、治療のための点滴が多い疾患の病棟では点滴準備のための前残業が発生します

患者の状態が変化すればその分収集する情報も多くなり、事前の準備が求められます。看護師の仕事は業務時間内に行うことがとても多く、それを時間内に終えるための準備として前残業が必要となります。

 

3.前残業を減らすための対策

前残業を減らすための対策

次に、看護師の前残業を減らすためにできることを、私の体験からご紹介します。

 

(1)業務分担を行う

点滴係や処置係などの業務分担を行えば、その分1人1人が事前に準備することが減ります

また、点滴なら時間点滴や持続点滴の交換時間を、勤務開始時間すぐの時間は止めてもらうように医師に依頼することも、前残業を減らすことにつながります。

さらに、「できないこと」や「分からないこと」を他のスタッフに協力してもらえるように頼んだり、逆に空いている時間があれば手伝えることがないか声掛けし助け合ったりすることも、前残業を減らすことにつながります。

 

(2)看護記録を簡潔化し重要事項を分かりやすくする

それぞれの看護師が、日々の看護記録の要点を分かりやすく記録することは情報収集の時間を減らすことにつながります。

それぞれのスタッフが、他のスタッフが見ても必要な情報だけをすぐに収集できる記録になっているかを意識して記入することが大切です。

 

(3)夜勤帯に患者の情報を収集しておく

夜勤帯は日勤帯に比べると落ち着いている時間があります。日勤帯で働く日の直前の情報は収集できなくても、それ以前の患者の情報や今後の治療方針などを収集し状態把握しておくと、少しでも前残業で収集する情報の量が減ります。

その情報収集は次の日勤で役に立つだけではなく、もちろんその時の夜勤帯でも役にたちます。

前残業で情報収集するのが当たり前という感覚を捨てて、できる時間にできることを行う努力が大切です。

 

4.最後に

看護師の就労時間後の残業は多いと言われていますが、前残業については当たり前という風潮があります。実際私も命に関わる仕事なので、患者に関わる前にしっかり情報収集して臨みたいという気持ちから前残業を行っていました。

特に新人看護師は前残業を行うのが当たり前で、行っていない人の方が問題視される雰囲気があります。

一番問題なことは、前残業については残業時間を申請してはいけないという決まりや風潮がある病院が多いということです。その時間は自分自身の為の時間であり、サービス残業扱いになることがほとんどです。

残業が多いということは離職率が増加することにもつながり、これから少しでも前残業が減り働きやすい職場が増えてくれることを望みます。

前残業を減らすための対策は個人でできることばかりではありません。そのためにも前残業を減らすために問題提起することが大切だと私は感じます。


   
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更新:2019年7月24日
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