私は現在、6年以上にわたり救急外来(救急病棟・ER)で勤務している看護師です。
救急外来に新しく入る看護師の中には、テレビドラマのような華やかなイメージを持っている人も少なくありませんが、実際の現場の厳しさに直面し、理想と現実のギャップにショックを受けることもあります。
実際に、救急外来はドラマ以上に劇的な出来事が起こることもありますが、それは同時に、人の生死に最も近い、過酷な場所でもあります。
しかし、一般病棟での勤務では得られない経験を多く積むことができ、それが看護師としてのスキルアップに繋がるとも言えます。
この記事を読んで、「もう限界かもしれない」と感じている看護師の方へ。私の経験が、何らかの参考になれば幸いです。
- エリア:大阪府在住
- 保有資格:看護師
- 施設経験:府立病院、クリニック、総合病院
- 専門分野:消化器外科、脳外科、泌尿器科、代謝内科、ER(救急外来)
済生会系列の病院で3年、その後クリニックで2年勤務しながら派遣看護師として企業検診・デイなどの施設をメインに活動。現在はER(救急外来)に6年勤務しながら、看護師ライターとして活動中。また、ママ看護師として働きやすい職場環境についてなどリアルな意見を記載していきます。
救急外来(救急病棟・ER)の看護師を辞めたい理由と対処法

私も救急外来(救急病棟・ER)での勤務を辞めたいと思ったことがあります。ここでは、その理由と、私がとった対処方法について説明していきます。
理想と現実の違いで救急外来を辞めたい場合

救急外来に新しく入職する看護師の中には、「テレビドラマを見て魅力を感じて…」という理由で選んだ人も実際に少なくありません。
しかし、救急外来の現実はドラマのように美しい結末ばかりではありません。
救急外来に運ばれてくる患者の中には、事故や自殺企図、時には虐待や殺人事件の被害者など、ニュースで見るような症例もあります。
そのため、入職後に「思っていたのと違う」と感じて退職する看護師もいます。
私もテレビドラマでの理想にあこがれて救急外来で働きましたが、ギャップを乗り越える対処法を以下でご紹介します。
私の対処法:ドラマを超える現実を見つける
救急外来に運ばれてくる、どのような症例の患者も、それは患者です。
自殺企図で入院した人であっても、「結局は死なずに済んで良かった。助けてくれてありがとう」と感謝の言葉を述べる方もいます。
そのため、理想と現実にギャップがあったとしても、救急外来では、ドラマ以上に深く、印象的な出来事が起こります。
そういった経験ができるのは、救急外来の看護師ならではの特権です。
看護の現場で、ドラマ以上に感動的な瞬間を見つけてください。救急看護師としての楽しさや、その仕事の深いやりがいを発見することで、辞めたいと思う気持ちが消えるかもしれません。
現実の看護は、想像以上に豊かな経験を提供します。それらを見つけ出すことで、仕事への新たな情熱を感じるはずです。
患者の死が頻繁にありすぎて救急外来を辞めたい場合

救急外来では、多数の救急車を日常的に受け入れるため、患者の生死に関わる件数も多くなりがちです。
特に忙しい日には、1日に5人程度の患者が亡くなることも珍しくありません。これは、一般病棟では考えられない状況です。また、救急外来では、心肺停止(CPA)状態で運ばれてくる患者がそのまま亡くなるケースも少なくありません。
私が経験した中で、最も多かったのは1日に7人の患者が亡くなったことです。このような状況は、救急外来では日常的なことであり、救急外来未経験の看護師がこの現実に直面すると、精神的なストレスから退職を考えることもあります。
毎日、多くの患者が亡くなることは、決して普通のことではありません。では、救急外来で長く働く看護師は、どのようにして患者の死に対するストレスを乗り越えているのでしょうか。
私の対処方法を以下でご紹介します。
私の対処法:患者の死に感情移入しないこと
私の対処法は、患者の死に一切感情移入しないことです。
冷たいように感じるかもしれませんが、患者の死に過度に看護師が感情移入すると、精神的なストレスが増大します。
私の経験ですが、一般病棟と比較して、救急外来では短期間のうちに患者との出会いと別れが訪れます。
そのため、救急外来では何度も入退院を繰り返す患者はおらず、看護師として感情移入することも比較的避けやすい環境だと思います。
私の対処法:ストレス発散方法を見つけること
例え看護師として感情移入をしなかった場合でも、人の死に直面すると、非常に大きなストレスを感じます。
そのため、私は自分にとって効果的なストレス発散方法を見つけることを行っていました。私の場合、精神的に辛い時は、何か楽しいことをすると、ストレスが解消できていました。
看護師によってストレスの発散方法は違いますが、うまくストレスを解消できたほうが、救急外来の勤務を長く続けられると思います。
仕事の重圧感で救急外来を辞めたい場合

救急外来は閉鎖された空間であり、働いている間は常に他のスタッフや患者家族の視線が感じられ、看護師にも大きなプレッシャーがかかります。
加えて、救急外来では一般病棟のように詰所や控室、病室といった「逃げ場」がありません。
カーテンで区切られたスペースのみで、個室のようなプライベートな空間は存在しないため、プレッシャーはさらに増します。
そして、患者の重症度が高いため、看護師と医師は常に高い緊張感を持って仕事をしなければならず、ほとんど息をつく余裕がありません。
これは確かに看護師として疲れるものです。以下では、私なりの対処法をお伝えします。
私の対処法:自分なりの「息抜き」を見つける
私自身、救急外来に入職した当初は、圧倒的なプレッシャーに負けそうになり、退職を考えたことがありました。その時、先輩看護師が「ちょっと外の空気を吸いに行こう」と誘ってくれ、外に出て少しの間息抜きをしたことで、気分が晴れました。
このように、ささやかなことでも気持ちが軽くなるものです。
先輩看護師の息抜き方法は外の空気を吸うことでしたが、救急外来で働く看護師にはそれぞれの息抜きの方法があります。例えば、コーヒーブレイクを取る、5分だけ休憩するなど、方法は様々です。
些細なことからプレッシャーを和らげることができるため、無理をせず同僚に相談し、息抜きの方法を見つけてみてください。それでもストレスが大きい場合は、救急外来が自分に合っていない可能性もあるため、退職を検討するのも一つの選択肢でしょう。
人間関係の問題で救急外来を辞めたい場合

救急外来では、忙しさや緊急性が高い状況が多く、これが原因で看護師や医師の言葉遣いが厳しくなることがあります。
そのため、救急外来に転職してきた看護師は、自分が怒られているとか嫌われていると誤解しやすいです。
ただ、実際には、そのような言葉遣いに悪意はありません。
しかし、人間関係が築かれるまでは、厳しい言葉が悪意でないと理解できず、人間関係に悩み、退職を考える看護師も少なくありません。
一度人間関係が築ければ、厳しい言葉も「またか」と軽く受け流せるようになります。厳しい言葉を受けて退職を考えた時、どのように乗り越えるべきでしょうか。[/aside]
私の対処法:気にせず割り切ること
人間関係に囚われすぎると、救急外来での看護師の仕事が辛くなってしまいます。これは、どの診療科においても同様です。
私自身、過去には厳しい言葉を受けたり、皮肉を言われたりして気にしていた時期がありました。そして、実際に人間関係が原因で退職したこともあります。
しかし、どの職場に行っても同じことに気づいてからは、人間関係にそれほど気を取られなくなりました。このように割り切ることができれば、ずっと楽になり、「辞めても同じ」と思えるようになるでしょう。
私の対処法:誰かに相談すること
職場での退職理由として、人間関係の問題は非常に多いです。
しかし、職場内に相談できる人がいれば、退職を考える気持ちも軽減されます。私は人間関係で悩んでしまった場合は、上司でも先輩看護師でも、同期でも、相談できる相手を見つけてまずは相談することにしています。
誰かに話をすることで、気づくことも多く、多くの問題が解決することがあります。ぜひ、実践してみてください。
勉強についていけないことで救急外来を辞めたい場合

救急外来では、さまざまな診療科の患者が来院するため、常に看護師として学ぶことが必要です。
特に、入職初期は覚えるべきことが多く、毎日の勉強が欠かせません。勉強をしなければ、理解できないことが増えてしまい、仕事についていけなくなる恐れがあります。
救急外来の看護師は一般に勉強熱心で、分からないことがあれば積極的に調べたり、医師に直接質問したりして理解を深めようとします。
そのため、勉強が苦手な看護師には厳しい環境かもしれませんが、救急外来での経験は他のどの診療科でも得られない貴重なものです。
多くの診療科について学べるのは救急外来の看護師ならではの特権です。この貴重な機会を活かし、勉強に対する嫌悪感を捨て、退職を考えずに学び続けてください。
以下では、勉強についていけないことで救急外来を辞めたい場合の私の対処法をいくつかご紹介します。
私の対処法:先輩の勉強方法を参考にすること
救急外来では多岐にわたる診療科の知識が求められるため、効率的な学習方法が重要だと私は感じます。
そのため、私は先輩看護師の勉強法を参考にすることで、自分に合った方法を見つけ、学習効率を高めることを常に実践していました。
先輩が実践している学習方法を聞くことで、自分自身も理解しやすくなります。
私の対処法:受け持ち患者の疾患について医師に質問すること
受け持ち患者の疾患に関して不明点がある場合、医師に直接質問することも有効です。
救急患者は複数の疾患を持っていることが多く、一つの疾患を学ぶだけでも難しい場合があります。そのような状況の場合、私は医師に患者の状態を詳しく聞き、注意点や観察点を尋ねるようにしていました。
分からないことを放置すると、他のスタッフとの知識の差が広がる恐れがあるため、積極的に質問するように心がけていました。
医師の人柄にもよりますが、患者の状態について丁寧に説明してくれる場合が多いように感じます。
どうしても辛い場合は転職も1つの対処方法

救急外来が辛い場合や、対処法を行ったけれど向いていないと感じる場合、退職して転職することも1つの方法です。
嫌々仕事を続けていた場合、業務でのミス等から職場の人間関係も悪化する可能性もあります。
自分が働きたい職場を考えることや、実際に看護師求人を見てみることで、現在の職場とも比較ができるため、辞める前にまずは職場を探すことがおすすめです。
しかし、私もそうですが、救急外来の看護師をしていると毎日時間がないと感じてしまいます。
そのため、希望条件を伝えるだけで、看護師の求人を紹介してくれる、看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)の活用がおすすめです。
以下で、2社おすすめの看護師転職サイトをご紹介しますので、登録して是非使ってみてください。
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| 対応 診療科目 | 美容、産婦人科、整形外科、眼科、外科、呼吸器科、循環器科、精神科/心療内科、小児科、皮膚科、形成外科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、消化器科、内科、透析、その他 |
| 対応配属先 | 病棟、外来、オペ室、透析、その他 |
| 対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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まとめ
救急外来で働くと、一般病棟とは異なる理由で退職を考えることがしばしばあります。
そのような状況に直面した際には、一度立ち止まり、「本当に退職したいのか」を深く考えてみることが重要です。退職を考える前に試すべき対処法が存在する可能性が高いです。
それでも状況が改善しない場合は、退職して新たな選択を検討するのも一つの方法です。
救急外来で働きながら退職を考えた時、この対処法を試してみてください。
経験者からのアドバイスですが、しんどいから辞めようとは思わずに続けてみてください。きっとあの時辞めなくてよかったと思える日が来ると思います。
最後までありがとうございました。
新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。


