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電子カルテインストラクターの看護師として働いた体験談

公開日:2026年6月3日
電子カルテインストラクターの看護師として働いた体験談

看護師の皆様は、「電子カルテインストラクター」をご存知でしょうか。

電子カルテインストラクターとは、電子カルテを導入する医療機関に出向き、スムーズに電子カルテを使った業務ができるよう、医療スタッフに対し操作や入力の説明、サポートをする仕事です。つまり、看護師の電子カルテインストラクターは、企業と医療機関の橋渡し役となる仕事です。

もちろん、看護師の資格がなくてもできる仕事ですが、「看護師であれば尚可」と言われています

私が実際に体験した「電子カルテインストラクターになるために必要なこと」や「実際の仕事内容」「働いて感じたこと」について詳しくご紹介します。

執筆・監修看護師
横江 看護師
横江 看護師

都内の大学病院(内科、外科、耳鼻咽喉科)で7年間勤務した後、コールセンターや製薬業界、医療系・人材系のコンサルタント、電子カルテインストラクターなど、様々な仕事に挑戦してきました。現在はフリーランス看護師として活動中です。「看護師の活躍の場は医療機関だけではない」が私の転職における信条。病院から飛び出し、新たなフィールドで活躍したいと考えている看護師の皆さんに役立つ情報を発信していきたいと思います。

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看護師が電子カルテインストラクターになるには?

看護師が電子カルテインストラクターになるには?

看護師が電子カルテインストラクターになるためには、特別な資格は必要なく、電子カルテのメーカー等が募集している、電子カルテインストラクターの求人に申し込み、採用されることで働くことができます。

ただし、面接対策や履歴書・職務経歴書等は、病院やクリニックと同じようなイメージで心構えをしていると失敗する可能性が高いため注意してください。

以下で、私の体験談も含め、詳しく説明していきます。

看護師が電子カルテインストラクターになる意味はある?

看護師が電子カルテインストラクターになる意味はある?

私の体験ですが、看護師が電子カルテインストラクターに転職した場合、各々の職種の仕事内容や立場を理解したうえで仕事を進めることができます

そのため、看護師が電子カルテインストラクターになる意味はあり、重宝されるでしょう。

例えば、医師、薬剤師、検査技師、放射線技師、栄養士、理学療法士など、病院内の様々なスタッフと一番密接に連携を取って働いているのは看護師です。

専門用語、薬剤名、処置や機材の名称の理解などはもちろんですが、実際に医療スタッフとして働いた経験の中で培ってきたことは、何より強みになると感じています。

電子カルテインストラクターには特別な資格は必要ない

ご存知ない方も多いかもしれませんが、電子カルテインストラクターは資格ではなく、資格も一切必要ありません

そのため、

  • 電子カルテを医療機関に提供しているメーカー(会社)
  • 電子カルテのサポートをしている会社

などに勤務することで、電子カルテを学び、電子カルテインストラクターと名乗って、病院や施設に伺います。

そのため、看護師として電子カルテインストラクターになりたい場合は、電子カルテインストラクターの求人を探し、企業の面接に合格すれば良いと言えます。

求人の応募資格に注意する必要がある

電子カルテインストラクターの求人募集資格の中には、限定されているものもあります。

例えば、

  • パソコンインストラクター経験がある方
  • システムの導入サポート経験の方

などです。

基本的には、高校または大学卒業以上で、運転免許があれば問題ありませんが、即戦力を求めている場合は限定されています。

パソコンの技術や知識はそれほど必要ない

勤務する会社によって異なると思いますが、パソコンや電子カルテをはじめとする機械に苦手意識がなければ、問題ないと言えます。

もちろんITの知識があるに越したことはないのですが、インターネットやメールが使用できれば十分でした。

看護師の方も、パソコンに詳しい人でなくても、日常の業務の中で電子カルテは使えているのではないでしょうか。

点滴を実施したら「実施ボタン」を押す等、いつも業務で使う機能や操作を覚えてしまえば、パソコンが不得意な人でも業務に支障は出ません。

医療機関での勤務経験者枠で求人を探す

医療機関での勤務経験者枠で求人を探す

初めて電子カルテインストラクターになる場合は、「医療機関での勤務経験者という枠」で求人を探し、応募しましょう。

働き方としては、正社員の募集はもちろん、派遣社員としての募集もあります。

電子カルテインストラクターで看護師資格を必要としている求人は稀です。仕事内容をよく確認しながら求人を探しましょう。

看護師資格を持っていても給料など、あまり考慮されない

電子カルテインストラクターは、医療資格をもたない人もなれる仕事であり、私の勤務した会社では給料も一般社員と同じでした。(資格手当などはありませんでした。)

しかし、求人を見た際に、看護師資格や医療機関での経験を考慮して給料を決めてくれる企業もありました。

私が東京都で求人を探した際には、年齢や能力にもよりますが、正社員の場合、概ね月収20~30万円+手当、派遣社員の場合は、時給1,500円~2,000円ぐらいが一般的な給料でした。

体験談:私が電子カルテインストラクターになったきっかけ

私が電子カルテインストラクターになったきっかけは、登録していた看護師転職サイト(看護師転職エージェント)のキャリアアドバイザーからの紹介でした。

  • 「講師経験があり、人前で話すことに抵抗ない」
  • 「パソコンができる」
  • 「長期出張が可能」

など、私の経歴や状況に合っているということで応募を提案されました。

看護師転職サイトには、非公開求人などもあるため、「看護師転職サイトおすすめベスト5選」の転職会社を参考に、キャリアアドバイザーに相談してみると良いでしょう。

面接対策や履歴書・職務経歴書はアドバイスを貰おう

看護師が電子カルテインストラクターになるために、一番ハードルが高いことは、

  • 履歴書や職務経歴書の書類
  • 面接での対応

と言え、病院やクリニックと同じようなイメージで心構えをしていると失敗する可能性が高いと言えます。

看護師職は転職や就職を優遇されており、一般常識がないケースが多いです。

例えば、履歴書の間違いを修正液で消したり、履歴書の空欄があったり、証明写真が普通の写真であったり、職務経歴書の誤字脱字が多かったり、面接での対応がフランクすぎたりなどです。(お伝えすればキリがないことばかりです。)

そのため、企業のマナーを守れるように、看護師転職サイトなどを利用して、第三者からのアドバイスや面接対策を行いましょう。

入社を決定する前に手当の確認をしよう

電子カルテインストラクターとして内定を貰ったら、必ず「手当」は確認をしておきましょう。

会社によっても異なりますが、電子カルテインストラクターは、とにかく出張、残業、休日出勤が多い仕事でした。

そのため、

  • 出張手当
  • 時間外手当
  • 休日手当
  • 早朝手当
  • 夜間手当

などが支給されます。(各企業で規定が異なります。)

特に出張手当は、日帰り出張と宿泊を伴う出張で金額が異なり、また出張先までの距離により金額が決まっていることが多いため、チェックが必要です。

電子カルテインストラクターの仕事内容

電子カルテインストラクターの仕事内容

電子カルテインストラクターは、医療機関が電子カルテ導入する際にサポートすることが仕事内容です。

そして、導入に関して、電子カルテインストラクターの仕事は、主に以下の3つの段階に分けられます。

  • 第1段階:インストラクター研修
  • 第2段階:医療機関での操作研修
  • 第3段階:稼働立会い

その他の仕事内容も含めて、私が体験した電子カルテインストラクターの仕事内容について、以下でそれぞれご紹介します。

インストラクター研修(トレーニング)

インストラクター研修(トレーニング)

第1段階では、電子カルテインストラクターが医療機関に出向く前に、電子カルテの特長や機能、操作方法を学びます

働く会社によって異なる可能性があるので注意してください。

医療機関での操作研修

医療機関での操作研修

第2段階では、電子カルテインストラクターが実際に電子カルテを導入する医療機関に行き、スタッフを対象に操作研修を行います。

医師や看護師をはじめ、薬剤師、検査技師など各部門のスタッフ、医事課の職員等、電子カルテを使用する全ての職種が対象です。

病院の規模にもよりますが、総合病院クラスの場合、概ね1回60~90分の操作研修を1日5~6回、2週間~4週間にわたって行います

看護師の体験事例

看護師の体験事例電子カルテ画面をプロジェクターに映しながら説明するメイン担当のインストラクターと、研修途中で操作が分からなくなったスタッフをサポートするサブ担当に分かれて研修を行っていました。

また、私は自分で操作研修説明用のシナリオを作っていました。

操作研修中に病院スタッフとコミュニケーションを取りながら業務の様子を把握し、より現場に近いシナリオに改良していました。少しでも電子カルテを導入した後のイメージがつくよう、工夫を重ねる日々でした。

稼働立会い

第3段階では、インストラクターが電子カルテ稼働初日から、医療機関で立会いを行います。

複数のインストラクターやシステムエンジニアが各々、担当部署に分かれて病院スタッフをサポートします。

常に質問に答え、サポートを必要とする部署に駆けつけられるように、院内PHSを持ちます。

稼働立会いは2週間~3週間行いますが、医療機関のスタッフも電子カルテの操作に慣れてくるため、徐々にインストラクターの人数を減らしていきます。

利用者のニーズを把握すること

電子カルテインストラクターは、医療機関のスタッフからの質問や要望、困っている内容を正しく把握することも大切な仕事です。

外来は次々と患者を診ていかなければなりませんし、ICU、手術室などは一刻を争う状況になることもあります。

そんな時に医療機関のスタッフのニーズをきちんと把握できなかったり、システムエンジニアにうまく伝えられなかったりすると、院内の業務が滞り、患者に迷惑をかけることになりかねないです。

電子カルテ利用者にうまく伝えること

電子カルテインストラクターは、どのように話すと理解してもらえるかを常に考え、相手の反応を見ながら工夫して丁寧に説明することも仕事です。

操作研修では、「例えばこういうことはないですか」と実際に業務をしていると起こりそうなことを挙げ、その際、どのような操作をすると良いかを説明すると、「なるほど」という反応が返ってきます。

これこそが、看護師資格をもつ電子カルテインストラクターにしかできない説明なのです。

実際に働いて感じたこと

私が実際に電子カルテインストラクターとして働き、感じたこと

私が実際に電子カルテインストラクターとして働き、感じたことを説明していきます。

コミュニケーションが大切な仕事

コミュニケーションが大切な仕事

電子カルテインストラクターは、医療機関のスタッフ、一緒に仕事をするシステムエンジニアなどたくさんの人と関わる仕事であるため、コミュニケーションスキルや協調性が求められました。

医療機関のスタッフは、慣れない電子カルテに悪戦苦闘しており、いつも質問しやすい雰囲気を作り、必要に応じてこちらから「大丈夫ですか」と声かけすることも必要でした。

日本全国の出張があった

私が勤務した会社は、日本全国の電子カルテを導入する医療機関を対象にサービスを展開していました。

そのため、電子カルテインストラクターは全国どこでも出向くため、出張がありました。操作研修も稼働立会いも数週間にわたるため、その間家を空けることが多くなりました。

看護師の体験事例

看護師の体験事例

日曜の夜から(前乗りして)現地に入り、金曜の夜に帰宅する、という生活を3~4ヶ月続けたことがあります。そのため、週5日間、ホテル暮らしという日々が続きました。

食事にこだわりがある人や、環境が変わると睡眠不足になりやすい人は、慣れるまで大変かもしれません。

稼動立会いの期間は時間外労働が多い印象

電子カルテの稼働立会いの時は、朝は外来が動き出す前から待機し、夜も夜間の業務が滞りなく行えることを確認した後、1日の業務が終了となりました。

そのため、電子カルテインストラクターは、稼働立会いの一定期間、時間外労働が多くなりました

また、稼働立会いの時は、朝早くから長時間の勤務になることも珍しくありませんでした。

看護師の体験事例

看護師の体験事例

電子カルテにシステムトラブルが発生すると、解決するまで業務が終わりませんでした

病院は24時間体制であるため、システムエンジニアはトラブルに備え、他の職員が夜間も待機しています。

電子カルテインストラクターは、医療機関のスタッフがスムーズに電子カルテを使えるようサポートする仕事であるため、時間外労働は仕方ないことだと感じ、行っていました。

ほとんどパソコンに触れたことのない人もいる

ほとんどパソコンに触れたことのない人もいる

電子カルテを導入する医療機関のスタッフ、特に看護師の中には、ほとんどパソコンに触れたことのない方もいます

稼働立会い時、看護師から「きゅうきゅうにゅういん(救急入院)は、どうやって入力するのですか」と質問されたことがあります。

ローマ字入力に慣れていない方や、マウスを使うことに慣れていない方もいるため、本当に基本的なところから説明しなければならない状況になることも多々ありました。

誠実で丁寧な対応が求められる

電子カルテを導入する医療機関のスタッフの中には、

  • 「電子カルテでこういうことはできないか」
  • 「こういう機能を付けてほしい」

など、無理難題を言ってくる人や、うまく操作できないことにイライラし、攻撃的な態度を取る人もいました。

しかし、医療機関のスタッフは電子カルテを取り扱う企業にとって「お客様」であり、そういう場合も冷静に、誠実で丁寧な対応が求められる職場でした。

また、言葉遣いやマナーに配慮しながら、仕事を行わなければなりませんでした。

まとめ

看護師は、病院の中で医療行為を行い、患者の生命を守るイメージがあります。一方、看護師の電子カルテインストラクターは、医療関係者のひとりとして別の角度、立場から医療現場をサポートし、患者サービスに貢献できる仕事だと感じます。

私の体験からですが、以下のような性格の方が、電子カルテインストラクターに向いているように思います。

  • 人前で話すことに抵抗がない人
  • ハキハキと明るい口調で説明できる人

医療の現場を知る看護師の電子カルテインストラクターは、いわば「通訳」のような形で、医療機関のスタッフの要望をわかりやすく、システムエンジニアに伝えていくことができます

医療機関のスタッフや、一緒に働くシステムエンジニアから頼りにされる仕事ですが、電子カルテインストラクターになる前に、出張や残業などの労働条件、給与面を考慮し、自分のライフスタイルと照らし合わせてみることが必要です。

看護師の電子カルテインストラクターは、これまでの看護師経験を活かしそれを伝えることができる仕事だと、私は感じます。

監修者
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

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