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看護師の転職

ヘッドハンティング・引き抜きで看護師が失敗しないための確認3つ

公開日:2026年5月27日
ヘッドハンティング・引き抜きで看護師が失敗しないための確認3つ

看護師にもヘッドハンティングや引き抜きは存在します。

例えば、知り合いの医師や看護管理者から声がかかったり、勉強会や外部の研修に参加した時の人脈の人から声がかかったり、今までの看護師活動や取得した資格をもとに、協力を依頼されたりすることがあります。

しかし、「ヘッドハンティングされた」「引き抜きされた」事実に浮かれてしまい、細かな労働条件や、求められた役割を確認しなかったことで、転職に失敗してしまうこともあります。

実際に看護師がヘッドハンティングや引き抜きをされた事例をもとに、ヘッドハンティングで転職に失敗しないために確認すべきことについてご紹介します。

監修者
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

著作・監修記事一覧

執筆・監修看護師
田中 看護師(がん看護専門看護師)
田中 看護師(がん看護専門看護師)
  • エリア:神奈川県在住
  • 保有資格:看護師、がん看護専門看護師、消化器内視鏡技師、心理相談員
  • 施設経験:がん専門病院、総合病院、クリニック、総合病院、訪問診療クリニック
  • 専門分野:消化器内科、透析室、内視鏡室、放射線治療室、泌尿器科

看護師をして20年以上になります。外来・病棟・検査室・クリニックなど、いろいろな場所での業務を経験しました。専門分野は消化器内科、透析室、内視鏡室、放射線治療室、泌尿器科等です。しかし、一時は看護師をやめようと思ったほど、心身共に追い詰められた時期もあります。現在は、看護師も続けつつ、ライターやカウンセラーとしても活動しています。

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1.ヘッドハンティングされた理由を確認する

ヘッドハンティングされた理由を確認する

「ヘッドハンティング」という言葉を聞くと、自分の能力を評価してくれた、自分の力を必要だと思ってくれている、今より好条件で働けるというイメージがあります。

しかし、相手もその言葉の魅力は心得ているものです。

その言葉を使うことで、すでに相手が必要以上の期待を秘めていることを利用しようとする可能性もあるのです。

そのため、ヘッドハンティング・引き抜きされたからこそ、看護師としての自分の何に魅力を感じたのか、採用理由をきちんと確認することが大切です。

現実に求められる業務は何なのか

転職した後に、「現実に求められる業務は何か」を確認することは、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために大切なことです。

そして、当面の間自分がやるべき業務を理解した後は、自分が譲れない希望を明確に伝えることが大切です。

自身の病気や育児や介護問題などに直面している場合

自身の病気や育児、介護問題などに直面している時期にヘッドハンティングを受けた時には、すぐには仕事上で期待された結果を出せない可能性があります。そのため、求められていることは何かを事前に確認することが大切です。

ヘッドハンティングは、する側にとってもリスクがあります。

あなたが自分に有利になることだけを考えて、実際に抱えている問題を隠して転職した直後に、休職や退職を願い出た場合には、双方が損をしてしまうことも考えられます。

ヘッドハンティングされたからこそ、自分の抱えている問題を伝えて、お互いがクリアな条件で、転職することが、将来の自分の立場を守ることにつながります。

自分の能力と未来のポジションに対し適切な答えをもらえるか

自分の看護師としての能力と未来のポジションなどについて、相手が適切な返答を用意していない場合があります。

その場合、ただの人手不足を補うための声掛けの可能性もあります。

ヘッドハンティングや「引き抜き」という表面的な言葉に騙されないことが大切です。

2.勤務条件・福利厚生を確認する

勤務条件・福利厚生を確認する

ヘッドハンティングだからと言って、地に足をつけて確認しなければならないことは、勤務条件です。

口頭で、良い条件を提示されていたとしても、ただの口約束だとからと、転職した後で勤務条件の約束を破られる可能性もあります。

条件は書面で提示してもらう

ヘッドハンティングの話合いが行われると同時に、話し合った内容を書面で作成してもらいましょう。

逆に、書面で提示されない場合には、転職に慎重になった方が良いでしょう。

あなたの能力を買って、ヘッドハンティングするのです。こちらが話し合う際に提示した書面での話し合いを納得してくれないということは、誠意がないと考えることもできます。

実際に勤務する場合は、話し合った内容の条件も含め雇用契約書、又は労働条件通知書などで契約を行っておきましょう。

年俸制という言葉に騙されない

一般的に看護師がヘッドハンティングされる場合には、今の職場よりも好条件の場合が多いです。

また、年棒で給与を提示されることもあります。年棒制とは、1年分の給与を分割して受け取る形態です。具体的には、1年間の労働に対して給与が支給されるため、「年間の給与」という意味で使用されます。

年棒制という言葉も魅力があり、そのことで実態がマスキングされて(覆い隠されて)しまうこともあります。年俸制で給与をもらったことのない方は、実態がよくわからず、ヘッドハンティングで転職した結果、トータルの給与が下がってしまったということもあります。

年棒制であっても、

  • 活動次第(仕事)によってはプラスアルファがあるか
  • 社会保障(社会保険など)が充実しているか
  • 諸手当はどうなるのか

など、今の職場との差異を確認し、本当に自分にとってプラスになっているのか確認することが大切です。

看護師の体験事例

看護師の知人は、新規クリニックのヘッドハンティングに同意し働き始めましたが、

最初に提示された社会保障が完備されていない、健康診断や受診などの療養費補助などの福利厚生もなく、結果として以前の職場よりもかなりの収入がマイナスになってしまいました。

ヘッドハンティングが、どこまであなたを好条件で雇用するかは未知数です。

だからこそヘッドハンティングされた時には、今の病院の福利厚生や自分の給与明細を見直して、自分が今おかれている現状を認識し直すことが大切です。

3.ヘッドハンティングされた勤務先の情報を確認する

ヘッドハンティングされた勤務先の情報を確認する

ヘッドハンティングされたからと言って、相手(雇用先)を詳しく調べないまま、表面的な情報で転職することはとても危険です。

相手から与えられた情報をうのみにするのではなく、自分もヘッドハンティング先の情報を確認しましょう。具体的な転職条件や情報の信憑性について、話し合う準備をすることが大切です。

口コミや病院・施設の動きをチェックする

例えば、地域に密着した病院やクリニックであれば、最近の口コミをチェックしたり、スタッフの入れ替わりが頻繁にされていたりしないかを確認することが大切です。

場合によっては、看護師転職サイトなどを利用して、ヘッドハンティング先の情報を得ることもできるでしょう。

また、病院・クリニックの情報が知りたい場合で転職も検討している方は、看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)に登録を行い、院内情報を収集する方法もあります。

新規開業クリニックは不確定要素が大きいため要注意

新規開業のクリニックでは、人が集まらずに知り合い程度の看護師に声をかけてヘッドハンティングと称している場合もあります。

また、新規クリニックの場合、開業して1,2年はスタッフの給料を払うために、クリニックの院長自身が他の病院にバイトに行っていることも良くある話です。

さらに看護師の勤務時間を短縮して、給料を予定以下に抑えることもあります。

経営に影響を受けるリスクを負うことは必須

そのため、新規開業のクリニックからのヘッドハンティングは、クリニック経営の影響を受けることも念頭においておきましょう。ある程度リスクを負うことを覚悟し、転職の条件を確認しあうことが大切です。

また、新規開業の訪問看護ステーションなども同じことが言えるでしょう。

4.良くある質問

看護師のヘッドハンティングと引き抜きの違いを教えてください


看護師にとっては同じ意味に使われる場合が多いですが、以下の違いがあります。

引き抜き 病院やクリニック又は施設の他院からスカウトを受けて転職することを指します。
ヘッドハンティング 看護部長や師長クラス・管理職クラスの優秀な看護師人材を外部の病院・施設からスカウトし病院・施設・クリニックに迎え入れることを言います。

看護師としては、クリニックの院長や訪問看護ステーションなどの施設に声を掛けられることが多いようです。

ヘッドハンティングの話が来たら、退職の意思表示はいつするのが安全ですか?


原則として、退職の意思表示は「次の3点が揃ってから」が安全です。

  • 入職日・雇用形態・賃金・勤務時間・休日・試用期間などの条件が書面で確定している
  • 配属部署・役職・業務範囲・オンコールや夜勤の有無など、実務の範囲が明文化されている
  • 内定取り消しや条件変更が起きた場合の代替案(現職に残る/別候補を探す)が持てている

看護師の転職では、口頭の合意だけで退職を進めると、条件変更や入職時期の延期に巻き込まれやすくなります。現職の退職手続きは、就業規則の「退職申し出期限」も確認し、余裕を持って進めるのが基本です。

「内定」と「雇用契約」は同じですか?口約束でも大丈夫でしょうか?


同じではありません。一般的に「内定」は採用の意思表示であり、実際の労働条件は労働条件通知書や雇用契約書などで確定していきます。口約束だけだと、入職直前に条件の解釈がズレたり、担当者が変わって話が戻ったりするリスクがあります。

少なくとも、賃金(基本給・手当・固定残業の有無)、労働時間、休日、業務内容、配属、試用期間、更新条件(有期の場合)は、書面で受け取ってから判断することをおすすめします。

試用期間中に「役割が違う」と感じたら、どう対応すべきですか?


まずは感情論ではなく、「どの業務が当初説明と違うのか」を箇条書きにして整理し、面談の場で事実として共有するのが効果的です。看護師の場合、現場都合で役割が膨らみやすいため、早い段階で線引きをしないと、既成事実として固定されてしまうことがあります。

  • 当初説明と違う業務(例:外来中心のはずが病棟兼務、オンコール無しのはずが頻回など)
  • 発生頻度(毎日/週◯回/繁忙期のみ等)
  • 安全面の懸念(教育不足、体制不足、責任範囲が不明確など)

話し合いで改善されない場合は、院内の相談窓口や、外部の公的相談先(労働局の総合労働相談など)を使い、事実関係を整理したうえで次の判断に移ると、無用な消耗を避けられます。

引き抜きの連絡が「SNSのDM」だけです。詐欺やトラブルを見分けるポイントはありますか?


DMだけで話が進むケースは慎重になった方が安全です。実在する医療機関・法人の採用であれば、最終的に必ず「公式な連絡手段(法人メール、代表番号、書面)」に移行できます。次のような場合は注意が必要です。

  • 法人名・所在地・代表者名・事業実態が確認できない
  • 面談前に個人情報(免許証写真、口座、マイナンバー等)を求められる
  • 「今日中に返事」「今決めれば高待遇」など急かす
  • 条件が具体的でなく、質問すると話題を変える

不安がある場合は、相手の法人情報を公的な登記情報等で確認し、連絡先も公式サイトの代表番号経由で折り返すなど、経路を正規化してから話を進めるのが安全です。

管理職やリーダーでの引き抜きですが、責任範囲はどこまで確認すべきですか?


管理職・師長クラスの引き抜きは、給与条件よりも「責任範囲」と「裁量」のズレが失敗原因になりやすいです。特に、以下は事前に言語化して合意しておくと安全です。

  • 評価される成果指標(離職率、稼働、売上、教育体制など何を達成すべきか)
  • 人事権・配置・採用への関与範囲(決裁者は誰か)
  • トラブル時の責任分界(医師・事務長・経営側との線引き)
  • 権限に見合うリソース(人員、予算、研修、事務支援など)があるか

「肩書だけ管理職で、実務は増えるのに裁量がない」状態だと消耗します。役割と権限をセットで確認することが重要です。

紹介者(知人の医師や管理者)に遠慮して条件交渉しづらいです。角が立たない聞き方はありますか?


遠慮があるほど、後からの修正が難しくなりやすいので、最初に丁寧に確認する方が結果的に関係を壊しにくいです。聞き方のコツは、「自分の希望」ではなく「誤解防止」「安全確保」「継続勤務のため」を軸にすることです。

例としては、
「長く安定して働くために、事前に業務範囲と勤務条件だけは書面で確認させてください」
「医療安全の観点で、教育体制と責任範囲を整理してから決めたいです」
といった形で伝えると、相手にも合理的に受け取られやすくなります。

ヘッドハンティングで転職した場合、現職の退職で気をつけることはありますか?


看護師の退職は、感情的なもつれや引き継ぎ負担が起きやすいため、手続き面を淡々と進めるのが安全です。特に次の点は、後で揉めないための基本になります。

  • 就業規則の退職申し出期限を守る(書面提出が必要かも確認)
  • 有休の扱い(残日数、消化方法、買い取り不可の原則など)を事前に確認する
  • 引き継ぎ範囲を明確にし、無理な残業や曖昧な延長を避ける
  • 制服・名札・貸与物、書類返却などをチェックリスト化する

トラブルを避けるためにも、退職理由は過度に詳細を語らず、「一身上の都合」で統一する方が安全な場合もあります。

転職先から「今の職場には言わないで」と言われました。応じても大丈夫ですか?


慎重に判断してください。情報管理の配慮として言われる場合もありますが、過度な秘匿を求められるケースでは、手続き面で不利になることがあります。例えば、入職日調整や退職手続きが進められず、結果的にあなたの負担が増える可能性があります。

「いつまで」「何を」「誰に」言わないのかを具体化し、あなたの退職手続きに支障が出ない範囲かを確認しましょう。納得できない場合は、条件確定前に退職を進めない、書面での確認を優先するなど、順序でリスクを下げることができます。

どこに相談すればよいですか?トラブルになりそうで不安です。


不安がある場合は、まず「事実関係を整理できる相談先」を選ぶと気持ちが楽になります。看護師の転職は、労働条件・契約・ハラスメントなど論点が複数になりやすいので、相談先を使い分けるのが現実的です。

  • 労働条件・解雇・契約トラブル:都道府県労働局の総合労働相談
  • 医療安全や体制不安:院内の安全管理・看護部門の相談窓口(ある場合)
  • 転職判断の整理:看護師専門の転職エージェント(条件整理と交渉代行を依頼できる)

相談前に「いつ・誰が・何を言ったか」「提示条件」「不安点」をメモにまとめておくと、短時間でも具体的な助言を受けやすくなります。

5.まとめ

看護師をヘッドハンティングや引き抜きする行為が悪いことではなく、あなたにもたらすメリットもあります。

しかし、注意しなければならない点も多くあります。

特に、ヘッドハンティングや引き抜きで声をかけられ、給与や年収・待遇に納得したからといって現在の勤務先をすぐに退職してしまうことは辞めましょう。

また、ヘッドハンティングはお見合いです。

お互いを知ってもらい、将来の「あるべき姿」を共有しながら、まずは現実問題について話し会う姿勢を持つことが大切です。

そして、話し合った内容は、文書で取り交わすくらいの慎重さがある方が、ヘッドハンティングによる転職で失敗しないで済むはずです。

「ヘッドンティング」や「引き抜き」という心をくすぐる言葉の魅力と、相手への気兼ねや情に流されないことは心に留め置いてください。

監修者
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

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