看護方式の種類や特徴!看護師5名が感じたメリット・デメリット・体験談

看護方式の種類や特徴!看護師5名が感じたメリット・デメリット・体験談
画像:shutterstock

看護方式は、医療現場において効果的な看護を提供するために、看護師がどのような形態で活動するかを定める方法論のことです。

一般的に以下のような看護方式が存在します。

機能別看護方式 (検査・与薬・処置・注射などの)
係を決めてその日の業務を行う方式
受け持ち方式 1人の看護師が1人、または特定の患者を受け持つ方式
チームナーシング 看護リーダーの元、チームを作り看護を行う方式
プライマリーナーシング 1人の患者に1人の看護師が入院から退院まで看護する方式
モジュールナーシング
(モジュール型継続受持方式)
(1つの看護単位をいくつものモジュールに分割しながら)
モジュール内の継続受持方式を維持する方式
パートナーシップ・ナーシング・システム
(PNS)
看護師2名のペアが病棟内外の活動を1年間共にし、
患者をケアする看護方式

機能別看護方式、チームナーシング、プライマリーナーシング、モジュールナーシング、パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)を体験した看護師5名の意見をもとに、働いて感じたメリット・デメリットを説明していきます。

1.機能別看護方式

機能別看護方式

機能別看護方式の特徴は、看護処置の内容によって担当者を決め、看護業務を行うことです。

私が機能別看護方式の職場で働いた体験をもとに、感じたメリット・デメリットをご紹介していきます。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 神奈川県/29歳
  • 職務経験:総合病院、特別養護老人ホーム、クリニック、介護老人保健施設、デイサービス、健診センター、イベントナース、健康相談員
  • 診療科経験:脳外科、神経内科、内科、皮膚科、美容皮膚科、整形外科
3年間、総合病院での経験を経て転職。社会勉強として、様々な病院・施設で働いた経験があり、現在は派遣・パート看護師として活躍中。

 

(1)機能別看護方式の特徴

看護の提供方法 ・業務担当別に対応
看護の質 ・担当制のため質は高い
患者との関係性 ・担当が誰か分からなくなる
看護師の責任 ・担当した業務に関して責任は明確
・患者全体の責任の所在は不明確になる場合がある
コミュニケーション ・看護師同士のコミュニケーションは不足する傾向にある
学習や成長 ・担当の看護技術は向上する
必要な看護師数 ・必要とされる看護師は少なくてすむ

機能別看護方式は、例えば、

  • 検温と記録を担当する看護師
  • 採血や点滴を行う看護師
  • 検査や手術出しを担当する看護師
  • 清拭などのケアを担当する看護師

など、業務にごとに患者に関わることになり、機能別看護方式を用いることで、看護師として効率よく業務を回すことができることが特徴と言えます。

また、以下のような職場で機能別看護方式が利用される場合が多く、

  • キャリアラダーのような教育システムがない職場
  • 看護師やスタッフも少なく准看護師の割合が高い職場

などです。

人手不足や教育のばらつきが多い職場では、業務効率が良くなる、看護技術が向上する、好きな看護業務に没頭できるなど機能別看護方式を活かすことができます。

しかし、責任の所在が不明確になりやすいことや、患者・看護師双方の満足度が下がることなどもありました。

 

(2)働いて感じたメリット

患者に対するケアや看護技術が向上した

機能別看護方式では、点滴・注射業務に振り分けられると、責任をもってその業務を遂行する必要があり、一定の期間のその担当が続くため、看護技術が向上することがメリットに感じました。

また、新人看護師が配属された直後は、機能別看護方式を行っている病院も多いそうです。

ケアや処置を通して患者の身体の変化に気が付ける

チームのケア・処置係を担当する場合、患者の体の変化に気が付くことができ、悪化した際の対応が早くなる印象でした。

そのため、患者にとっても、手順がわかっている看護師が担当するため、苦痛も時間も軽くすることになりました。

担当の看護業務によっては楽に看護ができる

処置やケア担当になると、患者と触れ合う時間を楽しめるため、気を抜ぬいて業務にあたることができました。

これは、機能別看護方式ならではのメリットではないかと感じます。

 

(3)働いて感じたデメリット

責任の所在が不明になることが多い印象だった

機能別看護方式では、看護師に与えられた看護業務を時間ごとにひたすら行っているのですが、複数の看護師が入れ替わりケアや処置に関わるため、患者から見た場合には、「だれが自分を責任もって担当しているのか」が分かりにくくなることがありました。

患者へのコミュニケーションが不足する

機能別看護方式では、どうしても患者ひとりにかける時間が限られてしまいました。

患者の話をじっくりと聞きたくても、次の処置やケアに行かなければならないこともあり、患者にとっても、看護師にとっても、コミュニケーション不足となってしまいやすかったです。

看護師のチームワークが不足した

機能別看護方式の場合、チームで仕事をしていますが、私が勤務していた病院では担当のチームごとにコミュニケーションが十分に取れなかったため、仕事を振り分けにくい雰囲気となり、業務の助け合いなどは行いにくかった印象がありました。

また、コミュニケーション不足により、看護師の満足度が低くなるように感じました。

 

2.チームナーシング

チームナーシング

チームナーシングは、看護リーダーの元、チームを作り看護を行う方式です。

私が勤務していた病院では、1つの病棟を2つ以上のチームに分け、各チームのチームリーダーのもと、複数の看護師で構成され、チーム単位で一定数の患者を受け持ち、看護は常にチームで行い看護ケアを提供していました。(リーダーやメンバーは定期的に変わりました。)

私が体験したチームナーシングで働いて感じた看護師のメリット・デメリットを説明していきます。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 東京都/40歳
  • 職務経験:大学病院、クリニック、CRA(臨床開発モニター)
  • 診療科経験:整形外科、一般外科、ペインクリニック、内科、耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科、泌尿器科、小児科
都内の大学病院で約10年勤務し、管理職を経験。結婚・出産・子育てにより4年のブランクを経て、現在20年目の看護師としてパートでクリニックに勤務中。

(1)チームナーシングの特徴

看護の提供方法 ・看護ケアをチームで対応する
看護の質 ・一定水準の看護を提供できる
・多方面から患者にアプローチできる
患者との関係性 ・コミュニケーションが取れない場合がある
・患者は誰に相談して良いか分からない場合がある
看護師の責任 ・不安や負担が比較的少ない
・チームリーダーは高い能力と責任がある
コミュニケーション ・看護師同士のコミュニケーションを頻繁に取る必要がある
学習や成長 ・適宜指導やアドバイスを得られやすい
必要な看護師数 ・必要とされる看護師数が少なくてすむ場合が多い

1人の看護師の能力に依存しない看護方式のため、チームナーシングには常に一定水準以上の看護を提供できるメリットを感じました。

しかし、患者からは担当看護師が分かりにくい、チームリーダーにかかる負担や責任が大きいことなどがデメリットとして挙げられます。

 

(2)働いて感じたメリット

一定水準の看護を提供できた

私が勤務していた病院では、経験年数・能力・専門分野などが異なる看護師を、能力ごとに均等に各チームに配置していたため、看護師間に能力の差がある場合でも、一定水準の看護を24時間365日すべての患者に提供することができました。

また、患者に対して複数の看護師が関わることで患者さんに多方面からアプローチすることができるため、偏りのない看護ケアができたと感じます。

さらに、色々なタイプの看護師とチームで働くことで協同意欲が高まり、個々の成長に期待できます。

個人の不足している能力をチームで補うことができた

私が勤務した病院では、チーム内に必ずチームリーダーがおり、メンバーとなる看護師は、チームリーダーの指導・支持の下に業務を遂行しています。

そのため、看護師1人ではなくチームで看護を行うため、経験の浅い看護師などの不足している能力を、先輩看護師が補うことができていました。

また、経験豊富な看護師とチームで看護を行うことで、キャリアの浅い看護師や、新人看護師など適宜指導やアドバイスを得ることができていました。

 

(3)働いて感じたデメリット

患者から見て自分の担当者がわかりにくい

患者は、複数の看護師に担当されるため、誰が自分の担当看護師なのか分かりにくいことがありました。

そのため、自分の体調が悪い時などに、誰に相談すれば良いのか判断できない場合があり、患者にとっては自分だけの担当看護師はいないと認識されていました。

患者さんの小さな変化に気づきにくい

チームナーシングでは、看護師は複数の患者を担当するため、患者一人ひとりとのコミュニケーションがしっかり取れず、小さな変化に気付きにくいことがありました。

また、チーム全体で看護を行うため、チーム全体で情報を共有することが重要となり、看護師間で十分なコミュニケーションを取ることも大変でした。

チームリーダーに高い能力と責任が求められる

チームリーダーになる看護師は、チーム全体の状況を把握し効果的な仕事の割り振りを行うため、チームリーダーに課せられる責任や、求められる能力、負担が大きい印象でした。

 

3.プライマリーナーシング

プライマリーナーシング

プライマリーナーシングとは、一人の看護師が、一人の患者を入院から退院までの期間一貫して担当するという看護方式です。また、プライマリーナースとは、プライマリーナーシングを行っている看護師のことを指します。

私がプライマリーナーシングで働いた経験をもとに感じたメリット・デメリットについて説明していきます。

【執筆した看護師のプロフィール】

山村真子 看護師
山村 真子 看護師資格確認済み
  • 東京都/32歳
  • 病棟経験:大学病院、総合病院
  • その他施設:デイサービス、ツアーナース、イベントナース、特別養護老人ホーム、訪問入浴、外来(整形外科)、健診センター、有料老人ホーム
  • 診療科経験:脳神経科、循環器科、内分泌科、一般内科、血液内科、腎臓内科、老年精神科(療養型)
看護短大にて看護師資格を取得後、大学病院に1年、総合病院に7年勤務し、その後様々な分野を経験。現在は看護師ライターとして活躍中。

 

(1)プライマリーナーシングの特徴

看護の提供方法 ・1人の看護師が対応
看護の質 ・きめ細やかな看護が提供できる
・提供する看護の質が担当により変わる
・細かな変化に気付く
・タイムリーに対応できない場合がある
患者との関係性 ・信頼関係を築きやすい
・患者は安心感が得られやすい
看護師の責任 ・責任・負担が重い
・質の高いケアが求められる
コミュニケーション ・看護師同士で行う機会はあまり多くない
学習や成長 ・自らの学習が求められる場合が多い
必要な看護師数 ・看護師人員が数多く必要となる

私が勤務していた病院での、実際のプライマリーナーシング運用の流れは以下の通りです。

  1. 患者が入院する
  2. 看護師の担当(プライマリーナース)を決める(病院によって決め方は異なる)
  3. 患者に合った看護計画を立案する
  4. 担当患者の情報共有や意見交換
  5. 2~4を繰り返し退院後の生活も支援する

このような運用方法でプライマリーナーシングは進んでいきます。

担当の決め方は病院によりますが、

  • 入院の日に受け持ちをしていた看護師がそのまま担当になる場合
  • その時点で担当患者がいない看護師が担当になる場合
  • 教育担当者が、新人や現任看護師の教育目的で担当にする場合

などの方法で決めていきました。

担当患者が決まると、看護師は、患者に合った看護計画を立案します。

患者に合った看護計画を立案することで、担当看護師以外で受け持ちに当たった看護師も、患者の意思に合った看護を行うことができます。

また、日々の看護だけに留まらず、担当患者が、他職種や地域との連携が必要な状態になった時には、担当看護師が窓口となり、担当患者の情報共有や意見交換を行います。担当患者をより多角的方面から支え、入院中のみならず、退院後の生活も支援することができます。

 

(2)働いて感じたメリット

患者との間に信頼関係を築きやすい

プライマリーナーシングでは、一人の患者に対し、入院から退院まで一貫して同じ看護師が担当します。

そのため、患者からは安心感や信頼を得やすく、気持ちを打ち明けやすく、リラックスした気持ちで過ごすことができていたと思います。

また、私が勤務していた病院では、担当する頻度も多く、担当の自分が得た患者のニーズに対し、自分が直接看護として還元できていたと感じます。

質の高い看護を提供できる

プライマリーナーシングでは、看護師はより詳細な患者の情報を得ることができ、ニーズを把握することができます。ニーズを組み込んだ看護計画を立てていくことで、より細やかな、質の高い看護を行うことができました。

入院生活を継続していく上で、患者のニーズも変化していくため、その都度、看護師として対応していくことが可能でした。

看護師自身がやりがいを感じやすい

プライマリーナーシングでは、やりがいを感じる看護師も多い印象でした。

例えば、個別性に合った看護を提供していくことで、患者が回復していくのを近くで見ることができることや、退院していく姿を見ることができると、看護師も達成感を感じ、また頑張ろうという気持ちになっていました。

実際に、「あなたが担当看護師で良かった」や、「あなたのおかげでよくなったよ」と声をかけてもらえたことのある看護師も少なくありませんでした。

 

(3)働いて感じたデメリット

自分と合わない患者と長く付き合わなければならない

患者の中には、コミュニケーションが取りにくい場合や、クレームか多い患者の担当に当たることもあり、プライマリーナーシングでは自分と合わない患者でも長く付き合っていく必要がありました。

もちろん、全てを一人で抱え込まず、他の看護師に相談することやカンファレンスなどで他の看護師から意見を貰ったりしていましたが、ストレスを感じることがありました。

大事な時にいない看護師だと思われることがあった

プライマリーナーシングでは、担当看護師が休みや夜勤で、担当以外の人が受け持ちをするということも多々ありますが、そういう時に限って、急に医師からの病状説明が入ったり、患者の状態が悪化したりすることもありました。

そのような時に、「担当の看護師さんがこんな大事な時にいなくて困った」などと言われ、信頼が失われてしまう可能性がありました。

私は、「私はこの日まで不在で、次に来るのはこの日です。その時にお会いしましょう。」と、自分の勤務について患者に伝えておくようにしていました。

重症な患者の担当になると、責任感に押しつぶされそうになる

プライマリーナーシングでは、重症な患者の担当看護師をしなければならない時もありました。

病状を理解するだけでも一苦労であり、様々な治療を行っていると、患者の希望に沿った看護を行うのが難しくなり、無力感を感じてしまうこともありました。

ずっと重症な患者の担当をしていくことで、仕事以外の時間も考えてしまったり、責任感を必要以上に強く感じてしまったりもしました。

 

4.モジュールナーシング(モジュール型継続受持方式)

モジュールナーシング(モジュール型継続受持方式)

モジュールナーシング(モジュール型継続受持方式)は、プライマリーナーシングの変法の1つであり、看護師人数が少ない日本で開発された看護方式です。

イメージとしては、従来の1人の看護師が1人の患者を専属で担当するというプライマリーナーシングに、チームナーシングを組み合わせ、両方の良いところを取り入れた看護方式となります。

そのため、看護師が1つのチームとして患者のケアを行いながらも、それぞれの看護師が職務の範囲内で与えられた仕事を行います。

私がモジュールナーシングで働いた経験をもとに、働いて感じたメリット・デメリットをご紹介していきます。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 年齢/エリア:48歳/神奈川県
  • 資格:がん看護専門看護師、消化器内視鏡技師、心理相談員
  • 経歴:がん専門病院、総合病院、クリニック、総合病院、訪問診療クリニック
  • 経験がある診療科:消化器内科、腹部外科、透析室、内視鏡室、相談室、放射線治療室
看護師をして20年以上。外来・病棟・検査室・クリニックなど、様々な場所での業務を経験と実績があり、現在も現役看護師として活躍中。

 

(1)モジュールナーシングの特徴

看護の提供方法 ・病棟単位で看護ケアをチームで対応する
看護の質 ・一定水準の看護ケアを提供しやすい
・多方面から患者にアプローチできる
患者との関係性 ・患者は誰に相談して良いか分からない場合がある
看護師の責任 ・協同して看護するため責任は薄い
コミュニケーション ・看護師同士のチームワークが必要になる
学習や成長 ・適宜指導やアドバイスを得られやすい
必要な看護師数 ・必要とされる看護師数が少なくてすむ場合が多い

現在、多くの病院でモジュールナーシングが導入されており、モジュールナーシングでは、病室でチーム単位(モジュール)が固定され、担当看護師が複数で患者のケアを行うことが特徴的です。

私が働いていた病院では看護師の人数が限られる病棟の場合、患者が入院から退院まで1~2回しか担当しないことともありました。

そのため、「いつもとやり方が違う」「その話は看護師さんに伝えた」ということになりやすく、患者の不信感につながるため注意が必要でした。

一人の患者を受け持つ看護師として、どの情報が大切でどのようにケアを統一するかを明確に決めながら、チームメンバー全員が同じ看護を提供できるようにすることが大変でした。

 

(2)働いて感じたメリット

ケアの質が偏りにくくなる

モジュールナーシングは従来のプライマリーナーシングという看護方式と比べると、チームとして複数の看護師が1人の患者のケアに当たるため、看護師のスキルレベルによって患者のケアの質が偏りにくくなる印象でした。

また、複数の担当看護師がいるため、患者にとっては、数名の担当看護師の誰かに24時間いつでも相談できる環境で、安心感につながっていました。

看護師が協同して看護を提供できる

モジュールナーシングの場合、看護師が協同して知恵を出し合い、看護計画を立案することができ、1人で抱え込む負担が軽減していました。

また、看護師が協同する事で看護の視点が広がり、新しい技術を自分のものにする機会も増え、看護師1人に対するプレッシャーも少なくて済んでいました。

新人看護師にとっては、できる職務をこなしながら仕事を覚えられるイメージでした。

職場のチームワークが生まれやすい

モジュールナーシングでは、お互いのコミュニケーションを取りながら患者のケアするため、看護を通して職場のチームワークが生まれ、それが職場の雰囲気改善やコミュニケーションの活性化にもつながっていました。

また、私が勤務した病院では、看護師ひとりひとりが「自分が担当する患者」という意識があったため、病棟を訪問すると自分から患者の報告をしてくれており、患者の情報を得やすい印象でした。

ミスの予防にもつながっていた

モジュールナーシングでは、モジュール単位で患者のケアをするため、1つのケアに対しても何層ものチェック機能が働き、うっかりミスを予防できていました。

 

(3)働いて感じたデメリット

患者にとって担当は把握しにくい

モジュールナーシングの場合、患者にとっては誰が自分の担当なのか把握しにくくなるというデメリットがありました。

私の勤務していた病院では、患者が入院してきた時に担当する看護師チームが挨拶をするというわけではありませんし、今日はこの看護師がケアしてくれたけれど、明日は別の看護師など、日常茶飯事でした。

スタッフの実力が露呈しやすい

モジュールナーシングを行うことで、一つの仕事にかかる時間が明確になり、誰にどのぐらいの実力があるのかはっきりしてしまいます。

実力があまりない看護師にとっては働きにくい職場になってしまうことやストレスを感じてしまうこともありました。

担当看護師同士の意見の相違がある

私が勤務していた病院では、モジュールナーシングで場合によっては看護師間で意見が対立してしまうこともありました。

複数の看護師が患者を受け持つことで、患者と関わりたい気持ちが強い看護師にとっては、他の看護師が患者の問題を解決しようとすることに納得できない場合もありました。

チームメンバー全員が疲弊する場合があった

私が勤務していたモジュールナーシングの病棟では、診療科ごとのモジュールナーシングの場合もあり、心身共に重い科の患者を担当するチームや対応困難例を数名抱えたチームは、疲弊しやすいことがありました。

そのため、心身ともに重い科を担当する看護師から「次は他のチームに移動したい」という声が上がる場合もありました。

 

5.パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)

パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)

「パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)」は、福井大医学部付属病院が開発した新しい看護方式になります。

看護師2名がペアで患者をケアする仕組みとなり、ペアとなる2人の看護師は、自分にない技術や考え方をもつ2人で構成され、病棟内外の活動を1年間共にし、責任を共有する仕組みになります。

2人の看護師が一緒に動くことで、互いの良さを生かし、時には互いの足りない部分を補助し合いながら、安全で質の高い看護を提供します。

パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)の看護方式で働いた私の体験をもとに、働いて感じたメリット・デメリットを説明していきます。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 年齢/エリア:32歳/東京都
  • 経歴:小児専門病院、総合病院、市民病院
  • 経験がある診療科:NICU、小児科、脳神経外科
看護師資格取得後、小児専門病院、大手総合病院、一般病院、市民病院など、転職を繰り返しながら9年間勤務。現在は家族の転勤で台湾に在中。

 

(1)パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)の特徴

看護の提供方法 ・2名がペアで患者をケアする
看護の質 ・質の高い看護ケアを提供できる
・手分けしながら作業を分担できる
患者との関係性 ・信頼関係を築きやすい
・患者は安心感が得られやすい
看護師の責任 ・2人いるが責任・負担はチームに比べ重い
コミュニケーション ・コミュニケーションを頻繁に取る
学習や成長 ・適宜指導やアドバイスを得られる
・自らの学習が求められる
必要な看護師数 ・看護師人員が数多く必要になる

私が勤務していた病院では、基本的に通年パートナーを、それぞれの自薦他薦で決めていきました。

経験年数や異動の関係もあるため、パートナー毎に大きな力の差が出ないようにペアにし、パートナーがいない時は別のスタッフとペアを組んでいました。

例えば、先輩看護師と後輩看護師でペアを組んだ場合でも、先輩が後輩に対して威圧的な態度を取り、後輩を萎縮させてしまってはならず、後輩看護師も自分の意見をパートナーの先輩看護師に伝える必要がありました。

互いの意見を尊重しながら、コミュニケーションが円滑にいくように互いの心がけが必要でした。

 

(2)働いて感じたメリット

手分けをしながら仕事を進めることができる

パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)は、2人1組で動くため、ある程度手分けをしながら仕事を進めることができました。

例えば、1人看護師がバイタルサインを測定している横で、もう1人の看護師が、一緒に観察をしながら電子カルテへの記録を行うなどです。

私の病院での経験ですが、1人で受け持ちをしていた時は、朝30分以上前に来て、夕方は1〜2時間程残業をしていましたが、パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)になってから、朝は15分前に来て、残業は週に2回30分程に短縮されました。

迷った時にすぐに相談できる相手がいる

患者や家族の対応で困った時に、すぐに状況が分かる看護師に相談できるので安心して看護業務を行うことが出来ました。

特に、看護師1、2年目の方など経験の浅い人にとっては、傍に先輩看護師がいることで、背中を見て学ぶことができると思います。

(3)働いて感じたデメリット

慣れるまでは2人で一緒に動くことが煩わしく感じた

バイタルサインの測定や、点滴の投与など基本的に2人で回るので、自分が先輩、相手が経験年数の短い後輩だったりすると、後輩の動きを待つことになります。

1人で回った方が早いのにと思ってしまうこともありました。

また、勤務の長い看護師の場合、長年積み重ねてきた自分のやり方を変えるのは、とても大変なことであり、途中で、ペアと意見の違いなどで対立してしまうこともありました。

新人看護師の責任感が芽生えにくい

初期教育時からパートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)を導入した時は、新人看護師は常に先輩看護師と動いており、慣れないことや、難しい処置は先輩看護師に頼りがちになってしまいました。

新人看護師が、一つのことを自信持って行えるようになるまでに時間がかかったように感じました。

また、自己学習をしてくるというよりも、その場で先輩看護師に聞くというスタンスの新人看護師がおおかったようにも思います。ペアは組むけれど、あくまで一人前の看護師になる努力を怠らないよう伝えていく必要があると思いました。

 

6.最後に

どの看護方式が自分にとって働きやすいのか、実際に働かなければ分からない場合が多いと言えます。

理由としては、看護方式が同じでも病院によっては行い方が違う場合や、複数の看護方式を組み合わせて行っている場合があるからです。

しかし、様々な看護方式を経験した看護師の体験談をもとにすることで、自分自身が働いやすい看護方式も見えてきます。

自分が働きやすい看護方式に目星をつけながら、転職の際などは具体的に「どのような看護を提供しているのか」具体的に面接などで説明を受けることをお勧めします。

参考文献:看護方式の採用状況に関する調査

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更新:2019年9月17日

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