ACLSプロバイダーコースは難しい?取得方法と看護師の体験談

ACLSプロバイダーコースは難しい?取得方法と看護師の体験談
写真:shutterstock

救命救急関連病棟や集中治療に携わっている看護師なら、「患者急変にも対応できる救命処置の知識と技術を身に付けたい」と思うのではないでしょうか。

私は緊急時にベッドサイドで対応する先輩看護師に憧れ、資格を取得できるACLSプロバイダーコースを受講しました。

受講後は病状変化の判断や治療の予測をしながら自信を持って医師の隣で動くことができ、それまで自信がなかった私でもチームの一員として役立っていると感じることができました。また、急変時は真っ先にベッドサイドに行き、CPR(心肺蘇生法)を実行することができるようになり、それまで一瞬あった躊躇がなくなりました。

この資格を看護師が取得していると、医師や他スタッフからも一目置かれます。

「二次救命処置での基本知識と技術が一通りある」と認めてもらえ、また転職の際に救命や集中治療、急性期を希望している場合には経験年数よりも重視される場合もあり、有利だと言えます。

私が転職活動した面接では、「ACLS持っているのですね、急変時対応はバッチリですね」と実際に言ってもらった経験があります。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 年齢/エリア:40歳/神奈川県
  • 保有資格:看護師、ACLSプロバイダー
  • 経歴:大学病院、総合病院、訪問看護
  • 経験がある診療科:ICU、CCU(冠疾患治療室)
看護専門学校卒業後、大学病院の集中治療室(ICU・CCU)で8年間勤務。出産・育児休暇を経て復職後、在宅看護に携わりたいと考え転職。現在は友人が立ち上げた訪問看護ステーションで勤務中。

ここでは、看護師がACLSプロバイダーコースを受講し資格取得するまでの方法と、取得するメリットについて、私の体験談を交えながら、説明していきます。

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1.資格を取得するまでの流れ

資格を取得するまでの流れ

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まず、「ACLSプロバイダーコースについて」、資格を取得するまでの流れについて、私の経験からご紹介します。

 

(1)ACLSプロバイダーとは

引用:日本ACLS協会:コースの種類より

ACLSプロバイダーコースは、医師、看護師や救急救命士などを対象としたコースで、日本ACLS協会が認定しています。

ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)とは、アメリカ心臓協会(AHA:American Heart Association)が定めている二次救命処置であり、病院内外を問わず、患者の心肺蘇生において指揮あるいは参加する医療従事者に向けて考案されたものです。

分かりやすく解説

分かりやすく言うと、道端で倒れている人を発見したときに行う、応援要請から人工呼吸・胸骨圧迫(心臓マッサージ)・AEDなどの救命処置を一次救命処置といい、BLSプロバイダーコースで学びます。

その後、救急車で搬送されて病院の救命救急室で行われる薬剤投与や心停止の原因を判別した対応と管理、初期治療が二次救命処置です。

ACLSプロバイダーは、その二次救命処置の中でリーダーシップを取り、チームとして効率的に機能させることと自身のスキルを磨くことで、患者の治療の質を向上させることを目的に育成されています。

 

(2)資格取得条件

まず絶対条件として「AHAのBLSヘルスケアプロバイダーコースを履修していること」が挙げられています。

有効期限内の「BLSカード」を提示しなければならないため、BLSを受講又は更新後2年以内にACLSプロバイダーコースを受講する必要があります。

BLSもACLSも有効期限が2年間で更新制であるため、忘れないように連続して取得しておき、同時期に二つとも更新することがおすすめです。

テキストを事前購入し内容を理解しておく

また、ACLSプロバイダー資格取得の条件として

  • 質の高いCPR(胸骨圧迫・気道確保・人工呼吸)が行えること
  • ACLSプロバイダーマニュアル(事前に購入しておくAHAガイドラインのテキスト)に記載されている疾患ケースを理解していること
  • 疾患毎のACLS処置を理解していること

以上のことが求められます。つまり、テキストを事前購入し、内容を予習して理解しておくということです。

 

(3)ACLSプロバイダーコース受講の流れ

CLSプロバイダーコース受講の流れ

写真:shutterstock

BLSは1日コースですが、ACLSは2日間かけて朝から夕方まで15時間程度学びます

 

1日目のコース受講の流れ

1日目は、BLSの内容を再確認するための実技演習と、ACLSプロバイダーマニュアルに沿ったケースごとの座学です。以下がコースの流れです。

  • コース概要
  • BLS一次サーベイとACLS二次サーベイ
  • 効果的な蘇生チームダイナミクス
  • コアケース(患者ケアに関する10のコアシミュレーションケース)
    1.呼吸停止ケース
    2.CPRとAEDで治療するVFケース
    3.VF/無脈性VTケース
    4.無脈性電気活動(PEA)ケース
    5.心静止ケース
    6.急性冠症候群ケース
    7.徐脈ケース
    8.不安定な頻拍ケース
    9.安定している頻拍ケース
    10.急性期脳卒中ケース

上記のような各ケースの病態と、治療のアルゴリズム(評価と管理手順)を理解します。

テキストは分かりやすく書かれているのですが、ケースでのスタッフの対応ショートドラマを見るなど、VTRもあるため具体的なイメージができます

 

2日目のコース受講の流れ

2日目は、各ケースでの治療アルゴリズムを実践する実技演習と実技試験・筆記試験です。

実技演習では、各ケースでの治療場面が設定され、受講者が5〜6人のチームに分かれて、治療アルゴリズムの流れを経験します。

受講者は皆リーダーとスタッフを交代しながら役割を経験し、

  • この場面ではどのように判断して治療を選択するのか
  • 誰が何をすべきか
  • どう指示を出していくのか

という、リーダーとしてのスキルと救命チームスタッフとしてのスキルを一つ一つのケースで学びます。

そしていよいよ実技試験と筆記試験となります。

2.ACLSプロバイダーコースは難しいのか?

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ACLSプロバイダーコースは、救命病棟や集中治療の現場にいても2年目や3年目の看護師では難しい内容かもしれません。

チームリーダーや総リーダーなど、病棟全体の動きを把握しながら、救命処置や急変時の治療に参加するような立場を経験したとき、ようやくACLSのリーダーシップが理解できるでしょう。

また、看護師にとっては、各ケースの病態とアルゴリズムを理解するだけでも難しい内容です。その上、実技試験ではシミュレーションで刻々と変わる病状を判断しながら、その状態にふさわしい選択をして指示をしなければならず、考える力も必要です。

試験に合格するためには、

  • まずACLSプロバイダーマニュアルを事前によく予習しておく
  • 1日目の受講内容をその日のうちによく復習しておく
  • 2日目は実技演習をしながら何度も叩き込む

以上のことが重要です。

私が受講した際は全ての受講者が実技試験・筆記試験ともに合格していました。

 

(1)実技研修では緊張する

実技試験では自分がリーダーとなり、ランダムに与えられたケース(何が指定されるかは全員異なる)で周囲の受講者をスタッフと見立てて指示を出し治療を進めていきます。

その「判断」と「チームとしてのまとまり」などが評価されるのですが、とにかく緊張しているため、まずケースを理解し、制限時間内に正しい治療の進め方を実演するのも大変です。

私が受講した際インストラクターは、演習のときにスムーズにできなかった受講者には簡単なケースを出題しており、またチームの他の人達が「大丈夫、合っているよ」と伝えるように目配せして安心感を持たせてくれるなどしました。

 

(2)筆記試験は講義を聞いていれば難しくない

そして最後に筆記試験です。

4択問題が50問出題され、42問以上正答していれば合格、41問以下で当日1回のみ再試験となりますが、合格であれば即日認定カードが手渡されます。

(私が最初に受講したときは25問でしたが近年では設問数が増えています。合格ラインは変わらず84%です。)

筆記試験は、講義の中でポイントになる箇所を教えて貰え、だいたいそこから出題されていたため真面目に講義を聞いて復習していれば合格できるでしょう。

 

(3)夜勤明けでの受講は注意しよう

2日間かけての講義と実技演習があるため、頭も身体もクタクタになります。

私は胸骨圧迫の実技演習のため腕が筋肉痛になりました。

とても夜勤明けなどのスケジュールで受講すべきではありません。コースの料金も38,300円と高額であるため、「絶対に合格する!」という気持ちで臨むべきです。

 

3.資格を取得後、私が感じたメリット

資格を取得後、私が感じたメリット

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ACLSプロバイダーコースを受講し、資格取得となった後に、私が感じたメリットを2つご紹介します。

 

(1)臨床でスキルを活かすことができる

看護師がACLSプロバイダー資格を取得する直接的なメリットは、臨床でそのスキルが役に立つということでした。

実技演習でチーム医療をシミュレーションすることで、知識と経験があれば看護師でもチームの中心で対応できるのだ、と自信を持つことができます。

実際の場面ではもちろん医師の指示のもとで投薬や処置をしますが、その根拠や判断理由が理解でき、次の対応の予測ができるのとできないのとでは全く異なります。

近年では院内研修会で院内のACLSインストラクターが講習を実施することもあり、取得を推奨する病院も増えているそうです。また、冒頭でもお伝えしたように、転職に有利な印象をうけたこともメリットでした。

 

(2)同業界の人と知り合え、話が聞ける

日本ACLS協会のコースのインストラクターは様々な病院の救命救急現役医師であるため、余談で臨床の話を聞くことができます

受講者の中でも、他病院で働く研修医や看護師、救命救急士など同業界の人と知り合い話をする機会を持てることは、貴重な体験でした。

 

4.最後に

ACLSプロバイダーコースの資格は、救命救急病棟や集中治療での経験をある程度積み、リーダーなどでチーム全体を見る余裕が持てるようになった看護師や、救命処置のスキルアップを目指したい看護師には是非おすすめしたい資格です。

濃密な2日間で知識と技術が格段に向上し、自信を持って救急処置に参加できるようになるでしょう。

興味があったら、是非同僚や友達を誘って受講してみてはいかがでしょうか。


   
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更新:2019年3月20日
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