小児科外来で働く看護師の役割と仕事内容について

私が勤務していた病院の小児科外来は、受診に来る患者の数は1日に100人を超えることもありました。私にとって小児科外来というのはかなり大きな部署でした。

私の経験を元に、小児科外来で働く看護師の仕事内容・1日のスケジュール・必要なスキル、私が働いて感じたメリット・デメリットなどについてご紹介していきます。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 東京都/37歳
  • 保有資格:看護師、介護支援専門員
  • 職務経験:総合病院(病棟・外来勤務)、クリニック、特別養護老人ホーム、障害者福祉施設
  • 診療科経験:ICU、外科、形成外科、泌尿器科、小児科、内科、皮膚科、脳外科
人を助ける仕事に就きたいと考え、看護師資格を社会人になってから取得。病院では救命病棟から外来まで勤務する。現在は特別養護老人ホームと障害者施設で活躍中。
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1.看護師の役割

看護師の役割

写真:shutterstock

(小児科役割については、違う看護師の方に執筆いただいています。)

私は、総合病院の小児科外来に産休育休後より約2年働いていました。小児科病棟経験はありましたが、病棟と外来とは全く異なるため戸惑いも多かったのをよく覚えています。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 年齢/エリア:36歳/神奈川県
  • 経歴:大学病院、訪問入浴サービス
  • 経験がある診療科:小児内科・外科、整形外科、脳外科、耳鼻科、形成外科など
新卒で7年間大学病院に勤務し、その後、6年間違う大学病院に勤務。現在は非常勤看護師として活躍中。

私が実際に、小児科外来の看護師として担っていた「役割」について、体験から説明いたします。

 

(1)的確なトリアージの実施

子供は、症状をうまく伝えることが難しいため、客観的情報(バイタルサイン、呼吸音、検査データ、レントゲン写真など)を正しく拾い、さらに家族からの情報も含めアセスメントを行い、患者の診察の順番を配慮することも小児科外来看護師の役割になります。

小児科外来には、自分の症状をうまく伝えられずに外来へやってきている患児も多いです。そのため、外来到着時、どの程度の症状で来院しているのかを、看護師がまずチェックし、トリアージをしなくてはなりません。

この時のトリアージを誤ってしまうことで、外来の待合室で急変が起きたり、体調の悪化が進んでしまったりすることもよくあります。

看護師の「五感」を働かせる必要がある

また、体重が少なすぎる子供や、身長が低めの子供など、少し栄養に問題がありそうな場合や、待合で待っている時の親の様子でなにか気になることがあった場合には、「なにかおかしい」と看護師の五感を働かせる必要があります。

 

(2)家族から情報収集

先にも少し述べましたが、家族からいつ頃からどんな症状があったのかなど聴取し、患児の様子と照らし合わせアセスメントすることが小児科外来では必須となります。

外来は、とにかくたくさんの患児が訪れます。そのため、入院患者と話すような感覚でいると追いつきません。しかし、小児科外来に訪れる保護者は、こちらの聞いたこと以上に話して来ます。

この情報を、うまく聞き分け重要なポイントを絞り込むことが、求められます。

 

(3)医師と連携

これは外来全般に言えることですが、小児科外来は医師との連携も、看護師の重要な役割です。

例えば、先に述べたような待合室で待っている子供の異変(情報収集時、身体にアザが見えた・予防接種や健診が未実施など)に気がついた際にも、医師へ伝え虐待の早期発見につなげることになります。

 

(4)プレパレーションの実施

プレパレーションの実施

写真:shutterstock

特に、採血・注射・点滴挿入など痛みがともなうものに関しては、安全に行う必要があるため、言葉でわかる子供に対しては「プレパレーション」をしっかり行うことも外来看護師の役割になります。

また、保護者にとっても自分の子供が何をされるのかわからないまま、待合で待っているのは不安を強くするため、必ず保護者にも説明をし、同意を得てから行っています

【捕捉説明】プレパレーションとは?

プレパレーションとは、不安・緊張・恐怖心などを最小限に抑えるためのケアのことです。

このケアには、

  • 患児・家族に正しい情報を伝えること
  • 子供の感情表出を助けること

などが含まれます。

 

(5)小児科病棟との情報交換

小児科病棟との情報交換

写真:shutterstock

小児科外来には、喘息や先天性の疾患などが原因で、普段から繰り返し入退院している患児も多いです。

そのため、小児科外来と小児科病棟ではこういった患児の情報交換を定期的に行っています。

また、病棟で変更された取り決め(シーネの固定方法や、点滴の刺入部固定の方法など)なども外来で周知できるよう、情報交換をしています。

 

2.看護師の仕事内容

小児科外来で働く看護師の仕事内容

写真:shutterstock

小児科外来で働く看護師の主な仕事は、「診療の補助」となります。

順番通りに患者を診察室に案内し、聴診の際は嫌がって泣いてしまう子供を抑えることや、声をかけたりします。

また、診察中は医師から指示された物品を渡すことも看護師の役目です。診察後には患者が分からないこと・不安に思っていることがある場合には説明をします。

他にも、小児科外来で働く看護師の仕事内容を以下にご紹介いたします。

 

(1)注射・点滴の準備・抜針

小児科外来で働く看護師は、予防接種などの注射の準備・点滴の準備・医師が針を刺した後の処置(抜針まで)を行います。

基本的には医者が診察をした後に医者自身が注射を行いますが、病院によっては看護師が行います。

 

(2)検査・処置の説明・補助

レントゲン・心電図・脳波の検査を行う場合、説明書を用いて説明し、検査室に行くように伝えます。場合によっては検査室まで案内することもあります。

また、怪我などで処置が必要な患児について、どのような処置を行うか説明し、処置中は親に診察室の外で待っていてもらうように声掛けを行います。

病状が悪く入院の必要がある場合、入院手続きの説明を行います。手続きが終了したら病棟へ連れていき、病棟看護師と申し送りを行います。

 

(3)1日のスケジュール例

1日のスケジュール例

写真:shutterstock

私が勤務していた小児科外来では、以下のようなスケジュールで働いていました。

8時半 外来全体の申し送り
8時45分 外来の診療準備
9時 診療開始
12時 午前中の診療終了
12時~13時 休憩
13時 ・午後の専門外来開始
・予約外の対応
16時半 午後の診療終了
17時 ・外来の片付け
・明日の診察の準備など
17時半 勤務終了

このスケジュールだけ見ると他の外来と流れは変わらないのですが、小児科外来は午前も午後も患者数が多いです。

それに、午後は専門外来である場合や、予約外を救急外来で受けず外来で受けることが多いため、1日中患者が途切れることがありません。

 

(4)仕事で求められたスキル

小児科では、生まれたての新生児から幼少期、青年期と幅広く関わらなくてはなりません。年齢によってそれぞれの関わり方があるため、看護師はそれらをしっかり理解しておかなければなりません。

そのため、小児科外来で働く看護師は新生児~青年期までの過程を理解しているスキルが求められ、小児科外来では親が同伴するため、様々な年代の親に対しての対応がうまくできるスキルも求められました。

子供以上に親の対応は難しく、ベストな関わり方を個人ごとに見つけるスキルが必要でした。

 

3.小児科外来で働いて私が感じたこと

小児科外来で働いて私が感じたこと

写真:shutterstock

小児科外来で働いて私が感じたメリット・デメリットを説明していきます。

(1)幅広い病気や疾患の知識を習得できた

小児科外来で感じたメリットは、新生児から青年期までの幅広い病気や疾患の知識を習得できたことです。

様々な年齢の子供と関わるため、その年代に合った状態を把握することができることは、スキルアップに繋がり、学ぶことは大変ですが、その分やりがいがある診療科であると言えます。

 

(2)子供の扱いがうまくなった

子供の扱いがうまくなった

写真:shutterstock

小児科外来で働くと毎日子供と接するため、具合が悪く機嫌が悪い子供に対してもうまく接することができるようになるなど、子供に対する扱いがうまくなりました。

働くうちに、自然と子供との関わり方を年齢によってうまく使いこなせるようになりました。

また、喘息や先天性の疾患などで定期的に受診が必要な子供や親とは何度も顔を合わせるため、自然と仲良くなり信頼関係を築くことができます。

何度も顔を合わせることで患児の通常の状態がわかるため、具合が悪いときなどのアドバイスを行いやすくなり、親を安心させてあげられることができます。

 

(3)他の外来に比べてとても忙しかった

私が勤務していた小児科外来は、午前も午後も患者が受診に来るので休む暇がありませんでした。

小児科外来では、点滴や吸入などの処置が多いため、看護師の人数が少ない場合、常に急いで動き対応しなくてはならなくなります。

また、診察が長引いてしまうと診療時間内に終わらない時もあり、残業することもありました。私の勤務していた小児科外来は大型連休や年末年始も行っていたため、休むことが出来ず、ローテーションで出勤していました。

 

(4)親の対応が難しかった

治療中に子供が大泣きしていると「なんでこんなに泣いているの?対応が悪いからだ。」と苦情を言う親もいました。

治療のために必要だと説明しても理解してくれない親もいるので対応が難しかったです。

 

4.最後に

大人になると小さい子供と関われる機会は少なくなりますが、小児科で勤めると小さい子供と関われる機会ができ、子供が好きな看護師にはとてもやりがいの持てる仕事になると思います。

私は、子供が元気になって「ありがとう」と言ってくれる時は、本当にうれしい気持ちになり、元気をもらうこともできます。

しかし、子供から元気をもらえる反面、子供の急変時の姿を見るのはとても辛いです。

また、子供の急変時は親も気が動転してしまうため、親の対応もしながら急変児の対応もしなくてはならないという最悪な状況になる時もあります。

このような小児科の特徴を把握した上で、転職に挑んでもらえたら幸いです。この記事が少しでも、小児科外来で働こうと思っている看護師にお役に立てると嬉しいです。


   
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更新:2019年3月20日
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