漢方専門外来で働く看護師の業務内容と体験談

漢方専門外来で働く看護師の業務内容と体験談
画像:shutterstock

近年、日本のみならず海外でも「漢方外来」「東洋医学科」「和漢診療科」などの標榜で中国の伝承医学を起源とした診療をもとに、東洋医学に基づく漢方治療を専門に行う病院やクリニック(診療所)が増えてきました。

私も個人的に東洋医学に興味があり、学んでみたいと思ったのがきっかけで、漢方専門外来を扱うクリニックで業務を行った経験があります。

その経験を元に、注目を集めている漢方専門外来で看護師として働くうえで必要になるスキルや一般外来との違いについてご説明していきます。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 東京都/36歳
  • 職務経験:総合病院(急性期)、クリニック、介護保険施設、老人ホーム、デイサービス、コールセンター
  • 診療科経験:脳神経外科、脳神経内科、漢方専門外来
青森県生まれで、介護保険施設へて、総合病院に勤務。現在は看護師として一般企業のコールセンターに勤務しながらデイサービス活躍中。
看護師転職サイトランキング

1.東洋医学と西洋医学の違い

東洋医学と西洋医学の違い

画像:shutterstock

東洋医学と西洋医学の主な違いは以下の通りです。

  • 東洋医学:医師が「診る」「触る」といった診察を重視
  • 西洋医学:一般的に血液検査や画像検査で病気を確定

このように、東洋医学では検査で異常がなくても何らかの不調があれば治療の対象となります。

東洋医学の治療を専門とし、漢方薬による治療を主に行う医師を漢方医とも呼びます。

 

東洋医学が得意なのは異常が見つからない症状

「なんとなく調子が悪い、身体が冷える、でも検査しても異常がみつからない」など、原因不明の症状で悩んでいる患者はかなり多いのではないでしょうか。

症状は患者にもよりますが、日常生活が困難になるような辛い症状が出る場合も少なからずあります。

藁(わら)にもすがる思いで一般病院の医師に受診しても「血液検査では異常ありません」「治療法はありません」と、あっさりと言われてしまう事もよくあり、このような患者が度々、漢方専門外来に相談に来ます。

一般的に西洋医学では異常が見つからない症状に対する治療には限界があり、東洋医学が得意とする分野になります。

西洋医学に見放されたと訴える患者が多い

よく患者から「3時間も外来を待ったのに診察時間が3分だった」との話を聞きますが、一般的に漢方医は上記にあるように診察に30分ほど時間をかけてじっくり患者の辛い症状に耳を傾けながら観察します。

漢方専門外来では、西洋医学では治す事が難しい「冷え性」「アレルギー疾患」など体質的が原因とされる慢性的な症状を持つ方が多くみられます。

漢方医は西洋医学に見捨てられた患者にも寄り添いじっくりと話を聞くところからスタートします。

 

2.漢方専門外来が行う診察や治療とは

漢方専門外来が行う診察や治療とは

画像:shutterstock

漢方専門外来の医師が行う診察の仕方は、主に以下の4つに分かれ、四診(ししん)とも呼ばれます。

  • 望診(視覚によって情報を得る)
  • 聞診(聴覚と嗅覚によって情報を得る)
  • 問診(質問をする)
  • 切診(実際に体に触れる)

(さらに詳しくは、武田製薬の四診を確認してください。)

望診は体格を観察するほか、顔色や皮膚、舌の色や形、苔の付き方まで観察する(舌診)もあります。切診には脈に触れる(脈診)、お腹に触れる(腹心)があり、聞診は患者の臭いや声などを診ます。

漢方専門外来の医師が行う問診は、患者自身が最も強く訴える症状だけではなく、食事・睡眠・尿や便・月経や精神状態など、さまざまな症状がないか詳しく聞いて確認します。

 

患者に合った漢方薬を処方

患者に合った漢方薬を処方

画像:shutterstock

漢方医は五感を駆使し、詳細に患者の情報を収集し、患者の体質や病態を示す「証」を見極めて治療法を選択して行きます。

治療は生薬を原料にしてつくられた漢方薬による治療法です。

漢方薬には、

  • 「煎じ薬」:生薬を煮出す
  • 「エキス製剤」:生薬から抽出さたもの

などがあります。

エキス製材は煎じる手間が省け、飲みやすいため広く使われる薬であり、健康保険適応の漢方薬も沢山あります

ポイント!

大学病院や総合病院でも、漢方専門外来を扱う病院も増えてきました。病院・クリニックも含め、漢方専門医の多くが中医学を学んだ日本の内科医師が主にその中心となり活躍しています。

 

3.看護師の業務内容や看護スキル

看護師の業務内容や看護スキル

画像:shutterstock

漢方専門外来で働く看護師の業務内容は主に、

  • 漢方薬の煎じ方や服薬方法のアドバイス
  • 東洋医学的な日常生活の過ごし方を患者にアドバイス

などを行うことがメインの仕事となります。

また、漢方専門外来では、点滴・注射・ケガの処置など病院やクリニックで必要とする看護のスキルは必要とされませんでした。

漢方専門外来で働く看護師の業務内容や、必要な看護スキルに関して、私が勤務した体験談を元に説明していきます。

 

(1)健康管理を学び患者へアドバイスする

漢方専門外来で働く看護師は、患者の健康管理についても学ぶ必要があり、業務内容の1つです。

例えば、冷え性の方には身体をあたためる食品や、逆に冷やす食品についてのアドバイスすることや、自律神経の乱れを整える方法として患者の生活習慣の見直しのために必要な方法を具体的に看護師がアドバイスするためです。

漢方専門外来に勤務してから学んだことですが、看護師として働く場合は必要になります。

 

(2)診察介助は介護が必要な場合のみ

漢方専門外来での診察は、医師が単独で行うため、看護師の付き添いは不要の場合が多いといえます。(勤務するクリニックにより多少異なります。)

しかし、患者の中には介護が必要な方もおり、看護師は診察台に誘導することや、診察前の説明をしながら診療の補助を行う場合もあります。

 

(3)看護師の医療行為は採血となる

看護師の医療行為は採血となる

画像:shutterstock

漢方専門外来で行う看護師の医療行為は採血程度となります。

採血は、患者に必ず行うものではなく、西洋医学での治療を優先すべきだと判断された患者に行い、漢方治療を行うべきか判断します。

その際の採血を看護師が担当します。

補足説明

漢方医も、患者や症状によっては、西洋医学の治療を優先的に行った方が良いのではないかと判断に悩みながら仕事をしていると言っていました。

実際に、まず西洋医学を優先すべき患者が来院する割合も多い印象でした。

 

4.最後に

漢方専門外来で働く看護師の役割は一般の外来勤務と異なり漢方薬の服用の仕方や日常生活の過ごし方のアドバイスを中心とし、その人が本来持つ自然治癒を最大限引き出そうとする事をお手伝いします。

まだまだ、漢方専門外来の看護師求人は多くないのかもしれませんが、東洋医学に興味をもち勤務してみたいと思う方は、漢方専門外来を持つ病院やクリニックを見つけてみてください。

漢方専門外来で働いていた友人(看護師)は、東洋医学に興味を持ち、鍼灸師になりたいと専門学校に進学し、鍼灸師の国家資格を取得した友人(看護師)が3人もおります。

鍼灸師

画像:shutterstock

東洋医学の勉強していくうちに、「なるほど!」と思える事も多く、実際に今まで西洋医学の治療を何年も行ってもよくならなかった患者が、驚くほど元気になる事も珍しくありません。

そのため、東洋医学に興味を持ち、学んで行く中で、その道を究めようとする看護師も増えつつあるようです。

私は、自分自身や家族の健康を保つ上でも、東洋医学を扱う漢方専門外来で学んでおいて良かったと感じます。


   
この記事はお役に立ちましたか?

看護師転職サイトを口コミでランキング

看護師転職サイトを口コミでランキングTOP3
更新:2019年6月16日
看護師転職サイトランキング

ランキング1位看護のお仕事
全国対応・求人12万件
4.04
[口コミ27件]

看護のお仕事口コミへ
ランキング2位ナースではたらこ
全国対応・コンサル高
4.0
[口コミ28件]

ナースではたらこ口コミへ
ランキング3位マイナビ看護師
全国対応・担当者質高
3.7
[口コミ27件]

マイナビ看護師口コミへ