看護師から産業保健師になるには?仕事内容と体験談

看護師から産業保健師になるには?仕事内容と体験談
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産業保健師とは、保健師資格保有者が民間企業で働くことを言い、企業に所属する従業員が健康を維持しながら働き続けられるよう、主に一次予防対策を行います。

看護師として産業保健師に転職を行った体験談を参考に、「看護師から保健師になるには」「仕事内容」などを説明していきます。

産業保健師を目指す方は、是非確認してください。

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1.看護師から産業保健師になるには

看護師から産業保健師になるためには、「保健師資格を保有しているか」「資格を保有していないか」で多少変わります。

看護師から産業保健師になるには

以上のような通常の看護師転職と変わらないステップになり、看護師資格や保健師資格を保有している場合「求人を探すこと」が一番のハードルとなります。

以下で詳しく説明していきます。

 

(1)転職に看護師資格と保健師資格は必要?

転職に看護師資格と保健師資格は必要?

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採用する企業によって異なりますが、産業保健師の応募資格は以下の2パターンがあり、

  • 要:看護師資格のみ
  • 要:看護師資格と保健師資格

となります。

看護師資格のみを保有している方は、保健師の資格を取得しなくても産業保健師になることが可能です。

しかし、産業保健師の応募資格に保健師資格が必要な場合応募が出来ないため、「看護師資格のみ」を条件にしている求人を探す必要があります。

さらに、産業保健師求人は看護師や保健師にとって好条件のため、なかなか募集されませんし、募集要項はOKでも、保健師資格を持っていないからといって面接で落ちる可能性もあります。

どうしても産業保健師として働き続けたい方は、保健師資格を取得することをおすすめします。

 

(2)臨床経験があったほうが良い?

臨床経験があったほうが良い?

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こちらも採用する企業によって異なりますが、転職する場合は臨床経験または看護師として働いた経験があったほうが良いでしょう。

募集要項に、「経験3年以上・2年以上」と記載されている場合もありますが、記載がない場合でも転職のため「今までどのような実績を積んできたのか」という確認は面接で必ずされるためです。

(中には新卒看護師でも募集を行っている場合があります。)

そのため、産業保健師を目指すのであれば、看護師経験、もしくは臨床経験があったほうが良いでしょう。

仕事の中で臨床経験が役に立つ場面は存在しますが、さほど必要なく、保健師の経験や今までの職歴を見られると考えておきましょう。

 

産業保健師は未経験でも可能

産業保健師は、企業によって仕事が未経験でも採用されることがあります。

以下に記載している「看護師から産業保健師に転職した理由(2名の体験談)」でも2人とも産業保健師未経験です。

しかし、企業によっては実務経験を求められる場合があり、さらに人気がある求人であれば実務経験者を選ぶ傾向にあります。実務経験が必要な場合は、以下の内容を参照してください。

 

(3)産業保健師求人の探し方(体験談)

産業保健師求人の探し方(体験談)

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先ほどご説明したように、看護師から産業保健師になるために、一番苦労することは産業保健師求人を探すことです。

産業保健師求人は、基本的に看護師転職サイト、または一般の転職サイトと合わせハローワークと併用することが一番おすすめです。

実際に看護師から産業保健師へ転職した方の求人の探し方を確認してみましょう。

【保健師資格保有】Aさん:東京都/33歳/看護歴11年

看護師 体験談今までの転職も紹介会社に紹介してもらっていたので、同じように紹介会社に依頼することにしました。

1つの紹介会社にしか求人依頼をしていない企業も多く、求人倍率が高いので、エントリーできる数を多くするために複数の紹介会社に登録しました

紹介会社の担当者から、産業保健師の求人があると連絡をもらったり、ホームページの求人から自分でエントリーしたりして、

以上の5つの紹介会社を通じて転職活動を行いました。

結果的に、現在は「看護のお仕事」に紹介していただいた企業で働いています。

私は転職会社に登録してからも、毎日ホームページを見て新しい求人が出ていないか確認していました。

【看護師資格のみ】Bさん:神奈川県/40歳/看護歴19年目

看護師 体験談「産業保健」の分野は、保健師の求人が多く看護師のみの資格では、応募できる求人に限りがありました

また、求人情報が少ないため、情報収集に苦労しました。

インターネットからの情報収集に加え「産業保健セミナー」へも参加し、生の情報を入手しながら転職活動も進めました。

さらに、看護師転職サイトの担当者からお聞きしましたが、「産業保健師」の分野は非公開求人(インターネットで公開募集されない求人)の場合が多く、複数の転職サイトにも登録しました。

私は看護師転職サイト、

の3つを利用し、ハローワークでも求人を検索しました。

最終的には、相性が良かった1社とやり取りを行い、面接・履歴書・職務経歴書などの企業向けのアドバイスをもらい、実際に仕事をスタートすることが出来ました。

 

(4)産業保健師の経験を積みたい場合

産業保健師の経験を積みたい場合

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企業(転職する地域)によって募集要項に産業保健師としての経験が必要な場合があります

また、産業保健師の仕事を実際に体験したみたいと考える方もいると思います。

その場合、派遣を行っている看護師転職サイトを利用して、産業保健師の派遣として3ヶ月程度働きましょう

派遣で実績を積みたい場合や仕事を実際に体験したい場合は、「看護師転職サイトはMCナースネット」がおすすめです。

以前に当サイトでインタビューを行った際に、派遣で働いた経験も、産業保健師としての経験になり、未経験でも派遣の仕事は紹介することが出来ると言われていました。

是非未経験で実績を積みたい看護師の方は利用してみてください。

 

(6)産業保健師と企業看護師の違いついて

産業保健師と企業看護師の違い

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先ほど説明したように、産業保健師は民間企業に勤務し従業員に対してのサポートを行います。

企業看護師は、産業保健師同様の仕事をする場合もありますが、幅が広く看護師資格保有者が民間企業で働くことを言います。

例えば転職支援会社や、メディカルライターなどの仕事で企業に勤めた場合でも企業看護師となります。

企業看護師でも「企業の健康管理業務」が仕事の場合は、産業保健師と同じ仕事となります。

 

2.産業保健師の仕事内容(例)

産業保健師の仕事内容

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産業保健師の仕事内容は幅広く、所属する企業によっても変わります

1日のスケジュール例としては以下の通りです。

8:30 ・出勤
・ショートミーティング(1日の予定を確認)
・メール確認や返信、面談調整など
10:00 ・部署訪問、健康講話
11:00 ・メール確認や記録
13:00 ・産業医との面談を同席
14:00 ・メール確認や記録
15:00 ・産業医との面談を同席
16:00 ・記録、翌日の面談準備
17:30 ・退社

健康講話は、申し込みのあった部署へ出向きテーマに沿って話をしていきます。

例として体験談を含めながら産業保健師の仕事内容の詳細を説明していきます。

 

(1)健康診断

健康診断

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産業保健師が採用されているような大企業では、一般的に1年に1~2回職員健康診断を行います。

企業の中で特設会場を設置し健康診断が行われることもあれば、会社の近くにある健診センターで行う場合もありますが、いずれにしてもこれらの手配は全て産業保健師が行う仕事になります。

 

看護師の体験談

私が勤務している企業では、自社で健診を行っていたため、

  • 健診のスケジュール管理
  • 問診対応
  • 健診後の判定業務(産業医)のサポート
  • 結果の発送
  • その後の受診確認
  • 受診勧奨

まで、一連の流れを産業保健師が管理しています。

また、必要に応じて対象者には、保健指導を行い、病気の予防にも努めています。

 

(2)従業員のストレスチェック

従業員のストレスチェック

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2015年の改正労働安全衛生法施行に伴い、産業保健師の仕事の1つに「ストレスチェック」が加わりました。

従業員50人以上の企業においては、ストレスチェックの実施が義務化されています。

ストレスチェックの流れとしては、

  1. ストレスチェックシートを全授業員に配布
  2. 産業保健師が結果を集計
  3. ハイリスク者をあぶりだし、産業医面接に繋げる
  4. 従業員の傾向を把握し、職場環境改善に繋げる

ストレスチェックはまだ導入されたばかりであり、どこの企業の産業保健師も手探り状態で運営しています。

 

看護師の体験談

私が勤務していた企業は、ストレスチェックなどは年間のスケジュールで決められていました。

そのため、健康診断やストレスチェックなどを行う時は、産業保健師の繁忙期となっていました。

 

(3)健康問題を抱える従業員との個人面接

健康問題を抱える従業員との個人面接

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産業保健師は、身体の悩みや心の悩みを抱える従業員の個人面接も行います。

当事者の従業員が直接、面接に来ることもありますし、健診の結果を見て産業保健師から声をかけることもあります

また管理職から、部下との面接を依頼されることもあります。これらの情報は、産業医らと共有され、状況に応じて産業医面接に繋げていきます。

 

体調不良者や怪我をした従業員の看護も行います

勤務中に怪我をした人の手当て、体調不良になった人の看護など、学校の保健室でやっているような業務に近い部分があります。

 

(4)産業医との連携

産業医との連携

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産業医は外部の医師が多いため、従業員のスケジュール管理も産業保健師の仕事の1つとなります。

 

看護師の体験談

産業医面談へ同席は、看護師として書類系のサポートや窓口調整としての役割を担っていました。

外来診察の介助については、スタッフ間で協力し、空いている産業保健師が対応していました。

また、産業医が社内を巡視する(年1回)同行も行っていました。

 

(5)健康教室の開催

健康教室の開催

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産業保健師の腕の見せ所が「健康教室」によるポピュレーションアプローチです。

ポピュレーションアプローチ:多くの人々が少しずつリスクを 軽減することで、集団全体としては多大な恩恵をもたらす事に注目し、集団全体をよい方向にシフトさせること。(国立保険医療科学院より

エビデンスに基づいた企画の提案を行い、予算を通し、当日できるだけ多くの従業員に来ていただくよう工夫するなど、かなり労力が伴う仕事の1つです。

健康教室の題材例としては、

  • 始業前体操キャンペーン
  • 肩スッキリ教室
  • 健康生活月間 スッキリ睡眠コース
  • 外国人労働者向けの健康講和
  • アドラー心理学を活かした新入社員健康教育
  • 自分の肺年齢を調べてみよう

などです。

ただ一方的に産業保健師が話すだけでは受講者もつまらなくなってしまうため、どのように参加者を巻き込み、どこで笑いをとるかなどを緻密に考えていく必要があります。

 

(6)その他の仕事

その他の仕事

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会社によって様々ですが、会社の事務と兼任している場合があるので、事務などが仕事内容となる場合もあります

また、日々のメール対応や「健康便りの作成、健康講話の準備」などの書類作成といった雑務を行う必要があり、会社としてイベントがある場合などは「イベント時の救護対応」も産業保健師の仕事です。

 

3.転職理由と実際に働いて感じたやりがい

転職理由と実際に働いて感じたやりがい

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看護師として働いていた方が、産業保健師に転職した理由とその後、働いて感じた「やりがい」を確認してみましょう

2名とも対照的な理由ですが、多くの看護師の方が産業保健師になった理由ややりがいに該当しています。

 

【33歳・東京都】土日休みのオフィスで働きたい

  • 年齢/看護歴:33歳/看護歴11年目
  • エリア:東京都
  • 以前の職場:総合病院(神経内科病棟)

看護師 体験談私は病院で看護師として働いており、特に神経内科病棟に長く勤務していました。年齢と共に、徐々に夜勤をすることが辛くなっていき、神経内科という終わりがない慢性期の患者の看護に限界を感じてきていました。

また結婚を機に、家族と予定を合わせたいと思い土日休みになりたいと考えるようになり、そのため今後は長く働ける日勤だけの勤務に転職しようと思い、転職活動を始めました

もともとOLのように都心やオフィスのような場所で働きたいと思っており、産業保健師は企業で働くことができるため、自分の条件に合うと思いました。

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特定保健指導で改善に成功した時にやりがいを感じている

特定保健指導を行った結果、対象者の方が、検査データの改善が見られたり、減量に成功されたりした時は、産業保健師として結構嬉しいものです。

ただ、病院の看護師に比べて、産業保健師は人から感謝される機会が圧倒的に少ないので、それは予め覚悟しておいた方がいいと思います。

企業によっては産業保健師が、社員へ向けて健康講話を行ったり、職場を巡回したりするところもありますが、どこの企業にいっても、産業保健師の役割が「社員の健康管理」であることには違いありません。

 

【40歳・神奈川県】働く人の健康をサポートする仕事に魅力を感じた

  • 年齢/看護歴:40歳/19年目
  • エリア:神奈川県
  • 以前の職場:総合病院(377床)

看護師 体験談病気を患い、手術をした経験が転職のきっかけとなりました。

病気から復帰後、半年して再び体調を崩してしまい、治療・リハビリに専念する目的と同時に働き方を考えようと退職しました。

日勤だけで身体に負担の少ない仕事を探していた時に、ある1冊の本を読み「産業保健」という分野があることを知りました

自身が、病気と健康、働く事について考えていた時期でもあり、働く人の健康をサポートする仕事にとても魅力を感じ、「産業保健」への転職を決意しました。

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健康をテーマに社員にアプローチを行うことにやりがいを感じている

産業保健師として働いてみた私のやりがいは、「健康」をテーマに社員にアプロ―チを行うことです。

社員の方々も「健康」に対する意識が高まってきており、健康講話を行った際は、「もっとやってほしい」「(活動を)続けて欲しい」などの声を聞くことができます

自身の活動が、少しでも誰かの役に立っていると感じる時に「やりがい」を感じ、もっと頑張ろうと思います。

また、病院で看護師をやっていた頃に比べ体力的な負担が少なく、規則正しい生活を送れるようになったため体調もよくなり、自己研鑽の時間を積極的にとるようになりました。

研修会やセミナーに参加し、取得した新しい知識を業務に活かせるという点でも「やりがい」を感じます。

 

4.働いて感じた苦労や注意点

働いて感じた苦労や注意点

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産業保健師を目指す方に向けた、看護師が働いた際に注意したいことを体験談からご説明していきます。

 

(1)ビジネスススキルの習得は苦労した

産業保健師として働き「ビジネススキル」の習得が一番苦労しました。

電話対応、ビジネスメール、名刺交換などなど、看護師時代には全く未経験であったため、ギャップが大きく、慣れるのに苦労しました。

企業看護師になってからは、ビジネスマナーのセミナーに参加することや、ビジネスメールは何冊か本を購入し対応し、ほかのスタッフはどのように勉強しているのかを聞いて、参考にしました。

企業への転職のため、面接時もビジネスマナーが最低限、出来ているかどうかは確認されることだと思います。

 

(2)健康講和は緊張する

「健康講話」なども、看護師時代に行ったことがないことであり、もちろん未経験で、最初はとても緊張しました。

発表原稿を作成し練習を重ねたり、他のスタッフのつてで発声、滑舌のトレーニングをしてくれる講師の先生もとで何度かレッスンを受けたりしました。

そのため、人前で話すことが苦手な方は苦労すると思います。

また、「保健指導」に関しても看護師時代には経験がなく、セミナー参加や、本を購入しスキルの習得に努めました。

 

(3)医療用語が通じないこと

看護師から産業保健師に転職してからは、一緒に働く事務職の方に、医療の常識や医療用語が通じない事にも苦労しました。

病院やクリニックでは、医療職ではない事務職の方でも、医療に理解があると思いますが、一般企業にいる事務職の方は、そうではありません。

そのため、円滑にコミュニケーションをとれるようになるまで、私はかなり時間がかかりました。

 

(4)福利厚生は企業によって違うので注意

基本的に、産業保健師を採用している企業は福利厚生が充実しているので問題ありませんが、企業によって福利厚生の内容が違うので注意が必要です。

病院時代に当たり前だと思っていることが一切通用しないので、しっかりと調べてみてください。

また、給料の事だけを考えれば、もちろん、病院の看護師のほうが良かった(月収35万円→25万円ぐらい)ですが、休日が休みな事や夜勤がないこと、職場の人間関係に恵まれていることなどを考慮すると私は病院に戻りたいとは思いません。

 

5.最後に

産業保健師は、求人数が少なく高倍率であり、産業保健師の場合「企業で勤務した経験」があった方が就職に有利であるため、看護師から産業保健師への転職活動は、一般的に、苦戦することが多いです。

そのため、長い目で転職活動することを念頭に入れて、自分に合う産業保健ができる場所を見つけてください

また、産業保健師は企業によって仕事内容も変わるため、転職を行う場合は詳細の確認は忘れないようにしましょう。


   
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更新:2019年3月23日
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