ER(救急外来)で働く看護師の仕事内容や給料などの体験談

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ERとは、救急外来のことで一般的に1次救急・2次救急・3次救急に分かれます。

1次救急 帰宅可能な軽症患者に対する救急医療(自分で来院できる方)
2次救急 救急車で来院し、なおかつ一般病棟への入院が必要な中等症患者に対する救急医療
3次救急 集中治療室(ICU)に入院が必要とされる重症患者に対する救急医療

一般病院(総合病院)では、「1次救急・2次救急」。公立病院や大学病院では、「1次救急・2次救急・3次救急」または「2次救急・3次救急」の救急患者を対応するのが一般的です。

私がER(救急外来)に6年間勤務していた経験を元に、仕事内容や給料、働いて感じたことを説明していきます。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 大阪府/33歳
  • 経歴:府立病院、クリニック、総合病院
  • 経験がある診療科:消化器外科、脳外科、泌尿器科、代謝内科、ER(救急外来)
済生会系列の病院で3年勤務後、クリニックで2年勤務しながら派遣看護師として活動。現在はER(救急外来)勤務6年目の看護師として活躍中。
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1.看護師の仕事内容

看護師の仕事内容

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病院の規模でER(救急外来)は、研修医と看護師だけで対応する場合や、内科当直の医師が兼任している場合、非常勤医師が対応する場合など、病院により異なり様々です。

しかし、ER(救急外来)で働く看護師の仕事内容はそこまで差はなく、「多岐にわたる様々な処置」を行うことになります。

実際にER(救急外来)で働く看護師の1日は以下の通りです。

8:45 【日勤】勤務開始
・物品確認と物品補充、機材の動作確認
9:00 ・夜勤看護師より患者の引継ぎ
・一般外来へ引継ぎ患者を紹介
・入院の手続き
・救急隊より患者の受け入れ
(処置・検査・記事入力・各部署との連携)
11:30~13:30 ・交代で昼食
13:30 ・午前中の患者の入院先を決定し移送・申し送り
(入院・転院など)
・救急隊より患者の受け入れ
(処置・検査・記事入力・各部署との連携)
16:00 ・物品・薬品チェック
16:30 ・患者の引継ぎ
17:00 【夜勤】

  • 日勤看護師より患者を引き継ぐ
  • 一般外来より診断していない患者の引継ぎ
  • 救急車の受け入れ
  • 独歩で来院された方の問診、バイタルチェック
  • 来院希望の患者の電話対応
  • 検査・処置・記事入力・各部署との連携・当直看護師長へ連絡
2交代制での説明ですが、救急外来は24時間忙しい場合も多く、3交代制を取っている病院も多いです。

ER(救急外来)の看護師の夜勤は、なかなかゆっくりできる時間はなく、翌朝9時までの合間に食事・仮眠が取れますが、救急隊より連絡があれば対応します。

私の体験談を元に仕事内容の詳細を説明していきます。

 

(1)物品確認と物品補充、機材の動作確認

ER(救急外来)の看護師は、(どの出勤時間帯でも)出勤後に物品確認、物品補充と機材の作動確認を行うことが仕事です。

物品、機材の確認が終了してから、日勤・夜勤の看護師と申し送りとミーティングとなります。

 

(2)トリアージを行う

トリアージを行う

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ER(救急外来)の看護師にとって1番大切な仕事内容は、トリアージ(手当ての緊急度に従って優先順をつけること)です。

来院した患者とファーストコンタクトを行う看護師は、バイタルサイン・全身状態を的確に判断することが求められ、大切な仕事内容となります。

独歩で来院したからといって決して軽症であるとは限らず、むしろ救急車で来院した患者より重症かつ緊急性が高いこともあります。また、重症度が中等度~低い患者でも急変する可能性があり、看護師は常に心電図モニターを気にしておき、異常の有無を確認しなくてはなりません。

 

(3)心電図を撮り医師へ報告する

ER(救急外来)では、心電図を撮るのは看護師の仕事になります。

そのため、心房細動(AF)、発作性上室性頻拍(PSVT)、重症度の高い心室細動(VF)、心室頻拍(VT)などの波形を覚えておくことが必要になります。

ER(救急外来)に勤務してから必要になりますが、異常時すぐに医師に報告できるように覚えることを求められます。

 

(4)採血・ルート取り

採血・ルート取り

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どの診療科でも採血は看護師の仕事内容となりますが、ER(救急外来)では、

  • 幼児の採血・点滴(新生児は医師が採血)
  • 血管が細くなっている高齢者

等、広い年齢層の採血を行うため、採血は欠かせないスキルとなり、看護師の重要な仕事内容になります。

救急外来で働く看護師は、「ルート取り」のスキルがなければ仕事にならないため、採血が苦手な看護師の方は注意が必要です。

 

(5)検査・処置の準備

緊急の場合、日中であれば各診療科で検査しますが、夜間ではER(救急外来)で対応を行う場合がほとんどです。

そのため看護師は、検査・処置の準備が仕事内容となります。

例えば、胃カメラをするために、点滴確保・胃洗浄・術衣の着用や、心臓カテーテル・MRI・縫合など検査や処置の準備なども看護師が行います。

検査データより疾患を予測しアセスメントする

医師は、来院する患者を次から次へと診察をしているため、検査中の患者にまで気が回りません。

そのため、看護師が検査データを確認し、結果を見た際にある程度疾患の予測をして、アセスメントしておくことが大切な仕事となります。

 

(6)レントゲン・CTの画像異常を見つける

レントゲン・CTの画像異常を見つける

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ER(救急外来)に来院する患者は、

  • 腹痛の場合「レントゲン撮影」
  • 頭痛の場合「CTを撮影」

など、半数程度は何らかの画像による診断を行います。

患者の画像撮影に同行する看護師は画像の異常を見つけることが必要となります。

レントゲン・CTで明らかに異常がある場合には、すぐ医師に報告することも看護師の仕事です。

 

(7)手術時の準備や介助

重症度が高い3次救急では、手術室が使用中の場合や、緊急性が高い場合など初療で手術することもあります。

そのため、看護師の仕事内容は手術に必要な準備や手術の介助(オペ看)を行います。

私の体験談


看護師 体験談私は、外科系の病棟からER(救急外来)へ転職したため、手術の介助や準備など分からない事ばかりでしたが、先輩看護師に教えてもらいながら自己学習しました。

毎日多くの患者が来院するため症例数も多く、知らない事も次から次へと出てくるため勉強することは必須でした。


 

2.私がER(救急外来)で働いて感じたこと

私がER(救急外来)で働いて感じたこと

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私がER(救急外来)で働いて感じたメリットやデメリットについて説明していきます。

主観ですが、これからER(救急外来)看護師を目指す場合は、是非確認してください。

 

(1)すべての疾患やスキルを学ぶことができる職場

ER(救急外来)は、小児科・産婦人科・循環器・脳神経内科などすべての疾患を学べる場所であり、多種多様な看護スキルも勉強することが出来ます。

また、救急外来で扱う看護師の幅広い知識は、将来的にどの診療科へ配属や転職しても役立つと感じます。

特に3次救急では、交通外傷・墜落・心停止等、重症度の高い患者の対応も行います。

そのため、初療で手術や心肺蘇生なども行う等、手術室とは違った多種多様な看護スキルを学べることは、ER(救急外来)で働くメリットでした。

 

(2)看護師のとしての本当の基本が身に付いた

看護師のとしての本当の基本が身に付いた

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ER(救急外来)は、普段は当たり前にできていることができない状況になっている患者に対して、ちょっとしたことが看護につながる現場だと思っています。

さらに、生死を左右する緊迫した状況にもなる現場のため、緊迫した状況でも慌てず処置できる看護の基本が身につきました。

 

(3)残業は比較的少なかった

私が勤務したER(救急外来)では、残業が比較的少ない印象でした。

理由としては、

  • 患者の申し送りが最低限ですむこと
  • 早くから出勤して情報収集することがないこと

などが、残業にならなかった理由だと思います。

しかし、仕事内容で説明した物品が不足または紛失している場合、前確認者(看護師)に責任が問われ、勤務終了後も紛失物を探すこととなり、すぐに帰宅できないこともありました。

 

(4)看護師の精神的な負担が大きく忙しい

ER(救急外来)では、重症度の高い患者が多く、交通外傷や自殺企図の患者も多く、リアリティショックで退職や移動する看護師も多い印象でした。

また、病気や事故で突然亡くなった患者の家族とも関わり、ER(救急外来)で働く看護師として精神的負荷が大きいと思います。

仕事も他の診療科よりは忙しく、患者が途切れることなく来院する時ため、食事や休憩を取ることも難しい事もありました。忙しい日は休憩も取ることができずに1日中走り回ることもありました。

 

(5)職場の雰囲気は独特

勤務する病院によっても違いますが、ER(救急外来)ではモチベーションが高い看護師、フットワークが軽い看護師、救急の勉強を極めたい看護師などが勤務しています。

そのため、私は戦力になるまでは張り詰めた空気の中仕事をしており、医師から注意される(怒鳴られる)ことも多々ありました。

しかし、高いモチベーションを持っていれば、働く上では楽しいと私は思います。

 

(6)勉強しなければ仕事についていけない

勉強しなければ仕事についていけない

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私のように中途採用の場合、初めは必死に勉強しなければ仕事についていけませんでした。

また、勉強する疾患なども幅が広く、1つの疾患に対して深く学習することが難しかった印象です。

教育制度が整っている病院であれば、教育担当者からレポートの課題などが多く出されます。

 

3.ER(救急外来)での私の給料

ER(救急外来)での私の給料

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私は、ER(救急外来)は正職員、当直バイト、パート・アルバイトで働いた経験があります。

ER(救急外来)看護師の求人は高額なことが多いですが、

  • 看護師と医師の2人で対応しないといけない場合
  • 病棟のフォローをしないといけない場合
  • 忙しすぎて患者が途切れない場合
  • 何か問題があり他の看護師が続かない場合

等、高額な給料には様々な理由があります。

働いてみないと分からないことももちろんありますが、転職を考え求人を見つけた時には「なぜ高額もらえるのか」等を確認することが必要です。

実際にER(救急外来)の看護師給料が「どの程度なのか」について、私の事例を元に紹介していきます。

 

(1)正職員の給料

基本給 280,000円前後
超過勤務手当 月20,000円から30,000円程度
夜勤手当 7,000円/回
住宅手当 上限30,000円
その他手当 扶養手当あり
総支給額 約380,000円(夜勤5回/月の場合)

ER(救急外来)看護師として正職員で働く場合、「夜勤の回数が病棟より多い」「残業が多い」等の理由から、給料は一般病棟の看護師と比べ、やや高いと言えます。

府立病院で働いていた私の夜勤手当は、準夜・深夜合わせても7,000円程度しかありませんでしたが、私立の病院であれば、もっと貰えるところもあるでしょう。

 

(2)パート・アルバイトの時給(給料)

時給 2,700円
1回の準深夜勤務時間(月) 14.5時間
1ヶ月の勤務回数 8回
総支給額 約320,000円

パート勤務は時給制で夜勤の場合、1夜勤40,000円以上になる所もあるため、ER(救急外来)勤務の中で給料は良かったです。

当直バイトの場合

ERで当直バイトをした場合、給料は「25,000~40,000円/回」でした。

「忙しい病院」「派遣看護師がどうしても欲しいと思っている病院」等は、高給料な所がありますが、2次病院で患者の少ない所は当直当たり25,000円程でした。

1回の当直で得られる給料はある程度良いと感じますが、勤務する病院によってはハードで少し給料に見合わないと思う場合もありました。

 

4.最後に

最後に

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私と同じように、初めてER(救急外来)に転職することを考えている看護師の方もいるのではないでしょうか。

その場合、病院の選定には以下の確認を行ってください。

  • 救急外来の種類の選択(1次救急~3次救急)
  • 3次救急なら公立・国立病院または規模が大きな総合病院を選択
  • 教育体制が整っているかどうかの確認
  • 部署異動の有無と、部署異動の時期を確認
    (救急外来でも異動があるため。)
  • 給料より働きやすい環境か、福利厚生なども確認

以上が病院を選ぶ場合に注意したいことです。

個人的にはハードな仕事なため、働きやすさや、教育体制はかなり重視する項目になります。

ER(救急外来)は、人の死に1番近い場所でもあるため安易な気持ちで転職すると辛いですが、たくさんの症例に出会い多くの患者の命に直結する場所でもあるため、看護師としてのやりがいがあり、確実にスキルアップできます

看護師として多くのことを学び「多くの命を救いたい」と考えているのであれば、ぜひER看護師を目指してみて下さい。


   
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更新:2019年3月26日
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