訪問診療で働く看護師の仕事内容や「やりがい」体験談

訪問診療で働く看護師の仕事内容や「やりがい」体験談

今後、地域医療が必要になり、訪問診療を行う病院やクリニックも増加傾向にあり、皆様が住む地域でも訪問診療を行うクリニックが次々と開院しているはずです。

私は現在、訪問診療を行う開院3年目にクリニック(訪問診療クリニック)に勤務しています。

体験談を元に、訪問診療クリニックで働く看護師の仕事内容や働いて感じた仕事の「やりがい」についてご説明します。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 年齢/エリア:48歳/神奈川県
  • 資格:がん看護専門看護師、消化器内視鏡技師、心理相談員
  • 経歴:がん専門病院、総合病院、クリニック、総合病院、訪問診療クリニック
  • 経験がある診療科:消化器内科、腹部外科、透析室、内視鏡室、相談室、放射線治療室
看護師をして20年以上。外来・病棟・検査室・クリニックなど、様々な場所での業務を経験と実績があり、現在も現役看護師として活躍中。
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1.看護師にとっての訪問診療とは?

看護師にとっての訪問診療とは?

画像:shutterstock

訪問診療とは、医師や看護師が病院に通うことが難しい患者の自宅に定期的に訪問して、診察や処置を行うことを指します。

訪問診療クリニックの規模によって異なりますが、

  • 医師1名と看護師1名の場合(+ドライバー)
  • 医師1名と看護師2名の場合(+ドライバー)

などがあり、専属でドライバー(運転手)がいる場合があります。

「訪問診療」「往診」「訪問看護」は訪問することに変わりはありませんが、違いは以下の通りです。

訪問診療 医師が患者の自宅に定期的に訪問して診療すること
往診 緊急時に医師が自宅で診療すること
訪問看護 看護師が患者の自宅に定期的に訪問し看護をすること

突発的な発熱や腹痛などの緊急時に、患者の自宅に行って診療を行う「往診」に対して、訪問診療は患者の自宅に定期的に訪問して診療を行います

訪問診療を行う上で看護師に求められる役割は「調整」です。

新規の依頼が来た場合や、多職種カンファレンスなどを行う場合にも、看護師がケアマネジャーや訪問看護ステーションに連絡し、確認事項や問題点を伝え、日程調整などを行います。

地域医療は、病院のように医師・看護師だけで話が進むことはなく、ご家族をはじめ、ケアマネジャーや訪問看護師、訪問リハビリ、薬剤師、市役所などの人達が関わり、その人の生活を支えています。

その中で、一番、医師の指示を聞くことができる訪問診療クリニックの看護師が、調整を担うことが大切な役割になります。

 

2.看護師の仕事内容

看護師の仕事内容

画像:shutterstock

私の勤務していた訪問診療クリニックでは、「午前中は通常の外来患者の診察」「午後は訪問診療」で仕事をしていました。

訪問診療のみのクリニックや病院では外来業務はありませんが、多くの場合、午前は外来というパターンをとっているため、看護師は外来患者の対応も仕事の一つになります。

私が勤務している訪問診療クリニックでの経験を元に、仕事内容を説明していきます。

 

(1)訪問診療時の同行

訪問診療時の同行

画像:shutterstock

訪問診療の同行は、看護師の大切な仕事になります。

私が勤務している訪問診療クリニックでは、その日の訪問スケジュールを組み立てるのも看護師の仕事です。

そのため、スケジュール管理が甘いと、訪問時間がずれてしまうため、訪問先に連絡するなどの煩雑な業務が増えてしまいます。

また、カルテや処方せん、必要物品を準備するのも看護業務になります。

訪問診療クリニックによっては、医師を乗せて、看護師が運転することがあります。

 

(2)新規患者への契約書の説明

新規患者への契約書の説明

画像:shutterstock

訪問診療は、患者とクリニック間で契約書が必要になります。

医師と面談し訪問診療に同意した場合、看護師が契約書の説明と患者やご家族の細かな情報を収集することになります。


看護師の体験談

看護師 体験談私が勤務している訪問診療クリニックでは、がん末期の方や高齢者施設に入る患者の契約が多く、初回面談で契約書作成まで進むことになります。

そのため、この時間にご本人・ご家族の状況や気持ちを確認しなければ、後で「こんなはずじゃなかった」ということになりかねません。看護師の情報収集力と傾聴力が試される大切な仕事です。


 

(4)訪問診察患者へのケア

訪問診療患者が必要としているケアを行うことも看護師の仕事内容となります。

採血や点滴、心電図や簡単な問診・検査説明などは一般的に行える必要があります。

受け持つ患者によって違いがある

私が勤務している訪問診療クリニックでは、緩和ケアが必要ながん患者、高齢者の方、筋ジストロフィーなどで人工呼吸器などを使用している方などの訪問診療をしています。

訪問診療クリニックによっては、介護施設に訪問している場合もあり、看護師としてのケアは採血や点滴などになる場合もあります。

訪問診療クリニックによって行うケアが異なるため、転職を考えている方は確認していきましょう。

 

(3)薬局をはじめとする外部との連絡調整

薬局をはじめとする外部との連絡調整

画像:shutterstock

私が勤務している訪問診療クリニックでは、薬局などの外部との調整は看護師の仕事です。

薬局などからの問い合わせも看護師が対応しています。


看護師の体験談

看護師 体験談訪問診療に同行して一番大変だと感じたのは、処方せん管理です。

訪問診療に回っていると、回った後から薬局やご家族から「お願いした薬が出ていない」「手書きで書いた薬の単位が違う」などの問い合わせが続くことになります。

また、デリバリーを依頼している薬局などには、処方せんをFAXしなければなりませんし、在宅酸素についても看護師が連絡調整します。

訪問診療クリニックによって異なるため、転職時などは業務範囲や仕事内容の詳細を確認しておきましょう。


 

(4)訪問看護

私が勤務している訪問診療クリニックでは、医師の指示に応じて、訪問看護も看護師の仕事内容となります。

もちろん、末期がんの方や状態が不安定な患者の場合には、訪問看護ステーションがその役割を担います。

しかし、一時的に訪問が必要な場合や、訪問看護ステーションの導入を拒む患者の場合には、訪問診療クリニックの看護師が訪問看護を行っており、単独で自宅にお伺いします。

こちらも訪問診療クリニックによっては行っていない場合があると思います。

訪問して行う仕事内容は訪問看護師と変わりません。詳しくは「訪問看護師の役割と仕事内容、1日のスケジュール」を確認してください。

 

(5)オンコール対応

訪問診療クリニックや病院では、24時間体制で対応している場合もあります。

真夜中に患者の自宅を訪問するというわけではありませんが、患者の急変時に備えて看護師がオンコール対応をする場合があり、仕事となります。

私が勤務している訪問診療クリニックでは、医師がオンコール対応をメインで行っており、私(看護師)は医師がオンコール対応出来ないときのみ対応しています。もちろん、オンコール対応を行った際は、オンコール手当を受け取ることが出来ます。

24時間対応を行っている訪問診療クリニックや病院では、医師の訪問が必要な呼び出しには、看護師が同行することが一般的です。

 

(6)書類作成や確認

書類作成や確認

画像:shutterstock

訪問看護指示書などの書類作成・確認なども看護師の仕事となります。

多くのスタッフがいる訪問診療クリニックの場合には、事務がその仕事を担当する場合もあります。


看護師の体験談

看護師 体験談私が勤務している訪問診療クリニックは少人数のため、訪問看護指示書などの郵送も、看護師が行っています。

結構、事務系の仕事が多いのが実情です。

書類を作るために残業をするといったこともあり、気持ちの重い業務です。


 

3.私が感じた看護師の「やりがい」

私が感じた看護師の「やりがい」

画像:shutterstock

訪問診療は少し複雑そうな部分もあるように思えますが、私は結構楽しく働けています。

私が感じた訪問診療の「やりがい」について説明していきます。

 

(1)医師からとても頼りにされる仕事

訪問診療は「看護師がいないと、自分ひとりでは回りきれない」と、医師からもとても頼りにされる仕事でした。

また、仕事中も医師の指示がすぐに確認でき、患者や家族からの電話でも、外来の合間を縫って確認できました。患者に対してタイムリーに対応できるので精神的なストレスが少なくて済み、やりがいを感じました。

 

(2)患者の代弁者となれる

私が勤務した訪問診療クリニックでは、医師と患者の間に看護師が立つことが多かったです。

患者の思いも、医師の考えも、両方そばにいてわかるからこそ、お互いの認識のずれを解消できる仕事に、私はやりがいを感じました。

患者さんの代弁者になりたい、そんな看護師は訪問診療に向いているのではないでしょうか。

 

(3)地域で働く様々な職種と出会える

私は病院でも相談室(退院調整室)にいたため、地域の流れは知っているつもりでした。

しかし、地域で訪問診療に携わってみると、訪問マッサージや訪問薬剤師さんの活動を知ることができました。

その活動の一端を知ることができたことや、一緒に患者をサポートできることが訪問診療で働いて良かったと思うことであり、私のやりがいになっています。

本当に地域には、地道に活動を続けている業種、職種の方がいます。色々な情報や仕組みを知ったことで、違う患者や家族、地域スタッフに役立つ情報を得ることができました。

 

4.最後に

外来のみのクリニックとは違い、訪問診療の場合は患者一人ひとりしっかりと情報収集をして施設のスタッフや家族と連携していくことが重要になります。

多くの施設スタッフと関わるため、社会人としてのマナーも磨かれますし、長期で関わる患者へのコミュニケーション力も必要になってきます。

夜間や休日の対応は少し大変ですが、その分やりがいもあります。

看護師は、医師と適度な距離を保ち、患者の思いを医師に伝えることができる

これが、訪問診療における看護師の役割であり、大切な仕事だと私は感じながら仕事を行っています。

訪問診療クリニックなどに転職を考えている看護師の方は、以下の内容をチェックしておくと良いと思います。

  • 訪問診療を行う患者層を確認すること
  • 訪問診療の交通手段や交通費を確認すること
  • 休日当番や夜間対応の有無をチェックすること
    (オンコールなど)
  • 給料体制と手当、福利厚生などの確認をすること

以上のことを注意しながら、訪問診療クリニックの看護師求人を探してみてください。


   
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更新:2019年3月26日
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