大腸がん患者の看護(症状・役割・看護計画・注意点)について

平成26年度に行われた調査によると、悪性新生物、いわゆる「がん」の患者総数は162万人6,000万人で、3年前に行われた調査時よりも10万人増加しています。そのうち、大腸がん患者総数は26万人1,000人で、3年前と比較すると3万人も増加しているのが現状です。

大腸がんは、以前は男性の罹患率が高い状況でしたが、現在は圧倒的に女性が多く、女性の中の死因では第1位となりました。

今回は、増え続けている大腸がん患者の看護計画・大腸がん患者を看護するにあたっての注意点をご紹介いたします。

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大腸がんになる原因

大腸がんになる原因

近年、大腸がん患者が増加している原因として、以下の点が挙げられます。

  • 食生活の欧米化
  • 喫煙や飲酒
  • 運動不足
  • 肥満
  • 遺伝子要因

詳しく説明いたします。

食生活の欧米化

元来日本は野菜中心の食生活でしたが、近年では食生活が欧米化し、高カロリーや高たんぱくといった肉類や油など脂肪分を摂取する機会が増えています。

野菜中心の食生活にくらべ、高カロリー中心の食事は大腸に便が留まる時間を長くします。便の中には発がん物質が含まれているため、大腸内に便が長時間留まると、その分体内で発がん物質に触れてしまっている状態になります。

喫煙や飲酒

たばこは発がん物質が含まれます。たばこの影響を受けるのは肺などの呼吸器のみだと思いがちですが、大腸がんの原因になる可能性は十分にあります。喫煙により、粘膜から発がん物質を吸収してしまうためです。

喫煙をしない人に比べ、喫煙者の大腸がん罹患率は約7倍と言われています。

また、飲酒も大腸がんの原因となります。アルコールを分解する際に発生する「アセトアルデヒド」が、がんと密接な関係性を持っているためです。飲酒と喫煙は身体に大きな負担をかけてしまいます。

運動不足

運動不足は腸蠕動運動を低下させます。そのため、発がん物質を摂取した際に腸内に留まる時間が長くなり、大腸がんの発生原因となります。デスクワークが主で運動習慣がない人の場合、大腸がんの罹患率が高めです。

肥満

肥満により「腸内細菌のバランスが崩れる」こと「インスリン分泌過多」となることで大腸がんを発症する原因となります。

肥満委より大腸がんを発症する確率が高いのは男性のため、男性で不摂生な食生活や運動不足である人は注意が必要です。

遺伝子要因

直系の心臓に同じ疾患をもつものがいる場合に、発がんのリスク用意となります。

大腸がん患者の部位別症状

大腸がん患者の部位別症状

大腸がんは自覚症状がないことが多く、検診等を受けた際に便潜血などのから発覚することもあります。しかし、気付かずに病状が進行した場合、発症部位により出現する症状が異なります

症状の違いは右側と左側で異なるため、以下で細かく症状を挙げていきます。

右結腸がんの症状

右側の結腸がんとは、盲腸がん・上行結腸がん・右横行結腸がんを指します。これら右側に位置する腸管では狭窄は起こりにくく、基本的には無症状で経過します。腸内の空間が比較的広いため、腫瘍による狭窄が起こりにくい状態であるためです。

しかし、そのうち軽度の右側の腹部痛が出現し、軽度の下痢や便秘を交互に繰り返すこともあります。また、腫瘍が拡大してくると黒色便や出血による貧血、体重減少などの症状も出現し、腫瘤の蝕知も可能となります。

初期右腹部痛では慢性虫垂炎と判断されてしまうこともあります。

左結腸癌の症状

左側の結腸がんとは、左横行結腸がん・下行結腸がん・S状結腸がんを指します。比較的早い時期から自覚症状があり、便柱が細くなることや、便秘・下血、狭窄症状や腹部膨満感や残便感も見られます。

これら症状は腸管が細く、腸の内容物が固形化することにより引き起こされます。また、症状のひとつとして起こる狭窄症状とは、下痢と便秘を繰り返す交替性便通異常のことです。

発生機序として、便秘が持続することにより腸の内容物が腐敗・発酵し下痢を起こすことが挙げられます。やがて腸閉塞を起こし、場合によっては穿孔により腹膜炎につながることもあります。

また、S状結腸がんの場合は腫瘍が肛門に近いことから下血がみられ、その他に左下腹部異物感や疼痛、血便などの症状がみられます。

直腸がん

直腸がんでは上部直腸と下部直腸で症状が異なります。

上部直腸の場合、腸管内が狭まり腸の内容物も固形化していることで、便秘や科腹部膨満感、交替性便通異常や便柱が細くなるなどの症状があります。

下部直腸の場合、排便時の鈍痛や不快感、粘液性の血便などの諸症状が見られます。

看護師が注意すべき大腸がん患者の症状

看護師が注意すべき大腸がん患者の症状

看護師が注意しなければいけない症状は患者の各段階により異なるため、受け持つ患者がどの段階にあるのかをしっかり把握しておくことが大切です。

術前、術後・回復期に分けて、注意すべき症状を挙げていきます。

注意すべき術前大腸がん患者の症状

看護師が注意すべき術前大腸がん患者の症状は以下のとおりです。

  • 腹部症状やイレウス
  • 貧血や低栄養症状
  • 黄疸や呼吸機能障害

詳しく説明いたします。

腹部症状やイレウス

術前大腸がん患者に対し注意する症状は、腹部膨満感や腹痛、排便時の違和感など自覚症状の有無やその変化、下血や下痢の有無と回数、便秘やガスの有無などの排便状況の症状の変化です。

これらの変化に注意することにより、早期にイレウスの可能性を疑い対応することも可能です。イレウスを起こすと、腹痛や腹部膨満感、嘔吐や嘔気症状が出現します。これは狭窄などにより腸管内要物が肛門側へ流れずに詰まるためです。

場合によっては、イレウスを起こすことで穿孔し腹膜炎へつながる場合があるため、早期に症状に気付くことが重要となります。

貧血や低栄養症状

看護師は術前大腸がん患者に対し、検査データの確認もしっかり行うことが大切です。HbやRBCなどの低下が見られた場合は下血による貧血の亢進も考えられ、WBCやAlbなど低下は低栄養状態にあることを指します。

低栄養状態は大腸がんによる通過障害による食欲不振などが原因であることも考えられます。

術前の患者が低栄養状態のまま手術に臨んだ場合、縫合不全や感染などの術後合併症を起こすことへつながる可能性があるため、検査データにて身体状況を確認し、よりよい状態で手術を受けることができるよう援助していくことが大切です。

黄疸や呼吸機能障害

肝臓へ転移した際に起こる黄疸にも注意が必要です。大腸は静脈血の大半は肝臓へ流入することにより、肝臓へ転移することが多いためです。

肝臓転移による黄疸の出現の有無や肝機能のデータを把握しておくことが必要になります。また、肺転移による呼吸器障害にも注意が必要です。

注意すべき術後~回復期大腸がん患者の症状

看護師が注意すべき術後~回復期大腸がん患者の症状は以下のとおりです。

  • 術後イレウス
  • 排尿障害・性機能障害
  • ストーマ合併症に関する症状

詳しく説明いたします。

術後イレウス

大腸がん術後の患者は、開腹などの術操作により腸が外気に触れることや、麻酔などにより腸管の動きが麻痺することにより起こる「麻痺性イレウス」、手術により腸管や腸膜の漿膜の損傷から起こる「癒着性イレウス」を起こしやすい状況にあります。

腹部膨満感・腹部膨隆・腹部の圧痛・嘔気・嘔吐・排便・排ガスの減少などの症状に注意しましょう。これら症状がみられた場合には、症状を踏まえた上でCTやX線検査などによりイレウスかどうかを判断し、治療を行っていきます。

排尿障害・性機能障害

腹部を切開し結腸や肛門などの一部を切除する腹会陰式直腸切断術などの場合、骨盤腔内において広範囲に手術を行うため、骨盤神経叢へのダメージにより尿意を感じにくくなることや、残尿感が出現することがあります。

また、神経叢へのダメージは精神的要因も重なることで性機能不全へつながることもあります。性機能不全が見られた場合には精神的な観察も大切です。

ストーマ合併症に関する症状

ストーマを造設した患者の場合には、ストーマ合併症を早期発見することも大切です。そのため出血や浮腫、発熱や会陰部発赤などの感染兆候、ストーマ造設周囲の皮膚のびらんなどの症状にも注意が必要となります。

大腸がん患者の看護計画

大腸がん患者の看護計画

どの疾患でもそうですが、看護計画を立案する際の問題点は患者の状況に合わせて優先順位や問題点が異なります。

今回は大腸がんでストーマ造設する予定の患者を想定し、術前から術後の流れを基に大まかに上げていきたいと思います。

看護目標:通過障害に関連した栄養摂取消費バランス異常

看護目標通過障害に関連した栄養摂取消費バランス異常
OP
(観察項目)
・排便状況:回数、性状、排便困難や残便感の有無、腸蠕動音
・自覚症状:腹部膨満感の有無、腹痛の有無、排便時の違和感、腹部不快感
・検査データ:栄養状態の把握、貧血状態の有無
TP
(ケア項目)
・温罨法、腹部マッサージ、安楽な体位の工夫、医師の指示により与薬・浣腸
・中心静脈栄養使用時は点滴管理、貧血からのふらつき・転倒の可能性を考慮し環境調整、腹部症状や食事摂取量の観察
・不安や恐怖に寄り添い、安全に検査が行なえるよう介助する
EP
(指導および検査項目)
・規則的な排便習慣をつける
・食事指導を行う
・異常を感じた際は医療者に報告するよう指導する

看護計画OP詳細

大腸がん初期は無症状にて経過することが多いですが、腫瘍の進行により排便障害やそれらに伴う不快感症状により低栄養を引き起こす可能性があります。

術前の低栄養状態は、縫合不全や創感染などの術後合併症のリスクを高めてしまうことになるため、栄養状態を把握しておくことは重要です。

また、排便状況や腹部状態など患者の状態にあわせて腸内洗浄を行うため、患者が現在どのような状況にあるのか、自覚症状や表情、言動にも注意しましょう。

看護計画TP詳細

温罨法や腹部マッサージはもちろん、体位の工夫も大切です。便秘による腹部緊満が強くみられる場合は、呼吸苦も出現します。そのため、上体を軽く挙上して膝を軽く曲げる体位にし、安楽を図る必要があります。

腸内洗浄は患者の状態を見ながら行いますが、その際には下剤により脱水症状を起こす可能性もあるため、患者の全身状態の観察は欠かせません。中心静脈栄を使用している患者はとくに注意して観察が必要となります。

看護計画EP詳細

腹部膨満により圧迫感が強い場合には、摂食も困難な場合があります。その場合は食事を数回に分けて少量ずつ消化のよいものを摂取するよう説明していくことが重要です。

また、アルコールや香辛料を始め、極端に熱いもの冷たいものなど腸の刺激となるものを避けることも必要であることを説明し、食事指導を行っていきます。

看護目標:ストーマ造設術や検査に関連した不安

看護目標通過障害に関連した栄養摂取消費バランス異常
OP

(観察項目)

・患者の表情や言動
・不眠や中途覚醒の有無
・早期覚醒の有無
・食欲の有無
TP
(ケア項目)
・医療者の言語統一
・不安を表出しやすい環境作り
・不安の傾聴
・ストーマサイトマーキング
・パッチテスト
・検査や手術に関する事前オリエンテーション
EP
(指導および検査項目)
・不眠、不安時は医療者へ伝えるよう指導
・オリエンテーション時の理解度の把握
・ICに同席し、患者家族の反応や意向を把握

看護計画OP詳細

不安により言動や睡眠状況が変動する場合があります。しかし、様々な不安を抱えていても表出できる患者ばかりとは限りません。こまめな観察を行い、些細な変化に気付くことが重要です。

看護計画TP詳細

がん患者は多くの不安を抱えています。医療者側の言動がバラバラであるなど言動の統一性がない場合、不安を増長させることになってしまいます。患者は、医療者の言動をよくみているので注意が必要です。

ストーマサイトマーキングとは、ストーマの位置決めのことです。安定して装着でき、自己管理が行いやすく、尚且つ合併症のリスクが少ない場所を選ぶことが重要となります。

ストーマの位置によっては密着性の関係から、術後に皮膚トラブルが生じる場合があるため、患者を始め、医師や担当看護師、皮膚・排泄ケア認定看護師で慎重に部位を決めた後マーキングを行っていきます。

看護計画EP詳細

ストーマの造設によるボディイメージの変容は、実際にその場になってみないと患者自身がはっきりと変化をイメージすることが難しいです。

そのため、「説明時の理解度が高い=ボディイメージの変容に対する理解が十分である」いうことではありません。術後、ストーマに関してスムーズに受容できるよう援助していくことが重要となります。

場合によっては、ストーマ保持者であるオストメイトとの接触する機会を設けることも必要です。

看護目標:ストーマ造設による混乱と排尿障害に関連した自己尊厳の低下リスク状態

看護目標ストーマ造設による混乱と排尿障害に関連した自己尊厳の低下リスク状態
OP
(観察項目)
・排泄状況:尿意の有無、残尿感の有無、尿失禁の有無や排尿回数
・精神状況:睡眠状態や食欲の有無、食事摂取量
TP
(ケア項目)
・ストーマ交換時の声掛けや、しっかりとした説明
・患者家族の不安の傾聴
・残尿感がある場合は残尿測定
・必要時間欠導尿を行う
EP
(指導および検査項目)
・ストーマへの不安や疑問は医療者へ伝えるよう指導する
・社会保障制度や福祉についての説明を行う

看護計画OP詳細

術後の様々な身体の変化や、手術による身体機能の喪失は患者へ大きな不安をもたらします。ストーマ造設は、本人のみならず家族の生活も変化させてしまうことにもなるため、患者家族の気持ちに耳を傾け、スムーズな社会復帰を目指し援助することが重要です。

また、広範囲の手術に伴い神経叢へのダメージが大きく、排尿障害を起こしやすい状況にあります。ストーマに関することのみならず、排尿状態をしっかり観察していくことも重要となります。

看護計画TP詳細

ストーマの造設による自己受容は、退院後のセルフケアなど自己管理方法を習得しうまく付き合っていく上で影響を及ぼします。そのため、退院までの細やかな声掛けや説明はとても重要となります。

排尿障害に関しては、排尿の時間や間隔を把握し、その間に排尿がなければ間欠導尿が必要です。

看護計画EP詳細

ストーマ造設は、身体障がい者認定が受けることができるので、申請をすれば身体障がい者福祉サービスを受けることが可能となります。

利用できる社会制度について説明し少しでも不安を取り除くことで、社会復帰がスムーズにできるよう援助していくことが必要です。

看護目標:麻酔や手術に関連した合併症

看護目標麻酔や手術に関連した合併症
OP
(観察項目)
・縫合不全、創感染:発熱や腹痛の有無、ドレーン排液の性状や量
・縫合部の状態
・イレウス:腹部症状・排便・腸蠕動音悪心・嘔吐の有無
TP
(ケア項目)
・様々な苦痛の緩和:安楽な体位や罨法、清潔援助、必要時鎮痛薬の与薬
・早期離床への援助
EP
(指導および検査項目)
・ドレーンに対する説明

看護計画OP詳細

術後合併症の中で最も多いのが縫合不全であり、特に左結腸やS状結腸、直腸の手術の際に見られる場合が多くあります。そのため、術銭に低栄養状態にあった患者は、術後3~4日から10日前後まで特に注意して観察することが必要です。

看護計画TP詳細

早期離床は段階を追って進めていく必要があります。術後はベッド上での運動のみになりますが、呼吸器合併症の予防、腸蠕動運動の促進につながるため、イレウスの予防に効果があります。

看護計画EP詳細

手術後はドレーンがついており、患者の立場では体動などの際に気になるものです。どこまで動いていいのか、抜けないのか、何のための物なのかと分からない事ばかりです。

ドレーンの必要性を説明し、体動の際は抜去に注意するよう指導することが大切です。

看護目標:ストーマへの知識不足に関連した非効果的治療計画管理

看護目標ストーマへの知識不足に関連した非効果的治療計画管理
OP
(観察項目)
・ストーマの観察:腫脹や浮腫、出血の有無、色調、形、高さ
・ストーマからの排泄状況:排便の性状・量、排ガスの有無
・ストーマ周囲の皮膚状態:パウチからの便の漏れ・皮膚トラブルの有無
TP
(ケア項目)
・パウチ交換、ストーマチェック、排便状況に合わせた対応
EP
(指導および検査項目)
・パウチ交換方法や留意点など自己管理方法について説明
・排便状態が変化した際の対応について説明
・トラブル時の対処法について説明
・食事と排泄、調理法との関連性についての説明
・日常生活の指導

看護計画OP詳細

術前にストーマの位置を検討しマーキングした部位に造設しますが、しわや瘢痕、手術痕などの腹壁の状態によって、パウチとの密着性が低下することなどにより様々な皮膚トラブルを起こします

また、術後ストーマは浮腫や腫脹が起こりやすく、出血や漏れがやすい状況となっています。ストーマ合併症やイレウスを予防するためにも、ストーマや腹部状態の観察は欠かせません。

看護計画TP詳細

パウチ交換2~3日ごとに交換を行いますが、漏れや皮膚トラブルなどがみられた場合には早期交換を行い、装具や皮膚保護材の再検討を行っていきます。

術直後はストーマの状態が安定しないため、装具は観察しやすい透明のものを選ぶことが重要です。患者のストーマの状況に合わせて、ケアや検討を行っていきましょう。

また、患者は段階に応じて経口摂取も開始されます。その際にも排便の状況が異なってくるため、排便の状態の観察も行い、便秘や下痢の際はその都度合わせた対応が必要です。

看護計画EP詳細

術直後は看護師がパウチ交換を行いますが、患者の全身状態が安定しストーマ部の回復が見られたら、パウチ交換時に声掛けを行いながら患者への指導を行っていきます。

指導はいくつかの段階に分けて行われ、患者のみならず、家族の反応もみながら進めていきます。また、指導を行う上でストーマ造設する患者の中には仕事をしている人もいるため、社会復帰や日常生活を想定した指導が必要です。

この際は皮膚・排泄ケア認定看護師と相談・連携して進めていくことが大切です。

大腸がん患者の看護に必要な援助・注意点

大腸がん患者の看護に必要な援助・注意点

大腸がん患者は、症状によって日常生活に支障をきたすことや、ストーマ造設などにより様々な不安や苦痛を感じています。

今までのことを踏まえて、大腸がん患者の看護を行う上で必要な援助や注意点を挙げていきます。

通過障害による苦痛の軽減

大腸がん患者は、腫瘍が増大してくると腸管狭窄により排便障害や腹部膨満・腹痛などの症状が出現します。これらは症状を呈すると、食事や日常生活に支障をきたします。

そのため、苦痛の緩和や不安を軽減し、検査や手術をスムーズに受けることができるように援助していくことが必要となります。

術後合併症に注意し、早期離床を目指す

発症部位により症状が異なりますが、下痢や下血による貧血や脱水、通過障害による低栄養状態の改善を行い、患者ができる限り術後合併症を起こすリスクを軽減した状態で手術に臨めるように援助していくことが大切となります。

低栄養状態で手術に臨む場合は、術後合併症を発症するリスクが上昇するため、術後の身体状態に注意が必要です。感染兆候や縫合不全、呼吸器合併症、排尿障害などの術後合併症を早期発見し対処していくことが早期離床、イレウス予防にもつながります

ストーマ造設による精神的状態の変化に注意する

ストーマ造設に関する説明や術前オリエンテーションを受けていても、実際に今までの自分の生活の変化やボディイメージの変容に対し、明確なイメージができていない場合がほとんどです。

患者自身がストーマの受け入れをスムーズにできるように、造設の必要性を納得して手術に臨めるようにすすめていくことが大切です。

術前から精神面・身体面のケアが必要であるため、患者の些細な変化や言動に注意し、不安を増長させないためにも医療者同士でしっかり情報の共有を行い、言動の統一を図りましょう。

まとめ

この記事は、以下を参考文献とし執筆しています。

大腸がん患者は様々な不安や苦痛を抱えています。看護師はそれらを考慮し、患者ひとりひとりに合わせ、段階を踏まえて患者家族ともに関わっていくことが大切です。

皮膚・排泄ケア認定看護師や医師と連携を図り、患者のスムーズな社会復帰ができるようケアしていきましょう。

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