実際に退職経験のある看護師100名にアンケートをとり、「退職を決断したきっかけとなったライフイベント」について調査してみました。
- 回答数：100名
- 対象：ライフイベントで退職した看護師
- 実施日：2018年3月22日
- 調査協力：株式会社クロコ
- 回答：フリー回答
| 結婚して家事に専念したいと感じた | 25% |
| 子育てに割ける時間がもっと必要だと感じた | 21% |
| 結婚を機に引っ越した | 16% |
| 結婚して金銭的に余裕ができた | 13% |
| 出産後、子供と離れたくないと感じた | 9% |
| 介護をしなくてはならなくなった | 8% |
| シングルマザーになり家事・育児との両立が困難になった | 1% |
| その他 | 7% |
その他の意見としては、「一人暮らしを始めるタイミングで退職した」「夫婦で独立（訪問看護ステーション）するため退職した」などの意見がありました。
看護師の回答結果を確認していきましょう。
6位：介護をしなくてはならなくなった（8％）
【女性 / 新潟県 / 27 歳 】
「自宅で同居している祖父が認知症になり、自宅介護をする事になったから。」
【女性 / 東京都 / 34 歳 】
「高齢の実父が認知症、実母が背骨を骨折という事態になり、不規則な勤務が続けられなくなってしまいました。」
【女性 / 埼玉県 / 39 歳 】
「家族の介護をしなければならない環境に陥り、それまでの夜勤中心のライフスタイルでは家族との生活が成り立たなくなったために転職を決意しました。」
【女性 / 栃木県 / 29 歳 】
「他に兄弟がいなかったので、介護のため勤務先を変更するため仕方なく退職をした。」
【女性 / 東京都 / 36 歳 】
「母が病気で車椅子生活になったので私が退職して母の介護をしています。」
【女性 / 東京都 / 25 歳 】
「介護をしながらでも出来る、職場に変更したいと思ったからです。」
【女性 / 埼玉県 / 25 歳 】
「母の認知症が進行し入院することになりました。家にいる父も軽度の認知症で一人にすることはできないので、私が退職して世話をすることにしました。」
【女性 / 東京都 / 35 歳 】
「母がまだ60代にもかかわらず介護が必要な状態になり、予想外のことだが転職を考えざるを得なくなった。」
5位：出産後、子供と離れたくないと感じた（9％）
【女性 / 広島県 / 32 歳 】
「共働きの両親だったので子供の頃すごく寂しかったのを覚えています。そのため自分が子供を出産したら、子供が中学生になるまではパートで働きたいなと思っています。」
【女性 / 静岡県 / 34 歳 】
「子供と離れたくないこともありますが、看護師は深夜勤務もあるため、幼児がいる場合なかなか難しいものがある。」
【女性 / 茨城県 / 29 歳 】
「妊娠中、産休後は保育園に預けて仕事に復帰したいと考えていたが、出産後はやっぱり子供と離れたくないので退職して子育てに専念することに決めました。」
【女性 / 北海道 / 34 歳 】
「退職をしたきっかけは妊娠がきっかけです。」
【女性 / 秋田県 / 31 歳 】
「子供が小さいうちだけでも、一緒に過ごす時間を長くとりたいと思ったから。」
【女性 / 宮城県 / 25 歳 】
「初めての子育てでもあったので退職を行いました。」
【女性 / 北海道 / 27 歳 】
「子供と過ごせる時間は限られているので仕事どころではなくなった。」
【女性 / 埼玉県 / 29 歳 】
「家事に専念したいとは思わないけれど、今は子供の一番かわいいところが見られる時期だから自分で育てたいと思った。」
【女性 / 埼玉県 / 37 歳 】
「自分が子供のころ、母親が仕事を理由に育児から明らかに逃げていたためそうはなりたくない。子供を優先してあげたい。という思いから。」
4位：結婚して金銭的に余裕ができた（13％）
【女性 / 愛知県 / 25 歳 】
「夫と結婚して、経済的に余裕ができたため。」
【女性 / 京都府 / 33 歳 】
「夫が医師であるため、金銭面で余裕が生まれたから。」
【女性 / 福岡県 / 31 歳 】
「自分が働かなくても、生活できるようになったため。」
【女性 / 広島県 / 32 歳 】
「主人も病院勤務です。金銭的に余裕があったので思い切って退職しました。」
【女性 / 長野県 / 29 歳 】
「私の収入がなくなってしまっても生活できるめどがついてきた。」
【女性 / 埼玉県 / 25 歳 】
「旦那が仕事をして生活費を稼いでくれるから、自分が仕事をしなくても生活に余裕ができた。」
【女性 / 滋賀県 / 38 歳 】
「結婚したら仕事を辞めるという約束だったので辞めました。子供のすぐに欲しいですので、妊活もかねて決断しました。」
【女性 / 神奈川県 / 28 歳 】
「妊娠したことがきっかけで切迫早産となり安静にしなくてはいけなくなり、仕事を休職しなくてはいけなくなったため辞めました。他のスタッフにいつまでも休職しているのも迷惑をかけると感じ退職を選択しました。」
【女性 / 兵庫県 / 26 歳 】
「結婚して主人のお給料で生活できることがわかったので退職することを決めました。」
【女性 / 京都府 / 35 歳 】
「結婚相手の稼ぎが多かったのと、相手から家にいてほしいと言われたから。」
【女性 / 北海道 / 34 歳 】
「もう辛い仕事は嫌だし旦那のかせぎでお金に余裕かでき私が働く必要がなくなった。」
【女性 / 奈良県 / 35 歳 】
「結婚をしたら仕事はしなくても良いと夫に言われ、その通りにしました。」
【女性 / 東京都 / 25 歳 】
「看護師はもともと長く続ける気はなかったので。」
3位：結婚を機に引っ越した（16％）
また、退職の理由が結婚すること自体にあるというよりは、それに伴う生活スタイルの変化や出来事が結果的に退職を決断する理由になる場合が多いということが読み取れそうです。
【女性 / 石川県 / 39 歳 】
「結婚をして彼の実家がある地方都市に引っ越しすることになりました。」
【女性 / 広島県 / 33 歳 】
「結婚を機会に一度人生を考えてみたいと思っていたので。」
【女性 / 福岡県 / 35 歳 】
「主人の職場に近い場所に引っ越す事になったので、仕方なくその状況に合わせた。」
【女性 / 福岡県 / 35 歳 】
「新居からはさすがに遠すぎて通勤が難しかったので。」
【女性 / 奈良県 / 29 歳 】
「結婚時に旦那の実家へ引っ越したため、職場が遠くなり退職しました。」
【女性 / 兵庫県 / 35 歳 】
「職場の人間関係に嫌気が差していましたが、結婚が近かったので取り敢えずそれまでは続けようと思っていました。偶然夫が他県に異動になったので、タイミングよく辞めることができ、良かったです。」
【女性 / 神奈川県 / 36 歳 】
「引越しをするために辞めました。資格を持っていると新しい土地でも生かせます。」
【女性 / 広島県 / 33 歳 】
「結婚して遠方に引っ越す事が決まったので退職した。」
【女性 / 奈良県 / 39 歳 】
「結婚し、これまで住んでいた県外へ引っ越したので。」
【女性 / 大阪府 / 33 歳 】
「引っ越しのため、職場からの距離がかなり遠くなるために退職しました。」
【女性 / 神奈川県 / 37 歳 】
「結婚後も仕事をしたかったのですが、主人の転勤が決まっていて、新婚早々単身赴任はつらかった為。」
【女性 / 北海道 / 28 歳 】
「旦那さんが転勤族だったので、辞めざるをえなくなりました。」
【女性 / 長野県 / 37 歳 】
「結婚と同時に通勤不可能な距離へ引っ越すことになったので。」
【女性 / 兵庫県 / 28 歳 】
「長く続けるつもりはなかったので、結婚を機に将来を考え直した。」
【女性 / 奈良県 / 27 歳 】
「通うことを考えたけれど、同時に家庭を優先したいと思った。」
【女性 / 兵庫県 / 33 歳 】
「結婚に伴う引っ越しなら辞める理由になるので、夫にわざと引っ越してもらいました。」
2位：子育てに割ける時間がもっと必要だと感じた（21％）
特に看護師は夜勤もあり時間的にも不規則になるため、子育てを優先したいと思えば、一旦退職せざるを得ないと考える方が多いようです。
【女性 / 山形県 / 39 歳 】
「多忙で不規則な生活と決別し専念したかった。」
【女性 / 宮崎県 / 33 歳 】
「出産後、育児に専念出来るのは今の時期しか無いかもしれないと思った。」
【女性 / 滋賀県 / 35 歳 】
「子供の教育は幼い時にしかできないので、時間に余裕を持ちたいと思った。」
【女性 / 北海道 / 29 歳 】
「子供がある程度の年齢に成長するまでは、近くにいたいと思ったからです。」
【女性 / 奈良県 / 28 歳 】
「やはり子供の小さい時は、時間をかけてあげたいので。」
【女性 / 埼玉県 / 31 歳 】
「結婚から出産までの間がほとんどなく、出産後すぐに職場に戻ったため、子供との時間を大切にできなかったことを後悔しているため、2人目の子供のときに退職しました。」
【女性 / 長野県 / 31 歳 】
「今までは仕事一筋で生きてきましたが、もう少し子供と向き合っていきたいと思えるようになりました。」
【女性 / 大阪府 / 25 歳 】
「子供との時間を大切にしないと感じるようになった。」
【女性 / 東京都 / 29 歳 】
「子供と一緒にいる時間を増やしたかったからです。」
【女性 / 三重県 / 33 歳 】
「職場が自宅から遠かったので、子供が小学校に入学するのをきっかけに、退職しました。」
【女性 / 宮城県 / 25 歳 】
「まだ産まれたばかりなので今は育児、家事で精一杯です。お金は夫の収入で生活はできるので復職する予定もありません。」
【女性 / 長野県 / 28 歳 】
「今の職場環境では、子供に時間を避ける状態ではないからです。」
【女性 / 北海道 / 29 歳 】
「子供が生まれてしっかり育てる時間が必要だと思ったので。」
【女性 / 栃木県 / 39 歳 】
「夜勤は無理だし、お迎えの時間を考えると退職しかなかった。」
【女性 / 埼玉県 / 28 歳 】
「時間も不定期で、子供が小さいうちはちゃんと愛情を注げるようにしたいと思っていたので。」
【女性 / 大阪府 / 25 歳 】
「体力的に子育てと仕事の両立ができないと感じた。」
【女性 / 静岡県 / 39 歳 】
「私自身の気持ちとしても、また周囲の意見としても、子供が小さいうちはできる限り育児中心にしたいと思っていたため、また、夜勤は絶対にできないと思いました。」
【女性 / 沖縄県 / 36 歳 】
「看護師の仕事を出産後も出生前と同じ様にこなすには、家族の協力と働く職場の理解やシステムの充実がないと、なかなか実現できません。私の場合は、子供が不登校になった為、子供に寄り添う為に(家族の協力も十分になされなかった為子供へ寂しい思いをさせた)看護師の仕事を一旦やめました。」
【女性 / 神奈川県 / 34 歳 】
「何かと子供の世話をしなければならない事情が増えてきて、以前の勤務状態では無理であると思ったからです。」
【女性 / 宮城県 / 34 歳 】
「育児休暇を取ったが、長期には取りづらい雰囲気もあり、退職して育児がひと段落してらの復帰も可能と判断したため。」
【女性 / 埼玉県 / 29 歳 】
「夜勤のある不規則な生活では、子供に十分な時間を割く余裕がなかったから。」
1位：結婚して家事に専念したいと感じた（25％）
そしてここで最も顕著だった声は「仕事と家事の両立がきついから」というものでした。看護師という仕事柄、精神・体力ともにハードな上に時間も不規則である場合が多いため、結婚してから仕事と家事を両立するという選択は「現実的には難しい」のだそうです。なるほど、納得がいきますね。
【女性 / 大阪府 / 26 歳 】
「仕事が忙しいので家事に専念するために退職した。」
【女性 / 愛知県 / 33 歳 】
「家事と仕事の両立はきついし、この先子供が生まれたら続ける自信がなくなった。」
【女性 / 茨城県 / 36 歳 】
「暫くは共稼ぎだったのですが、出産を機に家事や育児に専念したいと思ったし、主人もそうしろとの助言があったから。」
【女性 / 東京都 / 25 歳 】
「旦那さんを支える為に家庭に入りたいと思ったから。」
【女性 / 大阪府 / 25 歳 】
「結婚して子供も出来たので、それを機に寿退社しました。」
【女性 / 北海道 / 25 歳 】
「仕事が不規則で家事がきちんとできないので、結婚を機にやめました。」
【女性 / 福岡県 / 29 歳 】
「自分には、仕事と家事を両立するのは無理だと思った。」
【女性 / 群馬県 / 28 歳 】
「結婚して仕事に費やす時間を減らしたかった。そして、家事に専念したいと感じた。」
【女性 / 愛媛県 / 36 歳 】
「看護師の仕事はかなりハードだから、家庭のことを考えると両立できる自信がなかったので。」
【女性 / 奈良県 / 33 歳 】
「結婚時に旦那から家事に専念してほしいと言われたからです。」
【女性 / 福岡県 / 28 歳 】
「とても不規則な仕事なので、家族を中心に考えた生活をしたくて決意しました。」
【女性 / 沖縄県 / 25 歳 】
「仕事をしていると、どうしても不規則な生活になるため。」
【女性 / 宮城県 / 37 歳 】
「子育てや両親の介護の時間も必要になってきたため。」
【女性 / 東京都 / 26 歳 】
「仕事の事を考えるのが嫌になったので、主婦に専念したいと思いました。」
【女性 / 大阪府 / 25 歳 】
「看護師は多忙なため、家事と仕事を両立するのは難しいと感じ、家庭を優先したため。」
【女性 / 広島県 / 39 歳 】
「もともと結婚を機に仕事に一旦区切りをつけようと考えていたので、主人とよく話し合って退職を決めました。」
【女性 / 愛知県 / 27 歳 】
「仕事上どうしても生活が不規則になってしまい、結婚してもすれ違いの生活になってしまうから。また、家事に専念する時間がほしかったから。」
【女性 / 埼玉県 / 25 歳 】
「夜勤など勤務時間が不規則で、十分家事ができなかったため。」
【女性 / 長崎県 / 36 歳 】
「お互いに、仕事があるとすれ違いが多くなるので。」
【女性 / 東京都 / 25 歳 】
「看護師は給料が良いという理由で働いていたが、結婚を機に専業主婦になろうと思った。」
【女性 / 徳島県 / 35 歳 】
「同じ働いても家に帰れば家事が待っているから。」
【女性 / 石川県 / 34 歳 】
「職場の環境も良く、ずっとお勤めしたかったのですが、主人のお仕事も大変忙しく家事の全てを自身のみで行う事に限界を感じたので、やむをえず退職しました。」
【女性 / 熊本県 / 25 歳 】
「看護師として働いていくよりも、家庭に入り旦那さんを支えていきたいという思いが強くなったため、退職を決意しました。」
【女性 / 東京都 / 33 歳 】
「結婚後家族で相談して専業主婦になることを選択したため。」
【女性 / 東京都 / 27 歳 】
「医師と結婚しましたので、家庭に入って旦那を支えたいと思いました。」
最後に
アンケート結果からは、女性が結婚を機に退職を決意することが圧倒的に多いことがわかります。その理由は家事に専念したい、出産・子育てがしたいなど人によってさまざまですが、いずれも共通するのは「結婚」にまつわるライフイベントだということです。
そしてさらに退職の理由を深く探っていくと「看護師だから」ということが見えてきます。
9時〜5時の規則正しい仕事や短時間のパートタイムとは違って、専門職である看護師の仕事は時間も不規則で、責任も重いことがよく分かる結果となりました。
ライフイベントが差し迫り「一体この先どうしたら…？」と悩んでいる看護師の方のヒントになれば幸いです。
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