脳出血患者の看護(症状・治療法・看護計画)について

脳外科でよくみられる疾患の1つである脳出血。脳血管障害は難しいとよく言われますがポイントをしっかりと押さえておけば看護も躊躇なく行うことができます。

脳出血の患者の症状から看護のポイント、注意点、看護計画までをご紹介します。

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「脳出血」とは

「脳出血」とは

脳出血とは、脳内出血とも言い、脳実質内への出血のことを言います。日本の脳卒中の20~30%にあたり、欧米と比較しても圧倒的に多くなります。発症時期は冬が多く、午前7時と午後5時という人間の活動時期に多いとされています。

出血部位は被殻、視床、皮質下、小脳、橋などでそれぞれ出血部位によって症状は異なります。原因は高血圧によるもの、アミロイドアンギオパチー(異常なたんぱく質が血管に張り付くことで血管がもろくなって切れやすくなること)や、動静脈奇形、モヤモヤ病、脳動脈瘤破裂などが挙げられます。

脳出血の患者の症状について

脳出血の患者の症状について

前述したように脳出血の患者の症状は部位によって異なりますが、全出血部位に共通する症状は以下の頻度で出現します。

患者の症状出現頻度
運動麻痺約80%
意識障害約50%
頭痛と嘔吐約30%

若者患者の脳出血の症状について

若年者に発症しやすい被殻の出血では片麻痺、病巣側への共同偏視が主症状となり、他にも反対側の感覚障害、同側半盲、失語、失行、失認が見られます。

同じく若者に発症しやすい橋出血では数分で昏睡、四肢麻痺、除脳硬直が見られるほか、縮瞳も見られます。

高齢者患者の脳出血の症状について

高齢者に多い視床出血では片麻痺が生じます。前述した被殻出血との鑑別が無図画しいのですが、発症当初に反対側のしびれが見られたり、縮瞳や眼瞼下垂が見られるのが見分けるポイントです。

小脳出血の場合の患者の症状について

小脳出血の場合は出血の程度で症状が変わり、比較的小さい出血の場合の症状はめまいのみとなります。出血が大きくなると激しい嘔吐、後頭部痛、めまい、病床と反対側の偏視も見られます。

ポイント!

ポイント
小脳出血はくも膜下出血と症状が酷似していますが意識障害が発症時に出現しないことや四肢麻痺が無いのに規律や歩行ができないことが鑑別するポイントとなります。

皮質下出血の場合の患者の症状について

皮質下出血の場合は症状により判断することが難しくなります。症状としては頭痛が主症状で部位によって片麻痺、失語、半盲、異常行動などが出現します。

脳出血の患者で看護師が注意する症状

脳出血の患者で看護師が注意する症状

脳出血の患者の症状で看護師が押さえておきたいポイントは症状からどこを出血しているかを判断することです。

特に眼球は出血部位によって唯一変化が著明であるため眼球の観察はポイントとなります。

発症時の症状とその経過を確認すること

脳出血は早期に治療しないことで出血が進み、症状が悪化します。そのため発症時の症状とその経過を追っておくこともポイントとなります。

橋出血の症状の症状は命の危険が高まる

出血部位によっては早急に治療を施さないと命の危険が高まります。橋出血が1番生命のリスクが高いものとなります。そのため橋出血の症状は看護師が押さえておきたいポイントとなります。

脳出血の2つの治療方法について

脳出血の2つの治療方法について

脳出血の治療は、外科的療法と内科的療法の2つに分かれます。

外科的療法・出血量が多い場合での治療
・救命救急目的での治療
・血腫の摘出をする場合での治療
内科的療法・点滴で止血剤を投与
・高浸透圧溶液を投与

外科的治療は出血量が多い時に救命目的で実施します。

また、血腫の摘出により症状の改善が見込まれる場合も外科的治療を行います。開頭血腫除去術および脳室ドレナージを留置します。

外科的治療の適応外である場合は内科的療法になります。点滴にて止血剤の投与をしつつ脳浮腫を進行させないように高浸透圧溶液を投与します。さらに血圧を管理して再出血を予防していきます。

脳出血の患者の看護計画について

脳出血の患者の看護計画について

脳出血の患者の看護計画を作成する際には内科的治療か外科的治療かに着目していくことが大切となります。脳内出血を罹患したばかりの患者を想定した看護計画は以下の通りです。

治療内容内容看護計画
外科・内科共通人工呼吸器鎮静剤の投薬
(投与薬剤が1回分の時間)
(投与薬剤の交換)
血圧管理・バイタルサインの計測
・血圧の変動を観察
点滴の管理・高浸透圧溶液の調整
・インアウトバランス
ベッド・ベッドアップ15~30度
・ベッド周辺の環境整備
外科的治療法ドレーンの管理ドレーンの観察
(排液の性状や量のチェック)
脳室ドレナージ清潔管理・滅菌操作

外科・内科的治療共通の看護計画について

まず外科、内科治療共通の看護項目についてです。脳内出血を罹患したばかりの患者は自発呼吸が減弱していたり、舌根沈下や呼吸中枢の障害により呼吸ができていない場合が多いです。

そのため人工呼吸器により呼吸器管理がされるため人工呼吸器に関する看護計画を立てていくことが必要となります。

鎮静剤の投薬も看護としては重要

人工呼吸器を使用しているということは鎮静をかけているため鎮静剤の投薬も看護としては重要となります。

特にプロポフォールを使用する場合はチューブ内の成分の腐敗や閉塞を防ぐために数時間ごとにルートを差し替えなければなりませんので、投与薬剤が1回分で何時間もつか、いつ交換するかを先に計算して看護計画に組み込んでおくと慌てずに済むでしょう。

循環のコントロール・血圧管理

循環のコントロールとして血圧管理も重要となります。バイタルサインをこまめに測定して血圧の変動を観察し高値である場合には医師と相談し降圧のコントロールを行います。

点滴の管理

さらに脳出血では外科治療でも内科治療でも多量の点滴を使用します。そのため点滴の管理も重要です。多くの点滴が輸液ポンプを使用して投薬されるものの、高浸透圧溶液は多くの施設が看護師が調整して点滴を落とします。

投与時間も細かく決まっているため時間を守って落としていくことが大切です。そして点滴を使用する上で大切なのがインアウトバランスです。高浸透圧溶液を使用すると排尿量が一気に増加します。そのバランスを観察するのも大切な看護となります。

患者への環境整備

ベッドは脳の循環を良くするためにベッドアップ15~30度としたり不要なものはなるべく患者のベッドから離しておくなど環境整備も忘れずに行いましょう。

外科的治療の看護計画について

外科治療の看護をする上で大切なのがドレーンの管理となります。

主に脳室ドレーンを使用するのが一般的ですので、脳室ドレーンの管理も看護計画に組み入れましょう。バイタルサイン測定時にドレーンの観察も一緒に行いドレーン内の排液の性状や量もチェックします。

排液が全く出てこない場合はドレーンルートの閉塞や留置部位のミス、過剰に出てくる場合は脳ヘルニアとなる危険性があります。決められた高さを守って管理をしましょう。

脳室ドレナージの清潔管理

基本的に脳室ドレナージは清潔管理となります。

そのため、清潔不潔をしっかりと区別し滅菌操作で正しく管理しましょう。看護師の管理の質によって感染症の罹患率が大きく左右されるため特に注意していきたいポイントです。

急性期・亜急性期患者の場合の看護計画

急性期・亜急性期患者の場合の看護計画

患者の状態内容看護計画
急性期血圧管理バイタルサインの計測
(1時間に複数回)
開頭術後の傷口のケア・感染症状の有無の観察
・清潔ケア
亜急性期回復期に向けたケア・関節可動域訓練
・こまめな吸引
・意識レベルの評価
危険行動への看護・転倒転落を起こさない対策
日常生活の援助・日中の車いす乗車

(急性期)バイタルサインの計測

脳出血の急性期ではバイタルサインの回数が非常に多く、1時間に何回もバイタルサインを測らなければなりません。

そのため、観察項目を紙に書きだしてチェックリストのようなものを作成するなど、観察項目を見落とさないようにしていきましょう。

(急性期)開頭術後の傷口のケア

開頭術後の傷口のケアも大切となります。頭皮は皮が厚い上に、皮脂や汗などの分泌物が多いことから汚染されやすく観戦しやすい部位となります。感染症状の有無の観察が必要です。

他にも清潔ケアなども必要となります。人工呼吸器やドレーンといった付属物が多量についているため清潔ケアを計画するときは必ず他の看護師に協力をしてもらって実施するようにしましょう。

(亜急性期)関節可動域訓練などを計画

術後の急性期を脱して亜急性期に入れば回復期に向けたケアが必要となります。臥床安静が続いていたことにより筋力は衰えています。ベッド上での関節可動域訓練などを計画して実施していきます。

こまめな吸引も看護計画に必要になる

呼吸が安定すれば鎮静薬を切り抜管をしますが、抜管後痰などの貯留物の増加などがありますので、こまめな吸引も看護計画には必要です。鎮静を切ったことで意識レベルの評価がよりしやすくなっています。

意識レベルもしっかりと評価していきましょう。

(亜急性期)危険行動への看護

亜急性期の時期の看護計画として大切なのが危険行動への看護です。脳出血後意識がはっきりすると自分の状況がはっきりとわかっていない人が多く手術前のように普通に動けると思って立ち上がろうとしたり歩こうとして転倒転落をする患者が非常に多いです。

患者に病気を理解してもらうとともに転倒転落を起こさないような対策が求められます。

ポイント!

ポイント
他にも清潔ケアや食事の介助といった日常生活の援助、鎮静によって時間の感覚がずれてしまっているので昼夜逆転を防止するために日中の車いす乗車もケアに盛り込んでおくと良いでしょう。

急性期の脳出血患者の看護の注意点

急性期の脳出血患者の看護の注意点

脳出血では特に急性期の看護に着目していくことが大切となります。

脳という生命の中枢が障害されているため呼吸と循環の管理は非常に大切となるため呼吸と循環の管理は確実に行いましょう。

1日でどのようなケアを患者に施すかタイムジュールを作成する

脳出血の看護は時間との勝負になります。特に術後3日目くらいまでは点滴の投与時間やバイタルサインの時間、ドレーンの観察する時間などが数時間おきに細かく決まっています。

あらかじめ受け持った患者が1日でどのようなケアをするのか、何時に何をするのか、タイムスケジュールを患者用に作成しておくことでスムーズに看護を展開することができるでしょう。

補足説明!

補足事項

脳出血患者に慣れるまでは患者につきっきりとなってしまって、他の患者のことまで見ることができないという状況となったり、1つのケアの時間がずれることでその後のケアが大幅にずれていき、他の勤務帯の人にも影響を及ぼしてしまいます。
7:1で看護を展開している以上、1人の患者のみにつきっきりとなることは、ほぼ不可能となるため先輩看護師の協力を積極的に求めるのも脳出血の患者を看護していくうえでは必要なこととなります。

意識が無い患者への声かけを忘れないこと

脳出血の患者を診る上で看護師がやりがちなのが意識が無いため患者に対して声かけなどをすることなく無言で黙々とやるべきことをやっていってしまうことです。(特に脳出血の患者を初めて診るなど慣れていない看護師に多いです。)

意識が無いと言えど人に対して看護を展開するため、血圧を測りますなどの声かけをするようにしましょう

実際こちらは鎮静で意識が無いと思っているのですがあとで患者から「眠っている時に聞こえた声だ」などと言われることもあったためきっと声は意識が無くても患者に届いているので、声かけは忘れないように注意しておきましょう。

ポイント!

ポイント
脳出血のみならず脳外科看護全般では脳に刺激を与えるという意味でも患者に積極的に声かけてコミュニケーションをとることが求められます。

まとめ(参考文献のご紹介)

【参考にさせていただいた文献】
脳神経疾患ビジュアルブック:学研98~102頁
系統看護学講座 脳・神経 医学書院:123~124頁、270~274頁

管理が大変と言われる脳出血の患者の看護ですがやるべきことは明確で起こりうる症状も決まっているためポイントを押さえておけば楽に看護ができるようになります。特に時間管理が上手くできれば慌てることなく、他の患者も診ながら時間に余裕をもって脳出血の患者の看護を展開することができます。

脳出血という基本的な病態や看護と一緒に時間の管理と声かけ、焦らないということも頭に入れておいてほしいと思います。

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