入院時に起こる子どもの事故と看護師が知るべき注意点

入院時に起こる子どもの事故と看護師が知るべき注意点

子どもは危険予測をすることが難しく、また、視野が狭い(大人=水平方向150度・垂直方向120度、子ども=水平方向90度・垂直方向70度)ことや、好奇心が強いことによって事故にあうことがあります。

ここでは、入院時に起こりやすい、子どもの事故と看護師が知っておきたい注意点・対処方法についてご紹介します。

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誤飲・誤嚥しないように注意すること

誤飲・誤嚥しないように注意すること

誤飲・誤嚥の多くは乳幼児に起こります。この時期の子どもは口の中に物を入れて遊ぶことがあり、誤って気管に入ると窒息します。

乳児期や幼児期の子どもは、ぬいぐるみの目や耳、おもちゃを動かす電池など食べてしまうことがありますが、処置した後に忘れやすい物は以下の通りです

  • 三方活栓のフタ
  • アルコール綿花
  • 注射針/注射器
  • テープ
  • 絆創膏など

他にベッド周囲にあるもので注意が必要なのは、オーバーベッドテーブルに置いていたティッシュペーパーやおしり拭き、本なども引き寄せて食べることがあります。

 

誤飲・誤嚥の対処法について

処置で必要なものは、トレイに入れて持っていき、使った後はベッドの上に置かないように決めましょう。

直径3.2㎝、長さ5.7㎝以下のものは気道内に入り、窒息してしまうことがあります。4歳未満の場合、オーバーベッドテーブルは手の届かないところにあることを確認してから、部屋を出るようにしましょう。

 

もし飲み込んでしまったら

気道内の異物を除去する方法としては、乳児であれば、

  • 背部叩打法
  • 胸部突き上げ法

また、1歳から成人であれば、

  • ハイムリック法(腹部突き上げ法)

を実施します。

同時に、呼吸停止や心停止となる可能性もあるため、CPR(心肺蘇生法)の準備も行います。

 

転倒しないように注意すること

転倒しないように注意すること

入院中、転倒しないように注意する点について、以下の3つを紹介します。

  • つまずく/滑って転倒
  • 部屋から飛び出して転倒
  • 点滴スタンドの足を踏んで転倒

転倒することで骨折や打撲を起こすことがります。

 

つまずく/滑って転倒に注意

入院中の履物として家族がスリッパを持ってくることがあります。靴のサイズが合っていないものも転倒しやすいため注意が必要です。

  • ベッドのハンドルを出したままにしている
  • 床に水が落ちている
  • 点滴コードがまとめられていない

など環境整備の不備により転倒することがあります。

 

対処法について

家族には、かかとのある靴を持ってきてもらいましょう。

また、環境整備の後には子どもの目線に合わせ、障害物がないかチェックしましょう。子どもの視野を経験するためには、「チャイルドビジョン」という模型用メガネを使ってみるのもおすすめです。

廊下の天井にあるクーラーから水滴が落ちてくることがあるため、夏場は特に注意してください。

 

部屋から飛び出して転倒に注意

入院すると子ども同士で仲良くなり、部屋で暴れることがあります。その際、部屋から飛び出してしまい、廊下で人にぶつかったり、滑ったりして転倒します。

 

対処法について

子どもたちが暴れる前には、部屋から大きな声や物音が聞こえてくるのでその段階で看護師が介入するようにしましょう。

ただし、注意するだけではあまり効果はありません。退屈な入院生活には、安静を保ちながらストレスを発散できるような「競争できる遊び」、例えばカードゲームや釣りゲームなどに切り替えて一緒に遊ぶようにしましょう。

 

点滴スタンドの足を踏んで転倒に注意

点滴スタンドの足は安定を保つために幅広にできているため、子どもがつまずくことがあります。そのため、トイレや検査に歩いていくときには注意が必要です。

 

対処法について

幼児期までは看護師が点滴スタンドを押すようにしましょう。小学生であれば、まず使用状況を確認してからひとりで使えるかどうか判断するようにしましょう。

また、点滴ルートがスタンドのキャスターに引っかかり転倒することもあるため、看護師は手を握って歩くようにしましょう。

 

ベッドから転落しないように注意すること

ベッドから転落しないように注意すること

入院中、ベッドから転落しないように注意することについては、以下の3つを紹介します。

  • ベッド柵が半柵になっている/ちょっと目を離してしまった
  • ベッドの上に踏み台替わりのものがある
  • 慌ててベッドから降りようとして落ちる

ベッドから転落すると、頭がい内血腫や出血を起こすおそれがあります。ここでは、転落の危険性と対処法について紹介します。

 

ベッド柵が半柵になっている/ちょっと目を離してしまった

乳幼児用ベッドの場合、ベッド柵があり2~3段階の高さで止まるようになっていますが、柵をあげたつもりでも斜めになっていることがあります。

また看護師が何か処置をしている間、ベッド柵を半柵にし、「ちょっと忘れ物をした」からとそのまま目を離してしまうと、子どもは後を追って落ちてしまうことがあります。

 

対処法について

ベッド柵についている両サイドのストッパーが「カチッ・カチッ」と音がするのを確認するようにしましょう。上げた後の確認として、ベッド柵の上から下に向けて3回押すようにしましょう。また、忘れものをしないよう、ベッド柵を下げる前に一度、物品の確認をしましょう。

よじ登り防止には、靴下を履かせて滑るようにするのも効果的です。乳幼児用ベッドは半柵で使用しないこともひとつの方法です。

 

ポイント!

ポイント

「かわいそうだから」と家族が半柵にしていることがあります。

看護師は、ベッド柵の目的や危険性についてパンフレットを用いながら説明・理解してもらいましょう。

 

ベッドの上に踏み台替わりのものがある

乳幼児用ベッドの子どもが食事やお絵かきをするとき、その中にミニテーブルを入れることがあります。使い終わったままにしておくと、それを踏み台にして転落することがあります。

また、大きなぬいぐるみなどおもちゃが踏み台になり、ベッド柵を越えてしまうこともあるため注意が必要です。

 

対処法について

朝食や夕食時はスタッフの人数も少なく、目が行き届かないため注意が必要です。ミニテーブルは、食事が終わり次第片づけるようにしましょう。また大きなぬいぐるみなど、踏み台になるようなものは看護師や家族がそばに居る時以外は、外しておくようにしましょう。

 

慌ててベッドから降りようとして落ちる

幼児期から学童期に起こりやすいことですが、慌ててベッドから降りようとして滑ってベッドから落ちることがあります。

 

対処法について

慌ててベッドから降りるときはどんなときか聞き、慌てず行動するためにはどうすればよいか話し合うようにしましょう。

 

もし転倒・転落してしまったら

子どもを安全な場所へ移動させて医師に診察してもらいましょう。外傷を確認し、必要があれば頭部CT検査を行います。

転倒・転落後は、嘔気・嘔吐や頭痛、意識レベル、呼吸状態、けいれんの有無、四肢の動き・左右差、瞳孔不同などに注意して観察します。

 

まとめ

まとめ

参考にさせていただいた文献

子どもは危険予測が難しいため、入院時にも注意が必要です。

誤飲・誤嚥への対処法としては、その大きさを確認し、子どもの手が届かないところに置くようにしましょう。

転倒に注意する点としては、「つまずく/滑る」「部屋からの飛び出し」「点滴スタンドの足を踏む」ことに注意が必要です。子どもの目線に立ち、危険なものがないかチェックしてみましょう。

ベッドからの転落については、「ベッド柵が半柵になっていないか」、「ベッドの上に踏み台替わりになるようなものはないか」確認しましょう。また幼児期・学童期の場合は、慌ててベッドから降りようとして転落することがあるため、繰り返し話し解決策について話し合うようにしましょう

子どもの安全を守るためには、家族の協力が必要です。家族にも理解できるように説明することが大切です。

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