乳児期・幼児期・小学生・思春期の小児患者の看護ポイント6つ

乳児期・幼児期・小学生・思春期の小児患者の看護

看護師が小児患者へ接する時のポイントは発達段階によって多少変わってきますが、基本は変わりません。

症状や自分の気持ちを訴えることが難しい子どもたちに対して、何を訴えようとしているのかを考えながら観察するようにしましょう。

また、ひとりの人格を持っている人だということを理解し、協力を促したり、ルールを守るように相談したりすることも必要です。

ここでは、入院して治療を受けている患児に対する看護のポイントについてご紹介します。

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乳児期の小児患者への看護のポイント

乳児期の小児患者への看護

乳児期の患児は、ほとんど言葉を話すことができないため意思疎通をはかることが簡単ではありませんが、患児のことをよく観察すると何を訴えていたのかを知ることができます。これから乳児期の小児患者へ接するときのポイントについて説明します。

 

何を訴えようとしているのかを観察することが大切

乳児期の患児がぐずったときにまずチェックすることは、「どこかに痛みや苦しいと感じる原因はないか」とうことです。「ぐずっている」という表現ひとつでも、

  • 痛い・苦しい
  • 寒い・暑い
  • お腹が空いた
  • さみしい
  • オムツ代えてほしい
  • 眠たい

などさまざまです。入院の原因となった病気から出てくる徴候や症状、治療による副作用などをチェックすると良いでしょう。

 

乳児期の患児の訴えが痛みや苦しさではない時の観察項目

乳児期の患児がぐずっている理由が痛みや苦しさを感じているわけではないと判断したら、以下を確認してください。

  • 抱っこしながらさみしくはないか確認
  • 身体を触り、冷たくないか、熱くないかの確認
  • オムツの周囲をにおい、うんちしていない、触ってみておしっこしていないか確認
  • 食事時間などからおなかが空いていないか確認

確認後に原因が分かったら、問題を解決します。このような流れを続けていると、痛い時の泣き方とさみしいときの泣き方など、それぞれの特徴が見えてきます。

 

日常生活の援助では泣き方の特徴からのアセスメントで対処する

乳児期の子どもの皮膚はやわらかく柔軟であるため、点滴が皮膚の下に漏れて腕が腫れあがっていても、患児は少しぐずる程度です。乳児期の患児の日常生活の援助については、泣き方の特徴を優先にしたアセスメントをして対処することが大事です。

 

ポイント!

ポイント

薬によっては取り返しがつかないこともあるため、看護師は点滴が漏れていないか注意しなければいけません。

 

日常生活を援助するときには表情をつけて声かけする

患児に対して日常生活援助をする際は、無表情・無言で援助せずに表情豊かに接するように心がけましょう。ただし、常に笑顔で接すれば良いわけではありません。

事例看護師の対応方法
オムツの交換前看護師は少し辛い表情を作り、声掛けをする
オムツの交換後 看護師は笑顔で声掛けをする

乳児期といえども、子どもは良く援助してくれるひとの顔を見ています。そして、

  • 乳児の自分の気持ち:気持ち悪い・気持ちいい
  • 見ている看護師の表情や声のトーン:気持ち悪そう・気持ちよさそう

以上の内容から、コミュニケーションを学んでいるのです。多くの言葉をかけることで言語を早く習得することもできるようになります。

 

幼児期の小児患者への看護のポイント

幼児期の小児患者への看護

幼児期は成長するにしたがって多くの言葉を話せるようになり、言葉の意味も少しずつ理解できるようにもなります。幼児期の小児患者へ接するポイントは、言葉を理解できるようになってきたことが鍵となります。

 

治療がスムーズに進むように小児患者に協力してもらう

言葉が分かる幼児期の小児患者には、治療をする際になぜこの治療が必要か説明し、理解してもらった上で協力してもらいましょう。3歳の幼児を対象にして、具体例を見てみましょう。

治療の事例目的
点滴の針を刺す前点滴の針を刺す体勢を選択させる
  【声掛け例】
「今から元気になって早くおうちに帰れるようにチックン(針を刺すということ)するけど、座ったままでするか寝てするかどっちがいい。」など
 点滴中 幼児が手を動かさないようにする
 【声掛け例】
「動かないようにしてくれたら早くチックンも終るよ。」
「動くと危ないから、泣いてもいいけれど動かないようにしてくれるかな。」など

看護師がわかりやすく声をかけ、説明することで乳幼児も選択をするなど、協力してくれます。

 

幼児期の小児患者の家族にサポートをしてもらう

協力を求めても泣き叫んで看護ができない幼児期の小児患者もいます。そういった場合は母親に一緒に付き添ってもらうということもひとつの手です。家族に付き添ってもらうことにより、

  • 医療者がどのような関りをしているのか知ってもらえる
  • 小児患者の辛さを感じて共感してもらえる

ことができるチャンスでもあるため、メリットが高いです。

 

小学生の小児患者への看護のポイント

小学生の小児患者への看護

小学生の小児患者へ接するポイントは、一緒にルールを決め、入院生活をスムーズに送ることができるようにすることです。小学生にもなると、子どもは自分たちでルールを決めたり、それを守ったりしながら過ごすことができるようになります。

 

小児患者がルールを守る環境を看護師が作ることが大切

病気により安静が求められる小学生の小児患者の場合、ベッド上で過ごす時間が多くなります。ベッドで過ごす時間が長いと、昼間いつでも寝ることができる状態であるため、夜遅くまで起きていることになり、朝起きられないという流れになってしまうのです。

 

小学生の小児患者にルールを守る環境をつくる方法

看護師が小学生の小児患者にどのようにルールを守ってもらうかと言うと、細かな日常生活を送る上での時間ごとのスケジュールを立てることです。一例を紹介します。

時間スケジュール
6:00~・起床
・はみがき
・洗面
8:00~・朝食
・院内学校へ行く準備
9:00~院内学校へ
遊び時間・TVを見る
・ゲームをする
・友達や看護師とトランプをする
就寝前など1日の振り返りノートをつける(可能であれば)

このように、自分で決めたスケジュールを紙に書き、色やシールなどを貼りながら一緒に作り上げていくということが大切です。

 

ポイント!

ポイント

ルールを決めて入院中の生活を整えることは、通常の学校生活に戻った時に環境に適応しやすくなり、不登校になる問題を防止することにも繋がります。

 

小児患者の家族へ連絡ノートをつくり協力をしてもらう

小学生の小児患者には看護師と打ち解けられず、コミュニケーションが取りずらいケースもあります。小学生の小児患者と一緒にルールを決めずらいのであれば、小児患者の家族に連絡ノートをつくり協力を仰ぐことも良いです。

 

連絡ノートは家族の不安を解消するツールにもなる

小学生の小児患者の家族へ連絡ノートをつくることで、小児患者の家族が気になっている問題を医師や薬剤師など他部門とも連携をとりながら解決できます。家族の不安を解消することで、家族と看護師間の信頼関係も強くなり、小児患者の看護にも良い影響を与えます。

 

思春期(中・高校生)小児患者への看護のポイント

思春期(中・高校生)小児患者への看護

思春期(中・高校生)の小児患者へ接するときのポイントは、精神的なバランスを取って良い関係を築くことです。中学生や高校生ほどの思春期の小児患は、乳児や幼児、学童期とは違い、自分自身で問題を解決できることが増えてきますが、

  • 周囲のことに敏感で少しのことにも傷つきやすくなる
  • 自暴自棄になり危険な行動を起こすこともある
  • 気持ちと反して反発することもある
  • 無関心だと寂しさから問題行動を起こす

というように、精神面が不安定になりがちです。看護師は寄り添うバランスも考慮する必要がでてきます。

 

中学生・高校生の小児患者へは干渉しすぎず気にかけること

受験を控える中学生・高校生の小児患者もいます。病室では勉強に集中することが難しいため、可能な限り適した場所の提供が必要です。思春期の患児に対しては、干渉しすぎないようにし、かといって知らないと無関心にならず、気にかけているよと信号を送ることが大切なのです。

 

看護師が小児患者と信頼関係を築く方法

看護師が小児患者と信頼関係を築く方法

看護師が小児患者と信頼関係を築く方法としては、小児患者から信頼してもらえて、コミュニケーションを取りやすい関係を作ることです。小児患者と信頼関係を築くためには、具体的にどのような方法があるのかこれから説明します。

 

看護師は小児患者へ嘘をつかないことが大切

当然、看護師において必要な守秘義務や、病気における告知などについては嘘が必要な状況もあります。しかし、嘘をつかずに接すると信頼を得ることができ、スムーズに看護を受け入れてくれるようになります。小児患者は嘘をつかれると、それ以降信用してくれなくなる確率が非常に高くなるのです。

 

小児患者へ安易に「痛くない」と言わないこと

小児患者本人が痛いと感じ、訴えているのであれば、看護師は「痛いと感じている患者の看護」を行う必要があります。そもそも、施す治療が痛いのか痛くないのかは主観でしかありません。安易に「痛くないよ」という言葉は使わないことがおすすめです。

 

ポイント!

ポイント

小児患者にとって「痛い」という表現は、「医師が怖い」→「前に痛いことをされた」→「痛いことを思いだして痛い」という思考の流れの場合もあります。

 

小児患者の家族との信頼関係を築く必要もある

小児患者と看護師の信頼関係を築くためには、小児患者の家族とも信頼関係を深めることが必要になります。さっそく、小児患者の家族との信頼関係の築き方について説明します。

信頼関係を築く方法家族が得るメリット
連絡ノートをつくる・病気の状態、食事量、友達と遊ぶ様子などを知ることができる
・抱える不安や不明点を看護師に相談しやすい
付き添い者の生活もサポートする・付き添いの子どもを看護師に預けられる
・小児患者との時間を大切にできる
助成金などの制度を紹介する※1・医療費の負担を大幅に軽減することができる

特に、付き添いを連れている患者家族には、看護師から積極的な声掛けを行うことが良いでしょう。

 

※1:具体的な助成金制度について

自治体によって対象年齢や補助内容は多少異なりますが、「乳幼児医療費助成制度」という医療費を負担してくれる制度があります。ほとんどが小学校就学前までの乳幼児を対象としていますが、

  • 子ども医療費助成制度
  • ひとり親家庭医療費助成制度

を設けている自治体もあります。詳しくは、地域医療連携室に相談すると各自治体に問い合わせた結果を家族に報告してくれます。

 

小児患者の家族が抱える悩みと対処法

小児患者の家族が抱える悩みと対処法

小児看護における家族は、両親・きょうだい・祖父母など生活を共にしている人のことを言います。小児患者を持つ家族が抱える悩みは「精神的側面」「身体的側面」「社会的側面」の3つに分類されます。ここでは、両親の抱える悩みとその対処方法について紹介します。

 

精神的側面・身体的側面・社会的側面の悩みとその対処法

まずは小児患者の家族が抱えやすい「精神的側面」「身体的側面」「社会的側面」の悩みと具体的な対処法を説明します。

悩みの分類具体的な悩みの症状
 精神的側面 【子どもに対する不安】
・病気は治るのだろうか、など
【医療者に対しての不安】
・正しい治療をしているのか、など
 【看護師の対処法】
・家族がいないときの子どもの様子や状態を面会時に伝える
・オープンで落ち着いた雰囲気で子どもやその家族と接する
・今後の治療方針などを医師から説明してもらうようにコンタクトをとる
身体的側面【身体的な疲労の蓄積】
子どもが感染症の場合はその家族も一緒に罹患してしまい、休息が十分に取れない
 【看護師の対処法】
・小児患者の付き添いの家族の健康状態の確認をする
・付き添いの家族が健康に異常があれば外来への受診をすすめる
社会的側面 【金銭面に関する悩み】
・入院費や仕事の休暇について
 【看護師の対処法】
・治療が長期になる場合は早めに相談を持ちかける
・必要に応じて地域医療連携室に問い合わせる

 

小児患者の病気に対して自責の念にとらわれる家族も多い

自分のせいで子どもが病気になってしまった、と自責の念に駆られる小児患者の家族は多いです。この場合、看護師は家族に対しても辛い気持ちに共感し、今できることに目を向けて未来志向になるように促すことが大事です。

 

家族の不安に共感ができないとモンスターペアレンツになることも

小児患者の家族は、子どもが心配だからこそモンスターペアレンツになってしまうことがあります。「児のことを心配している」という気持ちを伝えながら日頃から、丁寧な対応を心がけるようにしましょう。

 

小児患者の兄弟がふさぎ込んでしまうことがある

家族の中に病気の子どもがいると、その子中心の生活になってしまい、

  • 親が兄弟に関心が向かない
  • 小児患者の兄弟に我慢をさせてしまう

ことがあります。そのため看護師は、両親に兄弟の様子を聞き、面会の付き添いで兄弟が来ているときには話をして、兄弟にも気を配るようにしましょう。

 

まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか。乳児期、幼児期、小学生、思春期の小児患者はその時々で看護のポイントも大きく変化します。そして、家族に依頼するサポートの方法なども変化します。

意思疎通が可能になる、中学生・高校生の小児患者の看護が簡単ではないのです。看護師は小児患者ごとの観察はもちろんですが、年齢に伴う精神的変化などの知識や対応方法も大事になります。

とにかく、小児患者とその家族としっかりした信頼関係を築くことができるのかが重要です。この記事が少しでも看護師のためにされば幸いです。

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