ベテラン看護師と呼ばれる年齢になると、「看護師免許プラスα」の資格が欲しくなるのではないでしょか。看護師だけでも、生活を支えるにはとても有用で大切な資格です。
ですが、それだけでは自分の成長が感じられない、自分に自信が持てないと感じる看護師も多いのでしょう。
これからベテラン看護師が持っていて得をする資格についてご紹介します。
看護に活かせるプラスαの資格とは?

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ベテラン看護師がプラスαで資格取得を考えるのであれば、今の業務に活かせてスキルアップに役立つ資格がおすすめです。
さっそく、スキルアップに役立つ資格をいくつか紹介します。
認知度が高く業務に活かしやすい資格がおすすめ
ベテラン看護師であれば、看護の業務に活かせて認知度も高い資格を持っていて損はありません。代表的な資格を働く診療科とあわせて表で紹介します。
| ・内視鏡を取り扱う部署で勤務 ・クリニック勤務 | 資格:消化器内視鏡技師 |
| 【資格を持つメリット】 内視鏡を扱う職場は幅広くあるため、資格が活かせる場が多い | |
| ・救急外来で勤務 ・呼吸器疾患患者が多い部署で勤務 | 資格:3学会合同呼吸療法認定士 |
| 【資格を持つメリット】 呼吸について指導を行う際に、3学会合同呼吸療法認定士を取得する際に得た知識が役立つ | |
| ・ 糖尿病患者が多い内科クリニックで勤務 | 資格: 糖尿病療養指導士 |
| 【資格を持つメリット】 外来糖尿病患者に対して「糖尿病透析予防指導管理料」を算定できる |
どの資格も、看護師だけでなく准看護師であっても受験資格があり、実践と理論を結び付けて考えることができるため、自分の今の看護技術に自信が持てるようになります。
勤務している病院によっては資格手当を付与されることもあり、資格取得の励みになるでしょう。
ベテラン看護師なら看護のスペシャリスト資格を持つべき
ベテラン看護師がとって得する資格には、認定看護師資格と専門看護師資格の2つがあります。最初にそれぞれの資格の条件を説明します。
看護のスペシャリストとしての自信と、活動の場を広げるためには認定・専門看護師資格はとても有用な資格になります。
認定看護師資格・専門看護師資格を持つメリット
認定看護師資格や専門看護師資格を持っていると、以下のようなメリットがあります。
- 患者や家族への直接ケアだけでなく、相談や教育・管理にまで幅広く貢献ができる
- 診療報酬などで病院やクリニックに貢献することができる
ベテラン看護師だからこそ、認定看護師資格や専門看護師資格を持つことにより、自分の価値を高めることに繋がります。
強みを持つために特化した学会認定資格を取る
今の現場に活かせる学会認定資格を取ることは、現場のリーダーであるベテラン看護師にとって、自信をもって患者指導やスタッフ教育をする基盤になります。
ベテラン看護師は何かひとつでも特化した看護知識を持つと強みになります。
ベテラン看護師におすすめの学会認定資格
学会認定資格は数多くありますが、特にベテラン看護師におすすめの学会認定資格を紹介します。
- 日本口腔ケア学会認定資格4級
- 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
- 呼吸ケア指導士
- 心臓リハビリテーション指導士
- 骨粗鬆症マネージャー
- BLSヘルスケアプロバイダー
- トリアージナース(※1)
- 透析技能認定士
- フットケア認定士
- 日本コンチネンス協会認定排泄ケア専門員
- 認定IVR看護師
- 禁煙認定専門指導者
(※1)トリアージナースは診療報酬に関係する資格のため、場合によっては資格手当も付与されることもあります。
学会認定資格の取得には、学会に所属することが必須などの条件もありますが、どの学会認定資格も今ある知識や看護技術を深め、現場に活かすことができます。
教育に役立つ資格は非常勤講師として活躍する場が広がる
ベテラン看護師になると、実習指導をはじめ看護・介護スタッフに指導すること機会が多いと言えます。
ベテラン看護師がとって得する資格としては、
- 看護実習指導者の資格
- 医療的ケア教員講習会を受講して取得できる資格
この2つがあります。教育に役立つ資格を持つことで、非常勤講師として活躍する場も広がります。
メンタルケアに強くなる資格は役立つ

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看護師資格を有したベテラン看護師が、メンタルケア資格を持つことは体と心をサポートできるとても役立つ資格になります。
具体的にどのようなメンタルケアの資格がおすすめなのか紹介します。
カウンセリング資格は看護の仕事で特に役立つ
看護師がカウンセリングの資格を持っていると、患者や家族の気持ちに深く寄り添い、強い信頼関係を築くことができるようになります。
おすすめのカウンセリング資格としては、
- 上級心理カウンセラー
- 心理相談員の資格
- 産業カウンセラー
などがあります。
カウンセラー資格の種類によっては、病院以外の自分を生かせる可能性も広がります。
看護師がカウンセラーの資格を活かせない職場もある
臨床心理士や精神保健福祉士などが在籍する職場では、看護師がカウンセラーの資格を持っていてもその技法を活かす機会がないこともあります。
ですが、カウンセリングの技法を学ぶことは無駄にはなりません。
ベテラン看護師はコーチングを学ぶと良い
ベテラン看護師がコーチングスキル資格を持つと、患者や家族、共に働く看護師がもつ目標を達成させるための支援ができるようになります。
つまり、看護系の資格を取ることよりも、看護師の教育や患者支援にとても役に立つのです。
コーチングとは相談者の夢や目標の道しるべ
コーチングとは過去よりも未来に目を向け始めたクライアント(相談者)が対象になります。
相談者が、なりたい自分やかなえたい目標に向かい始めたときに、コーチングスキルを使って相手の中にある答えを引き出し、目標達成するため道をつくるのです。
本格的な国家資格のメンタルケア資格はキャリアップにも使える
国家資格である精神保健福祉士・認定心理士・臨床心理士・公認心理士の資格は、メンタルケアを本格的に患者に行いたいと希望するベテラン看護師におすすめです。それぞれ資格取得のためには大学や大学院に進むなど、将来のキャリアアップにも使えます。
ベテラン看護師には福祉に活かせる資格もおすすめ

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ベテラン看護師として医療の最前線で活躍し続けるのも良いですが、今後も必要とされる福祉について専門的で具体的な指導ができる資格を持つことがおすすめです。
具体的な福祉の資格でおすすめできる資格は以下の通りです。
- ケアマネジャー
- 介護予防指導士
- 福祉環境コーディネーター
在宅看護に必要なケアマネジャーの資格があります。訪問看護・訪問診察を行う上では治療に詳しいケアマネジャーの存在はとても重宝されています。
今すぐ転職を考えていなくても、ケアマネジャーの資格は地域や福祉・介護の道に進みたくなった時に役立ちます。
独立を視野に入れて資格を選ぶことも良い

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ベテラン看護師として病院看護師としての自分ではなく、第2の人生を考えたとき、起業や独立、副業に役立つ資格を取ることは、自分の未来が開けます。
将来、ベテラン看護師が独立を考える時におすすめできる資格を紹介します。
将来的に独立活動が出来る「医療リンパドレナージセラピスト」資格
リンパセラピストは今までもあった資格ですが、医師の指示のもとで実践する「医療リンパドレナージセラピスト」になることは、安心して技術を患者に提供できることになります。
ゆくゆくは、実力を身に付け、在宅看護分野などで独立して活動する道も開けます。
ベテラン看護師が持っていて無駄な資格はひとつもない
今の職場に直接関係ない資格でも、持っていることで必ず役に立つときはきます。
ベテラン看護師の経験が、起業や独立する際に、信頼感として相手に伝わり、口コミでクライアントが増えていくこともあります。
最後に
ベテラン看護師の「看護師免許プラスα」の資格についてご紹介しました。
ベテラン看護師になると、家庭事情やこれからの自分の人生を考え、看護師でありつつ今までとは違う働き方をしたくなることもあります。
病院やクリニックで常勤として働くだけでなく、自分で働き方を見出すための資格を取ることも、視野が広がり自分の人生を前向きに考え直すことができるのではないでしょうか。


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