初めて看護師の実習指導者として働いた体験談!看護学生との関わり方

私が初めて看護学生の実習指導者になったのは、看護師になって2年目の夏で、それまで他の病棟に勤務していました。正直、看護師2年目でまだ教えてもらうことも沢山ある中で、私が実習指導者として任命されたことには驚きでした。

私の働く病院は附属の看護学校を運営しており、

  • 実習に来るのは自分の後輩にあたること
  • 看護学校を卒業してからまだ期間が短く看護学生に近い立場であること
  • 指導を通して私自身の成長にもつながること

以上のような理由で、私は実習指導者として仕事をすることになりました。私の他にも、看護師歴10年以上のベテラン看護師や6年目の先輩も実習指導者になり、お互いに情報共有しながら指導をしました。

最初の1年目に私が受け持った看護学生は、主に3年生(最終学年)でした。1クール(3週間)で4~5名の看護学生を担当し合計30名ほどの看護学生を担当し、現在までに100名ほどの看護学生を担当させていただきました。

初めて看護師として実習指導者になる方や看護学生との関わり方が不安な方は、是非私の体験を参考にしてみてください。

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経験による看護学生の違いを感じた

経験による看護学生の違いを感じた

画像:shutterstock

最近は資格を保有していることが就職に有利であることもあり、国家資格である看護師の資格を取得しようとする方が増えてきました。

そのため、社会人になってから看護学生となり、看護師資格を受験をする方も多く見られるようになりました。

高校を卒業して、看護系の学校に入学した看護学生と社会経験を経て入学した看護学生では、社会経験を通して学んできたマナーや人との関わり方、学習や実習に対するやる気などに違いがみられます。

まずは、私が体験した経験による看護学生の違いについて説明していきます。

高校を卒業後に看護系の学校に入学した看護学生

高校を卒業したばかりの看護学生は、社会人になるための基礎が不十分であり、マナーから指導しなければならないことも多い印象でした。

しかし、多くの看護学生は感情表現や考え方がまっすぐで素直であり、指導内容や周囲のさまざまな刺激を受け入れやすく、実習指導者としては教育しやすいと言えます。

また、素直なため仕事への取り組む変化が目に見えてあらわれやすいように感じました。

社会経験のある看護学生

社会人経験がある看護学生の特徴は、社会人として基礎的なマナーができており、学習やコミュニケーションを努力している様子がうかがえました。

しかしその反面、自分のやり方や考え方、価値観などが出来上がっているため、それを簡単に変えることができず指導が難しい印象を受けました。

そのため、自分の意見を大きく主張することや、時に反発してくる看護学生もおり、指導してもなかなか変化がみられないという看護学生が多いように感じました。

性格や個性による看護学生の違い

社会経験があるか、ないかによる違いもそうですが、看護学生一人一人に個性があり、

  • 厳しく指導しないと伝わらない看護学生
  • 少し厳しく指導しただけで実習に来なくなってしまう看護学生

などもおり、力の入れ具合が大変難しい印象でした。

私の病院では、実習前に実習担当教員と打ち合わせがあり、看護学生ごとに大まかな性格や注意点が知らされます。しかし、やはり本人を前にしなければ分からないことが多く、初日から頭を悩ませることばかりでした。

そのため、私はなるべく看護学生の立場になって考えてみることを実行し、看護学生が安心できるよう適度に優しい実習指導者をアピールしました。

私が目指した「適度に優しい、相談しやすい」実習指導者

私が目指した「適度に優しい、相談しやすい」実習指導者

画像:shutterstock

看護学生は、私たち実習指導者に対して「怖い人なのか」「厳しい人なのか」「優しい人なのか」「自分を理解してもらえる人なのかと」様々な思いを抱え、常に緊張している状態です。

ここで、実習指導者として怖い印象を与えてしまうと、看護学生が一歩引いた関わりしかできず、実習指導者から

  • 「怒られないこと」
  • 「指摘されないこと」

などが目標になってしまうのです。

看護師の中には、いずれ看護師という厳しい世界に入ることになるのだから、厳しさは当然であり、それに負けているようではいけないと言われてきた世代もいますが、最近の看護学生にはその厳しさが逆効果となってしまうのです。

頑張った看護学生は徹底的に褒めて伸ばした

私は、看護学生に対して、頑張って実習に来た方をまずは褒めることが大切だと感じています。

理由としては、実習は座学では得られない学びが沢山あるため、まずは毎日実習に来ることが大事であり、そこで諦めてしまっては学べるものも逃してしまうからです。

そのため、私は毎朝必ず看護学生一人一人に「今日もよく頑張ってここに来たね」と声をかけることを徹底していました。

笑顔になる看護学生もいれば、緊張が解けて「ホッとする」看護学生もいますが、このひと言でそれぞれが、

  • 困っているのか
  • 楽しんでいるのか
  • どのような思いで実習に向かっているのか

などを知ることが出来ました。

朝の段階で看護学生の様子や実習への姿勢を把握した

正直、毎日平等に時間をかけて看護学生に指導することは難しいですが、朝の段階で看護学生の様子や実習への姿勢を把握することができると、どの看護学生にどのような指導が必要なのかを判断することができます。

また、指導の後に自分なりの方法で克服できているのかということも感じることができるため、実習を重ねるごとに少しずつ成長していく姿を見ることができました。

看護師の体験談

少しの成長を看護学生に伝えることにより、モチベーションを高めることができました。

また、結果的に患者にとって良い看護を提供するという実習目標を達成することができ、このような関わりをしながら、看護学生がその場で立ち止まってしまわないよう背中を押すことが指導者の大切な役割だと私は感じました。

相談しやすい実習指導者を目指した

看護学生が迷っているとき、困ったことがあったときに「看護学生の方から相談しやすい実習指導者」であることが大切だと私は考えていました。

看護実習を合格することが最終的な目標ではありますが、本来の実習目標は、

  • 自分がどのような考えの下で、どのような看護を展開していくのか
  • 自分の看護により、患者にどのような良い利益を与えられるのか
  • 他の看護師や他職種との関わりに気づき、学ぶこと

などです。

そのため、看護学生が患者を通して、それらの多くのことを学ぶためには実習指導者との「良い関係性・相談しやすい関係性」が重要なのだと感じます。

看護学生にとって、一番身近にいる実習指導者は「手本であり、理想」でもあります。その実習指導者と良い関係性ができているからこそ、指導されたことを受け入れやすくなり、それが学生の成長につながるのだと思います。

看護学生の「分からない」を一緒に考えた

実習の3週間は、長いようで短いもので、看護学生が良いモチベーションを維持しながら実習の成果を得るためには関わり方と同じくらい指導の方法も重要です。

看護学生が前日に指導したことを、翌日になっても学習していないということはよくありますが、「なぜやっていないのか」という指摘に対して、「分からなかった」という学生に問い詰めるような指導をしても学生のモチベーションを下げてしまうだけでした。

私は、看護学生が実習の中では分からないことを「実習指導者と一緒に考えることが大切」だと考えました。

そして看護学生に対し、

  • 少しずつ答えに導くよう質問をすること
  • 資料のどの辺りに書いてあるのか一緒に確認すること
  • なぜその知識が必要なのかも一緒に考えていくこと

などによって、看護学生は学習の方法や必要性を一緒に学ぶことができました。

看護師の体験談

私(実習指導者)がすべての内容を理解していなければならないわけではありませんでした。

看護学生が疑問に思っていることを、知らない場合も沢山ありました。

そのことを隠しておくのではなく、あえて「私も分からない一緒に考えよう」という言葉をかけることによって、看護学生との距離が近づき、「看護師だからといってすべてのことが完璧にできるわけではない」という看護学生の安心にもつながったと思います。

また、実習中のこのような経験が、今後看護師になってからも疑問をそのままにせず、解決していくことの大切さを知り、自ら学ぶことができるという強みとなると感じます。

実習指導者として私が感じたこと

実習指導者として私が感じたこと

画像:shutterstock

最後に私が実習指導者として感じた不安と悩み、またその解消方法について体験談から説明していきます。

同じように感じている方は参考にしてください。

私が感じた不安

私が実習指導者として一番不安に感じたことは、自分の指導が原因で「看護学生が潰れてしまうのではないか」と不安でした。

しかし、看護学生が間違っていることは指摘しないといけないことは分かっており、間違っていることや理解できていないことに関しても注意せず見過ごす訳にはいかず、どのように声をかけたら良いのか、看護学生以上に私の方がビクビクしていたのではないかと思います。

また、異動してきたばかりの病棟だったこともあり、その病棟のこと、スタッフのこと、入院患者の疾患についても詳しくないという不安もありました。

看護師の体験談

私は不安で仕方ありませんでしたが、先輩実習指導者からのフォローや、看護学生が看護師になるために座学では学べない臨床現場で必要な知識、技術、時には厳しさや怖さを伝えることが大切だと思い、仕事に取り組みました。

もちろん、看護師という仕事の魅力、やりがい、楽しさ、そして患者に「ありがとう」と言われることの重みを感じてもらえるよう、一緒に学んでいくことを目標に取り組んだことを今でも覚えています。

私が感じた悩み

私が担当している4~5名の看護学生一人一人の性格を考えながら指導することは非常に悩み、一番苦労しました。

5人の看護学生に同じように「明日までに考えてくるように」と伝えても、

  • 十分考えていた看護学生
  • 教科書を写しただけのような内容の看護学生
  • 考えたけれど、まとめきれなかった看護学生

というように、みな同じようにはいきませんでした。

看護学生の特性、性格に気づくまでは、悩み以外ないと言っても過言ではないくらい苦労しました。

看護師の体験談

私は看護学生一人一人とよく話をすることから始めました。

指導の中でふと出した質問や、課題にしっかり答えられるかなどを評価とは関係なく会話の中で実践していきました。

すると、すぐに答えられるだけでなく、その質問の意図を読み取って翌日はさらに学習を深めている様子がうかがえる看護学生、同じような質問をしても一向に答えられない看護学生を見極めることができました。

なかなか答えられない看護学生は全く頑張っていないわけではなく、時間がかかるだけだと指導をする中で気づき、「させる」ではなく「一緒に調べる」ように指導方法も工夫しました。

当初、厳しい指導をしているわけではないのに実習を休んでしまう看護学生もいましたが、この指導方法にしてからは、看護学生が実習時間終了後に自ら進んで質問に来てくれることや、「ここまでしか分からないので教えてください」と意欲を見せてくれて、看護学生自身も自分の成長を感じられるようになり脱落者を出すことなく実習を終えることができるようになりました。

私が感じた良かったと思うこと

私は実習指導者を通じて「自分の学んだこと」「身につけたこと」を人に伝える難しさに気づけました。そして忘れかけている「看護師になりたい」という純粋な気持ちを思い出せてくれたことが良かったと思うことです。

看護師の体験談

正直、私が実習指導者を経験しなければ看護師の仕事を業務のように淡々とこなし、患者が理解しているかどうかなど深く考えず、内服指導や退院指導をしていたと思います。

看護学生への指導を通して、私自身もまだ知識を学ぶ段階にいる看護学生が分かるように伝える方法を学べました。

今となっては褒められようが、怒られようが気にもしなくなってしまいましたが、何かできるようになった時の看護学生のきらきらとしたピュアな瞳を見るたびに、「看護学生が憧れる看護師であり続けよう」と心がけることができました。

これから初めて実習指導者を担当する看護師の方へ

実習指導者に任命されたとき、多くの看護師が「面倒臭い」「嫌だ」と言います。

しかし、同僚や先輩からは学べない、新鮮な学びを得られるのが実習指導を通して関わる看護学生の姿だと思います。

実習指導をしていると、普通に看護師として働く中では気づくことがなかった発見もあります。

目の前にいる看護学生は、近い将来自分の後輩になり、同じ現場で働く看護師だということを意識しながら、丁寧に指導をして一緒に沢山のことを吸収して欲しいと思います。

最後に

最後に

画像:shutterstock

看護師という仕事は、人間関係も仕事内容もハードで大変な仕事だと感じます。

だからこそ、以前は看護学生時代から厳しさに耐えられるような指導をおこなっていました。しかし、今の看護学生に対しても、同じように効果のある指導法とはいえません。

患者への看護と同じように、看護学生の指導も一人一人に合わせた変容が必要です。

そして、今の看護学生に必要なのは看護師の手本となる実習指導者に、必要なときに自ら相談できる環境で、実習をやり遂げられるよう背中を押す声かけと、自ら学ぶ方法を指導することです。

そのような実習指導者の下で看護学生を育てていくことにより、患者に対してひたむきに考えることのできる看護師となり、思いやりのある良い看護につながるのではないでしょうか。

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