泌尿器科病棟で働く看護師の特徴と私の体験談

泌尿器科病棟で働く看護師の特徴と私の体験談

私は東京都内の都立系総合病院の泌尿器科病棟で4年勤務していました。

泌尿器科病棟というと、下の世話や、感染症といったイメージもあるかもしれません。

しかし、排泄は人間の基本的欲求に関わる部分であり、患者自身も口に出すのも恥ずかしいと思って来院してくる患者もいます。

また、前立腺肥大などは、高齢男性の誰もが起こりうる疾患であり、前立腺癌は男性の罹患する癌としては、胃癌、肺癌に次ぐ数になります。

女性看護師だからこそ必要とされている診療科でもあり、女性看護師ならではの細やかな気配りとコミュニケーションが、患者が安心して治療を行えると思います。

私が経験した泌尿器科病棟で働く看護師の仕事内容やスケジュール、働いて感じたことを説明していきます。

看護師から見た泌尿器科病棟の特徴

看護師から見た泌尿器科病棟の特徴

看護師から見た、泌尿器科病棟の特徴をご紹介します。

泌尿器科病棟はイメージ通り、他の診療科より少し特殊な特徴があります。

 

(1)男性患者が多い傾向にある

泌尿器科病棟では、排尿に関わる領域と、生殖器に関わる領域を扱います。生殖器といっても女性生殖器は婦人科で診るため、必然的に患者は男性が多くなります

また、泌尿器科は高齢の男性患者が多く、術後せん妄(手術をきっかけにしておこる精神障害)が起こる確率も高いです。

私の経験ですが、泌尿器科病棟で看護師として働いていた時に、夜中に手がつけられない状態になり、医師に指示を仰ぐこともありました。

 

(2)扱う領域、疾患は多岐に渡る

私が勤務していた泌尿器科病棟では、主に腎臓、尿管、膀胱、尿道、陰嚢、精巣、前立腺に関わる疾患を扱っていました。

代表的な疾患は、

  • 膀胱癌
  • 前立腺癌
  • 副腎癌
  • 精巣癌
  • 前立腺肥大症
  • 腎盂腎炎
  • 尿路結石
  • 水腎症
  • 包茎

などですが、私が泌尿器科に勤務していた時は、尿管への異物混入といったものもたまにありました。

 

(3)外科系の看護が多い職場

男性が年齢を重ねると、前立腺肥大症になる患者が多く、排尿困難になると、前立腺切除術を受けます。(前立腺癌、膀胱癌も非常に多い疾患です。)

前立腺肥大症、前立腺癌、膀胱癌の手術療法はどこの病院でも扱う件数の多い治療法です。

前立腺肥大症、前立腺癌、膀胱癌の手術は、経尿道的に行われることも多く、手術侵襲が低く、入院から退院までのサイクルが早いのも特徴です。

私が勤務していた病院では、腎移植患者や慢性腎不全での透析療法を受ける患者も泌尿器科で診ることもありました。

 

(4)働く男性看護師も多い

私が勤務していた泌尿器科病棟では、男性の患者が多く、男性器などのデリケートな部分も扱うため、男性看護師の配置が多い印象でした。

そのため、泌尿器科は男性看護師が多く、医師も男性が多い傾向にあります。

また、私が勤務していた泌尿器科病棟では、患者が同性スタッフとの相談を希望することもあり、男性看護師の存在はとても助かるものでした。

 

看護師の仕事内容

看護師の仕事内容

私が勤務していた泌尿器科病棟で働く看護師の仕事内容を体験談からお伝えいたします。

 

(1)患者の手術前後の看護

泌尿器科では前立腺肥大症、前立腺生検、前立腺癌、膀胱癌の手術件数は多く、疾患・術方式に合わせた周手術期の看護は、看護師の大きな役割であり仕事内容です。

術方式は、疾患により開腹、鏡視下、経尿道的手術で行われ、麻酔も全身麻酔、腰椎麻酔などに合わせて術後看護を行います。

 

(2)尿路ストマの管理や指導

膀胱腫瘍などにより、尿路変更術を行い、人工膀胱を造設する患者おり、看護師は患者に対して尿路ストマの管理や指導も行います。

人工肛門に比べると、泌尿器科以外でみることが無い場合もあり、よい経験になります。

また、泌尿器科病棟で働く看護師は尿路変更術を行った患者が在宅へ帰る際に、自己管理できるよう指導を行う必要があります。

膀胱、尿管、腎臓によって種類も異なり、他科では経験できない看護師としての知識が身に付きました。

 

(3)IN OUTバランス計測

術後、疾患や状態によっては1時間ごとのIN OUTバランスを計測する場合もあり、かつ、膀胱灌流を行うこともあるため、IN OUTバランスの計測も看護の仕事内容になります。

 

(4)疼痛コントロール

前立腺癌、膀胱癌は骨転移も多く、疼痛コントロールのために入院してくることも多々あります。

麻薬の使用についても主治医やペインコントロールの専門医と相談しながら看護師が導入、量調整を行っていくことも多いです。

 

(5)導尿、尿管カテーテルの挿入

泌尿器科病棟で働く看護師は、導尿を行うことや、尿管カテーテルの挿入を行う機会が必然的に多くなり、仕事内容となります。

そのため、導尿、尿管カテーテルの挿入のスキルは向上しました。

一方で、前立腺肥大や、前立腺癌、膀胱癌があると、尿管損傷や、出血のリスクが高く、私が働いていた病院では、そのような患者に対しては、医師が挿入していました。

 

(6)化学療法の看護

患者の手術後、化学療法に移行することや、放射線療法とともに選択される治療法です。

入院化学療法が行われる際に、抗がん剤スケジュールに合わせて投与し、副作用出現時の看護介入を看護師が行います。

 

(7)看取り

癌治療を行ってきたが、在宅ではなく、最期まで病院で治療を行うことを選択し、亡くなる患者を看取ることも泌尿器科の看護師として多くあります。

そのため、私が勤務していた泌尿器科病棟では看取りも看護師の仕事の1つでした。

 

1日のスケジュール

1日のスケジュール

私が泌尿器科病棟で勤務したときの1日のスケジュールについて説明していきます。

(1)日勤のスケジュール

8:30~【病棟全体申し送り】
(重症、要注意患者、術後患者について)
・一般状態に加え、尿量や尿性状の変化についても申し送り
8:45~【チームごとのウオーキングカンファレンス】
・患者のベッドを回り、日勤へ担当交代の挨拶
・チーム全員で術創部、ドレーン、ウロストミー、膀胱留置カテーテル、点滴の確認
8:50~【医師回診】
・手術患者の包帯交換介助、膀胱留置カテーテル抜去、離床などの指示受け
9:00~【受け持ち患者ラウンド】
・検温、点滴交換、術後の清拭、陰洗、初回歩行実施
・その日の手術準備、ルート確保、手術着更衣、弾性ストッキング着用
・検査出し等
10:00~・抗がん剤準備、投与
10:30~・オペ出し
・手術室入室申し送り、手術後ベッド準備
10:45~・予定入院患者入院受け
・入院オリエンテーション、手術オリエンテーション実施
・術前検査出し・手術準備
・手術着、腹帯、弾性ストッキング準備
・患者への悌毛実施
11:30~・看護師が交代で昼食休憩
・昼食前準備、血糖値測定、インスリン投与、食前薬投与
12:00~・昼食介助、内服薬投与
12:30~【ラウンド】
・尿量確認、点滴、化学療法スケジュール確認
13:00~・手術迎え、術後処置。術後バイタルサイン測定。創確認
・指示時間ごとのIn・Outバランス確認
13:30~【ショートカンファレンス】
・病棟全体で重症要注意患者の情報共有
・退院支援、看護問題カンファレンス実施
14:00~【緊急患者入院受け入れ】
・癌治療通院している患者の体調悪化
・尿管ステントを挿入している患者の血尿
・結石による急激な腹痛
・異物混入による緊急手術
などにより緊急入院してくる患者の受け入れを行う
15:00~・カルテ記載を行いながら、手術迎え
・術後バイタルサイン測定
・術後の観察。点滴交換等実施
16:00~ラウンド
16:45~夜勤者への申し送り
17:15~勤務終了

以上が泌尿器科で働いた時の看護師の日勤での1日です。

 

(2)夜勤のスケジュール

夜勤は以下を確認してください。

16:30情報収集
16:45日勤者からの申し送り
16:50ウオーキングカンファレンス
17:00夕食休憩
17:30【医師夕方回診】
・包帯交換介助、指示受け
18:00夕食前準備、血糖測定、インスリン投与、食前薬投与
18:30夕食介助
19:15【ラウンド】
・検温、点滴交換、手術後経過観察
・初回離床
20:30・翌日手術、検査準備
・患者への下剤、前投与薬投与
21:00消灯
21:15・カルテ記載
・翌日点滴準備、翌日手術患者カルテ、検査項目確認
23:00【看護師が交代で休憩】
・ナースコール対応
・緊急入院対応
24:00・In・Outバランス確認
・畜尿確認
・点滴交換
・ナースコール対応、緊急入院対応
5:00・交代で朝食休憩
6:00【ラウンド】
・検温、採血、検尿、点滴
・手術前準備、浣腸、ルート確保、前投薬投与
7:30朝食前準備、血糖測定、インスリン投与、食前薬投与
8:00朝食介助
8:30日勤者への申し送り
8:45カルテ記載
9:15勤務終了

 

働いて私が感じたこと

働いて私が感じたこと

私が泌尿器科病棟で働き感じたことを説明していきます。

 

(1)看護師として外科看護の経験が増えた

泌尿器科病棟で看護師として働いたことで開腹、鏡視下などは他の外科でも経験しました。

そのため、経尿道的手術は泌尿器科、婦人科での経験になりスキルが身に付き、同時に灌流液による持続膀胱洗浄や、In Outバランス計算にも強くなりました。

 

(2)女性看護師だから働きづらいと言うことはなかった

昔は、泌尿器科というと、感染症のイメージが強かったこともあります。

しかし、私自身は、泌尿器科病棟が看護師にとって他の科より働き辛いと思ったことはありませんでした。

現在、泌尿器科疾患は多岐に渡っており、前立腺癌などはロボット支援手術など最先端の治療も主流になってきており、非常にやりがいの大きい科だと思います。

 

(3)女性として無力感を感じることもあった

患者は男性患者が多く、婦人科病棟とは全く異なる雰囲気であることは確かです。

どうしてもデリケートな部分は男性医師に相談しなければ解決できないこともあり、女性看護師であることの無力感を感じることもありました。

新人看護師や、婦人科、整形外科といったところから泌尿器科病棟へ異動すると、違和感を覚えることはあるかもしれませんが、慣れると、人間の基本的欲求である排泄に関わる看護は、私にとっておもしろいものでした。

 

(4)気まずい思いはあるが慣れる

泌尿器科病棟で気まずい思いをすることはありますが、慣れるとコミュニケーションと手技が身に付きます

例えば包茎の手術で入院してきた若い患者からは、「こんなに若い看護師が担当するとは思わなかった。男性か、せめておばちゃん看護師に担当をしてほしい」と言われたことは何度もありました。

そのときは、それが病院の取るべき配慮というものなのかと、申し訳なく思うこともありました。

また、慣れないうちは、陰部洗浄や、処置するだけで、男性器が意図せず反応してしまうことがあり、気まずい思いをすることはありますが、慣れると次第に気を紛らわすコミュニケーションや、手技が身に付いていきました。

 

最後に

他の診療科に比べ泌尿器科は患者に取ってとても需要が高いといえます。

泌尿器科特有の仕事内容を十分理解した上で看護師としての転職を決めることをオススメします。

この記事を読んでいただいて少しでも泌尿器科で働く看護師のイメージをつかんでいただけたら嬉しいです。

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