看護師のクリニカルラダーとは?充実した教育環境の病院を見抜け!

   

最近では、クリニカルラダーによる看護教育制度を取り入れている病院が多くなりました。

しかし、今までクリニカルラダーを採用していない病院に勤務していた看護師にとっては全く何のことかわからないものです。

このクリニカルラダーには、スキルアップを目指す上でメリットとなることもあれば、デメリットになってしまうこともあります

また、看護師経験が長くなればなるほど、転職先で新人看護師と同じようにクリニカルラダーによる教育制度を受けなければならないとなると不安も大きいことでしょう。

そこで、今回は看護師のクリニカルラダーについて知り、転職に活かしていきましょう。

クリニカルラダーとは

クリニカルラダーとは、臨床における看護の質や看護実践能力を行うための育成支援システムです。臨床で必要な看護技術を難易度で分け、それらの技術の習熟度によって一定の基準に基づいて段階式にレベル設定(レベルⅠからレベルⅣが一般的)し、そのレベルに合った教育(看護実践能力の向上)を行うというものです。

簡単にいうと、指導や研修を受けながら各レベルに設定された知識や技術などの到達目標を達成していくのです。

レベルを達成すると順番にレベルが上がっていくという仕組みです。

このクリニカルラダーがあることにより、新人看護師として入職したあと、一人前の看護師として成長するためには、基本的なことから専門的なことまで、多くのことを身につけていかなければなりません。

その身につけるべき内容がわかれば、次のレベルに上がるために、今自分に不足している知識や技術が明確になります

また、どの看護師も共通のレベルを経験していくため、その看護師のレベルによってできること、できないことが客観的に判断しやすくなります。(クリニカルラダーはレベル別に到達目標を設定しているため、ある程度、自分がどのレベルであるか参考にすることができます。)

レベルがある程度のところまで到達すると、一人前の看護師として十分機能できると見なされ、その後は専門的な領域に進むことになります。

クリニカルラダーは病院によって違いがある

クリニカルラダーには、考案者のベナーが提唱する一定の基準がありますが、ほとんどの病院では病院独自に変容して使用しています。

なぜなら、病院の機能によって一人前の看護師として必要な知識や技術が異なるからです。

そのため、クリニカルラダーという名称ではなく、キャリア開発、キャリアラダー、ラダー教育という呼び方をされることがあります。

1年目の新人看護師は、基本的な知識と技術が主になるため、どの病院でも大きな差はないでしょう。

しかし、2年目から指導研修を取り入れているところもあれば、3年目、5年目までじっくりとゆっくり育てていくという病院もあります。

そのため、現在勤務している病院でのレベルが、他の病院でのレベルと全く同じであるとは限らないのです。

特徴から見るメリット・デメリット

特徴から見るメリット・デメリット

クリニカルラダーの特徴から、働く看護師が感じる一般的なメリット・デメリットをご紹介します。

看護実践能力段階を客観的に評価・判断が可能

クリニカルラダーの一番のメリットは、看護師の看護実践能力段階を客観的に評価し、判断できるということです。

看護師本人も指導する側もレベルアップのために不足している知識や技術を具体的にピックアップしやすいため、自己啓発や個人に合わせた看護教育、指導に生かすことができます。

また、看護師にとって進むべきレールが用意されていることも常に上を目指す看護師にとってはステップアップしやすい点です。

さらに、転職などの際に、自分がどの程度のレベルであるか比較することができます。

病院全体で統一されたスキルを身につけることが可能

病院全体で統一されたクリニカルラダーがあることにより、部署の違いに関係なく同じレベルの看護師に必要な技術や知識を身につけていくことができます。

そして、経験年数だけでなく、それぞれの看護師としての成長スピードや生活環境に合わせて無理なくステップアップしていくことができるのです。

必ずステップアップしなければならないとなると負担に感じることもありますが、状況に合わせて今年はレベルアップ研修に参加しないという選択をすることもできます。

学習時間は必然的に多くなる

クリニカルラダーに力を入れている病院ほど、レベルごとに必要な講習や研修、その際の提出物などが豊富にあり、ステップアップするためにはそれらへの参加が必須となっている場合がほとんどです。

そのため、通常の看護業務に加えてクリニカルラダーのレベルを上げていくために費やす時間が増え、残業や自宅に帰ってから、休日を利用して学習をしたり資料を集めたりと拘束される時間が多くなります。

現在必要がない技術や知識も学ぶこととなる

クリニカルラダーが統一されていることにより配属先では必要のない技術や知識に関しても、学ぶ必要があり負担になることもあります。

私の勤めていた病院は、どちらかというと教育熱心で毎月必ずレベル別研修がありました。

そのため、配属先では経験していない研修であれば、最初から学習しなければならず、配属先でやらなければならない勉強会などに加えてレベル別研修の学習もするため、プライベートな時間はほとんど学習に費やすしかないという時期もありました。

ステップアップの方法がクリニカルラダーに縛られる

仲間や患者さんからどれだけ看護師として認められていたとしても、年に1度の評価の際に、必要なレベルに到達していなければステップアップすることができず、中にはクリニカルラダー自体を負担に感じてしまう看護師もいます。

クリニカルラダーに左右され、自分の望む方法でステップアップしていくことができないという点は、時に苦痛となる場合もあるのです。

転職時にはクリニカルラダーへの取組方に注目

転職時にはクリニカルラダーへの取組方に注目

クリニカルラダーを採用している病院が多いからこそ、転職先を定める際には、どの程度クリニカルラダーに力を入れた教育を実施しているかに注目してみましょう。

クリニカルラダーのメリット、デメリットを知ることにより、クリニカルラダーに安心を感じる方もいれば、クリニカルラダーがない方が自分らしく働けるのではと感じる方もいるでしょう。

また、自分自身のスキルアップを目指して看護師転職をする場合、自分の望む方向にスキルアップできるかは気になるところでしょう。

クリニカルラダーのスケジュールをチェックしておく

病院のホームページなどには、その病院ごとのクリニカルラダーによるレベルの基準、1年間のレベル別研修の内容などが載せられています。

そのスケジュールが細かく、定期的に研修や提出物がある病院と年に2回程度しかない病院では、クリニカルラダーへの力の入れ方に違いがあります。

また、全職員が対象なのか、常勤のみ対象なのかという点も重要です。

特に、全職員となるとパートの看護師は常勤の看護師よりも勤務時間が少ない分、拘束時間が増えるほど負担になってしまいます。

研修内容の詳細を確認しておく

クリニカルラダーのレベル別研修の内容に興味が持てるのかという点も見ておきましょう。

大きい総合病院などでは、一般的に必要とされる研修内容になっていますが、診療科が限られることや、単科の病院はある程度、その病院に特化した研修内容になっています。

そのため、その診療科が学びたくて病院を選ぶという場合には、目的にあった興味の持てる研修内容であるかどうかも注目するポイントになります。

自分のスキルアップのイメージと照らし合わせる

クリニカルラダーは、全体的に必要な内容を身につけたとみなされるレベルに到達すると、その後は専門領域へとステップアップします。

そのため、現在の自分のレベルからある程度、自分の目指す看護師像になれる年数が予測できると思います。

そして、その後の専門領域での学べること、挑戦できることが理想的な内容であるかが大切です。

たとえば、3年後に認定看護師や専門看護師に挑戦したいと考えている場合、今からの3年間をそのための準備期間として集中して利用することができるのか、それとも専門に学びたい領域以外にも必須の研修などがあるのかによっては、スキルアップするための環境が変わってきます

病院によっては、新人教育や学生の教育をする役割が優先されてしまい、思うように専門領域の経験を積めないこともあります。

自分の理想とするプランがある場合は、クリニカルラダーがスキルアップに活用できる場合と、そうでない場合も考えて十分見極めなければなりません。

最後に

最後に

クリニカルラダーを採用していない病院では、指導にあたる看護師に、その都度必要な知識や技術を学び、その後は自分自身で学びを深めていかなければいけません。

しかし、その方が自分に合う方法であり、負担なく仕事ができるという方もいます。

その反面、自分で学びを深めることが苦手だからこそ、必要な研修など与えられた機会に参加していくことで自然とスキルアップしていきたいと考える方もいます。

また、クリニカルラダーは病院ごとで内容、力の入れ方に違いがあり、その教育方法もさまざまです。

クリニカルラダーが原因で転職を決める看護師もいると思います。

自分にとってのメリット、デメリットをしっかり見極めて、看護師としてまた新たな学びを得られるよい職場を探してみましょう。

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配属先 病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事
対応エリア 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
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