特別養護老人ホームの管理職枠で転職をしようと考えているけど、どんな仕事をすればいいのか分からない方が多いのではないでしょうか。
また、特別養護老人ホームに勤務していて管理職をお願いされることもあります。
私は特別養護老人ホームで管理職を4年間行っており、初めは病院とは違った内容の仕事内容で混乱もしました。私が経験した特別養護老人ホームの管理職の仕事内容を一覧でご紹介していきたいと思います。
管理職看護師の仕事内容13つ
看護職員の勤務表を作成・人数調整
特別養護老人ホームでは、基本日勤のみの業務ですが、施設によって夜勤看護師が在籍している場合や早番・遅番勤務があるところがあります。
そのため、管理職看護師は常勤、非常勤の勤務日数を考え、1日の必要人数の調整を行うことが仕事です。
人数が足りない場合は、看護師にお願いをすることや人間関係が求められます。
各フロアの状況把握・日々の問題解決
私が勤務している特別養護老人ホームの管理職看護師は、基本フロアの担当看護師をつけて、朝の申し送りや随時報告を受け、各フロアの状況を把握することが仕事です。
ただ、各フロアで問題が発生した場合は状況によって、自分で現場に行き確認・解決しに行きます。(ほとんどの場合は現場に行くことが多いです。)
また、看護職員だけではなく、介護職員などの話も聞き、仕事の妨げにならないようにスムーズに解決していきます。
健康診断の調整
特別養護老人ホームでは年に1回必ず利用者の健康診断を実施しなくてはなりません。
日程調整や工程、準備、指示だし、職員の配置、実施当日に至るまで管理職看護師の仕事は多いと言えます。
また健康診断終了後も異常がある利用者に関しては嘱託医に上申し指示をもらい、すべての利用者に対して対応が出来ているか管理職看護師が管理します。
様々な会議への参加
特別養護老人ホームでは、様々な会議があります。
医務課会議、職員会議など名前はさまざまだと思いますが、管理職は会議に参加する機会が多く仕事内容の一つだと感じます。
管理職看護師は、看護職員の意見をまとめて会議で発言していきます。
また、私が勤務している特別養護老人ホームでは、施設入所を待っている方(待機者)の入居を判定する会議が年に2回あり、その判定会議に管理職看護師は参加していました。(ひとり一人に点数をつけていき順位を決めていくことを実施します。)
医療面で確認しておかなければならないことや、自分の施設では受け入れられるレベルかどうかなど、嘱託医にも確認を取りながら決めていきます。
外部研修への参加
管理職看護師は教わる人がそもそも施設内に不在のため、自分自身のスキルアップにつながるような外部研修を私は仕事だと思って参加しています。
利用者・家族へのクレーム対応
看護職員が利用者や利用者家族からクレームを受けた場合でかつ、解決しない場合管理職看護師は一緒に謝罪や話し合いを行い、クレーム対応を行うことが仕事です。
私は、クレームを受けた場合に必ず、該当した看護職員の話も聞き、状況を確認し、ご家族の話も聞くことを心がけています。こちらが完全に非があれば謝罪をしますが、一概にそれだけではない場合についてはご家族としっかり話し合うことも必要となります。
また、管理職看護師は、そのあとの事故の検証や対策、職員の指導を行うことも仕事です。
救急時のオンコール対応
私が勤務している特別養護老人ホームでは、基本日勤での看護職員が多く夜勤看護師は少ないです。
そのため、管理職看護師がオンコール対応を行う場合があります。(基本的には看護職員が行う場合が多いと言えます。)
また、オンコール対応以外にも、オンコール対応を行った看護職員から夜間の電話が管理職看護師にかかってくる場合も多いと言えます。
看取り契約時の参加
特別養護老人ホームでは、終末期(ターミナルケア)を実施します。最終的に回復の見込みがないと医師から話があり、利用者本人、またはご家族が看取り介護を希望された場合、看取り介護の契約をします。
その契約の際に私が勤務している特別養護老人ホームでは、管理職看護師が施設としてできること、できないことをしっかり家族に説明し、契約の場に立ち会っていました。
職員からの日々の相談
私が勤務している特別養護老人ホームでは、管理職看護師は看護職員だけではなく、介護職員や相談員、ケアマネジャー、栄養士など他職種の人からも良く相談されます。
介護職員は20代の若い人も多く、場合によってはアドバイスをしてあげることや、相談後のフォローを行うことも管理職看護師の仕事だと感じます。
一般的な特別養護老人ホームでは、管理職看護師にくる相談は看護職員がほとんどだと思います。
ベッドコントロール
私が勤務している特別養護老人ホームでは、ベッドコンロトールも管理職看護師の仕事の一つでした。
病院と違う点として、特別養護老人ホームは利用者の「生活の場」であるため簡単に居室変更はできないことも多々ありました。
嘱託医と連携
特別養護老人ホームには必ず嘱託医がおり、週に何回か回診をするため看護職員は回診の補助につきます。
基本的に看護職員が回診の対応をすることも多いため、医師からも看護職員からもなにかあれば、管理職看護師(私)に相談が来るようにお願いを行います。
また、管理職看護師は嘱託医と一番接点が多いため、繁盛に話し合うことや関係性を構築しておくことも仕事だと言えます。
家族会や地域住民への介護予防講習の実施
私が勤務している特別養護老人ホームでは年に数回家族会が開かれ、管理職看護師は看護職員として行っていることを家族に説明をしたり、医療系の質問があった際は答えたりと対応を行うことも仕事でした。
さらに、地域住民への介護予防講習は、施設の近くに住んでいる高齢者や家族などを対象に、介護予防について各職種から話をすることや、実際介護予防の体操などを行っていました。
病院・薬局との協力体制・関係づくり
特別養護老人ホームでは、嘱託医の処方した内服薬を服用しても改善が見られない場合や、状態が急に悪くなってしまった利用者を外部の病院に受診させることがあります。
その際の対応は管理職看護師が行うことが多く、外部の病院(地域医療連携室)との関係性構築は大切な仕事の一環と言えます。
また、特別養護老人ホームは、嘱託医の処方を提携している薬局が薬を届けてくれます。薬局とのやり取りは担当フロアの看護職員が行うことが多いですが、何かあったときには管理職看護師が対応する必要があり、こちらの関係性の構築も重要だと言えます。
最後に
特別養護老人ホームの管理職の仕事内容は、もちろん施設によって実施していること、実施していないことはあると思いますので注意してください。
管理職看護師になって、一番感じたことは「看護のことだけではなく、介護についてよく理解をしていく必要がある」と言うことです。
私の場合ですが、介護のことを自分一人で習得するのは難しく、他職種との連携はもちろん、外部の研修に参加することや、介護についての情報を日々収集することが大切だと感じます。
また、施設の看護師が集まる場所には積極的に参加し、意見交換を行うようにしています。
病院の管理者と違う点として、利用者は長い期間を施設で生活をしているため、もはや「家族の一員」のような目で職員を見ている場合があり、その家族との関係も密になります。
さらに、看護職員だけではなく他職種とのかかわりが多く、特別養護老人ホームの管理者は「母親のような存在」なのかもしれません。
心暖かくなれる特養の管理者として、ぜひ働いてみてはいかがでしょうか。


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