婦人科(病棟・クリニック)で働く看護師の仕事内容

婦人科(病棟・クリニック)で働く看護師の仕事内容
写真:shutterstock

婦人科看護師の仕事内容について考えた時に、詳しい内容までは分からないという看護師も多いのではないでしょうか。

近年の病院の傾向として、診療科にこだわらない混合病棟を採用する病院が増えてきていますが、婦人科は女性特有の疾患であり、入院患者は女性のみであることから他の科と混合することは少なく、「婦人科病棟」もしくは「産婦人科病棟」としている病院が多いです。

そのため、婦人科看護師の仕事内容は、実際に働いてみないと分からないと言ったケースが多く、具体的な仕事内容を知っている看護師は少ないといえます。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 千葉県/31歳
  • 職務経験:総合病院、クリニック
  • 診療科経験:呼吸器外科、呼吸器内科、消火器外科、消化器内科、循環器内科、心臓血管外科、婦人科、小児科、眼科

自宅で看護師ライターの仕事をしながら、現在は子育てに奮闘中。

私は総合病院の婦人科患者が多く入院する女性混合病棟で6年間勤務し、その後、婦人科をメインとするクリニックで約2年間勤務しました。

婦人科看護師の仕事内容の特長として、

  • 様々な医療処置や看護ケアを行う
  • 患者の精神面でのサポートを行う

大きく分けて2つがあり、婦人科病棟と婦人科クリニックでも看護師の仕事内容や役割が大きく異なります

今回は婦人科看護師の仕事内容について、私の経験を元に説明していきます。

 

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1.婦人科病棟:看護師の仕事内容

婦人科病棟:看護師の仕事内容

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婦人科病棟の看護師は、婦人科に関する知識や技術を必要とし、患者に合ったケアを提供し、患者の精神面でのサポートも重要な仕事になります。

婦人科病棟に入院する患者の特長としては、様々な年代の患者が入院し、手術などの急性期患者だけでなく、慢性期やターミナル期の患者が看護の対象となります。

 

(1)手術患者の看護

手術患者の看護

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手術患者に対する婦人科病棟看護師の役割として、手術前患者の精神面でのフォローから、手術後患者の回復過程に沿った看護ケアが重要となります。

婦人科病棟に入院する患者のうち最も患者数が多いのが手術目的での入院です。

婦人科病棟で多く取り扱う手術は以下の通りです。

手術の対象となる疾患 子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮がん、卵巣がん、チョコレート嚢腫、子宮下垂など
手術形式 腹腔鏡下手術、腹式手術、膣式手術など
手術時間 病気の進行具合や手術内容によって異なる
(1時間以内に終了するものから6時間以上要するものまである)
入院日数 入院期間は3日~2週間程度の患者が多い
(平均して1週間程度の入院)

上記以外にも様々な手術を行うため、婦人科病棟は患者の病状と手術内容に沿った看護ケアを行うため、看護師は様々な知識や技術を必要とします。

また、入院期間も短期間であることが多いため、患者の入れ替えが激しく、看護師の仕事量は多く、忙しい病棟であると言えます。

 

(2)化学療法患者の看護

徹底した点滴管理

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婦人科看護師は化学療法を行う患者に対して、徹底した点滴管理を行い、副作用症状の予防・早期発見に努めていきます。

化学療法の対象となる疾患は、子宮がん、卵巣がんなどがあり、手術前に抗がん剤投与を行うケースや(術前化学療法)、手術後に再発が認められて化学療法を行うケースもあります。

化学療法を受ける患者に対する婦人病棟科看護師の主な仕事内容として、

  • 化学療法を受ける患者に対する精神的サポート
  • 確実な抗がん剤投与
  • 抗がん剤投与中・投与後の副作用症状の確認
    (バイタルサイン測定、点滴挿入部の観察、嘔吐の有無、食事摂取量の確認、脱毛の有無、血液データのチェックなど)

などがあります。

抗がん剤投与は何クール(治療期間の一区切り)にも長期にわたって投与を行うことが多いため、先の見えない不安や毎回辛い思いをしなければならないことに対して、化学療法が嫌になってしまう患者も多くいます。

そのため、婦人科病棟看護師は患者の気持ちに寄り添い、長期間かけて信頼関係を構築し、患者が何でも話せるような存在になれるよう精神面でのサポートを行うことが大切です。

 

(3)終末期の患者の看護

終末期の患者の看護

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婦人科病棟では、終末期やターミナル期の患者の看護を行うことがあります。

そのため、婦人科病棟看護師は、患者が穏やかに最後を迎えることができるように、患者や家族の精神的サポートを中心に関わります

終末期の患者に対する仕事内容として、バイタルサイン測定、清潔ケア、CVの管理、人工呼吸器の管理、エンゼルケアなどの処置を行います。

 

(4)緊急時の看護

患者の中には手術後や化学療法後に急変してしまうケースもあります。

婦人科病棟看護師は、患者の急変時や異常時の早期発見を行い、的確な判断力が必要となります。

看護師の救急時の対応として点滴や採血、心電図測定、医師の介助などがあります。また、急変後患者がICUやCCUへステップアップすることもあり、申し送りなどの他病棟看護師への連携も必要となります。

 

2.婦人科クリニック:看護師の仕事内容

婦人科クリニック:看護師の仕事内容

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婦人科クリニックは病棟と異なり、患者の滞在時間が短いため、短時間で患者の状態を把握し必要な看護ケアを行います。

特に精神面での関わりについては、患者と看護師が初対面であることが多いことから、患者から悩みや不安を訴えることは少ないことが多いです。

そのため、看護師は患者の気持ちを読み取り、積極的に声かけを行っていくことも重要な仕事となります。

 

 

(1)診察の介助

診察の介助

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婦人科クリニック看護師の仕事で多いことは、医師の診察の介助になります。

看護師は患者の症状に合わせて医師がどんな診察を行うのかを予測し、診察が円滑に進むようサポートします。

クリニックにもよりますが、来院する患者の多い症状としては、不正出血や腹痛などです。また、ピルの処方や、生理日をずらしたいと希望する患者もいます。

看護師が行う処置として、

  • 診察の介助(必要物品の準備、片付け)
  • 患者の誘導・準備(診察室へ呼ぶ、診察台への誘導・準備)
  • 採血、点滴投与、尿検査など
  • ピルなどの服薬指導(薬の種類、量、服用する日時の確認・指導)

などがあります。

 

検査・視診への患者への不安を解消するもの仕事

婦人科クリニックで行う診察は問診・聴診・触診などの他に、診察台を使用して経膣超音波検査をしたり、子宮膣部を視診したりすることがあります。

初めて婦人科を受診する患者も多く、診察台に乗ることや、診察を受けることに対して抵抗がある方もたくさんいます。

婦人科クリニック看護師は患者の不安が最小限になるよう声かけを頻回に行います。

 

(2)健康診断のサポート

健康診断のサポート

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婦人科クリニックでは区市町村で行う健康診断や、企業で行う健康診断などを行います。

健康診断の内容としては、子宮がん検診が最も多いです。

他にも、婦人科クリニックで行う検査として、子宮体がん検診、ブライダルチェック、性感染症検査などがあります。(婦人科クリニックによって多少異なります。)

婦人科クリニック看護師は、検査の内容や検査結果について患者が理解できているか確認し、必要時医師から説明を行うよう環境を整えます

 

(3)手術前、手術後の看護

手術前、手術後の看護

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婦人科疾患の手術前、手術後の患者に対するフォローは婦人科クリニックで行うことが多いといえます。

そのため、婦人科クリニック看護師は手術前後の患者に対して身体的・精神的サポートを行うことが仕事になります。

 

手術前のフォロー

手術前のフォローとして、自覚症状を訴え来院した患者に医師が診察を行い、手術が必要と判断された場合は手術が可能な病院を紹介します。(病院によっては手術までのフォローを婦人科クリニックで行います。)

例えば、不正出血を主訴にクリニックを受診し、子宮筋腫と診断され他院で手術が決まった患者に対し、手術前まで貧血改善のため造血剤の投与を定期的に婦人科クリニックで行うことがあります。

 

手術後の患者に対するフォロー

婦人科クリニックの看護師は、「病気を告知された」または手術後の患者に対し、精神面での関わりを行います

手術後はクリニックで定期的なフォローを行うことが多く、採血や診察、エコーなどを行います。

患者の病気・手術に対する受け止め方を確認し、社会人の方や子育て中の方など手術をするための時間を取るのが難しい方に対しては、今までの経験をもとに看護師がアドバイスをすることもあります。

患者の中には「(病気が)再発したらどうしよう」と心配する方もいます。

婦人科クリニック看護師は、患者の不安や疑問がないかを把握し、検査結果や医師の診察内容がしっかり患者に伝わるようサポートします。

 

(4)不妊治療検査での医師の介助・患者のフォロー

不妊治療検査での医師の介助・患者のフォロー

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婦人科クリニックの中には妊娠を希望している夫婦に対し、不妊治療を行う場合があります。

そのため、看護師は不妊治療を受ける患者が、何でも相談できる環境を作り、治療に対し前向きになれるよう関わっていきます

不妊治療を受ける患者は治療を受けていることを家族や友人などに話すことができず、誰にも相談できないまま1人で抱えこんでしまうケースが多いです。そのため、看護師は患者から気軽に話かけてもらえる看護師を目指し、患者にとって一番の相談相手になれるよう関わっていくことが求められる仕事です。

不妊治療の内容はクリニックごとに異なり、患者と医師が相談しながら治療を進めていくことが多く、看護師は検査や診察の介助に加え、患者の精神面でのフォローを中心に行います。

また、不妊治療は男性側が検査を受けるために来院することもあります。女性が多い婦人科クリニックで男性が精神的負担になってしまわないように、クリニック看護師は男性に対する配慮も忘れずに行う必要があります。

 

3.最後に

婦人科病棟は、女性特有の病気でデリケートな分、細やかな配慮や心配りができるなど、急性期病棟以上にコミュニケーションスキルが問われる診療科です。

婦人科で看護師として働くには、たくさんの知識・技術に加え、患者への精神的サポートが重要になります。

婦人科疾患は患者の精神的ダメージが大きくなってしまうことが多く、それに伴いケアを行う看護師自身の精神的負担も大きくなってしまいやすいです。

しかし、患者の不安や悩みの中には同じ女性にしか分からないものもたくさんあり、女性看護師にしかできないケアもたくさんあるため、やりがいを感じる職場であると言えます。

また、婦人科病棟の場合、特にがん患者とは、入退院を繰り返すため、信頼関係が生まれます。

「余命をどのように過ごそうか悩んだ末、ホスピスに行くことになり、疼痛コントロールがうまくいき、余生を笑顔で過ごせた患者。」

「残り数カ月の余命を本人に伝えることを拒否した家族共に、話し合い、本人が元気なうちにと娘さんの結婚式を早め、出席してもらえた患者。」

など、様々です。

この記事を読んで婦人科看護師に興味を持った方は、目指してみてはいかがでしょうか。


   
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更新:2019年3月23日
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