在宅緩和ケアクリニックで働いた看護師の仕事内容と体験談

在宅緩和ケアクリニックで働いた看護師の仕事内容と体験談
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在宅緩和ケアクリニックは、一般診療も行っているところがほとんどで「在宅看取りの件数」「疾患の種類、規模」等、様々なクリニックが存在し、訪問看護を併設しているところもあります。

私は在宅緩和ケアクリニックで2年間働いた経験があります。その経験をもとに、働いた看護師の仕事内容と私が働いて感じたことを説明していきます。

【執筆した看護師のプロフィール】

看護師
看護師資格確認済み
  • 神奈川県/36歳
  • 職務経験:がん専門病院(病棟・外来)、クリニック
  • 診療科経験:化学療法科、血液腫瘍科、消化器外科、在宅緩和ケア、プライマリケア
がん専門病院で勤務後、がん・緩和ケア分野リーダーシップコース修士課程を海外で修了。その後、年300件以上の在宅看取り件数のある在宅緩和ケアクリニックで勤務。現在は臨床研究をメインに看護師として活動中。

1.看護師の仕事内容

看護師の仕事内容

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私の勤務していた在宅緩和ケアクリニックは、病院で亡くなることを選択された方の数は除いて、毎日のように在宅看取りがありました。

看護師の主な仕事内容は、外来もありましたが在宅・施設への訪問診療がメインで毎日5~6人の医師が訪問に回り、訪問看護を併設しない在宅緩和ケアクリニックでした。

在宅緩和ケアクリニックは、医療・介護サービスにおける在宅緩和ケアの司令塔のような役割であり、慢性期患者等に医療と介護の両方のサービスをうまく組み合わせて提供をします。

医療と介護の両方のサービスが上手く組み合わない場合、「急速に身体機能が悪化する」「患者を取り巻く全てのサービスが調和しなくなる」などの可能性が出るため、仕事への責任は重大です。

 

(1)訪問前準備

在宅緩和ケアクリニックで働く看護師は、患者訪問時に使用する医療処置物品を医師へ確認し、訪問診療へ出発する前に準備を行うことも立派な仕事です。

患者・家族・医師・訪問看護師に迷惑をかけないためにも、忘れ物をしないことが大切です。

看護師の体験談

点滴の種類や症状緩和のために必要な医薬品・医療機器などは、患者の状態を聞いただけで大体予想がつきますが、医師によって使う道具が多少異なることがあるため確認しながら行うことが重要でした。

また、病院勤務時のように忘れた場合、すぐに医薬物品を取りに行けるような距離ではないため、忘れたときは多くの人の迷惑となりました。

 

(2)医師の診療補助

在宅緩和ケアでは、訪問看護師がケアに入ることがほとんどであるため看護師の主な仕事は診療の補助です。

診療補助の内容としては、

  • 医療処置介助
  • 点滴の実施
  • 患者・家族への指導

などとなり、時には療養上のお世話でシャワー浴や排泄介助を行う場合もあります。

看護師の体験談

医師の診療補助も病院勤務の外来勤務などの看護師違い、医師の相談相手になることや、他事業所や他サービスとのやり取りを行うこと、医師に気づいたことを提案することなども仕事として私は行っていました。

 

(3)患者へ今後の方針を説明する

病状が徐々に悪化する患者に、これから過ごせる場所の選択肢がどのくらいあるのか等の話をすることは在宅緩和ケアクリニックの医師の仕事です。

しかし、患者と信頼関係が看護師あり、事前に医師と打ち合わせができていれば看護師が話やカウンセリングを行うこともあり、私の仕事でした。

看護師の体験談

在宅緩和ケアクリニックでは、完治しない疾患を抱えた患者をケアすることがほとんどですが、進行も早かったり遅かったりと疾患により異なりました。

それぞれの医療・介護施設の役割や機能の知識が自然と身に付き、病院では出会えないような地域の中の限られた患者と疾患に出会うことができました。

 

(4)電話対応

私が勤務した在宅緩和ケアクリニックでは電話対応も看護師の重要な仕事でした。

主に、

  • 患者・家族
  • 病院
  • 施設
  • 訪問看護
  • ケアマネジャー
  • 役所
  • 薬局

等、電話の相手は様々で緊急対応が必要なことや、症状緩和の相談など内容も様々です。

看護師の体験談

電話の相手は、医療者とは限らないため、見えない相手の情報をどう質問して正確に引き出すか、相手の叙述をどのくらい信用して訪問の必要性を医師へ説明・訪問依頼するか難しい判断が必要でした。

また、場合によっては、緊急の訪問診療になり患者からの支払いが発生することになるため、患者の経済状況や緊急訪問の必要性、などの判断を私が電話のみで行う難しさがありました。

 

2.働いて感じたこと

働いて感じたこと

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私が在宅緩和ケアクリニックで働いて感じたことを説明していきます。

 

(1)対象地域に精通していることが大切だった

在宅緩和ケアクリニックの医師が患者を緊急訪問するときは、一刻が大事になる場合が多く、早く患者宅にたどり着けないと患者・家族の不安も増すため、看護師は訪問診療前に道路状況など地域の把握することが必要でした。

私は地域の特徴として、

  • 人口
  • 平均年齢
  • 世帯収入
  • 自治体の方針
  • 施設の種類と数
  • 訪問看護事業所の数・規模・得意分野・分布
  • 道路の混雑状況・抜け道の把握

等を知っておく必要があり、患者ケアの選択肢が広がるように努力していました。

 

(2)看護師として臨床経験が必要になる

私が勤務したクリニックもそうですが、在宅緩和ケアクリニックは、新卒看護師が1人前に臨床をこなせるようになるまで成長させるような教育プログラムが基本的にはないと思います。

またクリニックのため教育体制が整っていない場合も多いです。

そのため、常に即戦力が求められ、ある程度の臨床経験として特にがん緩和ケアの経験が必要だと感じます。

 

(3)すべての疾患患者が対象となる

例えば病院などの緩和ケア病棟では、今のところ対象疾患が悪性腫瘍とHIVに限られていますが、私が勤務した在宅緩和ケアクリニックでは全ての疾患患者が対象になりました。

例えば、

  • 悪性腫瘍
  • COPD
  • 筋ジストロフィー
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  • 認知症

等、時に症状緩和が難渋したり、人工呼吸器増設や胃瘻増設などの難しい選択を考えたりなど、看護師としてやりがいは感じました。

 

(4)患者の多様な価値観を理解することができる

在宅緩和ケアクリニックでは、病院から入院を拒否された患者のケアもするため、大変なことも多かったです。

しかし、患者の多様な価値観を理解していく過程は、今後の私の看護師人生にも役立つと感じます。

また、在宅緩和ケアクリニックの目的は、患者QOLの維持・向上であるため、患者の考え・価値観を尊重することは大事な要素です。

 

(5)訪問看護より的確に患者を把握できる

訪問看護では事業所によって、医療より介護の側面が強いところもあります。

そのため、在宅緩和ケアクリニックの看護師の方が、患者の看護を行うことができ、より患者のことを的確に把握することが出来ると感じています。

 

3.最後に

最後に

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在宅緩和ケアクリニックの看護師は、表に立たない補助的な役割となりますが、訪問診療をスムーズに進めるために重要な仕事を担っています。

そして、医師や他施設との調和が求められ、看護師から現状を改善していく積極性も必要です。

また、患者・家族の意思決定には、医師の意向が強く関わると言われておりますが、その医師の意向に影響を与えられる立場に看護師がいます

在宅緩和ケアクリニックは、緩和ケアの分野で一度経験したい職場だと私は感じます。

緩和ケア外来で働いた看護師の仕事内容と体験談

2019.09.10

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更新:2019年9月22日

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