自分自身に子供がいる、いないに関わらず子供が好きかどうかは小児科で働く上でとても重要です。
しかし、それだけでなく成人とは違う小児科の看護師特有の悩みがあります。
今回は、小児科の看護師が抱える不満や悩み、またその対処法についてまとめてみました。
生意気な子供たちの対応が辛い時の対処法
小児科は乳児、幼児だけでなく小学生や中学生の子供たちも入院してきます。ある程度年齢が高くなれば、子供といえども口は達者になり力も大人に負けないくらい強くなってきます。
そのような子供たちと関わっているとさすがにイライラしてしまうことがありますが、相手は子供であり患児ですのでイライラする感情をぶつける訳にもいかず、ふつふつと溜まったストレスが原因で小児科を辞めたくなってきます。
生意気な子供たちの対応に疲れたときの対処法は以下の通りです。
小中学生の心情を理解すること
小中学生の患児に対してイライラしてしまう時は、「患児は身体も心も闘っている」と理解する努力をしましょう。
「身体も心も闘っている」とは、小中学生は少しずつ大人に向けて成長している段階のため、幼い子供のように感情をうまく表現することができなくなってしまいます。
病気になると身体だけでなく我慢すること、悲しさを抑えることなどさまざまな心の葛藤があります。そんな心情を理解することで、小中学生の患児に対しての関わり方が大きく変わるはずです。
小中学生の態度はストレートに受け取らないこと
小中学生の患者が看護師に対して暴言を吐くことや困るような態度をしているときには、その様子をストレートに取るのではなく、心で葛藤している思いがあると思って関わるようにしましょう。
たとえば、病室に誰もいない隙を狙って2人きりで話をしたり、手紙を交換したりしながら信頼関係を築いていきます。すると、最初は特定の看護師に心を開き、やがて自分の心の内を他の看護師にもぶつけられるようになっていきます。
そんな関わりができるようになると、あれほど苦手だった小中学生の患児との関わりが苦でなくなり、小児科の看護師でよかったと思えるようになってきます。
子供たちが言うことを聞いてくれない時の対処法
小児科で勤務していて1番困ることは、治療に差し支えることなのに言うことを聞いてくれないというときです。言うことを聞いてくれないために、医師の指示通りに看護ができていても結局は看護師の責任になるため理不尽に感じてしまいます。
特に、検査の時間を伝えていたにも関わらず、その時間にわざと病室からいなくなり、病院内をくまなく探しても見つからず他の部署にも迷惑をかけてしまったことがありました。
結局検査が受けられず、上司、医師から数日にわたり指導されてしまい、思わず「もう辞めます」と口走りそうになりました。
子供の都合に合わせた看護をすること
子供が言うことをきかないことにイライラする時は、「そもそも子供は大人の言うことを聞かない」ということを念頭に入れ、患児に看護師が合わせる努力をしましょう。
検査を拒否する患児であれば、検査科に協力してもらい病棟から連絡をした時間で検査をしてもらうように調整します。
「今はごはんを食べたくない」というのなら、いつなら食べられるのか・どうしたら食べられるのかを聞き、おにぎりにしてみてることや、母親にお弁当箱を持ってきてもらいお弁当風にして病院の外のベンチで食べるなど、子供がご飯を食べられるように考えましょう。
検査を嫌がる患児が検査を受けることができたとき、ごはんを食べることができたときには「よし、勝った」とどこか気分が大きくなります。
ポイント!
考え方ひとつで、言うことを聞かずわがままばかり言う患児の方が子供らしく、可愛くさえ思います。
モンスターペアレントへの対応が辛い時の対処法
小児科の看護師をしていて成人の看護よりも大変だと思うことは、患者が子供だからこそ親が絡んでくることです。親が関わってくると、子どもたちを看護する以上に時間と労力を使います。
よく出会うモンスターペアレントは以下の通りです。
- 看護師を指名してくる保護者
- 子供の意見を聞かずに、真っ先に質問に答えてくる保護者
これらのモンスターペアレントに出会ったときは、以下の対処法がお勧めです。
病棟として一貫した態度をとる
小児科では、親が看護師を指名してきたり、正当な理由なしに「あの看護師をうちの子に近づけないでほしい。」と言われたりすることがあります。
そんな場合はケースカンファレンスを開き、家族への接し方についてディスカッションしましょう。病棟で一貫した態度をとることで「あの看護師はこうしてくれた」などのクレームを避けることができ、看護師の指名はなくなります。
1人の看護師が過剰な対応をしてしまうと患児の親はそれを基準にしてしまうため、注意が必要です。あくまで平等に接する姿勢を保つことが大切です。
ポイント!
親のさまざまな訴えや反応も子供を思ってのことだと思えるようになれば、患児の家族との関わり方も変わってきます。
患児の考えを聞きだす努力をする
会話ができる年齢の患児であれば、たとえうまく表現できなくても症状や思っていることを子供の言葉で聴きましょう。
子供の入院の際は親との関係性も重要なためもちろん親の考えも聞きますが、どんな状況でも病気と闘う本人の意見を尊重することが大切です。
- 患児の前で話をするときは、患児の目線の高さに合わせて患児に向かって話しかける
- 親が先に話し始めてしまった場合、「○○くんのお話が聞きたいな」というように患児の言葉を待つ
このように、うまく患児の気持ちを患児の言葉で聞き、患児がどう思っているのかを大切にしましょう。
子供の泣き声が耳から離れない時の対処法
小児科で働く看護師の多くは、常に耳にしている子供の泣き声が耳から離れなくなります。新生児の泣き声は声量も小さくあまり気にならないのですが、身体が大きくなるにつれ声量が大きくなり頭や耳の奥にキーンと響くような泣き声になっていきます。
仕事中は記録を書く集中力がなくなることや、頭痛がしてくることもあります。そのくらいまで気になるようになると、今度は病院の外にいても誰かが泣いているような気がして落ち着かなくなってしまいます。
なぜ泣いているのかを考えて泣き止ませる努力をする
乳児や幼児の場合はなぜ泣いているのかが本人から聞けないため、全身状態・環境などをアセスメントしなぜ泣いているのかを少しでも早く看護師が気づくことが大切です。
- おむつが濡れている
- 点滴の刺入部が痛い
- おなかがすいている
- 体調が悪い
- 悪い夢を見ている
- 寂しくて泣いている
このように、泣いている何らかの理由をいち早く見つけ、早く泣き止ませることができれば泣き声に対するストレスが軽減します。
泣き止ませる方法
夜間の夜鳴きの場合、慣れない環境で怖い夢を見ているのかもしれません。そのような時は、無理に寝かせようとしてもなかなか泣き止みません。あえて電気をつけて起こしてしまうのもひとつの方法です。
寂しくて泣いているようであれば、心臓の音が聞こえるように抱いて子供の心拍のリズムに合わせてトントンとしてあげることや、乳児であれば布団やバスタオルで身体を丸くした状態で動かないようにくるんであげるとおなかの中にいたときのような感覚になり安心して眠ることもあります。
患児の泣いている理由を考え、落ち着けるようにすることで大泣きしていたのが嘘のように泣き止むことがあります。落ち着かせるコツをつかみましょう。
ポイント!
本当に状態の悪い子供は大きな声で泣く力もありません。泣き声が大きいほど「元気でよろしい」と言える慣れも必要です。
闘病している姿を見ることが辛い時の対処法
重い病気を患い強い副作用のある薬で治療を受ける子供は治療前と容姿が変わってしまい、どうすることもできない自分に無力感をおぼえ、辛くなってしまうことがあります。
自宅に帰ってからもその思いを引きずってしまうことがあるくらい落ち込んでしまうと、看護師は気持ちをコントロールすることができず冷静な判断ができなくなり、良い看護を提供することができなくなってしまいます。
闘病している子どもに対して思う気持ちをコントロールする方法は以下の通りです。
基本的ニードに沿って看護する
闘病している姿を見ることが辛くなってしまったときは、「ヘンダーソン:看護の基本となるもの」を読んで、基本的ニードに沿って看護するようにしましょう。
例えば「正常な呼吸」では、患者が嘔吐したときには手早く汚物を処理し、窓を開け空気を入れ替えます。また、「適切に飲食する」では、食べやすいものは何か、本人と相談して少しでも食べられそうなものを探します。
ニードを満たすように看護を行うことで、患者の健康回復を促すことができます。看護は無力ではないのです。
イベントによる雑務が多いときの対処法
小児科病棟では、夏祭りやクリスマスなどの会を開いて子どもたちに楽しんでもらうイベントを行うことが多いです。その際、看護師が飾りを作り、出し物を考えるという「イベントによる雑務」が発生し、勤務外の時間を使うことでストレスに感じます。
イベントの準備では、製作物を自宅に持ち帰って徹夜で作ることもあるため、大きな負担になってしまいます。イベント雑務に嫌気が差したときの対処法は以下の通りです。
看護師で平等にイベント雑務業務を割り振る
まずはイベントに必要な準備項目を書き出し、看護師に平等に割り振りします。その際、手先が器用な人・ダンスが好きな人など聞いておき、それが活かせるようなところを手伝ってもらうようにします。
小児科で働く看護師全員で協力して準備することで1人の負担が大きくならず、さほどストレスなくイベント雑務をこなすことができます。
ポイント!
イベント雑務業務は持ち帰らずに仕事時間内に行うようにしましょう。もしオーバーしそうであれば、イベントの準備計画に無理があると判断します。仕事とプライベートを区別することで、ストレスを溜めないようにすることが大切です。
まとめ
小児科の看護師として勤務していた頃、先輩に何かを言われたからという理由よりも患児やその親との関係性に悩んだことの方が多くありました。
しかし、その対処ができるようになると子供のことが読めてきて、だからこそ患児の親にも信頼を得られるようになり、結果的には楽しいと感じるようになりました。
みなさんも、今回紹介した対策を参考にして、辞めたくなったときには少し立ち止まってみてください。きっと小児科の看護師の魅力に気付けると思います。
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