看護師として、キャリアアップするために、「専門看護師」か「認定看護師」を目指したい。
しかし、認定看護師と専門看護師は「どのような違いがあるかが分かりにくい」と思いませんか。たとえ看護管理者の方でも、「認定看護師」と「専門看護師」の違いが明確に判っていないことも多いと言えます。
私はがん看護専門看護師の資格を取得しましたが、認定看護師を取得するかどうかで迷った経験があります。
実際に、認定看護師と専門看護師の違いを表にすると以下の通りです。
項目 | 認定看護師 | 専門看護師 |
学歴 | ・認定看護師教育機関 ・最終学歴にはならない | 大学院卒となる |
修学期間 | ・認定看護師教育課程を6か月以上 (615時間以上) | ・看護系大学院修士課程卒業 ・総計26単位(若しくは38単位) (修学期間2年以上) |
認定試験/回数 | ・40問/年1回 ・マークシートによる筆記試験 | ・実践報告と研修実績 ・研究業績等の書類審査 /年1回 ・筆記試験 |
役割 | 「実践」「指導」「相談」 | 「実践」「相談」「調整」 「倫理調整」「教育」「研究」 |
活動する範囲 | 特定分野が決まっている | 一つ一つの領域が広く 活動できるフィールドを選択できる |
資格手当 | 資格手当がある (病院が多い) | 認定看護師より数千円程度資格手当が高い (病院が多い) |
このような違いの詳細について、がん看護専門看護師の資格を保有している私が、「資格の違い」や「どちらを選ぶと良いのか」を詳しく説明していきます。
認定看護師と専門看護師の違い
先ほど表で説明した認定看護師と専門看護師の違いを詳しく説明していきます。
学歴の違い
認定看護師になるための学校は、「認定看護師教育機関」であり、最終学歴にはなりません。
しかし、専門看護師は、看護系大学院を卒業したことが認定試験を受ける条件になるため、最終学歴は「大学院卒」になります。
まずは、学歴に認定看護師と専門看護師の大きな違いがあります。
修学期間の違い
現時点では、認定看護師になるためには、認定看護師教育課程を6か月以上(615時間以上)の研修を受けることになります。
専門看護師の場合には、看護系大学院修士課程を卒業するために必要な単位だけでなく、専門看護師になるために必要な総計26単位(もしくは38単位)も取得する必要があり、2年以上の修学期間が必要になります。
認定看護師は研修内容が実践に即している
認定看護師は、専門看護師と比べて、研修内容が実践に即しています。
そのため、研修を終えた看護師は、自施設ですぐに実践力を周囲に示すことができます。
また、専門看護師と比較して研修期間が短く(1年未満)、多くの病院が身分・給与共に保障した状態で研修に出してくれる場合が多いと言えます。
認定試験の違い
認定看護師の認定試験は年1回、40問・マークシートによる筆記試験になります。事前に提出する書類も、看護師免許・認定看護師教育機関修了書・履歴書などになります。
専門看護師の認定試験も年1回は同じです。
しかし、内容は、6つの役割を果たしたことを証明するための実践報告と研修実績、研究業績等の書類審査と、筆記試験があります。
認定試験に関しては、専門看護師の方が求められるものが多いのが実情です。
役割の違い
認定看護師、専門看護師には、それぞれに果たすべき役割に違いがあります。
- 認定看護師には、3つの役割:「実践」「指導」「相談」
- 専門看護師には、6つの役割:「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研究」
以上が役割の違いです。
認定看護師が主に看護職を対象として相談や指導を行うことを求められますが、専門看護師は、看護職を含むケア提供者、保健福祉医療に携わる人々に対して相談・調整・教育などを行うことを求められます。
そのため、認定更新をする際には、認定看護師・専門看護師が、求められるその役割が果たせたかを示す必要があります。
活動する範囲の違い
認定看護師は、特定分野が決まっています。
そのため、おのずと自分の活動する領域が決まってきます。
- 集中ケア認定看護師であればICU
- がん放射線療法看護認定看護師であればリニアック室
など、小児救急看護や手術看護、訪問看護なども携わるべき領域が判りやすく、すぐに実践で結果を示すことができます。
一方専門看護師は、一つ一つの領域が広く、活動できるフィールドを選択することができます。
病院だけでなく、訪問看護ステーション、教育機関などに席を置きながら、自分が極めたい領域を選択することや、看護を提供するシステムを構築することもできます。
もちろん、専門看護師資格があったとしても個人の能力や、それまでの実績にも大きく左右されますが、認定看護師よりも専門看護師の方が、活動する範囲が広く、自由度も高くなります。
専門看護師は活動する範囲が広い
専門看護師は、活動する範囲が認定看護師より広いです。
例えば病院にとどまらず、地域や教育機関、行政などにも活躍の場を広げることができます。
また、研究を通して、看護実践を明らかにする力が付き、医師と協働して研究することや、専門看護師と大学などの教員が共同で看護研究を行うことができます。
資格手当の違い
認定看護師・専門看護師の資格手当自体がない病院もありますが、資格手当がある場合には、認定看護師よりも専門看護師の方が、数千円程度資格手当が高いことが多いです。
(勤務する病院によって大きく違いますね。)
しかし、多くの認定看護師・専門看護師が、資格手当以上の活躍を求められており、満足していないのが実情です。
どちらを選ぶと良いのか?目的別で解説
専門看護師と認定看護師、どちらの資格を選ぶか悩んでいる方は、是非参考にしてください。
極めたい看護領域がある場合
こだわりたい領域がある看護師は「認定看護師」の資格取得に向いていると言えます。
例えば、
- 「抗がん剤治療についてその知識と技術を見に付け、安全な投与管理と、看護指導を身に付けたい」
- 「慢性心不全に苦しむ患者さんに適切な指導とケアを提供したい」
といった熱い思いがある看護師は、認定看護師の道にすすむことを推奨します。
また、認定看護師を取得し、自分が極めたい領域で実践力を高め、リーダーシップを発揮することで、キャリアアップが可能といえます。
病院でキャリアアップをし続けたい場合
認定看護師は、自施設(病院)での看護ケアの向上に直接結びつきやすいです。
そのため、結果として実績が評価され、看護主任や師長などのキャリアアップにつながります。
実践力を通して、マネジメント力を身に付け、自施設でキャリアアップし続けたい方は、認定看護師になることをお勧めします。
病院に限らず活動したい
自施設(病院)にこだわらず、看護を通して自分の力を試したい、やりたい看護を極めたいと思う方も、専門看護師の資格取得をお勧めします。
専門看護師は人数が少なく、一人で専門看護師の役割を実践しなければなりません。
つまり、開拓者としての決意と行動力も求められます。
幅広く看護師として活動したい場合
専門看護師は、働く場所や所属に囚われず、自分が極めたい看護領域の中でキャリアアップし続けることができます。
そのため、幅広く看護師として活躍したい場合は、専門看護師が向いていると言えます。
病院という組織にい続けることなく、起業の道を選ぶ方もいますし、博士課程に進む専門看護師も増えています。
倫理的問題にこだわりが強い場合
専門看護師の果たすべき役割の一つに「倫理調整」があります。
つまり、治療選択などの際に生じる倫理的問題に対処したいと感じる看護師は、専門看護師の資格取得をお勧めします。
自分が目指す看護ケアを、理論的に説明できる力をつけるためには、専門看護師となり、医師や薬剤師と同じ学歴となることが効果的です。
患者や患者家族の権利を擁護できる看護師になりたい方は、目指してみてください。
看護実践を研究したい場合
看護実践を形にしたい、研究したいと考える看護師は、専門看護師の資格取得をお勧めします。
看護師は、医師や薬剤師、理学療法士などよりも自分の実践を結果として示すことに躊躇しがちです。
しかし、見える化できないケアは、他の領域の専門家にも「大変な仕事だよね」と言われても、その専門性を理解させることはできません。
実践を形にしたい、看護をアカデミックに語りたい方は、専門看護師に向いていると感じます。
最後に
- 認定看護師(Certified Nurse)とは(日本看護協会)
- 専門看護師(Certified Nurse Specialist)とは(日本看護協会)
専門看護師と認定看護師は両方資格を取得することも、もちろん可能です。
実際に、緩和ケア認定看護師や乳がん看護認定看護師などの取得した後に、がん看護専門看護師になる方もいます。また、逆に専門看護師を取得した後で、訪問看護認定看護師を取得した方もいます。
認定看護師資格がある、専門看護師資格があるからと言って、どちらかの受験資格が免除になるといった特典があるわけではありません。
また、資格を取得したからと言って何かが変わるわけではなく、資格取得後に行動することでキャリアアップや特定の看護を極めることが出来ると私は考えています。
是非、どちらを取得したら良いのか悩んでいる方は、参考にしてみてください。
個人的には、認定看護師・専門看護師ともに、資格取得支援制度がある病院に勤務して取得するのがお勧めです。入職後すぐに、資格支援制度が利用できない場合があるため、計画的に転職活動を行うことを推奨します。
現在の職場で支援してくれる場合は、そのまま資格取得を目指したほうが良いでしょう。
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